シャニマスのアイドル全員をCuCoPaにあてはめる遊び。

 こちらでイカすアンケートを実施されてたので。

 一応説明しておくと、CuCoPaとはCute・Cool・Passionそれぞれの略称で、シャニマスとブランドを同じくするアイドルマスターシンデレラガールズで採用されている各アイドルの属性のことである。

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 デレマスは元々はカードゲーム型のソーシャルゲームで。リリース当時に氾濫していたシステムに則り設計された属性だけども、ゲーム的にも、フレーバー的にも便利がいいのか今でも相応の存在感がある。相応の。

 かつては自己申告でP自身の属性を選択し、Pと同属性のアイドルはアイドルぢからにボーナスが入り、しかもゲーム中に変更不可だったのでけっこー大きな要素だった。

 ピンとこないひとは想像してほしい。

 担当と決めたアイドルが自分と違う属性で、その力を存分に発揮させてあげられない苦悩を。
 もしくは自分と同じ属性だからという理由だけで集めてたのにそれらアイドルがどんどん好きになってって自ずから自属性に愛着を抱くようになる感情を。

 そんななので。
「この娘のドコがCoなんだよう……Paでいいじゃないかよう……」「彼女をPaだとかいうヤツは理解が浅い。どうみてもCoだろう」「なんでやカワイイからCuやろ!!!」「可愛くなんてないアイドルなんていないだろうが!!!!」「そうだ!! だからアイドルはみんなCuだ!!!!」「貴様……ッ 貴様のような奴がいるからッッッ!!!」なんて議論が茶飯事だった。私の視界では。
 それら論駁を生きてきた私的には、極私的にだけども三属性にはカワイイ・カッコイイ・ゲンキ、以外の指標があると思ってる。
 そのアイドルが、なぜアイドルを志しているか。
 コレで大まかに分類できると思っている。以下。


 Cute 理想の自分になりたい。
 Cool みたことのない世界がみたい。
 Passion たくさんのひとを元気にしたい。


 という感じでどうだろう。
 デレを知っているひとは適当なアイドルとその属性を思い浮かべて欲しい。だいたいあってない? バーナム効果的なアレなきもしないではないけど。興味や努力の方向がウチに向かうかソトに向かうかみたいな。

 もう少しそれっぽくいえば。

 Cuteは 他者への興味(承認欲求・自己実現
 Coolは 自身への執着(克服・探求・好奇心)
 Passionは 世間への関心(社会接続・利他精神)

 とかかしら。
 個人的な指標ではあるけれどもこれに沿って決めてってみようかなと思います。

 やっと本題。
 以下色々と知った口を叩いていきますが、全コミュに目を通せているわけでもなく各々各々なりの理解度ではあります。今の自分の理解度メモみたいな気分でも書いていきます。
 あ。でもその前に、これ書いたのはこういうやつみたいな自己紹介をしといた方がいいかしら。

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 じゃあいきます。

・櫻木真乃 キュート
・風野灯織 クール
・八宮めぐる パッション

 説明不要。信号機が三属性なのは当たり前。
 実際んとこ、イルミネのキャラ造型段階で意識されてた部分はありそうよね。「普通の自分」に輝きを探す女の子。クールでストイックな努力家。ありあまる元気で周囲まで笑顔にする少女と。その三人。
 そうして思えば、それぞれのキャラ造型の核になったであろう部分にそれぞれキツいアンチテーゼが含まれてるのがいかにもおシャニさんって感じですね。
 そもそも輝きってなんだろうという自問。努力だけでは報われないストイックさの理由。笑顔で周囲を元気にしているのか、周囲を元気にしているから笑顔でいられるのか。等々……。


・月岡恋鐘 キュート(+パッション)

 周囲のひとびとに「恋鐘はかわいいね」「恋鐘はアイドルになれるね」と褒められて愛されて育ち完全に真に受けたまんまここまで生きてきましたーというスゴい娘さんが一度挫折しながらもそれでも「大好きな人々が恋鐘はかわいいと言ってくれているんだから私はかわいいしかわいくあらねばならない」と立ち上がるまでがWING編のお話だと解釈してるのでキュート。
 この解釈であってるかな。

・田中摩美々 クール

 爬虫類(冷血動物)好きなので。いやそれだけじゃないけど。最近は定温動物とか恒温動物とかの分類は使わないらしいし。

 静かな疎外感のなかで生きてきた彼女は、真剣になれるものと、真剣で居続けている人々と出会って居心地の良さを見出す。そして真剣で居続ける限り、きっと自分の居場所はどこにだって見付かると気付き新たな場所を探し続ける。そんなストーリーラインはいかにもクールて分類したくなる。

・白瀬咲耶 キュート(+パッション)

 多勢派が「いやクールやろ」て言いそうな確信があるけども私は「いや少なくともクールではない」と断言したい。もちろんいい意味で。
 いやカッコイイけどさ。
 まちがいなくカッコイイからクールではあるけどさ。それでも白瀬咲耶をCo属性と呼ぶにはあまりにも利他精神の塊すぎてどうしてもそぐわなく感じる。

 私の分類だと、利他精神強めならパッションになるけど。咲耶さんの場合は「他者のためにあれ」という強い自己規範的な理想を感じるんよね。王子様であること。王子様で居続けること。そこが彼女の核に思えるのでキュート判定。
 あと大型犬だし。

・三峰結華 パッション(+キュート)

 迷ッッッッッッッッッッッッッうけど……ええ……迷うけど……。
 迷うんだよなあ……。ああ……うーん……まあ迷う理由の大きなところは単に理解度の低さというか……だってみんな三峰結華を語るときには口にするnotEQUALのコミュみてないし……セレチケで選びはしたけど他のTrue観てからにした方がいいんかなっつって遠巻きにしてて……あとなんか怖いしnotEQUAL……。
 彼女の場合は、その場その場で最適な振る舞いを選ぶようみえるので当の本人の本心がみえづらいところがあって……その敏さをみるとクールに分類したくはなるけど、自分を隠す、時と場合にさらりと自分を二の次にする精神性は私分類だとクールにはしづらくて……でも、自身のテリトリーに拘泥しているさまはクールっぽくも……ぬおお……。

 改めて思うと、私の中にあるクールらしさってワガママなところなんかもな……そういう観点でみても三峰さんはワガママでもありワガママでもなく……うう……おれのなかの上条春菜が「眼鏡なんでクールですよね!」て叫んでる……「いえ、眼鏡でさえあれば属性は常に眼鏡です!」
 ちゃんと理解が進められれば(進めた気になれれば)クールと断言できそうな気もするんだけど……バランサーとしての立ち位置を思って、強いていえば……パッション……かなあ。

・幽谷霧子 キュート

「自分らしくあることを認めてくれた」と、喜ぶ姿がとても印象的だったので。自己実現=キュート枠。 まあいわゆる「きりこが」の世界観をぶっつけられれば誰しもがキュート枠に選ぶと思う。選ぶんじゃないかな。あとエビ天。



・小宮果穂 キュート(+パッション)

 個人的には小宮果穂はガチのヒーローというか、その卵というか。「救世の主」みたいに思ってるところがあって。なんかもう。この、憧れというものを素材に高純度精製された無尽の行動力があれば何でも出来るんじゃねえのとか思う。
 そんな彼女の理想は「世界平和のために戦うヒーロー」なのだから。なれるよもう。きっと。

 そんなで。利他精神だとパッション判定よねと何度も繰り返してるけど、それでも彼女の原動力は「憧憬」なので。無限尊敬力というか。その意味では圧倒的に「自己実現」がアイドル活動の動機になってるので強めにキュート判定。
 あとやっぱレッド(Coはどっちかてとピンクだが)じゃないと。

 小宮果穂は放クラのメンバーを「すごいです!!」と憧憬し、放クラのメンバーはその憧憬に応えるべく理想の姿を志す。その循環。おーるふぉーわんわんふぉーおーる。わんわん。

・園田智代子 キュート(+パッション)

 みんなだいすきちよこせんぱい。
 チョコアイドルとして自己を確立しようとしている姿にちょっと引っ張られすぎかも。まあ個性に悩んだらもうその時点でキュートアイドルの烙印を捺されるんですよ。それはもうどこぞのリボンから引き継がれ続けているアイマスの逃れえぬ伝統みたいなもんですののわ。

・西城樹里 パッション(+クール)

 デレマスの方でも「属性全部盛り」みたいな言われ方をされるアイドルがいるけど(キュートだしクールでもありパッションともいえる的な)、シャニにで言えば彼女がそうなんじゃないか。
 そういうアイドルにはだいたい濃ゆい担当が付くのよね……。
 ということで迷うんだけど。
 WING編のシナリオを追うとクール寄りに思えるんだけど、私的にスゲ印象に残ったシーンを思うととにかく「優しい……! この娘は……優しいッ!」つって涙腺にくるシーンばっかになるのでパッション判定。プレゼントフォーユーの冬優子に声掛けるシーンとか「なんでこのコは……なんでこのコはこんなに他者に優しく出来るの……」つってほろほろきたね。

・杜野凛世 クール(+パッション)

 こういうタイプの不思議ちゃんはだいたいクールやねん。
 嘘。
 WING等のシナリオだと杜野凛世は不思議さんて印象になるけど、サポートイベントやシナリオでみせる杜野凛世の如才ない才媛っぷりはほんとスゴい。

 詳細は語られないなりに、Pへの懸想は悲恋という色調でまとめられている。いずれきたる別れを不可避のもののように感じてるよなその風情は、かえって未来に目を向けているようで、そのまなざしをもってクールに分類したくなる。

・有栖川夏葉 パッション(+クール)

 行動力も財力も体力も知力も兼ね備えた…………情熱的なひと。
 レッスン魔というとクール属性に強く共通する要素なのでかなりクールに選びたいんだけど、それを上回る勢いで情熱が勝るんでそりゃもうどうしてもパッションになるよなって。

 ついでには、彼女の持つ完璧主義は、自己実現や自己の理想というのもあろうけども責任感みたいなものの強くみえる。気がする。なのでその点でもなおパッション。



・大崎甘奈 キュート

 デレマスといえば総選挙ですが。総選挙という言葉でもって人気投票て語句を駆逐した本家のAKBさんがもうやらなくなったんでもはや専売めいた雰囲気もありそげな気もするけど(社会的には某・呼ばれた業界関係者のガチっぷりを鑑賞するのこそ目的ぽくみえるTV番組な気もするが)。

 デレマスといえば総選挙なんだけど。
 そのなかでキュート属性は長年属性上位を「いつもの」と呼ばれがちなメンツで固められてたりする。今までの八年間で八回ともだいたい「いつもの」という圧倒的な壁の厚さを誇ってるんだけど。その由縁を『キュート上位の連中は『かわいい』だけを武器にあの地位まで登り詰めたんだ。理由なんてない。だから、常に、強い』なんて評されてたりするとかしないとか。

 何が言いたいかというと甘奈ちゃんはその「かわいいだけを武器に上位まで登り詰める」素養があるよな的話。
 印象だけだけど。
 まあもちろん、各種諸々シナリオを読めば「かわいいだけ」なんてのは失礼もいいとこで。芽生えた目的意識が熾火のように静かに燃え始めている様には(+クール)とか(+パッション)とかを付けたくなるけども、なんというか、敬意を表するみたいな感情でキュートと選びたい。
 283事務所のアイドルんなかでいちばん「かわいい」に価値を認めてそげなところもあるしな。

・大崎甜花 クール(+キュート)

 新しい世界、ていうとまあクールよね。彼女の場合は居心地のいい寝床にも強い愛着があるけど、だからこそそれの対比で外も眩しくみえる的に捉えてもクールだし、克己心もまた含まれるならクールだ。

 とはいえ。だからっつって、ベッドの外に出て行くことだけを肯定し安易な成長物語にするのではなく、居心地の良い空間もまた大事なものとして、三人の大事なものを大事にし続けるというテーマで描いてくれるからこそのシャニマスさんへの信頼感なわけですが。
 その点でいえば甜花ちゃんが一足先に新しい世界に行っちゃいそげだからこそ甘奈ちゃんの物語がトリガーされるのだし、彼女の構成要素で大事な点だと思えばこそやはりクールで。

・桑山千雪 パッション(+キュート)

 最年長だからクール。
 と言いたいとこだけども。

 桑山千雪さんの根っこにあるのは「大切なものを大切にする」てのがあると思うんよね。桑山さんは密な双子の関係にすんなり入ってったけども、それは溢れる母性とかだけじゃなくて、甘奈の大切にしているもの、甜花の大切にしているもの、二人の大切にしているものをそれぞれ大切に尊重する姿勢があったからこそなのだと思う。

 それに、プロデュース最中でもちょくちょく「みんなを笑顔にできます!」とか「私でも、みんなに元気を与えられるんですね」等の発言が目立つし。個人的Pa判定にいちばんすんなり当てはまります。

 

・芹沢あさひ クール。

 いやもう絶対Co。
 Co以外ありえないでしょ。
 え? 逆に聞くけどCo以外ならどのへんがCoじゃないん?
 Coしか選べないって。てゆかCoじゃないと泣くし。理由? おれがCoPでおれは芹沢あさひ担当だからです。

 まあいいよ。冷静に話し合おうか。ほらそっち、向かいの席空いてるしちょっと座りな。なんか飲む? まあいいか。
 あのさ。あのね。確かに芹沢あさひはカワイイよね。だからって即Cuってのはちょっと待ってほしくてさ。それに情熱的だよね。だからっつって即Paてのは軽率過ぎると思うんよ。彼女目を離せぬ可愛さを放っているかのは何故か、あるいは情熱がどこから来ているかってのを考えてみようよ。な? 常に新しい何かを希求する心、人類を人類たらしめている最も根源的な欲求である好奇心だよね。
 WING編よんだよね?
 感謝祭シナリオよんだよね?
 GRADも済ませたでしょ?
 好奇心を萌芽させることで情熱を発揮し、それが失われることで急激に醒めたりもする。その危うさがまた、な?

