樋口円香さんの全モーニングコミュレビューどろぬま後半戦。
まだね。運命の出会いがね。まだ運命の出会いガチャがね。残ってるからね。まだね。と。もう一度引くとSKIPの間をお百度参りしていたところいつのまにか殺して屋根裏に放棄して腐るままにしておいたおれが背後から「ところで TureEnd ってなに? TrueEnd じゃなくて? アレわざと?」と声を掛けてきたんですが幻覚であることは理解できていたのでガン無視しました。
樋口さんはまだ出てきてくれません。
はい樋口円香との丁々発止な朝のご挨拶、後半戦をお届けします。
前半戦はこちらなんですが。
前半である8/15種のコミュを通じ理解できたのは、円香さんとの心の距離を近付ける為にはルールがあって、基本的には「かまうな」「さわるな」「ちかづくな」に分類できるという点です。
なんというか。さすがですね。
「ちかづくな」は語呂の良さから採用したけど、実際的には「わかろうとするな」になるかな。心の距離の近付け方て話してんのに。
で。
それらトゲだらけの前半を越えてこそ到達した後半戦は好感度があがってからのコミュになります。親密度があがっており、お互いの理解が進んでいる状態ならば、この記事の主題である「なぜこのコミュで親愛度があがるのか」という問いもわかりやすくなっているハズです。
ハズなんだ。
ハズなのに……ええ……?
まあ詳しくは、経過をみてってほしいんだけど。
その末に辿り着く答えを予め言っておけば「やっぱシャニマスのテキストは信頼できるな……」あたりになりやす。
あ、でも先に、前回の残り。これはまだ親愛度Lv2でのコミュ。
Morning 9
「そういえば――
この間、浅倉からあなたの写真が送られてきたんですが
――なんですかこれ。どういうつもり?」
ど、どういうつもりと言われても……
・もうしないよ
「…………………………。
はい、よく言葉を選べましたね。
ミスター・不純物」
(よし、楽しく話せたな)
・ピースしただけだ
「はあ、そうですね。
浅倉とツーショットでピース?
どうでもいいけど、二度としないで」
(まぁ、普通に話せたかな)
・透が撮りたいって
「は?
浅倉のせいにするの? は?」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
問題のやつ。
少々凝った内容のもので、浅倉透とのモーニングコミュと連作になっている。樋口からの連絡に「Pの写真で返事していい?」と急に透が言い出して、ツーショットの写真を送り返したという内容。
「ピースしただけ」というのは事実だけど「透が撮りたいって」てのは、断ることもできたのだから事実としては半分程度か。
コミュの内容としては、「二度としないよ」という相手が大切に思うことを尊重するという回答がパフェ。要するに、樋口円香が大切にしているのは浅倉透であって、この回答が出来るようならば樋口円香学も及第点ということで、花丸を貰える。
花丸と表現するには「はい良く言葉を選べましたね。ミスター・不純物」という苛烈さがなかなか苛烈だけど。
ここでいう不純物とは、いわゆる不純異性交遊などの用例に因む「スケベおやじ」くらいの意味とも解釈できるけれど、なんだかどうしても。言葉通りの意味の不純物に、不要分子みたいな、余計な混ざり物というトゲがあるよう感じる。そして「よく言葉を選べました」という返答は「邪魔ものなのだとしっかり自覚しておきなさい」と釘を刺されたようにも思える。
樋口円香は変化を厭う素振りがある。
変わりたくない。このままでいたい。
或いは、Pの熱に感化されたくない。
Pを蛇蝎の如く嫌うのは、樋口自身に、もしくは幼なじみという皆の関係そのものに変化をもたらしかねない存在としての危惧が強く働いてためであろう。「ミスター・不純物」という揶揄にはそうした思いが色濃くでているのではなかろうか。
なんだか悲しく思えるのは、このコミュが連作であるという点だ。
樋口円香への回答は「わかった。邪魔をするつもりはない」という内容が好感触になる。
一方、浅倉透はどうかというと、Pの写真で返答したいという思いつきに「――ピース」と、乗ってやるとパーフェクトになる。逆に「そんなので返答になるのか?」と訝しむとバッドコミュである。
円香と透と、結果が真逆になっているのだ。
「透がやりたいって」と返答すれば「は? 浅倉のせいにするの?」と詰め寄られる。
その険悪さは、浅倉透から言い出したことだと信じたくないようにさえ感じられる。しかし、それを裏切るように、事実だ。
樋口が守りたい・維持したいと思っているものに対し、浅倉は無頓着なのだ。
そのすれ違いがなんとも悲しい。
まああんだけ弱みや自分自身を出したがらない樋口円香が浅倉透とのツーショットに少々目の色変えて「どういうことですか」と難詰にくることそのものは樋口お前ほんま樋口ね的にぶっちゃけ愉快だけれども。
――ここから親愛度上昇――
具体的には親愛度が3以降。ここの親愛度上昇は特別な意味がある。
何せ、おさわりが解禁されるからである(解禁されたわけではない)
大事な攻略情報なので言及しておきたいが、親愛度が3以降はプロデュース中のメイン画面にて、ボディタッチを行ってもテンションが低下しないのだ。つまりノー・リスク・ボディ・タッチ。
樋口円香でさえこのシステム上の制約により約束された魔手から逃れることはできない。
まあそんな話がしたいんじゃなくて。
プロデュース上の、テキスト上で示される親密さはこの時点で頭打ちということだ。
モーニングコミュにもその状態にあわせて、相応の変化が訪れる。
訪れている……はずなんだ。
相変わらず辛辣で変化がみえないけども。 訪れている……はずなんだ。
……はずなんだけど。と、混乱させられる由縁は、これまでの10通りで学んだ「かまうな」「さわるな」「ちかづくな」の原則が通用しなくなっているからである。
親愛度Lv3に到達によってPと円香の心の距離は近付いているハズである。相互理解も進んでいるはず。なのにかえってわかりづらくなっているのは何故なんだろうと。
ひとまず順にみていきましょう。
Morning 10
円香って、休みの日は何しているんだ?
「答えません」
はは、冷たいなあ
じゃあヒントだけでも
「……プライベートです」
・惰眠とか?
「あなたと一緒にしないでください
知らないけど」
(よし、楽しく話せたな)
・勉強とか?
「必要な時にはやりますが、
でも、それくらいは普通でしょ?
机にかじりつくような優等生にでも見えましたか」
(まぁ、普通に話せたかな)
・家事とか?
