オレンジタイムの感想を言葉にしーたーらー。

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夕暮れ時という主題。

 142’sイベがくるということで。公表されたイベント名はオレンジタイム。

 小梅ちゃん好き諸賢は皆一様に、著名・パパとママの愛情が足りなかったからそうなったのか・監督映画ことスタンリーキューブリックさんの「時計仕掛けのオレンジ」を連想するところだろうけども実際のところ関連は薄かった。シンギングインザレインを歌いながら老人の脇腹をボコボコ蹴る小梅ちゃんとか、ミルクバーでインエンドアウトにしけ込む輝子とか、ルートヴィヒは悪くないのに!! て失明寸前で絶叫する幸子とか観たくなかったと言えば嘘にはなろうがまあそもそもあれホラーじゃないし。
 デレマスさんって妙にキューブリック好きなところあるよね。
 小梅ちゃんは度々、雪の降るペンションへお出掛けするし。大和軍曹には妹がいるし。

 

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愛らしい。
 
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雪のホテルの撮影で雪だるまになった有名なひと。


 ともかく。
 オレンジタイムという言葉をそのまま解釈すれば夕暮れ時になりましょう。
 夕暮れといえば黄昏で、逢魔が時なんて表現されたりもする。
 昼と夜のはざまで、あっちとこっちの区別が難しくなるその時間はそれだけ人ならざる者と出会いやすいお時間。なるほど小梅ちゃんには相応しそげ。

 小梅ちゃんは、ホラーやスプラッタ。死や腐敗や暴力など、およそ表舞台から退けられるよな暗いイメージに心を寄せつつ明るいステージに立つ。「暗いままでもいいんだよってみんなに伝えたい」と歌う。
 輝子にも似たところがある。嫉妬や憤怒など、世間には容れられないけれども確かに心の内側にある激情を己の一部として抱えて、ときとして代弁者としてステージに向かい、受け止める。「本当の自分を解き放てェ!」と叫ぶ。

 それら両面性が境界を曖昧にして、混然一体なままにアイドルとして自己を表現する。
 なるほど逢魔が時。誰彼時。夕暮れ時でオレンジタイム。
 とても相応しい、面白げなタイトルであるなと。
 うん。
 それで。
 この場合、幸子はどうなるん?
 んー。


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 ひとまず曲の方のオレンジタイムをべた褒めします。
 満点以外に付けようのない大傑作曲。
 三人それぞれの高音も、ウィスパー気味のボイスの使い方も先ず以て素晴らしく。可愛らしさ全振りな曲に思わせといて急ブレーキかけてくる「さ・が・す」がイカスし、ポップともEDMともプログレとも表現しがたい細かな細かな音ネタがホントに。
 似通うところを持ちつつも主に趣向がバラバラな三人だから、その三人での曲ともなると相当な難問に思えますがたいへん鮮やかな回答だと思います。
 歌詞もいいよな。
 神様ちょっとお願い。ちょっとだけ続くオレンジタイム。
 ポケットにころがす甘酸っぱい飴もきっとオレンジ味なのでしょう。言葉としての言及は避けながらも、オレンジタイムという今このときが甘酸っぱくこころよい時間であると表現しつつ。バス停の陰が伸びゆくことに、時間の経過に、夕暮れが終わってしまうことに焦りも感じている。
 言葉にしたいのにしたくないってどういうこと?
 それでも夕暮れ時は夜が来る前の時刻であって、明日に、先に進むためにはこの時間を終えなければならない。

 時の移ろいの留まるを願うは乙女に許された特権スな。それが、彼女たちの象徴のよな夕暮れ時を指すならばなおのことかも知れません。
 あー。フル版はよ。


 シナリオのお話もまあね。
 個性が強い故に趣向もバラバラである三人はそれでも142cmという偶然で結ばれた。けれど、三人とも成長期なのだからいつまでも142cmという訳にもいかない。この関係はいつまで続けていられるんだろう。そう予期させるオープニングは良かったし、いずれ終わる夕暮れ時を思わせて曲とのシナジーもまたイイ。
「些細な偶然で出来た繋がりだけど、でもきっと偶然でもよかったんだ。ずっと続いていくんだから」というまとめ方も良かったですね。

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 難点をいうなら。
 イベント運営の社長さんの独善的な企画があまり独善とも言い切れず「ファンは、三人のより個性的なところをみたがっているんじゃないか?」という提案は。うんまあ。そっスね。と概ね首肯できるところだし。実際んとこそれに対し輝子がヒャッハーしてみせたシナリオの展開は、それ自体がおおむね「ファンとしてみたいところ」を叶えるよな形になってた。
 実際、イベント報酬の一枚として切り取られたのはそのシーンだったし。
 そうなると社長の主張と一致してることになるよね。
 そこんとこ頭ごなしに否定されてもなーというか。
 それをファンの総意としてまとめられるのもどうかというか。

 総意は総意であって、大多数の意見とは違う。
 大多数の意見が「142のカワイイとこがみたい」だったとしても、少数派の意見としてまた違うものもあるはずだろう。
 個性を強く出す、ということは、少数派としても生きていくことを決意することと割と似ている。個性派の三人である142’sの、そのシナリオでそこんとこの区別を曖昧にするのはどうなんだろ。