 そんでさー。あまりに純粋な好奇心の塊で、その姿を眩しく思えたからこそ惚れたのにさー。あさひがさー。あさひ当人がさー。あさひは言っちゃダメだし気付いちゃいけなかったんだよ「さびしかった」なんてさー。ああー。

 なんの話だっけ。
 まあその。
 私が指標にしているCoっぽさにどばっちり合っているのに加えて、それでもゆっくりと社会性を得ていく様が、純粋さが彫琢され研磨されて行く様が、言ってしまえば「オトナに近付いていく」姿を思わせるあたりもまたCo。
 加えて、自身の世界が強すぎて他者との距離の測り方が苦手なあたりもCoぽいですよねー。ねー?

・黛冬優子 クール(+キュート)

 自己分析の癖が強いコは私のなかではだいぶクール寄りになる。
 もちろん彼女が演じたいのは常にキュートなアイドルであって、であればこそキュート属性と判定したい気持ちもあるけれど、芯ってのは変えられないものだと思うんですよ。
 黛冬優子の場合は、そのクールでさえ務めて演じている部分もあって、その部分も斟酌するならかなりキュート寄りにはなるけど。そのへん思えば自己実現てよりかは克己って方向になりそうな気もするしね。

 あとツンデレは基本Co。

・和泉愛依 クール(+パッション)

 どれだけ怖くても「ステージに立たない」という選択肢そのものがないあたりがCool。
 彼女が何かをするときは大抵「誰かの為」だったりするので、そのへんを思うとPa要素強いよなあとは思うんだけど。
「あさひちゃんと冬優子ちゃんにだって負けるつもりはない」と語るけれど。彼女にとっては、二人に負けないことがステージに立つ資格であるよう解釈している節がある。つまり勝つことが目的ではない。
 ストレイライトが褒められても、「やっぱ二人ともスゴいよねー」なんてナチュラルに自分を除外してたりする。
 うーん。

 話が逸れてきた。
 まあ、興味の矛先が他者・自身・社会のどれだろうかーて点でもどの属性か測れると思うんだけど。その点で、愛依ちゃのアイドルとしてのエピソードは概ね自身への関心が中心になっているので、Co判定にしたいと思う。



・浅倉透 クール

 他にどれを選べ言うねん。

 いやしかし。
 クール以外選びづらいとはいえクールだと断定するのも難しいかも。
 これまでの指標てのは要するに、アイドル活動を通しての興味のベクトルでまとめられるんだけど、透さん、そもそもあんま興味というものを持たないから……。
 今まで使う必要もなかった「なんか、そんな雰囲気」て理由を選びたくなる。

 なんか「雰囲気や世界」を持ってるひとはクールにみられがちで。例えばミステリアスなひととかね。それは、自身への興味や執着の副次品ともいえる。その点でいえば、やたら確固として揺らがないマイペースっぷりは十分にクールっぽいといえるし。ともかくもジャングルジムを登り続けるという選択は克服に近くも感じるし、「みたことのない景色」への興味とも言えそうか。

・樋口円香 クール(+キュート)

 ホーム画面でのコミュをみるに周囲からそう評されがちだし。
 自分自身(のスタイル)への固執て意味では彼女以上の存在はいないだろう。

 これまで散々繰り返してきた「みたことのない景色」てCo基準に関していえば、彼女は強く反しているけれど。「みたことのない景色」てのは未来て形でいえば必ずきてしまう。彼女はそれをとにかく否定する。強く否定するて事はそれだけ、それから目を逸らせずにいるということだ。

・福丸小糸 キュート

 まあ……うん……みんなの小動物こと福丸小糸ちゃん……。
 大丈夫なんかなこのコの心臓……みたいな気分になりますね。

 一説によるとどんな動物でも生涯に打つ心臓の脈拍数は平均化されるらしい。
 ネズミなど短命な動物は早く、ゾウとかカメとかは遅い。
 その点で言うと……小糸ちゃんは……なんていうか、強く生きて……。

 自己実現、変身願望。それら基準でもこのうえなくCu。

・市川雛菜 パッション

 はい。
 ある意味でいちばんえらびづらい。

 これまでの基準は「アイドルをしている理由」から推し量ってたりする。その点でいえば、市川雛菜にはアイドルをしている理由は「特にない」からである。透先輩がしていて面白そうだったから、というのが一応は該当するけど。
 実現したい自己もなく、達成したい目標もなく、パフォーマンスを披露したいオーディエンスもない。「しあわせ~ならそれでいいと思うよ~?」という具体性のない言葉でゆるやかな現状維持を望む。
 アイドルマスターという世界観は、トップアイドルを目指すという命題を至上のものであると、登場人物も、プレイヤーも信じ込むことで成り立っている。そこに「しあわせ~であることがいちばんで、アイドルそのものにはあんまり興味がない~」という存在を投げつけてくるおシャニさんのアクセルの踏み込みっぷりよ。

 それでも雛菜さんは「私がしあわせ~な姿をみて、ファンもしあわせ~になれるなら、すっごくしあわせ~なことよね?」と笑い、「最初のファンであるプロデューサーをしあわせにできたら、きっとアイドルとしても正しいんだ」と解釈し、アイドルとしてステップを踏んでいく。
 その意味では彼女は自分のためと言うよりも他者のためにアイドルを続けている。選ぶならPaだろうか。
 てゆか我ながら市川雛菜をみる目が偏りすぎてると思う我ながら。

・で。

 さてそんなです。  
 なかなか充実感のある思索でしたわね……。
 個人的には、意識してCo偏愛気味に遊んでいたので、「Coアイドルにはこんな面があったりする」てサンプルケースをたくさん抱えている状態なんで「なんでもかんでもCo」て感じに判定して下手すると23人全員Coとか言いだし兼ねない危惧もあったけど。いざ遊んでみるとCuに偏ったかな?

 Cuに偏った理由は。それこそ私の中での「Cuは自己実現」て解釈が強く働いた結果だと思う。何故かっつーと、シャニマスのアイドルはみな、アイドルとは何なのかという問いかけに晒され続けているからだ。彼女たちのなかに強くテーマが内在している。だからこそ我々は彼女らの物語に興味を引かれるのである。
 まあだからっつって、Cu以外に選んだアイドルがテーマを持ってないなんてことはなく、まあ方向性よね。
 うん。
 あ。でもほんとにCuに偏ったかどうか数えてないや。
 数えておこうか。


 全23人中……。
  Cu 8名
  Co 9名
  Pa 6名 


 やっぱCoが多いじゃねえか。

芹沢あさひとノクチルとのホーム画面コミュ全部の感想。

 ということで芹沢あさひのホーム画面コミュを全部みる感想「来襲ノクチル編」いきます。
 前回の全員分はこっち。

tehihi.hatenablog.com



 何かとハラハラさせられがちな芹沢あさひの対人コミュだけど、ノクチルの場合はそれなりに大丈夫なんじゃないかなと少し思う。彼女らは基本淡泊だし。淡泊ゆえの人あしらいのうまさもあるので。
 ……というか芹沢あさひ以上にノクチルさんたちの方にハラハラさせられるのはまあみんな一緒よね多分。


 ノクチルが爆弾な理由は。
 ノクチルはアイドルを二の次にしてしまうからだ。
 もちろん、場合如何によってだけど。それでも彼女たちはアイドルよりも優先すべきものを確固として持っている。
 シャニマスの面々、特にユニットは、アイドルによって結びついている。何をするにしても「アイドルとして」フィルターにかけられるので、彼女らにとってそれが二の次になるなんてことはほぼあり得ない。
 そんな面々に放り込むのだ。これはなかなか怖い。

 とか大袈裟にいわなくても、単に、「幼なじみで固まった連中なので自然とそれ以外の人々に対して壁がある」くらいの解釈でいいんじゃないですかね。まあどっちにせよなかなかハラハラしてしまうところ。


vs浅倉透

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「……
 透ちゃんって
 なんか面白そうっす」

「え?
 ……イエス

「あ、走るなー」
「……?
 急いでるっすけど」 



 早速面白い。
 芹沢あさひと浅倉透には真逆なところがある。
 彼女らが持つ興味だ。

 あさひは有り余る行動力のほとんどを好奇心でもってまかなっている。面白いこと、もっと、もっと! と、常に何かを探して走り回っている。その無尽蔵の行動力がアイドルとして発揮され続ける限り、彼女はほんとに強い。
 一方それは危うさも備えていて、自身の興味に疑問を持ってしまうととんでもない急ブレーキがかかるし、興味のない事柄には冷酷でさえあるし、興味の矛先が周囲の期待と違う方向だろうともそっちへまっしぐらだ。
 興味、好奇心、探究心、それら諸々が彼女の核であることは間違いない。

 浅倉透は、興味という感情がない。
 無いというと大袈裟だけど。とても希薄だ。
 世間の出来事や常識や慣例をガラス一つ隔てて眺めているような風情がある。熱や実感をともなわない。「あ、そうなんだ」「ふーん、なるほど」と、ほとんどの物事は透をすり抜けていく。
 不干渉、没交渉。それゆえの透明感であり、だからこその、芯の、恐ろしい強さ。
 それは自身の人生というものに対してさえそうだったけれど、そんななかで数少ない執着が幼なじみという居心地の良い関係であり、そして、例外的に萌芽した「プロデューサー」という興味など。諸々は彼女のWING編を体験した諸氏にはご理解頂けているものと思う。

 芹沢あさひの見出した「……透ちゃんって、なんか面白そうっす」とは、自分とは違うものという「異質感」なのではなかろうか。
 けれども、あさひはあさひだからこそ、わからないものをわからないと拒絶するのではなく、わからない=面白そう。と感じたのではなかろうか。

 それを素直にぶつけた「なんか面白そうっす」への返答である「……イエス」は……。
 その興味、受けて立とう。的な宣言なのか。
 時として浅倉自身を困惑させているようにもみえる「異質感」を、面白そうという言葉で肯定的に捉えてくれたことへの返礼なのか。
 そこんところまではわかんないけど。
 どのみち、「面白そう」という不躾にも聞こえる言葉で笑ってくれたのは確かだ。


 それはそれとして。うわ、意外。と感じたのは「あ、走るなー」である。
 素直な「おい危ないぞ」という注意喚起。
 ひとに対して注意喚起する程度にはひとに興味を持つひとだったのね浅倉透は。私は透を宇宙人かなんかかと思ってませんか(だいたいそう。 
 それだけ、あさひが、浅倉透が例外的に興味を持たれた存在てことなのかも。あさひが透を「面白そう」とみたのと同程度に、透もあさひを「なんか気になる」て目でみているのかも知れない。
 そして、なんで走るなと言われてるのか(危ないよと言われているのが)一切理解できてなさげな感じの芹沢仕草。

 で。本件にはあんま関係ないけど、ノクチルとストレイライトのシナリオイベントが来るからってんで、公式に公式見解を示されるよりも先に自分なりに「芹沢あさひと浅倉透の関係性ってこんな風じゃないですかね」と書いておきたかったので書いた短編があったりするので興味の向かれた方は是非。

www.pixiv.net



vs樋口円香

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「透ちゃんには名字なの
 どうしてなんすか?」

「……
 どうしてだと思う?」

「これあげるから
 静かにしてて」

「ありがとっす!
 ……果穂ちゃーーーん!
 お菓子もらったよーーー!!」



 いったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 たぶん事務所のほとんどの人間が(浅倉……?)(あれ、名字呼びなんだ)て気付いててそれぞれに気にしてるけどもなんとなく聞き出せなさそげにしてるやつーーーーーー。

 芹沢あさひの対人戦はハラハラしがちだけどノクチルは大丈夫なんじゃねえかなとか言ったけどもそんなこともなかったぜ。
 あからさまに「察せ」「言うつもりもない」て態度の樋口さんも清々しいですわね。
 で。なんで名字呼びなん? て疑問に関してはここでは触れないこととしまして。

 言われないとわからないことは言われないとわからないし聞かないとわからないことは聞かないとわからないのが芹沢あさひであって。近ごろは黛冬優子や和泉愛依ちゃん付近に(冬優子ちゃんの言うことには大体意味がある)(愛依ちゃんがそうだというんならそうなんだろう)と察することも相応に増えただけに、ちょっと久々な痛快さ。

 Pとの関係を中心にみるとそうはみえないけど、基本的に樋口円香は良識人で善人である。おまけに目端が利くので、対応中心ではあるが対人関係はそつなくこなす、以上の立ち回りをしている。
 素朴だったり些細だったりする感想にも共感できるし。
 はっきりとした物言いをしてほしげな相手には割と踏み込んで。
 遠巻きにしてほしいと感じてそげな相手には当たり障り無く対応したりしてる(冬優子が基本的にみなからそんな扱いを受けているだけな気もするけども。

 そんな円香が。
「これあげるから静かにしてて」は(ああ、言っても聞いてくれない相手か)て判断した末の、割と最終手段に感じるけれど。
 お菓子をもらった、という現象に感情が引っ張られすぎて、(静かにして)て部分が完全にぶっとんで「果穂ちゃーーーーーーーーー!!」になるあたりの芹沢仕草。

 そんな円香が、あさひは完全に持て余してる感じが。
 いいっすね。いい。
 浅倉透との関係にも似た正反対さがみえてきます。内に籠もることで環境を維持したい、興味を外にはあまり放出したくない樋口円香vs全方位型好奇心芹沢あさひ。

 ところで相変わらず果穂ちゃんと仲よさげなのいいっすね。
 あさひの無尽蔵興味を難なく受け止めてくれる果穂ちゃんの尊敬力アンド無尽蔵体力。



vs福丸小糸

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「小糸ちゃん!
 おはよう!」

「ぴゃ……!
 あ……
 お、おはよう……?」

「う、うちの妹と
 同い年くらいかな……?」

「えっ、そうなんすか?」



 音量の限界に挑む少女。福丸小糸。
 別コミュの話になるけども黛冬優子から「小動物でかわいい」て言われてたけどたぶんそれあんま褒められてないよ小糸ちゃん。安心して付き合えそうくらいの意味であたしはアンタに対し油断してます宣言みたいなものよ小糸ちゃん。
 とかいうと冬優子の性格を悪く穿ち過ぎか。冬優子は相対的にも絶対的にも評価をきちんと出来るので、冬優子なりに小糸の小動物的可愛さを評価してるて向きもあるのだろう。