「……その聞き方から察するに
あなたは休みの日以外、家事をしないみたいですね」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
だからプライベートに触ろうとするのは禁句だっつって。と、これまではそれなりに距離を取っていたPが明らかに態度を変えていると察せられるコミュ序文。Pの方でもある程度の親密さを感じられてこその踏み込みなんだろうけど、その精神的タフネスに少々ハラハラさせられますな。
「あなたは休みの日以外、家事をしないみたいですね」という切り返しも鮮やかさなバッドコミュは、素直に軽蔑されててわかりやすいですね。「必要なときには勉強をするのが当然」というグッドのも含めて、樋口円香さんは生活態度が真面目である。
小糸ちゃんに優しい顔をみせるのはそのへんもあるのかも……まあ、小糸ちゃんへの好印象は、彼女も四人組への執着が強くてそこへの共感や安心があるんかな……というのは脱線として。
問題は、パーフェクトコミュの内容である。
15種のモーニングコミュのなかで一番の難題のようにさえ感じる。
なんでこれでパフェなん。
今までの例を参照すると「理解されなかったことに安堵して」の親愛度上昇てパターンに当てはめられそうにも思うけど、理解されてないという点では三つとも並んでいる。
わかんないので、だいぶ穿って考える。
惰眠とか、は、正解なのでは。
樋口円香は休みの日は寝て過ごしているのでは。
「あなたと一緒にしないでください」という咄嗟の回答がキモなんじゃあるまいか。
例えばそれが、ほんとにやってない過ごし方ならば「はあ?」とか「そんなこと、してると思いますか」とかもっと分かりやすい返答になるんじゃないのか。それに、Pが問いかけたのは「惰眠」である。惰眠て。そこは昼寝とかでええんちゃうんと思うところを、妙に強い「惰眠」て表現である。
それに対しての「あなたと一緒にしないでください」が含んでいる意味は、そんな過ごし方はしていません、じゃなくて、「あなたのと違って、私のはムダな眠りじゃありません」という意味だったりはしないか……?
知らないけど。
この、「知らないけど」も、咄嗟に出てしまった言葉を打ち消している言葉であって。その、一瞬だけムキになってしまったような様子が図星を思わせるんだよね。
みたいな、樋口円香が教えてくれない趣味って実は昼寝だったりしないかな話は別に書いた。
仮に、樋口円香が休日は大体寝て過ごしてたとしても。それを言い当てられることで親愛度が+3されるのはこれまでのパターンからだいぶ逸脱してるんだよね。んん。
しかし一方で、以降のコミュでも、親愛度がLv3になってからは「かまうな」「さわるな」「ちかづくな」の原則が逆転しているよう感じるのだ。
それに倣うなら、言い当てられたからこその親愛度上昇……?
んんんー。
逆に、これまでの例に当てはめるならば「勉強」も「家事」も、間接的にやっていることだと回答されている。なので「惰眠」はやってないことで、類例通り、理解されていないことにむしろ安堵しての親愛度上昇パターンに適合はする。
こっちのが推論としてはスッキリしているが……。
そういえば、樋口は「今度、休みをください」て約束イベントでも「これ以上はプライベートですので」つって言及を躱す。うーん。
そのうち浅倉透あたりがあっさり「樋口の休みの日? だいたい私の部屋で寝てるね」とか言及してくれないかしら。
Morning 11
…………円香。
「今、台本に集中しているんです。
見てわかりませんか」
いや……
円香の肩、テントウムシがとまっているんだけど
「…………」
・じっとして
「……………………
……………………………………取れた?」
(よし、楽しく話せたな)
・ナナホシだ
「ふうん、詳しいんですね
差し上げるので、早く持っていってください」
(まぁ、普通に話せたかな)
・…………
「…………
……早く、どうにかして」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
前半戦で「ナチュラリストだったりするんかな」とか適当抜かしたけども虫はきっちり嫌いな様子。害虫でも不快害虫でもないのにしっかりとした嫌がりようは明確に虫嫌いなのだろうけど、オーバーなリアクションをとるでもなく黙って耐えるあたりが。
イイ。
ガードの堅い円香がめずらしくみせた弱みでもありつつ、苦手なモノを早く排除してあげた順に良い結果になる。
結果としては普通だ。
しかし、この普通さこそ要点であるよう思える。
従来の樋口円香ならばPに弱みをみせた時点で、「知られた」時点で三つの選択肢のどれもがバッドコミュ確定みたいな勢いだったけど、ここに至ってやっとPの働きに素直に親愛度を上昇させている。
「じっとして」という呼びかけこそあったものの、静かに耐える様子と「……取れた?」という返事からは、Pに苦手を把握されている、そしてPはそれを除けてくれるというほのかな信頼が感じ取れる。
不可抗力ではあれ、樋口円香がPに甘えた一瞬とも解釈出来る。
肩に止まったほんの小さなテントウムシを除けるというだけのシーンだけど、とても決定的なシーンだと思う。マンガで例えりゃ少なくとも見開き2ページは費やしてほしい場面スよ。
見開き2ページというと大変なことですよ。具体的にはメイドさんが着替えを終えてエプロンを締めるまでですよ。
Morning 12
取引先からフルーツゼリーをもらったんだ
パインとチェリー、どっちがいい?
「どちらでも」
……それなら、じゃんけんで!
円香が勝ったらパイン、負けたらチェリーにするか!
「は?」
いくぞ、じゃーんけん――
・ぐー
「――私の勝ちですね
……チェリーで」
(よし、楽しく話せたな)
・ちょき
「――で、あいこの場合は?
はぁ、とにかくどうでもいいので、
適当にください」
(まぁ、普通に話せたかな)
・ぱー
「何、ひとりではしゃいでいるんですか
付き合いませんよ」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな)
・寸評。
選んだ選択肢によってじゃんけんにつきあった / 付き合わなかったと、因果律ごとごっそり変わってるコミュ。そりゃじゃんけんに付き合うぐらいなら親愛度もあがる・付き合ってくれなかったのであがらないーのは当然ではあるんだけど、でもそれって選択に先んじて結果が決まってるってことになるんでややこしいよなとか思うんでややこしいことを言うのは避けておこう。
もしくは。負けた際に樋口が出してるのはぐーになるけど、ギリギリ「じゃんけんなんかするつもりありませんでしたけど?」とごまかしが利きそうな手ではある。つまり、樋口が見栄をはった可能性もある。
ならば、Pが選ぶべき手は、「じゃんけんの手じゃありません」と誤魔化しが効き、かつ、その状態で相手を勝たせることの出来る手。それを両立できるのが「ぐー」という選択……そういうことだろうか……。
まあややこしいことを言うのは避けといて。
注目したいのは「円香が勝ったらパイン、負けたらチェリーにするか!」「私の勝ちですね……チェリーで」というやりとりだ。
勝ったのにチェリーを取った円香。
これ、照れ隠しなのではないか。
咄嗟にじゃんけんに付き合ってしまった。ついでに、勝ったことに喜んでしまった。それの照れ隠しとしてルールを反故にしてみせた……というやりとりなのではなかろうか。カワイイ。
そして、それで親愛度があがるのだ。
なぜだ。
樋口円香が、照れ隠しをした姿を覗かせたのに親愛度をあげている。なんでだ。
先のテントウムシのコミュと併せて、内面を覗かせているのにも関わらず上昇している。
ここにおいても、これまでの原則だった「かまうな」「さわるな」「ちかづくな」のうち「かまうな」から外れている。
そもそもだ。あの樋口円香が、コンビニでのついでの買い物さえ借りを作りたくないと拒んだ樋口円香が、Pからの施しを受けているのだ。Pから食べ物を与えられてそれを食べているのだ。そこからして類例から大きく外れているじゃないか。
なんか警戒心の強い野生動物みたいな扱いだがまあともかく。
先延ばしにしていた結論を今こそ言うべきな気がする。
これまでみてきたコミュはそれぞれ「かまうことで」「さわることで」「ちかづくことで」、親愛度があがっている。
これは……つまり、やはり……さすがにもう確信していいんじゃないのか。
デレているのだ。
樋口円香がデレているのだ。
わ。
わかりづれェ……! わかりづらいけども、このわかりづらさこそが樋口円香がデレている、あるいは僅かにデレの片鱗をみせている証左なのだ……!