 大多数派の意見を選ぶことに文句を言っているのではなく。それを総意とすることで少数派の意見をなかったことにはしてほしくないというかね。
 めんどくさいですねこのひと。

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輝子さんはオトナだなあ……。


 だからこう。
 もうちと丁寧に。それはそれとしてという形で「ボクたちはこわくてキノコですけど、でもボクたちはカワイイんだから、今回はカワイイを前面に出したイベントにしたい」「ボクもカワイイ。ゾンビをカワイイと思う小梅さんもカワイイ。キノコとお友達である輝子さんもカワイイ。それじゃダメなんですか」つって説得にかかるお話のがシナリオとしては整ったんじゃねっつって思う。
 個人的にはだけど、それが幸子の役目な気もしてるし。

 デレステさんはそこんとこいつもダブスタだ。
 少数派だろうともトガった個性か、アイドルとしてより大多数に愛されるべきか。どっちもあっていい。そう言いながらも、そのどちらもが叶えられることはあんまない。なくはないけど。
 オレンジタイムのシナリオのこのへんは、そのへんの問題が、あるいはデレステさんがそこんとこにどんだけ問題意識もってんのかしらという個人的な疑問がモロに表層しちまったな部分だなーっつって複雑な思いになったことだけは書き残しておきたい。


 んでね。
 夕暮れ時という時間は小梅ちゃんにも輝子にも相応しい時間帯だなという与太を最初にしたけど。「じゃあ幸子にとってはどうなん」という疑問はこの部分に接続される。
 夕暮れ時てのは穏やかで優しい時間なのである。
 強い日差しは活力に繋がるけれど、それだけ厳しくもあり多くのものを疲弊させる。夜の冷たい静けさは危険でもあるし、明日への備えに費やされる時間でもある。
 今日とも明日とも言い切れない夕暮れは穏やかな端境で、どちらともが許容される時間だ。
 いつだかかどこだかで、輿水幸子はカワイイの極意を問われて、カワイイとあろうとするその心がけそのものがカワイイと評した。個性というか、アクというかの強い小梅と輝子とを「カワイイ」という接点で繋ぎとめる幸子は「さあ、ボクたちをカワイイと呼んでください!」とステージで宣言する。
 なぜならば小梅と輝子はカワイイのであり、アイドルがアイドルたろうとするならばその限りにあってカワイイのであり、何よりも輿水幸子はカワイイからだ。


 オレンジタイムの曲を聴いた人の、多いのか少ないのかはわからんけども、そのうち何人かが「真っ当なアイドルソングっぽい」と評していた。私も相当可愛い曲であるなと感じたし、このカワイイ曲が、142'sの曲としてまちがいなく満点だと感じた。
 それがいかにも象徴的だなと思う。


2DリッチMVの感想。

 オレンジタイム総合感想スレなので触れておこうかなと。

 ・実習生な先生が退任の日(先生なのは制服てよりも背広にみえたというだけです。
 ・その実習生先生にそれぞれ惚れた三人。
 ・三人はそれぞれのタイミングで惚れたけどもお互いほぼ見ず知らず。
 ・諦めるつもりが諦めきれずバス停まで走ってしまう。
 ・そんな場面に三人が居合わせ、お互いになんとなく悟り察し合う。そんな仲良し三人組のはじまりの出来事。


 みたいな?
 野暮。野暮だね。わざわざ言葉にするの野暮だね。
 野暮だけどもまあ「互いに見ず知らずのままに同じオトナを好きになってた」て部分がだいぶ妄想だけどもたいへん強い願望も込めつつ。おっさんくさい願望だな!


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イベントのランキングに関して。

 3年ほど遡って。

tehihi.hatenablog.com


 初の142'sイベがきたかきたぞきたんだなと前のめって準備してたらばYとDが混ざって少々つんのめった気分になりつつも結局走ったあの頃に、KBYDがステキユニットなのは認めるけどもそれだからこそ急に混ぜるんじゃなくて個別イベにしてほしかったというか、混ぜるなら混ぜるなりに完成度のナイスなシナリオにしてほしかったのにYとDよ、ZとKとがほぼ交流しないシナリオはなんなんコレとは思うけどもまあいいよ142'sイベをもう一度今度こそやってくれるよう祈願して走ることにするよそうしたよ。 
 とかいう禍根があって。そんでホントに来たので走らない訳にはいかなかったんですよね。
 でもまあ、三年前のあの頃と違って放置編成もあるし。スタドリも上限が撤廃されて多量に貯め込めてるし。楽は楽だろうなと思って走ったらば実際に楽でした。楽っつっても相応に時間費やしてるハズなのにどんだけ注ぎ込んでも1400位付近から一向にランキングがあがらないあたりに恐怖めいたものを感じてはいたけど。


 参加する目的としてけっこー大きかったのが「壊してェなあ……ボーダーをよォ……」というアレで。大河のミリ滴にも程があるにせよ、その勢いを助したく思い参加しました。
 惜しむらくは開催期間が7日であって、アタポンイベントの歴代最高得点に座するPrettyLiar(9日)にはどうやったって届かないだろうところでしたが、最終2000位ボーダーであるとこの18万弱という数字は、単純な日数計算ではそれに互するポイントでしたのでその点でも満足できたように感じます。要するにもはや理論値近いってことよね。

 あー。
 神様ずっとお願い。ずっとずっとまだオレンジタイム。

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