 芹沢あさひに話を戻すと。
 外見だとわかりづらいけど、福丸小糸は16だ。芹沢あさひ(14)よりも年上である。そのへんから察するに。
「うちの妹と、同い年くらいかな……?」
「えっ、そうなんすか?」は、翻訳すると「あれ? 年上だったんすか?」てことだろう。
「小糸ちゃん! おはよっす!」ではなく「おはよう!」なのは、小糸の外見に引っ張られて咄嗟に丁寧語が出てきてないてことだ。

 あさひは、さん付けに少し曖昧なところがある。
 その基準は、単純に考えると外見で判断しているのだろうと思う。年上には丁寧語は使うけど、さん付けかどうかは相手がオトナっぽいかどうかで判断してる(んだと思う。
 咄嗟に丁寧語が出てこないのは普段それなりに意識して使い分けているという証左でもあるだろう。
 やはりあさひはあさひなりに社会性を持っているのである。

 小糸ちゃんの「おはよう……?」は。
 驚いたのが先で、多分挨拶されたんだよね……? からの「おはよう?」な気がするけど、それはそれとして(あれ? 丁寧語じゃないんだ?)てのもあるかも知れない。



vs市川雛菜

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「『幸せ』ってなんすか?」
「なんですかね~?」

「毎日楽しいですよね~」
「そっすね!
 楽しいっす!」



 朗らかなやりとり。
 だと解釈できればそれでいいんだけどどうにも極個人的に市川雛菜さんに対しては穿ってみてしまいがちで……。

『幸せ』という抽象的概念に回答を求めがちな芹沢あさひ仕草はいつもどおりのこととして、それに対する「なんですかね~?」という雛菜の回答がなんとも。答えを出す気はないという明言だろうか。

 雛菜の目的意識は『幸せ』なのに、それに関して具体的な言及をしたことがほとんどない。なぜなら彼女にとっての幸せてのは、労せず入手出来る「今」であって、つまり現状維持だからである。てのは先にだらだら書いたとおり。

tehihi.hatenablog.com


 丁度先に丁寧語に関して話したばかりだけども、ここでも出てくる。
「毎日楽しいですよね~」と、年下に対して雛菜が敬語を使っているのである。年下といえども、雛菜にとってのあさひは業界的先輩であるから敬語を使っておくのはいかにもなリスクケアである。
 それだけといえばそれだけだけど。
 それだけに、雛菜は積極的に事務所内の面々と打ち解ける気がほとんどないーという姿勢が表層したようにも感じる。意識的か無意識にかはわからないけれど……。

 他にも、「雛菜ちゃんと一緒だと『幸せ~』って気分になれるわー」に対して(え~、ありがと~?)でええやん的回答に「そうですか~?」て答えるんだよね……いや見方が偏ってる気がするけど……。
 そうだ。こういうときは、凛世だ。
 抜群の大和撫子ぢからで対人対応が常におおむね完璧(除くP)な凛世ちゃんの出番だ。

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 エエ……。ああ……。


 まあともかく……。
 樋口円香の、周囲との距離の取り方は、可能な限り「現状維持」に心を砕いているからこそ距離を取っているのである。
 一方。市川雛菜のそれは、むしろ、「透先輩と、自分たちだけでいい」という、より積極的な拒絶であるように感じるのは……穿ち過ぎかなあ……。
 ともかく、興味がないことには冷淡である。この点はあさひと共通してる。この場合、共通点があるから仲良くなれるというよりかは自然とすれ違えるくらいの意味になるけど。

 いずれにせよ、実際のとこ、市川雛菜の、WING優勝で辿り着く結論は「少しくらいなら、イヤな思いしてもいいよ?」てことなので。現状維持から一歩を踏み出すのか、やっぱ今のままなのかはまだ先の話になるてことなのだろう。


 特にそうと感じさせられたのは市川雛菜のコミュだけど、ここまで振り返ってみて。
 ノクチルの全員とのコミュの実装と最初にきいたときは「え。はやくね?」と思った。
 会話がすんなり成立する程にはほとんど交流もできてないし打ち解けてもいないよね? みたいな。
 ただ、こうしてみてわかったのは、シャニマスは『会話がすんなり成立する程にはほとんど交流もできてないし打ち解けてもいません』て状態をそのまま表現するためにコミュを使ってきたてことだ。
 いいね。
 いい。
 ほんとそういうのが読みたかった。こういうのが読みたかった。
 成長とは経過であって、段階である。
 まだまだノクチルは爆弾でありつづけてくれるだろうし、芹沢あさひも発展途上である。
 なんかまとめが至極適当になった気もするが。今後も楽しみだねってことさ!

伝わる・伝える。みたいなポケモンのMV「GOTCHA!」の話。画面越しでもさー。

www.youtube.com



 愛しか感じない。みたいな作品評にちょっと思うところがあってさ。
 その作品がどれだけ優れているかの判断基準を、もしくは結論を「愛」にだけ求めるのは諸々支障が生じそうというか。愛を人に伝えられるか、伝えきれるかどうかってのも、結局は技術に左右されるところがある。技術があっても費やす時間がなければ完成には至らないよな。だから、技術が稚拙だったらば、コストに限りがあったらば……伝えきれない愛は愛じゃないのかどうなのかとか。だからこそ、誰かに愛を伝える・愛を表現するために人々は技術を磨いたりなんだりするわけで。
 つまり。
「愛しか感じない」という評価は、優れた技術と情熱とコストによって、よりロスの少ない、高純度な愛を表現し伝えきった作品であり、だからこそ受取手は「愛しか感じない」ことができたわけで……。
 ん? あれ。
 じゃあいいのか別に。
 じゃあいいか。
 まあそんなことよりGOTCHA!の話しようぜ。



 およそ2分半に凝縮された25年間。怒濤の情報量で視聴者の感情をオーバーフローさせるのは昨今よくみられる手法であるけどもそれにしたって受け止めきれない感情が涙腺から溢れ出してくる傑作MVに感じます。
 作中各種ちりばめられたオマージュはもっと詳しい人に任せるにしても、ほんとにしたい話をするにも映像の振り返りをしとく必要があるんで、個人的に「ここ好き」ポイントを列挙していきたく思います。ざっと眺めてってください。



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「おとこのこがせんろのうえをあるいている……もういかなくちゃ!」てのは初代GBで実家のテレビを調べたときのメッセージ。
 でもおれスタンドバイミーみたいことないんだよな(同じ男子四人のキング小説映画のドリームキャッチャーならみたよ!



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 これもゲーム本編でのお約束めいた演出。テレビをみて「もういかなくちゃ!」というシーン。
(スタッフロールにはこれまたお約束の任天堂ハード最新機が確認できなかったけどもたぶん主人公の自室にある)



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 男子はTシャツに青空のモチーフで、おんなのこはバッグに青空。
 ポケモンの歴代女子主人公は、おとこのこに比べて大きなバッグを持ってるのが共通した特徴ですね。

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(あと健康そうな脚)


 ジムトレーナーさんのコーナーを最初に持ってきて、ポケモンの各タイプを列挙して世界観説明も同時に済ませちゃう手腕。

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 ただ、このシーンの時点でとても大事な「画面越し」というモチーフが出てきてる。



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 岩タイプの面々イチオシ。
 各トレーナーさんが主人公らの動きを追いかけて、笑ったり応援したり。ほとんど数コマずつの出演なのに賑やかで見飽きない。



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「うたお」なんてコレほんと何フレームだろ。歌詞と連動してMVとしても面目躍如だ。



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 MVのストーリー的には、一度ここで相棒とはぐれてしまう。



 画面の白黒さは初代GBのモチーフかなと思うけど(ポケモンの影が初代にだけで限定されてる?)ちょっとわかんない。
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 悪役さん連中も世界を形作る大事なピースだ。シルエット(影・裏側)だけの登場ってのがまた心憎い。

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(このときはレインボーだったけどさ)


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 走ったり転けそうになったり手を引っ張り合ったりで、歴代主人公達が大急ぎでみんなしてどっかに向かってるのは、「過去作も引っ越し(データ引き継ぎ)てこれるよ」て表現かしら。




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 ちょっと驚いたような仕草で画面へ向かって立ち止まるXY主人公。
『てれれん!!』と回転暗転したのは「くさむらからとびだしてきた!」か、それとも「めとめがあったらポケモンバトルだぜ!」て意図かな。


 で。ここから明確に、歴代ポケモン名シーン集に以降。
 チャンピオンズ&相棒達を最初に持ってくるのは、旅の目標(スタート地点)て表現?

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 色彩設定を大きく変えてあるのはTVアニメシリーズに寄せる意図なのか、それとも、『MV主人公たちとは違う世界』と表現するためのものなのか。




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「こんな楽しい時間、簡単には終わらせない!!」が名台詞過ぎるシロナさん。




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 袖だけでアイリスだとわからせるの天才。
 そしてチャンピオンだからっつってアデク&アイリスをハイタッチだけで表現するのいくらなんでも天才過ぎやしませんか。

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 この特徴的な袖。

 ブラック・ホワイトは執筆現在、唯一「2」としてナンバリングタイトルな続編のでたポケモンて予備知識を置いといて。
 アイリスは1では 愛すべきロリ ジムリーダーとして登場し、3年後となる2ではチャンピオンを継承した姿でプレイヤーの前に登場する。それを、先代チャンピオンとのタッチで表現してるんですよ。な? このMV天才だべ? 天才だべ?


 ライバルたちのコーナーに繋がっていく。

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 作品では度々何かと理由を付けて対戦するけど、このMVではみんな主人公と同じ方向みてるのステキ過ぎ。



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 好き。
 純粋にカワイイ。
 このカットほんと好き。
 好き。



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 だから(ブラック・ホワイトのキーパーソンであるとこの)Nを白と黒だけで描くとかいう天才っぷりを軽率に発揮するのヤメロぁ!




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 よりによってチャンピオンロードの最後に待ち構えるくん。
 ほんとこの一瞬で「あの場面だアーーー!!」てわかるのスゲ。



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 チャンピオンからライバル達の流れのトリを務めるのがそのどちらでもあるヤツという配役よ。



 さてこっからちょっと度を超して贅沢な時間。

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 ギュルルと登場したカメックスの!

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 ハイドロポンプでガードをぶち抜かれたバンギラスを!

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 しっかり「もういい! もどれ!」してから!

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 歯を食いしばりつつ次のポケモンを!

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 投げたモンスターボールからハイドロでぶちまけられた水を跳ね散らかしながら登場したデンリュウの!

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 放った電撃に!

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 うおやべ。とカメックスが受けた余波を!

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 にらみ据える初代主人公が!!!
 はいここまで大体4秒か5秒! コマ送りじゃねえとわかんない演出多くない? 
 この短時間に凝縮された、「もしかすると勝ち目のないかも知れない強敵に挑む男子と、堂々とそれを受けて立つ男子」という絵面!! やっぱ制作陣も「ココ大事!!」てリキの入ったシーンなんでしょうか。

 いやあでもほんと、キャップと半袖姿の少年が、その格好に不似合いな雪山に佇んでいるというだけでもうウオオオオーっつって火傷しそげな感涙流しつつスタンディングオベーションな気分になれるのはもうその経験をした連中にだけ許された特権でさえあるように思う。




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 跳ね飛ばされたキャップはそのまま、世界を渡って主人公が(?)受け止める。
 このシーンもスゴい好き。後ろに映り込むカイオーガの影。

 正直なことをいうと、最初の最初にこのMVをみたとき、ピンとこないところがあったのだ。
 人物に強くフォーカスしてて、ポケモンが二の次になってたりしないだろうかっつって。
 それが誤りであったと気付かせてくれたのがこのシーンだった。
 それと……あながちその印象もまちがいってわけでもなかったんかなーてのは後述する。


 もちろんグラードンも。
 おじさんがいちばん真剣にポケモンバトルやってたのがちょうどルビサファのころでさ。
 晴れパvs雨パの争いがポケモン世界そのものを支配してて、それこそゲーム内のストーリーをメタ的に内包しててアツかったのだ。

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 ところで。
 このシーンと、ここまで振り返るに、MV主人公達は(相棒を除いて)ポケモンの存在に気が付いてないような素振りで描かれている。

 雷を偶然避けて。
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 やけどをなおしてもらってる(?)相棒と、
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 ついでにそれを溶かしてもらってる(?)相棒とに気付いてない感じ。
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 その演出意図はー。

・まだ(旅を始めてない主人公達は)彼らに出会ってないから。
ポケモン世界と主人公らのいる世界は別だから。

 の、どちらかかなと思うんだけど。結論は後で述べるとして。
 それでも、主人公達はその存在に気が付いてないけれど、それでも(雨と太陽として)影響を受けている。
 そんな描き方がなんかスゴいスキ。



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 ここでも「画面越し」という演出がちらりとだけ挟まる。
 またポケモン世界のシーンに移るよというシークエンス表現でもあるかな。
 音楽のサビ入りと重なるあたりほんと演出の力よね……。



 最新作はさすがにちょっと特別扱い。

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 ポケットモンスター性&癖。



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 ドローンロトムでの撮影なのは、次のエキスパンションではジムリーダー総出演オールスターバトルをやるそうなので、それの予告も兼ねた『選手入場!!』なシーン表現てことでいいのかな。



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 ハイ笑顔(むにゅ。
 ほんとうにもー『受け止めてみろ!!!!』と言わんばかりの情報量。



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 おれの最愛ポケモンであるとこのカビゴンの出演シーン。



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 背番号227は初代ポケモンの誕生日だそうですよ(気付かなかった。
 主人公の男女が自然にスイッチする演出いいよね……。

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 おとなもこどももおねーさんもって事よね……それは別のゲームだけど……。
 表情を変えたりなんだりでちゃんと気付かれるための工夫は為されてるけど、それにしたってこの「ギリギリだけどちゃんと伝わる」ラインの攻めっぷりがほんとイカス。




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 バトルの最中に跳ね飛ばされたもう一つのキャップが、また主人公に画面を越えて伝わる。
 初代の帽子と、最新作の帽子。

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 二人はたぶん初対面かな。
 ポケモンを通じて出会って繋がる関係。

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 言い合ってるシーンにみえたけど、どっちかってっと男子が相棒に文句言ってるシーンぽいしね。




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 そしてとても意味深な、きっと大切な「画面越し」というシーン。



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 画面越しから「見守って」くれていたのはポケモン世界のオトナ代表こと博士達と。そして各シリーズで必ず、最初の相棒として、旅のきっかけをくれる御三家たち。



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 帽子が、最初に拾った当人から「ポケモンのもちものとして」いつのまにか交換されあう。
 そうだね。かがくのちからってスゲー方式で今ではとても簡単になったけれど、交換ってのはポケモンを構成する大事な要素だ。



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 そして各々のポケモンによってその帽子を被せられるって演出がもう。ああもう。なあオイ。なあ?