デレているという俗な表現が悪ければ、Pとの距離が近付いていると表現すべきか。
えー。ちょっとショックー。
という感想が正直なところだけども、まあツンデレはデレたら終わりみたいな過激派だか原理主義的なことをいうつもりもないが。しかし。このわかりづらさ。「ただでデレさせるつもりはねえぞ」というおシャニさんからのメッセージであるようにも感じるし、ツンが嬉しい向きにとっても舌鋒の鋭さがまったく鈍ってない極めて上質なデレとも表現出来るんじゃないかしら。
Pとの距離が近付いたというよりも、樋口円香がアイドルを続けていく気持ちが固まり始めているとも言える気がする。
それは単に馴れただけとも、感化されているとも表現出来る。
本人の望むと望まざるとに関わらず、人も物も変化していく。それは或いは樋口円香にとっては残酷なことかも知れないけれど。
ところでちょきだしてる円香をちゃんと画像でみたいんですが。
Morning 13
おはようございまーす!
「おはようございます」
円香! すまん、待たせたか……!?
今日の予定だけど――
「……話の前に、するべきことは?」
・……うがい?
「そうですね。あなたからもらう風邪とか、
発熱よりも絶望の方で寝込みます
いますぐ息を止めて、回れ右」
(よし、楽しく話せたな)
・……手洗い?
「はい、満点の答えです
赤ちゃん基準の採点ですが
さすがでちゅね」
(まぁ、普通に話せたかな)
・……除菌?
「わかっているなら早くして
ああ、消滅しないように気をつけてくださいね」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
……デレてるんじゃないのって話をついさっきしましたけども。
この、どれを選んでも飛んでくる毒舌にいっそ安堵すら感じますね。
「さすがでちゅねー」と揶揄したつもりであろう樋口円香はまだ若く、人生の機微を、あるいは人の陰影というものを知らない。だからわからないのだ。その赤ん坊扱いはそれはそれでごっつ悦ぶ性癖持ちがいるということを。
生活態度の真面目な円香さんはこういうのにもちょっと厳しい。新型コロナが世界を席巻している昨今にタイムリーな話題である。事務所内にはマスクがトレードマークな先輩もいるし。
やはりここでも親愛度3以降の、これまでのコミュ結果との反転がみられる。
うがい>手洗い>除菌。という結果順をみてもらいたい。防菌を徹底するほどバッドコミュに近付いているのである。
それはなぜか。
推論A。徹底した順から悪くなるということは、それだけ気を遣わせたように思えて気が咎めた。
推論B。除菌というオーバーな物言いが冗談みたく解釈された。
いずれにせよ注目したいのは、「満点の回答です」は、満点なのにグッドコミュで、さらに上がある点だ。
満点の上はうがいである。
「うがいもしてねぇヤツと話す口なぞ持ち合わせてねェんだよ」という会話の内容だけど、ひっくり返せば「これから話すんだからうがいくらいして来い」になる。
しっかり対話すべく態度を示してくれているのである。
これはまあ、(よし、楽しく話せたな)でも文句はないんじゃないでしょうか。
都知事の唱えた三密のうち一つは親密である。違うけど。
そもそもコミュ全体が風邪の予防くらいちゃんとしましょうっつって身体を気遣ってくれてる感じにもとれなくないけど、ダメっすかね。
Morning 14
おはよう――
ん、髪切った?
「……昨日と一緒ですが」
あれ違ったか
(なんとなくいつもと違う気がするんだけど……)
・えーと、それじゃ……
「……さっきからなんですか?
些細な変化にも気付けちゃうアピール?
色気付いた中学生みたい……ふふっ」
(よし、楽しく話せたな)
・メイクを変えたとか……
「じろじろ見ないでください
普通に考えて失礼な行動はやめてもらえますか」
(まぁ、普通に話せたかな)
・シャンプーを変えた?
「え、こわ……
近づかないでください……」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
ふふっ。が官能的。
「え、こわ……」は樋口円香だからとかどうとか置いといて正常な反応だと思う。反応からしてたぶんシャンプー変えたのは事実なんかなと思うけど、変わる前からシャンプー及び体臭を記憶されてて変化に即気付かれるとかそれはまあ怖い。キモい。近付かないでほしい。しっかり警告しておかないとそのうち「これ円香が使ってるシャンプーだよね」つって持ってきてそれ目の前で一気飲みされそう。だれもそこまでは言ってない。
シャンプーじゃなくても、「近付くことが許されている」のだと理解していればやっぱりどこか官能的にも思えるコミュだ。実際、変わっていることを指摘しようと、理解を示そうとすると好感触になる。「じろじろ見ないでください」でも+1されるあたり、そこそこギリギリまで近付いても許して貰えるくらいの間柄にはなれているようだ。
だからっつってやり過ぎたらガチでドン引きされる。
わかろうとされること自体には心を許しながら、わかられるのはイヤという微妙な状態とでも評せましょうか。
内容そのものは他愛ないけれど、どこか変化を恐れているよう感じられる樋口のことを思えば意味深にも感じられるコミュである。
Morning 15
円香、笑って!
「……。
……ああ、やっぱり
あなたに撮ってもらうのは無しで
写真は自撮りにします
サイトにはそれを使ってください」
・円香……笑って!
「……
ん…………」
(よし、楽しく話せたな)
・俺の変顔を見よ!
「うわ……
動かないでそのまま……
……………………ん、撮りますよ」
(まぁ、普通に話せたかな)
・かわいいよ!