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 帽子ってのはとくに初代主人公のトレードマークだけれど、特に昨今、熱中症対策として外出には必須の、少年少女にとっての冒険の象徴だ。
 それを、画面の向こう側から、ポケモン世界から受け渡される。そして主人公達は旅立っていく。



 で。さて。とても野暮なことをこれから言っていく。
 言わずもがなの、言わなくったって伝わることを言うこと以上に野暮いことなんてそんなにないからね。


 このMVでは、細かく、さりげなく、ポケモンのMVだけど、主人公らのいる世界とポケモン世界とが隔てられているよう表現された演出が差し挟まれている。
 画面の向こう側から応援するトレーナー達。
 相棒を除いてだけど、ポケモンの存在に気が付いてない風の主人公ら。
 シルエットで駆けていく歴代主人公達に、名場面のシークエンスでは色彩が変えられてて。
 画面越しにみつめてくるのはポケモン世界の住人達であって、主人公二人はそちらをみるシーンは一度もない。
 主人公二人を、プレイヤーである私らと重ね合わせるならば、ゲームを遊ぶ私らとはいつもと逆転の構図で描かれているのがちょっと面白い。

 これがどういうことかというと。
「見てばっかだと思ってただろうけど、こっちも見てたんだよ」ってことだ。
「気付いてないかも知れないけど、いつも見守ってるよ」ってことだ。

 これが、25周年に、ポケモンの制作陣が用意したメッセージなのだ。

 ポケモンをきっかけに出会って、繋がって。
 ポケモンをきっかけに旅に出る。それが制作陣の自認なのではないか。

 それが証拠に、主人公(プレイヤー)は、画面の向こう側から冒険の象徴を渡されて、それを受け取り、被って、旅立っていく。
 この2分半のMVを、25年間を、だから、一言でまとめるならばきっと「いってらっしゃい」て言葉になるのだろう。 


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 あー。エモいぜ。

オレンジタイムの感想を言葉にしーたーらー。

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夕暮れ時という主題。

 142’sイベがくるということで。公表されたイベント名はオレンジタイム。

 小梅ちゃん好き諸賢は皆一様に、著名・パパとママの愛情が足りなかったからそうなったのか・監督映画ことスタンリーキューブリックさんの「時計仕掛けのオレンジ」を連想するところだろうけども実際のところ関連は薄かった。シンギングインザレインを歌いながら老人の脇腹をボコボコ蹴る小梅ちゃんとか、ミルクバーでインエンドアウトにしけ込む輝子とか、ルートヴィヒは悪くないのに!! て失明寸前で絶叫する幸子とか観たくなかったと言えば嘘にはなろうがまあそもそもあれホラーじゃないし。
 デレマスさんって妙にキューブリック好きなところあるよね。
 小梅ちゃんは度々、雪の降るペンションへお出掛けするし。大和軍曹には妹がいるし。

 

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愛らしい。
 
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雪のホテルの撮影で雪だるまになった有名なひと。


 ともかく。
 オレンジタイムという言葉をそのまま解釈すれば夕暮れ時になりましょう。
 夕暮れといえば黄昏で、逢魔が時なんて表現されたりもする。
 昼と夜のはざまで、あっちとこっちの区別が難しくなるその時間はそれだけ人ならざる者と出会いやすいお時間。なるほど小梅ちゃんには相応しそげ。

 小梅ちゃんは、ホラーやスプラッタ。死や腐敗や暴力など、およそ表舞台から退けられるよな暗いイメージに心を寄せつつ明るいステージに立つ。「暗いままでもいいんだよってみんなに伝えたい」と歌う。
 輝子にも似たところがある。嫉妬や憤怒など、世間には容れられないけれども確かに心の内側にある激情を己の一部として抱えて、ときとして代弁者としてステージに向かい、受け止める。「本当の自分を解き放てェ!」と叫ぶ。

 それら両面性が境界を曖昧にして、混然一体なままにアイドルとして自己を表現する。
 なるほど逢魔が時。誰彼時。夕暮れ時でオレンジタイム。
 とても相応しい、面白げなタイトルであるなと。
 うん。
 それで。
 この場合、幸子はどうなるん?
 んー。


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 ひとまず曲の方のオレンジタイムをべた褒めします。
 満点以外に付けようのない大傑作曲。
 三人それぞれの高音も、ウィスパー気味のボイスの使い方も先ず以て素晴らしく。可愛らしさ全振りな曲に思わせといて急ブレーキかけてくる「さ・が・す」がイカスし、ポップともEDMともプログレとも表現しがたい細かな細かな音ネタがホントに。
 似通うところを持ちつつも主に趣向がバラバラな三人だから、その三人での曲ともなると相当な難問に思えますがたいへん鮮やかな回答だと思います。
 歌詞もいいよな。
 神様ちょっとお願い。ちょっとだけ続くオレンジタイム。
 ポケットにころがす甘酸っぱい飴もきっとオレンジ味なのでしょう。言葉としての言及は避けながらも、オレンジタイムという今このときが甘酸っぱくこころよい時間であると表現しつつ。バス停の陰が伸びゆくことに、時間の経過に、夕暮れが終わってしまうことに焦りも感じている。
 言葉にしたいのにしたくないってどういうこと?
 それでも夕暮れ時は夜が来る前の時刻であって、明日に、先に進むためにはこの時間を終えなければならない。

 時の移ろいの留まるを願うは乙女に許された特権スな。それが、彼女たちの象徴のよな夕暮れ時を指すならばなおのことかも知れません。
 あー。フル版はよ。


 シナリオのお話もまあね。
 個性が強い故に趣向もバラバラである三人はそれでも142cmという偶然で結ばれた。けれど、三人とも成長期なのだからいつまでも142cmという訳にもいかない。この関係はいつまで続けていられるんだろう。そう予期させるオープニングは良かったし、いずれ終わる夕暮れ時を思わせて曲とのシナジーもまたイイ。
「些細な偶然で出来た繋がりだけど、でもきっと偶然でもよかったんだ。ずっと続いていくんだから」というまとめ方も良かったですね。

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 難点をいうなら。
 イベント運営の社長さんの独善的な企画があまり独善とも言い切れず「ファンは、三人のより個性的なところをみたがっているんじゃないか?」という提案は。うんまあ。そっスね。と概ね首肯できるところだし。実際んとこそれに対し輝子がヒャッハーしてみせたシナリオの展開は、それ自体がおおむね「ファンとしてみたいところ」を叶えるよな形になってた。
 実際、イベント報酬の一枚として切り取られたのはそのシーンだったし。
 そうなると社長の主張と一致してることになるよね。
 そこんとこ頭ごなしに否定されてもなーというか。
 それをファンの総意としてまとめられるのもどうかというか。

 総意は総意であって、大多数の意見とは違う。
 大多数の意見が「142のカワイイとこがみたい」だったとしても、少数派の意見としてまた違うものもあるはずだろう。
 個性を強く出す、ということは、少数派としても生きていくことを決意することと割と似ている。個性派の三人である142’sの、そのシナリオでそこんとこの区別を曖昧にするのはどうなんだろ。

 大多数派の意見を選ぶことに文句を言っているのではなく。それを総意とすることで少数派の意見をなかったことにはしてほしくないというかね。
 めんどくさいですねこのひと。

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輝子さんはオトナだなあ……。


 だからこう。
 もうちと丁寧に。それはそれとしてという形で「ボクたちはこわくてキノコですけど、でもボクたちはカワイイんだから、今回はカワイイを前面に出したイベントにしたい」「ボクもカワイイ。ゾンビをカワイイと思う小梅さんもカワイイ。キノコとお友達である輝子さんもカワイイ。それじゃダメなんですか」つって説得にかかるお話のがシナリオとしては整ったんじゃねっつって思う。
 個人的にはだけど、それが幸子の役目な気もしてるし。

 デレステさんはそこんとこいつもダブスタだ。
 少数派だろうともトガった個性か、アイドルとしてより大多数に愛されるべきか。どっちもあっていい。そう言いながらも、そのどちらもが叶えられることはあんまない。なくはないけど。
 オレンジタイムのシナリオのこのへんは、そのへんの問題が、あるいはデレステさんがそこんとこにどんだけ問題意識もってんのかしらという個人的な疑問がモロに表層しちまったな部分だなーっつって複雑な思いになったことだけは書き残しておきたい。


 んでね。
 夕暮れ時という時間は小梅ちゃんにも輝子にも相応しい時間帯だなという与太を最初にしたけど。「じゃあ幸子にとってはどうなん」という疑問はこの部分に接続される。
 夕暮れ時てのは穏やかで優しい時間なのである。
 強い日差しは活力に繋がるけれど、それだけ厳しくもあり多くのものを疲弊させる。夜の冷たい静けさは危険でもあるし、明日への備えに費やされる時間でもある。
 今日とも明日とも言い切れない夕暮れは穏やかな端境で、どちらともが許容される時間だ。
 いつだかかどこだかで、輿水幸子はカワイイの極意を問われて、カワイイとあろうとするその心がけそのものがカワイイと評した。個性というか、アクというかの強い小梅と輝子とを「カワイイ」という接点で繋ぎとめる幸子は「さあ、ボクたちをカワイイと呼んでください!」とステージで宣言する。
 なぜならば小梅と輝子はカワイイのであり、アイドルがアイドルたろうとするならばその限りにあってカワイイのであり、何よりも輿水幸子はカワイイからだ。


 オレンジタイムの曲を聴いた人の、多いのか少ないのかはわからんけども、そのうち何人かが「真っ当なアイドルソングっぽい」と評していた。私も相当可愛い曲であるなと感じたし、このカワイイ曲が、142'sの曲としてまちがいなく満点だと感じた。
 それがいかにも象徴的だなと思う。


2DリッチMVの感想。

 オレンジタイム総合感想スレなので触れておこうかなと。

 ・実習生な先生が退任の日(先生なのは制服てよりも背広にみえたというだけです。
 ・その実習生先生にそれぞれ惚れた三人。
 ・三人はそれぞれのタイミングで惚れたけどもお互いほぼ見ず知らず。
 ・諦めるつもりが諦めきれずバス停まで走ってしまう。
 ・そんな場面に三人が居合わせ、お互いになんとなく悟り察し合う。そんな仲良し三人組のはじまりの出来事。


 みたいな?
 野暮。野暮だね。わざわざ言葉にするの野暮だね。
 野暮だけどもまあ「互いに見ず知らずのままに同じオトナを好きになってた」て部分がだいぶ妄想だけどもたいへん強い願望も込めつつ。おっさんくさい願望だな!


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イベントのランキングに関して。

 3年ほど遡って。

tehihi.hatenablog.com


 初の142'sイベがきたかきたぞきたんだなと前のめって準備してたらばYとDが混ざって少々つんのめった気分になりつつも結局走ったあの頃に、KBYDがステキユニットなのは認めるけどもそれだからこそ急に混ぜるんじゃなくて個別イベにしてほしかったというか、混ぜるなら混ぜるなりに完成度のナイスなシナリオにしてほしかったのにYとDよ、ZとKとがほぼ交流しないシナリオはなんなんコレとは思うけどもまあいいよ142'sイベをもう一度今度こそやってくれるよう祈願して走ることにするよそうしたよ。 
 とかいう禍根があって。そんでホントに来たので走らない訳にはいかなかったんですよね。
 でもまあ、三年前のあの頃と違って放置編成もあるし。スタドリも上限が撤廃されて多量に貯め込めてるし。楽は楽だろうなと思って走ったらば実際に楽でした。楽っつっても相応に時間費やしてるハズなのにどんだけ注ぎ込んでも1400位付近から一向にランキングがあがらないあたりに恐怖めいたものを感じてはいたけど。


 参加する目的としてけっこー大きかったのが「壊してェなあ……ボーダーをよォ……」というアレで。大河のミリ滴にも程があるにせよ、その勢いを助したく思い参加しました。
 惜しむらくは開催期間が7日であって、アタポンイベントの歴代最高得点に座するPrettyLiar(9日)にはどうやったって届かないだろうところでしたが、最終2000位ボーダーであるとこの18万弱という数字は、単純な日数計算ではそれに互するポイントでしたのでその点でも満足できたように感じます。要するにもはや理論値近いってことよね。

 あー。
 神様ずっとお願い。ずっとずっとまだオレンジタイム。

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天塵にもやもやしてこそプロデューサーなんじゃないのかしらとか。

 If I couldn't ever be MOYAMOYA, I wouldn't deserve to be producer.
 文法あってるかどうかは知らんとして。

 ストーリーへの入り口は人それぞれあっていいと思うので、あんまこういう物言いは好きじゃないんだけども。敢えて言えば。天塵を読む前に履修しとくべきテキストは市川雛菜のWINGシナリオではあるまいか。
 そんで、雛菜が『雛菜は、しあわせ~ってことだけでいいの』と語る度に。彼女が『しあわせ~』と口にする度に重なるようにつもっていく、言い知れない不安のような感情を先に知っておいた方が。
 天塵で。
 もっともやもや出来ていいんじゃないかと思う。
 そんでたぶんそのもやもやは、もやもやを感じたこと自体が、もしくはそのもやもやとどう向き合ったかが、ノクチルとの、シャニマスとの、或いはアイマス全般との、或いはもっと多くのコンテンツとの関わり方にまで影響を及ぼすもやもやだ。
 大袈裟に言うとだけど。