「……何それ、最低
そんなので絶対に笑いませんので」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
番号では15と振ってあるけども、実際のゲーム中ではランダム順に選出される。それでも、プロデューサーと樋口円香との距離感の表層であるモーニングコミュにおいて、トリを飾るのにあまりにも相応しいのではあるまいか。
一つのエンディングのようでさえある。
このやりとりと、この笑顔の前には寸評なぞ野暮もいいとこだろう。
樋口円香さんとのこのコミュはシンプルかつ美しくもはや一つのエンディングかのようにさえ感じるんですよ。 pic.twitter.com/eW5CRGDiiO
— ぐしゃろごす。/エアコミケ本委託中よ。 (@tehihi) 2020年6月5日
で。野暮いことをしていきますけど。
これは共同作業だ。
サイトに載せる写真ということはお仕事である。アイドルとしての。
それを拒んでみせる樋口円香と、強引に迫るプロデューサー。それはこれまでのコミュに共通し、繰り返し繰り返されてきた関係だ。
その末に、やっと笑顔にまで辿り着けたのである。
プロデューサーが笑顔を引き出せたのか、樋口円香が笑顔をみせることができたのか、どっちかはわからないけども。
その笑顔の意味はとても大きい。
かわいいよ! を選んだPは「てめえ今まで樋口の何をみてきたんだ」つって適当に鉄拳制裁でも食らってて貰いたいけど(理解されなかったという事で素直に悪印象になる樋口も愛おしいが)、惜しくもグッドである変顔も味わい深い。
あの樋口円香が、パーソナルな端末に、Pの肖像を保存したのだ。Pに借りを作ってでも充電を選ぶ程度にはスマホに依存している様子のあのコミュも想起したい。
もしかすると円香は、このあとこの変顔を浅倉透に送信したかも知れない。「今、事務所にいる」とかなんとか添えて。
・総評。
これまで散々見てきて、今さらこの論評の根底から覆りかねないことを言えば、そもそも、コミュ結果による親愛度上昇はどれだけ樋口円香が自覚的か、無自覚なのか。場合によっては、親愛度のパラメータ上昇はゲーム上便宜的な表現でしかなく、樋口円香当人の心理を表現したものではないなーんて可能性ももちろんある。
何せ本人の気持ちなんてのは本人にしかわからず、本人でさえわからない部分も多いだろう。
けれど、この、特に親愛度3以降の、結果のわかりづらさはシャニマス運営がその「本人でさえわからない部分」を尊重した結果であるようにも感じるのだ。トゲの鋭い口調は何もそうした性癖の持ち主のみに向けられたのではなく、彼女の人格と、彼女の大切にしているものと、彼女の変わっていくところと変わらないところ、変わりづらいところとを表現したからこその結果だと、そう感じるものである。
この信頼感こそがシャニマスだ。アイドルの全てを輝かせると宣言し、我らを誘う人々の根底に流れているものだ。
さて。
ぼくは運命の出会いガチャを回す作業に戻ります。
シャニマスの芹沢あさひさんのホーム画面対話全部の感想。
キャラクターへの愛をトリビアリズムで代替してしまうのはあんま良くないとしても、二次創作でワーイと遊びたいからには最低限習熟しておくのが望ましい。
あと単に、芹沢あさひという個性が事務所のなかでどんな関係を育んでいるのか知りたいし。
興味は愛着の第一歩ではありましょう。
何の話だっけ。
まあ要するに、おシャニさんが急に(急に)追加してきたホーム画面でのアイドル同士の対話全342パターンのうち芹沢あさひさんに絞って全部チェックしつつメモしつつ感想を述べてみる試みです。
- vs櫻木真乃
- vs風野灯織
- vs八宮めぐる
- vs月岡恋鐘
- vs田中摩美々
- vs白瀬咲耶
- vs三峰結華
- vs幽谷霧子
- vs小宮果穂
- vs園田智代子
- vs西城樹里
- vs杜野凛世
- vs有栖川夏葉
- vs大崎甘奈
- vs大崎甜花
- vs桑山千雪
- vs黛冬優子
- vs和泉愛依
- 等と。
vs櫻木真乃
「あさひちゃんっ、
あっちの方で飛行機がしっぽ作ってたよっ」
「なんすかそれ!
面白そうっすね!
見にいってくるっす!」
「真乃ちゃんの鳩
どうしてピーちゃん
っていうんすか?」
「そんなに大した理由はないの
雛のころに『ぴーぴー』って
鳴いてたからなんだ……っ」
飛行機と芹沢あさひというと【空と青とアイツ】芹沢あさひだけど、青い空と飛行機雲をみて、(あ、あさひちゃんだ)と真乃が連想してくれていたのなら嬉しい。なんとなく嬉しい。
ツバサや星という形でなにかと空のモチーフをまとう真乃とあさひとの共通点は空で結ばれており、個性は違えどアイドルという結びつきを感じさせてそこんとこもなんとも爽やかな対話である。
芹沢あさひ学的見地でいうと、尻尾という比喩から即「飛行機雲」と連想できてなさげなあたりを覚えておきたい。
それともほんとに特殊な飛行機雲だったんかしら。ホーム画面での対話が実装された5月29日は奇しくもブルーインパルスが都心を飛んだ日だ。
ピーちゃんを雛から育ててたのは初出の情報? 櫻木さんのコミュはあんま読み込めてないので恐る恐るなんだけど。
vs風野灯織
「あさひ、なんの本見てるの?」
「………………
……………………
…………………………」
「わたしのこと
占ってほしいっす!」
「ご、ごめん。占いが好きなだけで、占うのは……
おすすめのサイトは教えられるんだけど……」
わーいアイドル同士の対話実装だーと喜び確認しにきたPが直面するまさかのガン無視である(大事な注釈*声を掛けられたことに気が付いてないだけであって無視したわけではない)。
相手に合わせるのが不得意なあさひなので相性の悪い相手とはとことん相性が悪くなってしまうという一例でしょうか。灯織さんは心を強く持ってほしい。邪魔しちゃったかな……とか気落ちしそうだけどしないでほしい。
そもそも。灯織も普段ならば本を熟読している相手に話しかけるという野暮は犯さないと思うねん。あさひが珍しいくらい静かで、(あさひが静かになるくらい熱中しているのは何に対してなんだろう)と、あさひに対する興味でもって何を読んでるのか聞いたんだと思うんですよ。
あ。その結果だと思うとかえって胸が痛い!
「占ってほしいっす!」にいまいち報いきれなかった点も後に気に病みそうな……ん? でも「占いの館」ってやってたよね灯織。
避けた? それとも先の体験で(占うのは……私には荷が重いのかな……)てなったとか?
いや灯織さんは悪くない心を強く持ってほしい。
vs八宮めぐる
「あさひ、この知恵の輪解ける?