 回りくどいけども、ここまで言ったからには天塵のシナリオに触れる前に市川雛菜のWING編に関し語っといた方がいい気がする。

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真理ではある。

 透先輩がいるから。なんだかアイドルってしあわせそうだから。という理由だけで283プロへやってきた雛菜は、冒頭早速「でも、アイドルは楽しいことだけじゃないよ」とPに諭される。雛菜はそれに答えて「じゃあ雛菜は楽しいこと担当がいい!」と微笑む。
 面接という場で、Pと雛菜の初対面で交わされたこのやりとりが、市川雛菜のWINGシナリオのほぼ全てである。

 しあわせ~なことだけでいい。
 そう宣言したとおり、雛菜は苦労もなく特別な努力もせずWING予選をパスしていく。試練も困難も懊悩もなく、しあわせ~な状態を維持したまま。その姿にプロデューサーは戸惑い、その困惑をこぼしたらば逆に雛菜自身から「え~? 結果が出てるんだから大丈夫なんじゃない?」なんて諭される。

 こうした態度は雛菜のみに特有なものではない、といえばない。
 WINGの二次試験くらいまでなら、合格したところで「あ。合格したんだ」程度の反応で流すアイドルはそこそこいる。
 けれど。
 ライバルも強大になり、また今までにない数のファンから声援を受けるシーズン3や4ともなれば、そうしたアイドル達もアイドルとしての自覚・目的・気負い・等を見出し、自身の様々なモノを賭してステージに立つようになる。

 雛菜にはそれが訪れない。
 WINGに優勝した瞬間でさえ、「プロデューサーが喜んでくれるなら、それが嬉しい」という形で喜びを受け取る。優勝時のコミュ名が『Make you happy』と、そのものの名前が付けられているとおりに。


 ……とまでいうと、だいぶ過言なんだけど。
 もちろん、WING編でも雛菜は雛菜なりの目的と自覚を手に入れる。「アイドルとは、アイドル自身の幸せそうな姿でもってファンを幸せにする存在」という知識から、熱心に自分のことを考えてくれているPの姿から、「プロデューサーは一番最初のファンだから、プロデューサーを幸せに出来ていれば立派なアイドルなんだ」と気付き、「今のしあわせだけじゃなくて、もっとしあわせになるには、今のままじゃいけないこともあるらしい」とも気付く。
 ただそれもシーズン4という最終盤のコミュのなかであって、WINGという物語のなかでは、彼女が汗を流したり涙を流したりするシーンは描かれない。

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愛おしい自己申告

 シーズン4にて彼女がやっと口にする「ねえ。雛菜って、今からでもアイドルになれるかな?」という呟きからプロデューサーが感じた安堵は。
 その安堵が証明するそこに確かにあった不安は。
 そんで、モニタの前にいるプロデューサーであるとこのプレイヤーもきっと同じく感じていた不安の、もやもやの正体はなんなんだろう。


 なぜ、苦労を知らず、朗らかにしあわせにしている彼女からそんなものを感じなければならないのだろう。


 一つには、彼女のいう「しあわせ~」に具体例がないからじゃないか。
 市川雛菜は何度も「しあわせ~」を口にする。が、彼女にとっての幸せがなんなのかを言及することがない。しあわせであることを行動基準の優先順位の最上位に置いて――それへの執着とはあまりに裏腹に具体性がない。
 だから、雛菜を幸せにしてやりたいPも、どうすれば彼女が幸せなのか掴みきれず戸惑う。
 雛菜が幸せそうに楽しそうに朗らかにしている様子に心癒やされるファンはきっと多く、彼女のファンの大半は実際にそういう存在なのだろう。
 いうなれば、雛菜は現時点で幸せなのであって。そこに余計な何かを加える必要なんてあるのだろうか。
 ただ。

 結局のところ、彼女のいう「しあわせ」とは、ただ「不幸でない状態」というだけのものなんじゃないのか。

 消極的といえば消極的で。
 現状維持を望み、立ち止まったままそこから動こうとしていない。
 だからどこか空虚に感じてしまい、それが不安を呼ぶのではないか。
 ならば、目的地を示してやることがプロデューサーとしての仕事なのだろうか。
 けれど、それは……エゴだとか、押しつけだとかいうモノじゃないのか……?
 市川雛菜はそれを見抜いて、やわらかく、刺しにくる。
 それは本当にあるべきものなのかと。


「楽しくなくても無理して頑張ってやりなさい~ってこと~?
 ……辛くて大変じゃないと、頑張ったことにならないの~?」


 市川雛菜のがんばっている姿がみえないから。市川雛菜の目的意識がみえないから。
 だから不安を感じていたのだとするならば。
 プロデューサーは。プレイヤーは。
 市川雛菜が努力し、涙し、苦労している姿を見たがっていたのではないか。
 それが示されないから不安に感じていたのではないか。

 アイドルという物語には、アイドルが悩み、衝突し、苦しみ、血を滲ませている、そんな姿があって然るべきだと。それがなければアイドルとして成立し得ないとどこか思い込んでいる節があるんじゃないのか。
 市川雛菜の先の言葉を換言するならば


「プロデューサーは私が苦労している姿をみたいの?」


 ということだ。
 シャニマスの描くアイドルという物語を褒めそやし、ときに涙する我々は、この問いにどれだけの誠実さでもって回答できるだろう。


 私の知らない時代の話をふんわり知識でするけれど。
 アイドルってのは昔はうんこをしなかったらしい。
 世俗というものから切り離されて、夢や理想を体現した存在で。美しく愛らしく清らかで、人々の理想をステージ上にきらぎらしく顕現させる乙女であって。
 世俗の汚泥や穢らわしさとは無縁で、彼女をみている間は現実というものを忘れさせてくれるファンタジーで殿上の住人。
 要するに、しあわせ~に恋と愛に生きていた処女。
 無論、そんなのはまやかしである。
 だけど、その幻想を、アイドルとファンとが信じあい、共有し、ステージに夢をみていた。
 そんな時代があったらしい。
 だからアイドルはトイレにいかないのだ。もとい、いかなかったのだ。

 そう信じられてたのはもう昔の話だそうで。
 理想よりも現実をみることが求められるようになった世相だとか、オーディション番組の台頭だとか、まあ諸々色んなものが混ざり合って、アイドルというコンテンツは『がんばる姿と、それを応援することそのものがエンターテイメント』みたいな娯楽として今日にある。
 たしか秋本なにがしさんが言ってたと思うんだけどソースが見付からなくてさ。是非は問わないものとする。

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カカッ


 私はシャニマスをしょっちゅうパワプロに例えるんだけど。パワフルプロ野球
 実際、レッスンを重ねオーディションで選ばれ続け優勝を目指すのと、練習の日々を送り地方予選を勝ち抜き甲子園という夢の舞台を目指すのとは構造的に似通う部分は多い。
 高校野球を指して『感動ポルノ』って揶揄するひとがいる。それはまあ、否定しきれないところだ。甲子園という舞台の価値を強く信じ共有し、人生の一時をそれだけの為に費やす。
 それが叶えられる瞬間、もしくは、それが絶たれた瞬間を見物する。
 恐ろしく贅沢な娯楽だ。
 現実的なしがらみは色々あるけれど、それでも、甲子園に臨む彼らは、高校野球というモノの価値を果てしなく強く信じている。その信仰心に余人がどうのこうのいったところで野暮なだけだ。
 だから改めて。
 市川雛菜に。
 天塵に。もやもやを感じたプロデューサーは、少しでもそれを覚えたならば改めて自らに問い直さなければならない。
 アイドルというものはそんなにも多くを賭すだけの価値があるモノなのかと。

 で。さて。

 天塵って言葉は多分存在しない。おシャニさんの造語だと思うんだけど。
 天の塵てのは様々な大気現象を生む要因である。
 天に塵が満ちているときに太陽光の入射角がいい具合になればそれは夕焼けや朝焼けになる。
 雨上がりの湿気を塵が媒介することで太陽光がプリズムにばらけ虹になって、雲の中にいれば雪の核になる。
 ついでにいえば、塵が天に舞いやすいのは夏だ。大気が暖まりがちで空に浮いていくからね。
 だから天塵は夏の話であって、光がなければ透明なままのノクチルのお話なのだろうし……そういえば、ノクチルの初顔出しであるおまけシナリオにて、彼女たちは霧吹きで虹を作ろうとしてた。

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メタい。エモい。


 エモいね。
 ハイ。ここからやっと天塵の感想です。

 天塵シナリオは、要約すれば「アイドルであるか幼なじみであるか、選択を迫られた」あたりになるよなてのは多くのPが同意してくれるものと思う。イベント報酬である樋口円香のsSSR、【游魚】とはそのまんま遊ぶ魚のことだけど、游漁と書くと、賃金や生活のためでなくただ愉しみの為に行う釣りを意味する。要するにプロでないってことだ。

 シンプルなお話であれ、最初のお話に相応しく、四人がそれぞれ四人なりの立場と見せ場でもってお話を通過していく。ので。四人それぞれの立場の個人的な感想を書けば自然と天塵のシナリオの感想としてまとまると思う。
 回りくどく話を進めます。


・福丸小糸
 癒やし枠。
 それはもう色んな意味で癒やし枠。
 彼女はとても普通の少女で、その執着も努力も理解がしやすい。
 普通の少女なので、彼女自身の努力で報われる範囲でしか悩まないし、その悩みは努力で必ず報われる。要するにもやもやしなくていいのでほんとに癒やされる。

 思えば、天塵において彼女たちは「幼なじみであるか、アイドルであるか」という選択を迫られた。けれど、それよりも先に、福丸小糸は既に「進学校か、幼なじみか」という天秤から幼なじみを選んでいるのがWINGシナリオにて示唆されている。

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憧れるモノがあるという強さと可愛さと。


 幼なじみという関係に分かりやすく固執し執着している。
 幼なじみに追いつこうと懸命に努力し、追いかけている。
 けれど……追いつこうとしているその「幼なじみ」という目的地は「現在地」である。円香も雛菜も、形は違えども現状維持に意識を割いているからだ。
 だから、そこを目指す限り、小糸は常に三人に追いつけないままになる陽炎か何かのような目的地であって。
 幼なじみという関係は、小糸が信じるほど確かなものではない。
 天塵によって明かされてしまったその事実は、小糸自身は気が付いていない。疑ってさえいない。そこが怖い。

 それでも彼女は、「理想を描き、それに近付く努力」という方法論を他三人に先んじて身につけ、それをそれなりに達成してみせた。だから、アイドルに最も近く、先に進めているのが小糸ということになる。


・樋口円香
 静かに静かに、深く執着を抱いている少女。
 何にかというと、幼なじみという関係に。それ以外の何かを動機にすることがあるんだろうかという低温で静謐な情熱で。
 浅倉透に対する執着なのか、それとも、幼なじみという関係は浅倉透を中心に繋がっていると知っているからこそ透に執着するのかは今のところ断定が難しい。

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この瞬間、オレは気付いたね。マドカ・ヒグチは逸材だと。


 熱量とは分子の運動であり、変化とは熱を及ぼされるということだ。
 だから浅倉透に熱を伝えたプロデューサーという暑苦しい存在を敵視し、嫌悪し、見張り、それによってもたらされる変化から遠ざかろうと試みる。その変化は、今まで変わらずにいられたものを変えてしまう変化だからだ。
 ただ。変化を拒み、維持に腐心している彼女は、逆説的に四人組の中で唯一、幼なじみという繋がりがきっといつかほどけてしまうものなのだと気が付いているのだと思う。
 天塵というシナリオの中で、プロデューサーはノクチルが持つ輝きのその名前を見出せなかったけど、樋口円香はもう知っているのではないか。

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まばゆい。


 四人の関係を思う彼女の視点は、ノクチルという四人を思うプロデューサーと重なり合っている。よって、きっと、ノクチルという物語は樋口円香を通じて語られていくことになるよな予感がしている。

 まるでノクチルのマネージャーか何かのように、幼なじみを守るために出演する番組を調べ、改めて「みんなに何かあったら許しませんので」とPを威嚇する。
 アイドルとしての名声や初仕事なんかよりも皆が不快な思いをしないことを第一にする。このときの彼女に「アイドルであるか、幼なじみであるか」なんぞという迂闊な問いかけをしたらどんな辛辣な言葉が返ってくるか、想像するだけでぞくぞくしますネー。

 それでも。その初仕事が招いた結果は。
 浅倉透は鮮やかに幼なじみを選んだ。
 浅倉は樋口円香がきっと最も大切にしているものと同じモノを選んだのだ。そのはずなのに、円香はあまり喜んでいるようにみえないのは気のせいだったろうか。


 浅倉が走り出したことをみとめ、福丸がいちばんアイドルだったと褒めて。
 いつかとおるが出任せで言った「うみ」に、今度は出任せでなく、行こうという意思でもって辿り着いたことを悟る。
 ノクチルのなかにいる円香は比較的穏やかな。それでもどこか諦観を帯びている観測者だ。ほんま円香さんPにだけアタリがごっつい。
 ただ……観測者としての立ち位置はそれだけ対象から距離を取っているということでもあって。アイドルとしても、幼なじみとしても、少しだけ距離が空いたシナリオであったようも感じてしまう。

 彼女は物語の終盤、「透にできて、私に出来ないことなんてないから」と呟く。少し唐突に感じたこの言葉から、彼女が陰で努力をする理由が察せる気がする。樋口円香は、浅倉透の隣に居続ける為に。もしかするとそのためだけに努力をし続けている。


・市川雛菜
 今回のシナリオで、市川雛菜がなぜ浅倉透に懸想するかの正体が少しみえたように思う。
 浅倉透はいつも、耳障りのいい、しあわせ~なことを言ってくれるからだ。たぶん。

 穿った物言いなのは承知でいうけど、浅倉透は無自覚で無責任なところがある。
 何事に対しても執着というものをみせない彼女は、未来というものにも、短期的にも長期的にもさしたる興味がないのではないか。だから割と無責任なことをいう。
 皆をよろこばせる為だけに。
 天塵冒頭のやりとりが如何にも象徴的だ。おぼんでしばらくみんなと離ればなれになる。みんなが悲しむ。だから皆をよろこばせるために、みんなで旅に出ようと口にする。うちらの車を買おう。みんなでうみにいこう。

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お客様感覚……というのは酷にせよ。
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無責任大王
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バランサー


 市川雛菜は、折に触れて、自覚的に「いやなこと」を躱す姿が描かれる。プロデューサーが何か説教めいたことを言おうとすればさらりと身をかわし、小糸ちゃんが何か小言を言おうとしたら笑ってごまかす。たぶん円香はもうそれを知って諦めているのでほとんど何も言おうとしてない。
 透は違う。地に足がついてないけれど、現実的でないけれど、透先輩はいつも楽しいことを、雛菜がよろこぶ事を言う。
 どこか無責任に。

 無論それだけじゃなくて、大体のことに干渉されず笑ってやり過ごす浅倉透は不幸や苦労とは遠い存在でもあって。それ故にしあわせ~なことだけを望む雛菜にとって居心地の良い存在なのだろう。
 ただ。なんとも。
 怖い関係だ。
 具体性がなくただしあわせであればいいと望む女と、
 具体性がなく責任もなくただ皆をよろこばせる為だけの空言を言う女である。

 雛菜は、他二人と違って、透の断行した初仕事でのやらかしを全肯定している。
 この点は記憶しておきたい。


 初仕事の後、透と雛菜は歓談し、ネットでの評判を口にする。


「なめるな~とか頑張ってない~とか書かれてるんだって~(中略)
 すごいね~
 なんで頑張ってないとかわかるんだろう
 雛菜は雛菜のことしかわからないけどな~」


 世間の評価なぞドコ吹く風。素晴らしい。現代において最も求められる態度である。
 ただ、そうやって。幼なじみを守った先輩を称揚し、その庇護を受けたことを喜び確かめ合うような空間に。樋口円香は立ち入ることが出来なかった。
 その部屋に入ることが出来なかったのは、浅倉透の行為を肯定も否定もしきれずに迷っていたから、と、判断するのは早計だろうか。


・浅倉透
 このひとこわい。
 体温のない人。地球生まれの異星人。
 何事に対しても執着というものを抱かないので透明にみえる。
「いえーい」というハイタッチも、どうやら一般の人々は喜び合うときにこうするものらしいというテンションでやってる気がするし、時たまぶちかます「4Kなんかじゃおいつかない」的シュールなネタだってきっと当人にとっては大真面目で、大仰なキャッチコピーを「こういうときにはこういうことを言うらしい」と周囲に倣う形での額面通りな受け方をしているのだと私は思っている。
 マンションポエムとか聞かせたらだいぶアカン具合。

 執着がないから自分の行為が呼び込んだ結果にもほとんど頓着しない。というか結果そのものにさえたぶんさして興味がない。だから透明で、透明だから何物も影響を及ぼせずさざ波さえ立たせず泰然自若としている。
 大怪我をしても「あー……これ、下手したら死んだりする?」とか言いそう。
 大人物といえば大人物。

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熱のなさと、愛着との、境目。


 とかいうのはだいぶ偏った視点である。
 浅倉透にも執着はある。プロデューサーの熱を受けて、感化され、ただ長いという以外の感慨を持てなかった人生に積極性を持ち始めた。
 樋口円香の言葉を借りるならもう既に走り出している。
 それから、天塵でもう一つの執着も明かされた。
 彼女は彼女なりに、幼なじみという関係を居心地良く感じ、相応に大切にしていたのだ。

 個人的な体験だけど。
 浅倉透は、皆がよろこぶことをひとまず口にする。
 その癖がのぞけてから直後、「みたいんだって。友達の絆。簡単じゃん」と語った瞬間の――スリリングなことったらなかったね。みてきた通り、彼女たちは浅倉透を中心に結びついている。それなのに浅倉透自身が、いつもの執着のなさを幼なじみに対してさえ向けているとしたら。それはもう。

 結果としては、果たして、四人組であることを、幼なじみであること蔑ろにした連中へ強烈な切り返しを見舞ってみせた。

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ともしび


 安堵したといえば安堵した。
 彼女も幼なじみを大切に思い守るべきものとして感じている部分があるのだと。
 ただそれで逆に合点がいったのは、浅倉透のあの、みなを喜ばせる為だけに口にする空言癖は、生来の執着のなさと、みなと共にいることに居心地の良さを感じていることとの合わせ技であったのだと。


 難儀なことだと思う。
「財布ないわ」で笑えたあの頃がちょっと懐かしくさえ感じられる。
 未来に対し責任感のない女が、それでも先に進むことへ意欲を得て、幼なじみ四人を載っけた車のハンドルを握っているのだ。恐るべきことに彼女以外の誰も運転席に座るつもりはないみたいだし。しかもそいつはいざとなれば涼しい顔で交通ルールを破ってくる。
 樋口円香さんの「どこにいくんだろう。私たち」が別の意味でもって切実に響いてくるぜ。

 重ねて、難儀なことだと思う。
 多くの物事に執着を持たない少女が、それ故に静かに自然に放埒である個性が、それでも優先するものがあったのだ。


 プロデューサー氏が名前を見付けられなかった「あの本番が、輝いてたって感じる気持ちのこと」の正体を、私もいまいち言葉にし切れないでいる。
 大切なものを犠牲にしない態度。出来合いのルールに己を曲げない姿勢。完成品に至る前の可能性。いっそロックンロール。諸々諸々。


 この先何度も繰り返すことになるような気がする個人的感慨だけど。
 おシャニさんのシナリオの偉いところは、『アイドルとは何か』という問いかけを決して忘れないところだと思う。
 我々はアイドルという物語を信奉している。その頂点に立つべく各々の道筋をたどる人々のお話を追いかけている。アイドルマスターというゲームの雛形だからね。
 しかし、浅倉透を中心とした四人組は、我々の前に大きなアンチテーゼを、もやもやという形で切り返してくる。
 努力は必要なのか。苦労はしなければならないのか。
 時に悩み、涙することは本当に意味があるのか。
 アイドルとは、この幼なじみという関係を引き換えにするだけの価値があるものなのか。

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逆にいえば、Pには委ねるしかない選択だったのだろう。かも


 少なくとも、天塵において。浅倉透はそれへの回答の代わりに厳然と、軽やかに幼なじみを選択した。

 これが、これに、もやもやせずいられるだろうか。
 多分我々は、ノクチルを透かし、とても根っこの部分を改めて問われている。
 アイドルとは何か。アイドルを志す意味とは何であるか。


 思えば、WING編のシナリオにおいて彼女ら四人は、優勝を経ることで、アイドルであることの意義に対し、やっとスタートラインに立てたように語られているようにも感じる。
 物語として、プロデューサーが負うべき責任は、アイドルにはそれだけの価値があると彼女達に伝えることかも知れない。それでもひとまず、今回のお話では氏は四人に選択を任せた。
 アイドルを続けるか。それよりも大事なモノを守るか。
 その舵取りを委ねられた浅倉は、いつかと同じく「海にいこう」と語る。いつかとは違って、明確な意思でもって。




 花火ってー文化の美しさは、一瞬で咲いて一瞬で散る、その瞬間にしかない美しさであると。多くの人が知ったような感じで語る。
 その、ひとときでしかない栄華をアイドルのそれと重ねるのは露悪的過ぎるだろうか。
 一瞬というほどの短い時間ではないけれど、幼なじみという関係もきっといつかなくなってしまう、その時にしかないものだ。
 彼女たちが今選んだその美しさには彼女たちと、プロデューサーにしか気付けていないものらしく、その場にいた多くの人々は花火を眺め、彼女たちに背を向けている。
 うん。
 もやもやする。

 あ。あと游魚樋口円香コミュについて触れたい気がするんだけど徹底して樋口円香ほんま樋口円香なキミという感じなのでさすがに割愛します。
 さらりと「別に自分は自主練してたわけじゃないよ」と口止めにかかる樋口円香。勝算のない賭けに興じる樋口円香。でもその分の悪い賭けも小糸を庇ってこその樋口円香。一緒に貯金箱買いにいくべく提案も小糸の負担を軽減するためっぽい樋口円香……。








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ぞくぞくくる。

 あ! 今気が付いたけど、今回書いてることのほとんど樋口円香がもう先に言ってた!!(オチ。

デレマスの7th名古屋公演の円盤みせてもらった話とかしていいっスかね。

日記的な部分。

 アイドルマスターシンデレラガールズの7thライブであるとこのナゴヤドーム公演のBD円盤の感想戦をしたいので持ってっていいかとのたいへんありがたいお申し出を知人様から頂きまして。
 よのなかにひとのくるこそうれしけれ。断る理由など欠片もなく。
 ただまあ。きちゃないんだよね。私の部屋。
 せめて私の部屋免疫のないひとが滞在しても病気にならない程度には片付ける必要があるんだけど。と。
 鑑賞会期日は七月の最初の週末か二度目の週末かの提案を頂いて、敢えて近い日付を選んだのは自分を追い込むことで醸造される危機感を片付けのモチベに変換しようという試みだった。結果的にそれが成功したかどうかはわからない。
 取りあえず床はみえるようになった。
 床がみえるとデスクチェアのキャスターの便利さに気付けるね。


 知人さん(以下K氏)の滞在時間はおよそ30時間で、そのうち29時間45分くらいアイマス関連の話をして過ごしたので観光らしきものは駅から私の部屋にまで移動する小一時間のみで、要するに日記めいたネタは発生しなかったのだけど、面白い偶然は発生した。
 K氏はナターリア担当ガチ勢である。
 氏を駅改札まで迎えに行き、ちょうどそんな時間帯だったので一応と地元の名店的なところでカレーをば食べているタイミングでそれは発生した。
 デレステのガチャ更新。
 フェスを挟んでの限定ガチャのテーマは浴衣で夏祭りで。
 K氏はナターリア担当ガチ勢である。
 今日この日にもののみごとに限定ナターリアが着弾した。
 まあ。そうね。なんかね。あるよねこういう偶然。そんな予感はあったよねとお互い頷き交わしつつ……実際に氏がガチャを回したのは円盤の Day1 を視聴し終え、晩飯タイムに入ってからだ。取りあえずピザの宅配でも頼もうかとアバウトに決めていたけれど、ナターリア祈願ということで出前スシ(特上)に切り替えた。


 体験としてちょっと面白く貴重なように感じたのは、アレだね。
 隣で猛烈な勢いでガチャを回している(現ナマを溶かしている)ひとがいるとなかなか心臓にくるものがあるねということだった。
 思ったよりは物見遊山な気分になれない。いっそ切実に当たってあげておくれと祈りがち。
 ピックアップからのすり抜けが三連続で起きたときの胃の締め付けられっぷりとか……。
 そのへんは単にわたしの肝が細いせいもあるだろうけど……物見遊山の他人事になりきれないのも当然と言えば当然で、たぶんコレあれだ。私自身に降り注いだ小梅ちゃん限定ガチャ時のフラッシュバックも含まれてるわ。

 結果的に特上スシはナターリア引けますように祈願ではなく、ナターリアガチャ天井到達記念になった。

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奢りにさせてもらったけどもそれでも10連程度。

 貴重な体験でした。
 実際に引いている当人は「天井まで行くと決めたあとだから案外気楽なもんだよ。いやほんと。ほんとほんと。いやほんとに。ほんとに」とのことでしたが。



肝心の円盤の感想だけど。


 ライブって感想を言いにくいところがあるよな。それは体験のものであるからに。
 起きた出来事を起きたようにいうのが精々なところがあって。ライブに関する文章は感想てよりかはレポートという言葉を用いられがちという事実もある。
 しかも観たのは起きた出来事のログであるところの円盤である。
 既に諸々の形で参加された有志のレポに触れており、起きた物事を起きた通りに言うのが精々なライブという催しにあって既に何が起きるのかを知っているのだから。こう。その鑑賞は確認に程近く終始してしまう部分がどうしてもあるよな。


 とはいえ。当然のこっちゃけど、ついったの伝聞で知った気になっているのと実際に観るのとでは大違いだ。
 有志のまとめたセトリの時点で驚いたけど、極めてコンセプチュアルな、ダンスサウンドを強く指向し揃えられた楽曲は、デレマスが七年という蓄積を経て、単一のテーマで、二日間の公演を十分に埋めうるほどの楽曲的豊かさを獲得していたその結実と評せる。楽曲だけでなく、歌唱メンバーの大胆な入れ替えもまた多様性あってこそ出来ることで。そのコンセプトに合わせたディレクション……というよりも、有り体に言えば『編成』はいかにもシンデレラガールズだ。
 多様性は豊かさに他ならない。
 わたしのデレマスのいちばん好きなところがそれだ。わちゃわちゃ感。
 理想論に近いけども強弁していきたいことだし、それを現実にみることが出来たのがこの公演であって。シンデレラガールズというコンテンツの、現時点でのマスターピースがコレだともう断言していいのではないか。