難易度が一番高くて、誰にも解けなかったの!」
「ふーん? 貸してほしいっす
…………
……………………」
「『八宮めぐる』と『芹沢あさひ』」
って似てるっす!
あははっ!」
「……? あっ、本当だ!
漢字とひらがなの組みあわせ!
おそろいだねー!」
テキストとして認識している私らなら直ぐわかるけど、音声オンリーなのに即気付けるめぐるの頭の回転力。
あさひと知恵の輪はPとのコミュでも描写されている。「……できた」の音声は必聴。
ところで芹沢あさひのこのコミュのぼそっ……て感じの「……できた」がすごい好き。 pic.twitter.com/il8LLrae6i
— ぐしゃろごす。/エアコミケ本委託中よ。 (@tehihi) 2020年4月6日
そうしたパズルにやたら強いということは事務所内でも周知されているのか、それともめぐる独自に「あさひはこういうの好きだよね」と解釈したのかどっちかしら。
相当な難度なのか、早速自分の世界に没頭してしまうあさひだけど、めぐるちゃんならそんなあさひをニコニコと眺めててくれそうで胃に優しい。
vs月岡恋鐘
「びゅ~~~ん
ってかんじ~?」
「違うっすよ!
ひゅ~~~って感じっす!」
「恋鐘ちゃんの料理
美味しいって聞いたっす!
食べたいっす!」
「うん~!
今度寮に来んね~?
なんでもご馳走するばい!」
すれ違い芸の目立つ会話集のなかで数少なく共鳴できている側の例。
ただし、びゅ~~~ん。ひゅ~~~。と、余人には何の話か皆目見当がつかないけども。恋鐘さんがあさひについて行けるくらい感覚派の人間てことだろうか。
芹沢あさひは美味しいものには人並みに興味がある。
これは割と大事な知見である。あさひは給食のメニューのほとんどを持ち帰ったりしてて、単に「今食べたい気分じゃないから食べなかった」というだけなのか、それとも食欲自体が薄いのかどっちだろうなと判断の付かない部分があったので。
まあカレーに執着する描写とかあったけどさ。
だってカレーはカレーじゃん?
vs田中摩美々
「私、あれ好きなんだー
『すっす!』ってやつー」
「わたし、そんなこと
言わないっすよ?」
「虫捕まえたっす!
摩美々ちゃんのトカゲ
食べるっすかね、これ」
「そういうのは
受け付けてないんでー」
いや、言ってた。『すっす』、言ってたと思うけど……どこでだっけ。二次創作書いてて『すっす』って台詞を書きかけて……アリなんかな。すっす。て迷って、迷ったなりに保留してて……後に公式でも言ってるのを見掛けて安心したみたいなことが個人的にあって……あった気がするんだけど明確にどこで言ってたか言えなくて……言ってたような……。
まあいいや。
すっす。割と似てるので必聴である。
「そういうのは受け付けてないんでー」は冷たくあしらわれているようにもみえるけども大事なことだ。ペットは愛玩動物とも書くけど、オモチャでなくて生き物である。
あとあさひに限って言えば、食べるかもーっつって一度受け取ると「これは食べるっすかね。これはどうっすかね」て際限なく持ち込まれそげなところがあるし……虫を。
このあたりのあしらいっぷりは、チームまりあの経験が生きているのかしら。
スノーマジックイベにて、何かと裏側から気を回しがちな摩美々が、真正面からあさひに説教をしている冬優子と、それを素直に聞き入れるあさひとを見て何か思うところありげな姿が描写されていたりしました。
世話焼きな気質があれどもそれを表に出したがらない摩美々vs危なっかしさから周囲の気を揉ませがちなあさひ。
屈指の好カードと申せましょう。
vs白瀬咲耶
「やあ、あさひ
その美しい瞳は、何を映しているんだい?」
「咲耶さんっすね!」
「咲耶さんくらい
背が高いと
色々見えるんすか?」
「試してみるかい?
ほら、私の腕にどうぞ、お嬢さん?」
通じてるけど通じてない!
咲耶さんっすね! という言い切りが大変お見事なすれ違い芸。
傑作に数えたい対話の一つやね。
咲耶の内面でなく完全にみたまんまの「背が高い」という特徴から入るのもあさひっぽい。
私の腕にどうぞ? は抱き上げたのだろうけど「こっちの方がもっと高いっす!」とかで肩車にまで発展しててほしい。
153cmと175cm。あさひはやや平均(よりちょい下回ってる)
あ。そういや咲耶ちゃん、じゃなくて咲耶さん、なのね。
今んとこ確認できてる「さん」付けは、他に「夏葉さん」だけか。
あと一応プロデューサーさんも。
成人してたら「さん」なのかなとか思ったけど、咲耶はそもそも18才で、他18才もちゃん付けだし、雰囲気で呼び分けてそげ?
vs三峰結華
「あさたんのパワフルさを見習うべきか……!」
「冬優子ちゃんに
怒られるっすよ?」
「あさたん……
あさたんたん……
あさたんたんたん……」
「おー
順調に増えてってるね……!」
冬優子ちゃんに怒られるっすよ?
は、結構なビーンボールな気がする。冬優子にとって。
「あー。そっかぁ。これ以上ふゆゆの心労を増やすのも可哀想だしね……」とか察知してるよなしてなさげなこと言ってそう。
さらりと言ってはいるけど、自分がなぜ冬優子の怒りを(頻繁に)かっているか。その由縁をしっかり理解しているところに尊みを感じるよな。よな。
理解はしているけどもそれはそれとしてパワフルな生き様をとめられないのである。むしろ「冬優子ちゃんが本気で怒っているときは本当にダメなときっす」的な台詞から見るに、あさひとしては冬優子は安全弁の一種として信頼も寄せているのだろう。
歯止めにはならなさそうである。
冬優子の受難は続く。
最終的にあさたんたんたんたんたんたんたんたんたんくらいまでいきそう。もっとか?
あさひ当人のコミュの言及じゃないけど、三峰担当におかれては彼女のニックネーム集めが一気に捗って喜ばしかったりするのかしら。
vs幽谷霧子
「もう……
いいかい……♩」
「まだっすまだっすー!
あと100秒は欲しいっす!」
「あ痛っ!」
「わ……傷……!
ふー……
ふー……」
霧子さん100秒付き合うよな。絶対。
あと見付けるのむちゃくちゃ上手そう。
はしゃぎ過ぎて痛い目にあっている芹沢あさひも少し貴重な気がする。なんだかんだで、持ち前の反射神経と観察力とでうまいこと収めるのが彼女だし、まあこういうこともあるんだなと。
vs小宮果穂
「あさひさーん! 聞いてください!
向こうに面白いものを見付けたんですー!」
「何があったの!?
連れてって! 果穂ちゃん!」
「とぉーう!」
「わぁっ! ヒーローキックですね!