 現地参加もしてないし人様の購入された円盤でどんだけ語るんだって話だけど。
 あと現時点での、な。まだまだ声付いて欲しいのに声付いてないアイドルも多いしな。


 幕間にも多用されるミラーボール・ラブもすごい楽曲だ。
 ライブで初披露、ではなく、ライブを象徴する楽曲として書き下ろされた曲。それは一般的な「ゲームを通じての総まとめのライブ」ではなく、ゲームとライブとが主と従の関係ではなく共にコンテンツの主体として並び立つものだとの宣言であるように感じる。
 後にコレライブで初披露だったんかいとおののいた Secret Daybreak の、それでも万全の完成度に改めておののいたり。バベルの濃密さに、しきあす推しの担当諸氏がビョーキがちなのはどう考えても当人達のせいと思い知らされたり。セクギルの楽しげなさま。ドームだからと思うさまやきうネタぶっこんでくる杜野まこ氏と、反面きらりに感染させないためかやきうネタ控えめな松嵜麗氏。イリュージョニスタのコールの異様な完成度に、大阪公演の開演前の会場放送で既に温まりまくってたコールを思い出したり。縦横無尽に立ち働くバックダンサーさん達が20人ちょいしかいないと知って驚き、「大変なんで」「難しい曲なんで」とややネガティブな感想を多用するけどもそういう言葉を使う度に嬉しそうな顔をする飯田友子氏とか、ショコラティアラにせよNUDIE★にせよ豪華な編成だなとか、いっそオリジナルメンバーの一人もいないNation Blueとか、編成を大胆にいじくるからこそ映えるソロ曲とか。初登場の初ライブで初披露曲とかいうアイマスは演者を千尋の谷に突き落とし問題とか、バックステージ含めて生田輝・花谷麻妃両氏が出る度に当人達よりも泣く山本希望氏とか、メガネー!! オタクー!! とか。そして今に至るまで「……なんで?」て疑問に一切答えがなく、そしてその疑問を灰燼に帰すパワフルなプレイをぶちかますDJ KOO。高橋花林氏の挨拶になんかもうすごい泣いてる福原綾香氏からそうよね……凛は、きっと自分のためよりも誰かのためにばっか泣くんだと思うわ……とかもらい泣きしたり、Spin-off ! が発表された瞬間の悲鳴にも近いPの歓声や小市眞琴氏の「晴の、大切な女の子が……」て落涙にこんなもんもらい泣きしないヤツがいるかよとか。


 それから、改めて確信したけど。おれデレ楽曲のなかで Stage Bye Stage がいちばん好きだわ。ステージからステージへと渡り、繋いでいく、何度もたった一度を繰り返すその意味を歌うこの歌が。この確信は、ライブで、ステージで歌われる姿を経てこそ至れた確信なのだと思うのだわ。


 そうした諸々のなかでも特に印象に残ったのは森久保乃々と高橋花林氏。
 憑依型と評される由縁がわかった。
 思えば彼女が小梅ちゃんの代わりに歌ってくれた全然平気そうじゃない「平気ーちゃんとーみえるからー!!」をナマで聴けなかったという禍根が私を大阪に向かわせたのだ。そういう意味では恩人でさえある。円盤の感想の最初に「確認」とか言ったけど、そうなのだ。このへいきーちゃんとーみえるからーこそ一番確認したかった。これを聞きたかった。


 結びの挨拶で彼女の語った「プロデューサーさんが、辛抱強く森久保のための森を作ってくれたから……」という言葉から思い知らされるキャラクターへの理解の深さ。確かに彼女は、何もかもにアグレッシブに消極的で、だから多くの人が自分に呆れ見捨てるタイミングでもなお執念をみせるプロデューサーに絆されてアイドルの道を選んだのだ。その経緯を当人の言葉で表すならば、メルヘン趣味に寄ったその表現以外にないように感じるし……そしてその直後の「だから……そろそろ、ゴールしていいですか……?」も素晴らしい。素晴らしいというかもはやスゴい。あんだけの観客を前に、あんだけのしんみりとしたいいこと言ってるねムードを叩き壊す森久保らしさをぶちかます。それは度胸とかそういうもの以上に、「森久保ならばまちがいなくこういう」という確信があってこそのぶちかましだったんじゃなかろうか。もしくは、確信以上の。森久保と高橋花林とが同一化しているからこその。



 デレステってのはなんとも複雑なコンテンツであること よなとK氏と事前に話をしていた。
 ライブひとつをとってみても、ライブに臨む我々はどんな立場なのか判じかねる部分がある。Pとしてアイドルの晴れ舞台を観に来たのか、声優さんの歌う楽曲を楽しみに来たのか。声優とアイドルとはどれだけの同一視が許されるのか。仮想のコンテンツを現実に見立てて、意識的に、或いはライブという場の力を借りて感情移入をして。
 それらの区別や区切りはとても難しく、渾然一体とした、切り分けの出来ない、色んな事情も感情もごっちゃになった、とにかくなんか複雑だよなみたいな話をした。
 生田輝氏は挨拶で「ナターリアなんだから、泣いたらダメだってずっと思ってたんですけど」と泣きながら語り、K氏はそれをみて「泣いていいんだよ。ナターリアだって感極まったら泣くよ」と感極まっていた。
 デレマスは複雑なコンテンツであり、その複雑さは言葉に出来ない。
 言葉に出来ない、その場にしかない類いの現象をみたいかたこそ人々はライブに参加する。
 ステージという場は、それらがぶつかりあって、最も強く観測できる場所なのだと思う。思った。思ったんだよ。

樋口円香さんの全モーニングコミュレビューどろぬま後半戦。

 まだね。運命の出会いがね。まだ運命の出会いガチャがね。残ってるからね。まだね。と。もう一度引くとSKIPの間をお百度参りしていたところいつのまにか殺して屋根裏に放棄して腐るままにしておいたおれが背後から「ところで TureEnd ってなに? TrueEnd じゃなくて? アレわざと?」と声を掛けてきたんですが幻覚であることは理解できていたのでガン無視しました。
 樋口さんはまだ出てきてくれません。


 はい樋口円香との丁々発止な朝のご挨拶、後半戦をお届けします。
 前半戦はこちらなんですが。

tehihi.hatenablog.com

  前半である8/15種のコミュを通じ理解できたのは、円香さんとの心の距離を近付ける為にはルールがあって、基本的には「かまうな」「さわるな」「ちかづくな」に分類できるという点です。
 なんというか。さすがですね。
「ちかづくな」は語呂の良さから採用したけど、実際的には「わかろうとするな」になるかな。心の距離の近付け方て話してんのに。
 で。
 それらトゲだらけの前半を越えてこそ到達した後半戦は好感度があがってからのコミュになります。親密度があがっており、お互いの理解が進んでいる状態ならば、この記事の主題である「なぜこのコミュで親愛度があがるのか」という問いもわかりやすくなっているハズです。
 ハズなんだ。
 ハズなのに……ええ……?
 まあ詳しくは、経過をみてってほしいんだけど。
 その末に辿り着く答えを予め言っておけば「やっぱシャニマスのテキストは信頼できるな……」あたりになりやす。
 あ、でも先に、前回の残り。これはまだ親愛度Lv2でのコミュ。


Morning 9

「そういえば――
 この間、浅倉からあなたの写真が送られてきたんですが
 ――なんですかこれ。どういうつもり?」

 ど、どういうつもりと言われても……


・もうしないよ
「…………………………。
 はい、よく言葉を選べましたね。
 ミスター・不純物」

(よし、楽しく話せたな)

・ピースしただけだ
「はあ、そうですね。
 浅倉とツーショットでピース?
 どうでもいいけど、二度としないで」

(まぁ、普通に話せたかな)

・透が撮りたいって
「は?
 浅倉のせいにするの? は?」

(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)


・寸評。
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 問題のやつ。
 少々凝った内容のもので、浅倉透とのモーニングコミュと連作になっている。樋口からの連絡に「Pの写真で返事していい?」と急に透が言い出して、ツーショットの写真を送り返したという内容。
「ピースしただけ」というのは事実だけど「透が撮りたいって」てのは、断ることもできたのだから事実としては半分程度か。

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 コミュの内容としては、「二度としないよ」という相手が大切に思うことを尊重するという回答がパフェ。要するに、樋口円香が大切にしているのは浅倉透であって、この回答が出来るようならば樋口円香学も及第点ということで、花丸を貰える。
 花丸と表現するには「はい良く言葉を選べましたね。ミスター・不純物」という苛烈さがなかなか苛烈だけど。

 ここでいう不純物とは、いわゆる不純異性交遊などの用例に因む「スケベおやじ」くらいの意味とも解釈できるけれど、なんだかどうしても。言葉通りの意味の不純物に、不要分子みたいな、余計な混ざり物というトゲがあるよう感じる。そして「よく言葉を選べました」という返答は「邪魔ものなのだとしっかり自覚しておきなさい」と釘を刺されたようにも思える。

 樋口円香は変化を厭う素振りがある。
 変わりたくない。このままでいたい。
 或いは、Pの熱に感化されたくない。

 Pを蛇蝎の如く嫌うのは、樋口自身に、もしくは幼なじみという皆の関係そのものに変化をもたらしかねない存在としての危惧が強く働いてためであろう。「ミスター・不純物」という揶揄にはそうした思いが色濃くでているのではなかろうか。

 なんだか悲しく思えるのは、このコミュが連作であるという点だ。
 樋口円香への回答は「わかった。邪魔をするつもりはない」という内容が好感触になる。
 一方、浅倉透はどうかというと、Pの写真で返答したいという思いつきに「――ピース」と、乗ってやるとパーフェクトになる。逆に「そんなので返答になるのか?」と訝しむとバッドコミュである。

 円香と透と、結果が真逆になっているのだ。

「透がやりたいって」と返答すれば「は? 浅倉のせいにするの?」と詰め寄られる。
 その険悪さは、浅倉透から言い出したことだと信じたくないようにさえ感じられる。しかし、それを裏切るように、事実だ。
 樋口が守りたい・維持したいと思っているものに対し、浅倉は無頓着なのだ。
 そのすれ違いがなんとも悲しい。 

 まああんだけ弱みや自分自身を出したがらない樋口円香が浅倉透とのツーショットに少々目の色変えて「どういうことですか」と難詰にくることそのものは樋口お前ほんま樋口ね的にぶっちゃけ愉快だけれども。


 ――ここから親愛度上昇――


 具体的には親愛度が3以降。ここの親愛度上昇は特別な意味がある。
 何せ、おさわりが解禁されるからである(解禁されたわけではない)

 大事な攻略情報なので言及しておきたいが、親愛度が3以降はプロデュース中のメイン画面にて、ボディタッチを行ってもテンションが低下しないのだ。つまりノー・リスク・ボディ・タッチ。
 樋口円香でさえこのシステム上の制約により約束された魔手から逃れることはできない。

 まあそんな話がしたいんじゃなくて。
 プロデュース上の、テキスト上で示される親密さはこの時点で頭打ちということだ。
 モーニングコミュにもその状態にあわせて、相応の変化が訪れる。
 訪れている……はずなんだ。
 相変わらず辛辣で変化がみえないけども。 訪れている……はずなんだ。
 ……はずなんだけど。と、混乱させられる由縁は、これまでの10通りで学んだ「かまうな」「さわるな」「ちかづくな」の原則が通用しなくなっているからである。
 親愛度Lv3に到達によってPと円香の心の距離は近付いているハズである。相互理解も進んでいるはず。なのにかえってわかりづらくなっているのは何故なんだろうと。
 ひとまず順にみていきましょう。


Morning 10
 円香って、休みの日は何しているんだ?
「答えません」
 はは、冷たいなあ
 じゃあヒントだけでも
「……プライベートです」


・惰眠とか?
「あなたと一緒にしないでください
 知らないけど」

(よし、楽しく話せたな)

・勉強とか?
「必要な時にはやりますが、
 でも、それくらいは普通でしょ?
 机にかじりつくような優等生にでも見えましたか」

(まぁ、普通に話せたかな)

・家事とか?
「……その聞き方から察するに
 あなたは休みの日以外、家事をしないみたいですね」

(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)


・寸評。
 だからプライベートに触ろうとするのは禁句だっつって。と、これまではそれなりに距離を取っていたPが明らかに態度を変えていると察せられるコミュ序文。Pの方でもある程度の親密さを感じられてこその踏み込みなんだろうけど、その精神的タフネスに少々ハラハラさせられますな。

「あなたは休みの日以外、家事をしないみたいですね」という切り返しも鮮やかさなバッドコミュは、素直に軽蔑されててわかりやすいですね。「必要なときには勉強をするのが当然」というグッドのも含めて、樋口円香さんは生活態度が真面目である。
 小糸ちゃんに優しい顔をみせるのはそのへんもあるのかも……まあ、小糸ちゃんへの好印象は、彼女も四人組への執着が強くてそこへの共感や安心があるんかな……というのは脱線として。

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Pにはみせない顔。

 問題は、パーフェクトコミュの内容である。
 15種のモーニングコミュのなかで一番の難題のようにさえ感じる。
 なんでこれでパフェなん。
 今までの例を参照すると「理解されなかったことに安堵して」の親愛度上昇てパターンに当てはめられそうにも思うけど、理解されてないという点では三つとも並んでいる。

 わかんないので、だいぶ穿って考える。
 惰眠とか、は、正解なのでは。
 樋口円香は休みの日は寝て過ごしているのでは。
「あなたと一緒にしないでください」という咄嗟の回答がキモなんじゃあるまいか。
 例えばそれが、ほんとにやってない過ごし方ならば「はあ?」とか「そんなこと、してると思いますか」とかもっと分かりやすい返答になるんじゃないのか。それに、Pが問いかけたのは「惰眠」である。惰眠て。そこは昼寝とかでええんちゃうんと思うところを、妙に強い「惰眠」て表現である。
 それに対しての「あなたと一緒にしないでください」が含んでいる意味は、そんな過ごし方はしていません、じゃなくて、「あなたのと違って、私のはムダな眠りじゃありません」という意味だったりはしないか……?
 知らないけど。
 この、「知らないけど」も、咄嗟に出てしまった言葉を打ち消している言葉であって。その、一瞬だけムキになってしまったような様子が図星を思わせるんだよね。
 みたいな、樋口円香が教えてくれない趣味って実は昼寝だったりしないかな話は別に書いた。

tehihi.hatenablog.com

 仮に、樋口円香が休日は大体寝て過ごしてたとしても。それを言い当てられることで親愛度が+3されるのはこれまでのパターンからだいぶ逸脱してるんだよね。んん。
 しかし一方で、以降のコミュでも、親愛度がLv3になってからは「かまうな」「さわるな」「ちかづくな」の原則が逆転しているよう感じるのだ。
 それに倣うなら、言い当てられたからこその親愛度上昇……?