あたしも…っ
――とうっ!」
マブシイ。
P含め、他の年長者にはあさひの向こう見ずな行動力は悩みの種だったりもするけど、小学生ぢからに溢れた果穂ならばより純粋な遊び友達として同じベクトルを向けるのだ。
Pにはそれが出来ない。
いっそしてはならないのだと表明されたのが【空と青とアイツ】のコミュであるようにも感じるのだけど。
あさひの「とぉーう!」はモーニングコミュにも登場する。
果穂は果穂当人の視座と価値観でもって「わたしも!」と同調できたけれど、Pはそれが何なのか理解しきれないままコミュが終わる。
あさひとPとの立場の違いは折に触れて描かれている。
例えば感謝祭コミュのエンディング。一緒に踊ろうとあさひに誘われるも、当然ながらついて行けず「やっぱり下手っすね」と烙印を捺される。「一緒に踊るのはやっぱり……」と言葉を濁すけれども、それでも、或いはだからこそずっと見ていてほしいとあさひは語る。
必ずしも悲しいことではない。それは間違いないけれど、眩しくも少々ほろ苦い。
あと色んなところで言及されてるけど、あさひが果穂ちゃんには敬語を使わないのも。あさひは意識して敬語(?)を用いているのであって、それは傍若無人にみえるあさひも社会に順応すべく試みている証左であって……彼女なりに、軋轢と戦ってきた痕跡でもある。のだろう。
こう。マブシイとね。なんかね。それだけ涙腺にね……。
vs園田智代子
「あさひちゃん、見て見て……!
これね、この間見付けた写真なんだけど――」
「わ、すごい! 家が逆向きに建ってるっす!
どうなってるんだろ、これ!」
「チョコレート!
くださいっす!
甘いの!」
「おっけー!
――はい、どうぞ!
とっておきだよ~?」
急にギブミーチョコレートされてサッと取り出せるあたりからみえる園田智代子の意識の高さ。ええ。もちろん意識の高さによるものですとも。
わざわざきっちり「甘いの!」て指定するあたり、ゲーム性を重視して苦いのも用意したバレンタインがトラウマってるんでしょうか。
まあ最近はカカオマシマシなチョコも多いし。身体感覚の鋭敏なあさひさんですから、苦い辛い痛いあたりの不快感情は人一倍苦手そげよねと思ってるんですけどどうでしょう。
逆向きの家は、どこがなんで始めたのかわかんないけど色んな国でみられる展示物のことだろうか。家本体だけでなく家具や調度も、内装まで全て逆さまでインスタ映えするのよね。
急に何の話だろうと思ったけど、SNSも旺盛に利用する智代子さんだから、面白いものを見付けたんであさひにも教えてあげたってことでいいよな。
あさひの探究心はフィジカルだけでなくメンタルでも旺盛に働くので、そこんとこもしっかり把握されてる(してもらえている)感じが微笑ましい。
vs西城樹里
「あさひもなんか飲むかー?
ジュース、好きなの
選んでいいぞ~」
「ありがとっす~!
じゃあ~
これもらうっす!」
「樹里ちゃんって
弟いるっすか?」
「え?
や、弟はいねーけど……」
え。急に何。
弟はいねーけど、兄ならいるんだよね樹里ちゃん。
え、でも、急に何。樹里ちゃん方面になにかそういうコミュでもあんの?
樹里ちゃんは優しいな。
→愛依ちゃんも優しい。
→愛依ちゃんには弟と妹がいる(ので、世話に馴れているので優しい)。
→樹里ちゃんにもいたりしないかな。
という連想ってことでいいん……? でもそれなら「弟とか妹いるっすか?」だったりしない?
あさひと兄弟って話だと、Pとのモーニングコミュで「実は兄弟がいるんだ」という受け答えがあったりするけど、それと似た感じで樹里ちゃんと似たような人を見掛けたとか……?
いまいちコレだと確定は出来なさげだけど、まあ前者かな……。
面倒見いいしな樹里ちゃん。優しいし。
芹沢あさひの中にはちゃんと理論も理屈もあるんだけど、それを出力するのが少々苦手だから、時として突拍子もなく映る。
それをまざまざと追体験させてくれるて点では面白いコミュだ。
ところで樹里ちゃん年下によく奢るよね。
体育会系的な包容力でしょうか。
vs杜野凛世
「紙飛行機は……
重心の位置が……
肝要です……」
「わっ!
見たことない形っすよ!
あはは、すごいっす~!」
「凛世ちゃんみたいなひとを
『大和撫子』って
いうんすよね」
「ふふ……
あさひさんは……
ガーベラのよう……」
花の話題が出ると花言葉をぐぐらずには居られないタチのオタクなんですが、ガーベラの花言葉は「希望」と「前進」で、これがオレンジになると「神秘」と「冒険心」になる。時としてつかみ所のなさをみせるあさひに「神秘」を添える凛世さんの才媛っぷりがステキ。
力強い多年花で、色幅がとにかく豊富てのもそれっぽいかも。
そもそも花で例えての返礼は、大和撫子という最上級の賛辞からナデシコの部分だけを受け取る謙遜でもあるのだろう。惚れ惚れする如才なさである。
凛世は他の娘とも折り紙を用いた対話をしてるけど、一片紙片さえあれば相手に合わせて様々な形を用意できる折り紙は、凛世のもてなしの心を存分に発揮できるアイテムなのかも。それでまた「あさひには紙飛行機」というチョイスが清々しくてイイ。
ホームステイとかで異文化交流にいくときは折り紙覚えとくのがマジ鉄板みたいに聞いたことあんなー。まあ脱線はここまでにしといて。
vs有栖川夏葉
「夏葉さんって
どのくらい重いもの
持てるっすか?」
「うふふ、そうね……
あさひのことくらいなら
軽々抱えられるかしらね?」
「私、『破天荒』って言葉が
好きなのよ」
「へえ、そうなんすか」
そうなんすか。
じゃなーい。褒められてるぞー。あさひー気付けー。お前のことだぞー。お前ー。人によっては厄介としか見なさないキミのその性格を丸ごと認めて好意的に解釈してくれてるんだぞー。最上級の褒め言葉もらってるんだぞー。匂わせや言下とかそのあたりが苦手にしてもだなー。
抱えてもらったんだろうなーこの後。
放課後の面々は揃いも揃ってさすが対芹沢が達者。
あさひと付き合うには何より体力が必要なのだな。
それに……言うのも野暮だけど、放課後クライマックスは小宮果穂を中心として集い、そして小宮果穂の目標は『世界平和』なのだ。可能な限り多くの人々を笑顔にするべくを動機としてアイドル活動を行う彼女らは純粋であり、ある意味では限りなく純真である芹沢あさひと近しくて当然なのだろう。きっと。
vs大崎甘奈
「あさひちゃん!