 んんんー。
 逆に、これまでの例に当てはめるならば「勉強」も「家事」も、間接的にやっていることだと回答されている。なので「惰眠」はやってないことで、類例通り、理解されていないことにむしろ安堵しての親愛度上昇パターンに適合はする。
 こっちのが推論としてはスッキリしているが……。

 そういえば、樋口は「今度、休みをください」て約束イベントでも「これ以上はプライベートですので」つって言及を躱す。うーん。
 そのうち浅倉透あたりがあっさり「樋口の休みの日? だいたい私の部屋で寝てるね」とか言及してくれないかしら。


Morning 11

 …………円香。
「今、台本に集中しているんです。
 見てわかりませんか」

 いや……
 円香の肩、テントウムシがとまっているんだけど
「…………」


・じっとして
「……………………
 ……………………………………取れた?」

(よし、楽しく話せたな)

ナナホシ
「ふうん、詳しいんですね
 差し上げるので、早く持っていってください」

(まぁ、普通に話せたかな)

・…………
「…………
 ……早く、どうにかして」

(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)


・寸評。
 前半戦で「ナチュラリストだったりするんかな」とか適当抜かしたけども虫はきっちり嫌いな様子。害虫でも不快害虫でもないのにしっかりとした嫌がりようは明確に虫嫌いなのだろうけど、オーバーなリアクションをとるでもなく黙って耐えるあたりが。

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無防備。

 イイ。
 ガードの堅い円香がめずらしくみせた弱みでもありつつ、苦手なモノを早く排除してあげた順に良い結果になる。
 結果としては普通だ。
 しかし、この普通さこそ要点であるよう思える。
 従来の樋口円香ならばPに弱みをみせた時点で、「知られた」時点で三つの選択肢のどれもがバッドコミュ確定みたいな勢いだったけど、ここに至ってやっとPの働きに素直に親愛度を上昇させている。
「じっとして」という呼びかけこそあったものの、静かに耐える様子と「……取れた?」という返事からは、Pに苦手を把握されている、そしてPはそれを除けてくれるというほのかな信頼が感じ取れる。
 不可抗力ではあれ、樋口円香がPに甘えた一瞬とも解釈出来る。
 肩に止まったほんの小さなテントウムシを除けるというだけのシーンだけど、とても決定的なシーンだと思う。マンガで例えりゃ少なくとも見開き2ページは費やしてほしい場面スよ。
 見開き2ページというと大変なことですよ。具体的にはメイドさんが着替えを終えてエプロンを締めるまでですよ。


Morning 12

 取引先からフルーツゼリーをもらったんだ
 パインとチェリー、どっちがいい?
「どちらでも」
 ……それなら、じゃんけんで!
 円香が勝ったらパイン、負けたらチェリーにするか!
「は?」
 いくぞ、じゃーんけん――


・ぐー
「――私の勝ちですね
 ……チェリーで」

(よし、楽しく話せたな)

・ちょき
「――で、あいこの場合は?
 はぁ、とにかくどうでもいいので、
 適当にください」

(まぁ、普通に話せたかな)

・ぱー
「何、ひとりではしゃいでいるんですか
 付き合いませんよ」

(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな)


・寸評。
 選んだ選択肢によってじゃんけんにつきあった / 付き合わなかったと、因果律ごとごっそり変わってるコミュ。そりゃじゃんけんに付き合うぐらいなら親愛度もあがる・付き合ってくれなかったのであがらないーのは当然ではあるんだけど、でもそれって選択に先んじて結果が決まってるってことになるんでややこしいよなとか思うんでややこしいことを言うのは避けておこう。

 もしくは。負けた際に樋口が出してるのはぐーになるけど、ギリギリ「じゃんけんなんかするつもりありませんでしたけど?」とごまかしが利きそうな手ではある。つまり、樋口が見栄をはった可能性もある。
 ならば、Pが選ぶべき手は、「じゃんけんの手じゃありません」と誤魔化しが効き、かつ、その状態で相手を勝たせることの出来る手。それを両立できるのが「ぐー」という選択……そういうことだろうか……。

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一部のインターネッターが連想せずにいられないやつ

 まあややこしいことを言うのは避けといて。
 注目したいのは「円香が勝ったらパイン、負けたらチェリーにするか!」「私の勝ちですね……チェリーで」というやりとりだ。
 勝ったのにチェリーを取った円香。

 これ、照れ隠しなのではないか。

 咄嗟にじゃんけんに付き合ってしまった。ついでに、勝ったことに喜んでしまった。それの照れ隠しとしてルールを反故にしてみせた……というやりとりなのではなかろうか。カワイイ。

 そして、それで親愛度があがるのだ。
 なぜだ。
 樋口円香が、照れ隠しをした姿を覗かせたのに親愛度をあげている。なんでだ。
 先のテントウムシのコミュと併せて、内面を覗かせているのにも関わらず上昇している。
 ここにおいても、これまでの原則だった「かまうな」「さわるな」「ちかづくな」のうち「かまうな」から外れている。

 そもそもだ。あの樋口円香が、コンビニでのついでの買い物さえ借りを作りたくないと拒んだ樋口円香が、Pからの施しを受けているのだ。Pから食べ物を与えられてそれを食べているのだ。そこからして類例から大きく外れているじゃないか。
 なんか警戒心の強い野生動物みたいな扱いだがまあともかく。


 先延ばしにしていた結論を今こそ言うべきな気がする。
 これまでみてきたコミュはそれぞれ「かまうことで」「さわることで」「ちかづくことで」、親愛度があがっている。
 これは……つまり、やはり……さすがにもう確信していいんじゃないのか。
 デレているのだ。

 樋口円香がデレているのだ。

 わ。
 わかりづれェ……! わかりづらいけども、このわかりづらさこそが樋口円香がデレている、あるいは僅かにデレの片鱗をみせている証左なのだ……!
 デレているという俗な表現が悪ければ、Pとの距離が近付いていると表現すべきか。

 えー。ちょっとショックー。
 という感想が正直なところだけども、まあツンデレはデレたら終わりみたいな過激派だか原理主義的なことをいうつもりもないが。しかし。このわかりづらさ。「ただでデレさせるつもりはねえぞ」というおシャニさんからのメッセージであるようにも感じるし、ツンが嬉しい向きにとっても舌鋒の鋭さがまったく鈍ってない極めて上質なデレとも表現出来るんじゃないかしら。
 Pとの距離が近付いたというよりも、樋口円香がアイドルを続けていく気持ちが固まり始めているとも言える気がする。
 それは単に馴れただけとも、感化されているとも表現出来る。
 本人の望むと望まざるとに関わらず、人も物も変化していく。それは或いは樋口円香にとっては残酷なことかも知れないけれど。

 ところでちょきだしてる円香をちゃんと画像でみたいんですが。


Morning 13

 おはようございまーす!
「おはようございます」
 円香! すまん、待たせたか……!?
 今日の予定だけど――
「……話の前に、するべきことは?」


・……うがい?
「そうですね。あなたからもらう風邪とか、
 発熱よりも絶望の方で寝込みます
 いますぐ息を止めて、回れ右」

(よし、楽しく話せたな)

・……手洗い?
「はい、満点の答えです
 赤ちゃん基準の採点ですが
 さすがでちゅね」

(まぁ、普通に話せたかな)

・……除菌?
「わかっているなら早くして
 ああ、消滅しないように気をつけてくださいね」

(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)


・寸評。
 ……デレてるんじゃないのって話をついさっきしましたけども。
 この、どれを選んでも飛んでくる毒舌にいっそ安堵すら感じますね。

「さすがでちゅねー」と揶揄したつもりであろう樋口円香はまだ若く、人生の機微を、あるいは人の陰影というものを知らない。だからわからないのだ。その赤ん坊扱いはそれはそれでごっつ悦ぶ性癖持ちがいるということを。

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あばばばば

 生活態度の真面目な円香さんはこういうのにもちょっと厳しい。新型コロナが世界を席巻している昨今にタイムリーな話題である。事務所内にはマスクがトレードマークな先輩もいるし。
 やはりここでも親愛度3以降の、これまでのコミュ結果との反転がみられる。
 うがい>手洗い>除菌。という結果順をみてもらいたい。防菌を徹底するほどバッドコミュに近付いているのである。

 それはなぜか。
 推論A。徹底した順から悪くなるということは、それだけ気を遣わせたように思えて気が咎めた。
 推論B。除菌というオーバーな物言いが冗談みたく解釈された。

 いずれにせよ注目したいのは、「満点の回答です」は、満点なのにグッドコミュで、さらに上がある点だ。
 満点の上はうがいである。
「うがいもしてねぇヤツと話す口なぞ持ち合わせてねェんだよ」という会話の内容だけど、ひっくり返せば「これから話すんだからうがいくらいして来い」になる。
 しっかり対話すべく態度を示してくれているのである。
 これはまあ、(よし、楽しく話せたな)でも文句はないんじゃないでしょうか。
 都知事の唱えた三密のうち一つは親密である。違うけど。
 そもそもコミュ全体が風邪の予防くらいちゃんとしましょうっつって身体を気遣ってくれてる感じにもとれなくないけど、ダメっすかね。


Morning 14

 おはよう――
 ん、髪切った?
「……昨日と一緒ですが」
 あれ違ったか
(なんとなくいつもと違う気がするんだけど……)


・えーと、それじゃ……
「……さっきからなんですか?
 些細な変化にも気付けちゃうアピール?
 色気付いた中学生みたい……ふふっ」

(よし、楽しく話せたな)

・メイクを変えたとか……
「じろじろ見ないでください
 普通に考えて失礼な行動はやめてもらえますか」

(まぁ、普通に話せたかな)

・シャンプーを変えた?
「え、こわ……
 近づかないでください……」

(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)



・寸評。
 ふふっ。が官能的。
「え、こわ……」は樋口円香だからとかどうとか置いといて正常な反応だと思う。反応からしてたぶんシャンプー変えたのは事実なんかなと思うけど、変わる前からシャンプー及び体臭を記憶されてて変化に即気付かれるとかそれはまあ怖い。キモい。近付かないでほしい。しっかり警告しておかないとそのうち「これ円香が使ってるシャンプーだよね」つって持ってきてそれ目の前で一気飲みされそう。だれもそこまでは言ってない。

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 シャンプーじゃなくても、「近付くことが許されている」のだと理解していればやっぱりどこか官能的にも思えるコミュだ。実際、変わっていることを指摘しようと、理解を示そうとすると好感触になる。「じろじろ見ないでください」でも+1されるあたり、そこそこギリギリまで近付いても許して貰えるくらいの間柄にはなれているようだ。
 だからっつってやり過ぎたらガチでドン引きされる。
 わかろうとされること自体には心を許しながら、わかられるのはイヤという微妙な状態とでも評せましょうか。

 内容そのものは他愛ないけれど、どこか変化を恐れているよう感じられる樋口のことを思えば意味深にも感じられるコミュである。


Morning 15

 円香、笑って!
「……。
 ……ああ、やっぱり
 あなたに撮ってもらうのは無しで
 写真は自撮りにします
 サイトにはそれを使ってください」


・円香……笑って!
「……
 ん…………」

(よし、楽しく話せたな)

・俺の変顔を見よ!
「うわ……
 動かないでそのまま……
 ……………………ん、撮りますよ」

(まぁ、普通に話せたかな)

・かわいいよ!
「……何それ、最低
 そんなので絶対に笑いませんので」 

(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)



・寸評。
 番号では15と振ってあるけども、実際のゲーム中ではランダム順に選出される。それでも、プロデューサーと樋口円香との距離感の表層であるモーニングコミュにおいて、トリを飾るのにあまりにも相応しいのではあるまいか。
 一つのエンディングのようでさえある。

 このやりとりと、この笑顔の前には寸評なぞ野暮もいいとこだろう。

 で。野暮いことをしていきますけど。
 これは共同作業だ。
 サイトに載せる写真ということはお仕事である。アイドルとしての。
 それを拒んでみせる樋口円香と、強引に迫るプロデューサー。それはこれまでのコミュに共通し、繰り返し繰り返されてきた関係だ。
 その末に、やっと笑顔にまで辿り着けたのである。
 プロデューサーが笑顔を引き出せたのか、樋口円香が笑顔をみせることができたのか、どっちかはわからないけども。
 その笑顔の意味はとても大きい。


 かわいいよ! を選んだPは「てめえ今まで樋口の何をみてきたんだ」つって適当に鉄拳制裁でも食らってて貰いたいけど(理解されなかったという事で素直に悪印象になる樋口も愛おしいが)、惜しくもグッドである変顔も味わい深い。
 あの樋口円香が、パーソナルな端末に、Pの肖像を保存したのだ。Pに借りを作ってでも充電を選ぶ程度にはスマホに依存している様子のあのコミュも想起したい。
 もしかすると円香は、このあとこの変顔を浅倉透に送信したかも知れない。「今、事務所にいる」とかなんとか添えて。



・総評。
 これまで散々見てきて、今さらこの論評の根底から覆りかねないことを言えば、そもそも、コミュ結果による親愛度上昇はどれだけ樋口円香が自覚的か、無自覚なのか。場合によっては、親愛度のパラメータ上昇はゲーム上便宜的な表現でしかなく、樋口円香当人の心理を表現したものではないなーんて可能性ももちろんある。
 何せ本人の気持ちなんてのは本人にしかわからず、本人でさえわからない部分も多いだろう。
 けれど、この、特に親愛度3以降の、結果のわかりづらさはシャニマス運営がその「本人でさえわからない部分」を尊重した結果であるようにも感じるのだ。トゲの鋭い口調は何もそうした性癖の持ち主のみに向けられたのではなく、彼女の人格と、彼女の大切にしているものと、彼女の変わっていくところと変わらないところ、変わりづらいところとを表現したからこその結果だと、そう感じるものである。
 この信頼感こそがシャニマスだ。アイドルの全てを輝かせると宣言し、我らを誘う人々の根底に流れているものだ。

 さて。
 ぼくは運命の出会いガチャを回す作業に戻ります。