裾が出てるかも」
「お、ホントだ
よく気付けるっすね!」
「双子だと
どんな面白いことあるっすか?」
「甜花ちゃんと
姉妹っていうだけで
最高だよ☆」
「教えてくれてありがとう!」じゃなくて「よく気付けるっすね!」というあたりの芹沢仕草。
たぶん教えてもらってもそれが良くない状態と認識してなくて直さないんじゃあるまいか。
いやそれはちょっと穿ち過ぎか。
「教えてくれてありがとう」よりも先に、甘奈ちゅわんのお洒落力を賛美するあたりにあさひ当人が気付かず備えた美徳がみえる。
あさひは面白いことを生き甲斐として生きているからこそ、それを生み出せる面白い人、すごい人、そうした人々の具備する優れた技能への賛美と敬愛とも強いのだな。
そういえば、双子ではあるけど強く個性が分かれてるのもあってか大崎姉妹が双子だとシナリオ上で強調されることってあんまない気がするね。それ以上に姉と妹というか。
vs大崎甜花
「せ、芹沢さん……
何、見てるの?」
「今は何も見てないっすよ?」
「わ!
すっごいもこもこ!
気持ちいい!」
「で、デビ太郎……
返して~……」
んん! 今までみてきたなかでまちがいなくいちばんキャラ相性で不利背負ってるね甜花ちゃん! 2:8くらいは行ってない!?
そーいや、ツムなんとか系かキャンディークラッシュサーなんとか系かわかんないけど、それ系っぽいパズルであさひが全一とった四コマがあったよね。
つまりゲームだ。
ゲームで勝ってマウント取りに行くんだ甜花ちゃん。
vs桑山千雪
「見て見て
てんとう虫……!」
「おおー!
なかなか大きいっす!」
「お酒ってどんな味なんすか?
酔うってどんな感覚なんすか?」
「えっとね……
やっほー♩♩♩
って感じ……!」
まず大きさに目が行くあたり、普段から昆虫採集を趣味にしてる人間っぽいリアリティがあるように感じる。そうでもない?
普段から対児童スキルを発揮してる千雪さんなのであさひ相手にも全く後手に回るところがない安心感。「やっほー♩♩♩」て表現もあさひ相手に極めて的確と申せましょう。
ところで、なんかこう……個人的な願望なんだけどさ。一定の年齢まで行ってて、かつ雰囲気がオトナっぽければ「さん付け」しているらしいあさひだけれども、千雪さんは「千雪ちゃん」って呼んで欲し味、ないです?
ご当人も「だって、オトナじゃないもの」的な宣言をされてたと思うけど、どこか童心のあるのが千雪さんであって、あさひはそこを見抜いたりなんだりで「千雪ちゃん」って呼んでほしいみたいな……な? どう? どうよ?
無念ながらおシャニさんの全テキストに習熟しているわけではないので既に「千雪さん」て呼んでたら泣く泣く諦めるけども。
そんな感じでさー。
自分よりも背が高くて、というか小学生としてみると規格外な発育で当人も「年上にみられるんですよね」て発言してる果穂ちゃ相手にも最初からタメで話しかけてて、ごく自然に年下であると察知しててほしかったりさ……なんかそういう……な?
vs黛冬優子
「あさひ、何してんの?」
「蝶、追跡してるんす」
「冬優子ちゃんって
冬だといつもより
優しくなるんすか?」
「何くだらないこと
言ってんのよ
ふゆは年中優しいわよ」
テキストの抜き出しじゃ絶対伝わらない「あーさーひー?」の声音。
冬優子会話の話を少しすると、愛依ちゃに話しかけるときの「めーいー?」声音の甘さと好対照スな。猫かぶりに神経を使っている彼女が事務所のなかで数少ない甘えられる相手が愛依ちゃんなのだなと再確認させられてだいぶニヤニヤできます。そういう見地だと、「あーさーひー?」も気を遣っていないという意味では安息地なのでありましょう。
ところで、蝶々の飛行モデルって物理的数式で表現しようとすると流体力学だの何だのかんだのがぐちゃぐちゃに絡まりあってスゴいややこしいみたいな話を聞いた気がする。
そういう、千変万化に形を変えるものに夢中になるあたりいかにも芹沢っぽいけどもだいぶ聞きかじりの話なんで見当違いなことを言っている可能性もある。
バタフライエフェクトあたりと混ざってる気もするカオス理論。
「冬だと『いつもより』優しくなる」ということはつまり、『いつも』も優しいということであって、あさひ的には冬優子ちゃんは優しいと感じてもいるのでしょう。
Pからの説教を通じて、本当に大事なことの為には我慢も必要であると学んだあさひはそれだけ他者の説教に耳を傾ける余地も生まれた。だから冬優子が怒ることには大切なこともあると、自分のために怒ってくれてたりもするのだろうと体得してるのだろう。かな。
「ふゆは年中優しいわよ」と、あさひが伝えたいのも要するにそういうことなのだろうけど、このすれ違いが微笑ましい。
vs和泉愛依
「ほらほら~!
待て待て~!」
「あはは!
捕まえてみるっすー!」
「愛依ちゃん! これ今日の習字で
書いたっす!」
「おぉ~!
上手くなってるじゃ~ん♩」
い
つ
も
の。
実家のような安心感てこのことスかね。
習字のお話も印象的。
【和泉流・書道心得】のコミュから引き継いだお話で。
恐らくは学校の宿題なのだろう書き初めを「まあ、こんなもんかな」と珍しく熱意の欠片も感じられない様子で片付けたあさひに、これまた珍しく愛依ちゃんが「あさひちゃん。これで本当にイイと思ってる感じ?」と(そこに正座)みたいなノリで指導を行ったーというコミュ。
いかにも興味の向かないモノへは余計なエネルギーを消費させられそげなあさひが、その指導によって感化され興味を持続させているのだ。
書道に、というよりも、半紙に向かう愛依ちゃんの居姿のかっこよさに惚れて書道に興味を持つあさひだったけど。それは我道邁進っぷり著しいあさひでも、他者の熱意に感化される感受性を持ち合わせているということでもあり。未だに続く熱意は、愛依ちゃんみたいにかっこよくなりたいというリスペクトもあるのだろう。
等と。
面白く興味深く出歯亀もとい見守って参りましたが。
自己の世界に浸りがちなあさひだから、他者とどのように対話するか、或いは他者からどのように対話を試みられるかには他の娘にはない興味と疑問と回答と発見と、あとスリリングさが御座いましたわね。
女子同士の花園でキャッキャウフフ中心ななかに投げ込まれる塩対応は正直どうしても痛快。わんぱくでもいい。元気に育ってほしい。
ノクチル分が追加されればまたパターンがx4されるし。
同じ感じで第二弾とか、複数人の掛け合いとかもよろしくねおシャニ様!
樋口円香さんのモーニングコミュ全寸評の前半戦。
樋口円香さんのpSSRが追加されまして。
そうか。SSRか。SSRか。SSRにはな。コミュがな。それとTureEndがな。TureEndがな。あるんだよな。TureEndが。
等と呟きながらガチャを回していたら、殺して裏庭に埋めたはずのおれが虚ろな目でいつのまにか隣に立ってて「まわすなら……限定だけにしとけ……」と呟いてきたので、手持ちの石を半分ほど溶かしたあたりでやめといたんです。
樋口さんは出てきてくれませんでした。
キャラクターの理解とはその過程そのものが娯楽の一種でしょう。加えて、一度頭に知識を入れたらば、入れる前にはもう戻れない。pSSRの樋口さんを知らない今だからこそ書ける文章もあるわけよねと、この機会を活かしてモーニングコミュ全般に対するメモ書き的寸評を書いていきます。
それでなくとも彼女のコミュは「狂犬のようだ」「初代アイマスの正解のわからなさを思い起こさせる」「これでなんでパフェなんだよw」と評されがちで、それら意見の大半には首肯するところだけども、それだからこその寸評でもあります。
以下、適当にどうぞ。
Morning 1
円香、おはよう
今日はいい天気だなあ
「はい」
か、会話が続かない……。
・午後は雨らしいけど
「はい。
知っています」
(よし、楽しく話せたな)
・朝食は食べた?
「……つまらない質問。
そこからどうやって会話を広げるのか、逆に見ものですね」
(まあ、普通に話せたかな)
・今日は何時に起きた?
「話しかけないでください
無駄な会話にエネルギーを使いたくないので」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
樋口円香とのコミュの基本的な対応が早速表出しているコミュ。
あらためて読み返すとやっぱすごいっスね。
「はい。はい。知っています」が全内容かつ即終了な会話がパーフェクトになるあたり面食らってしまうけれど、その内実はバッドコミュである「無駄な会話にエネルギーを使いたくないので」に注目すればひもとける(気がする)。
全く文字通りに受け取って「今は会話をしたい気分じゃない」と解釈すればいいのだ。
バッド・グッド・パーフェクトの順はそれぞれ話題が広がりそうな順番である。
「そこからどうやって会話を広げるのか」は逆に、会話が広がりそうにないから安堵してのグッド判定であり、「はい知ってます」も即終了だからこそパーフェクトなのだ。
加えて、今日は何時に起きた? は一言で片付けるのが困難であることに加え、彼女のプライベートにも通じそうな話題ともとれる。それは樋口円香にとって二重の逆鱗である。
(会話が続かない……)と感じた時点で、会話を続けるのがイヤなんだなと察知してやり、短く切り上げる。それも相手を気遣う態度ではある。
個人的に、樋口円香は朝に弱いんじゃないか疑惑を持ってるのだけど、そうだとするなら、尚のこと本調子ではない相手をムリに付き合わせるべきではない。そっとしておいてやるべきところはそっとしておくべき。
その点で、即終了した会話のパーフェクト判定は気遣いの結果であり確かにパーフェクトなのだ。
そもそも可能な限りPと会話したくないだけ疑惑も強いけども。
Morning 2
円香、おはよう
「おはようございます。
私のことは構わず、どうぞ仕事に集中してください」
(よーし、それなら仕事の話を……)
・ユニットについて
「……みんなにも関わることですか?
従うかどうかは聞いてから考えますが、とりあえず、話してください」
(よし、楽しく話せたな)
・仕事の資料について
「はい、わかりました
みておきます」
(まぁ、普通に話せたかな)
・レッスンについて
「あなたに話せることがあるんですか?
余計なアドバイスなら結構です」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
むしろ「構うな。仕事でもしてろ(意訳)」に対し(よし。仕事の話なら円香に構えるだろう(意訳))という態度にでるPのタフネスに興味を引かれるところだけども。
対話を短く切り上げられる「みておきます(だから話しかけるな)」でグッド。領域に立ち入ろうとしてきたPを手厳しく牽制する「あなたに話せることがあるんですか?」でバッドと、このあたりはいつも通りだが、例外的に「みんなにも関わること」には興味を向けざるを得ない円香がみてとれる。
会話を短く切り上げられるコミュでパーフェクトになる彼女が積極性をみせるほどに、彼女の中心にあるのは幼なじみである彼女らなのだ。これは記憶しておく必要がある。
Morning 3
ちょっとコンビニに行ってくるよ
円香の欲しい物とかあったらついでに買――
「無いです」
(即答だ……)
・飲み物とか
「あるので大丈夫です
お構いなく」
(よし、楽しく話せたな)
・思いついたら連絡して
「しません。
貸しを作りたくないので」
(まぁ、普通に話せたかな)
・よかったら一緒に
「は?
欲しいものは無いと言っているのに、なんのためですか?」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
食い気味の「無いです」が印象的。コレは比較的わかりやすいですね。いいから構うな型コミュ。丁度ウザさがパフェから順にグラデーションになってます。
よかったら一緒にに対する「なんのためですか?」は警戒心も露わで、彼女が事務所に来た理由である「監視のため」を改めて思い起こさせます。
ところでRのサポートコミュとか、コンビニ絡みのイベントが散見されますな。活動範囲の狭い娘なんじゃろか。そういや、部活動をやってないらしい浅倉透よりも更に早く帰宅して(浅倉透の部屋にいたり)するし。
Morning 4
「これ」
……宅配便?
「他に誰もいなかったので、私が受け取っておきました」
そうだったのか
・助かったよ
「……こういう時は対応してもいいんですか?
勝手に受け取っていいものか、判断できないことに後で気付きまして」
(よし、楽しく話せたな)
・ありがとう
「いえ。
それでは」
(まぁ、普通に話せたかな)
・……中身は見た?
「……私がそこまで非常識だと思いますか
それとも、見られたらまずいものでした?」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
簡素! グッドなんか「これ。いえ。それでは」で済んじゃうぜ!
バッドはともかく、グットとパフェとに差があるのだかないのだか。
敢えて差を探すならば、当人の言った「勝手に受け取ってよかったのか」という悩みは事実で、不安があったのだろう。それに対しての「ありがとう」はただの社交辞令とも解釈出来るけれど、「助かったよ」には受け取ってくれたことの謝意として具体性がある。それによって不安が払拭されてこその(少しほっとした)くらいのパフェ判定なのだろう。かな?
基本的に真面目なのだな樋口円香さんは。
もしくは、迷惑を掛けるという形で借りを作りたくないのか。
結局中身はなんだったん? オナホとか?
Morning 5
「……窓を開けますね」
ああ、どうかしたか?
「空気がこもっているので。換気のために」
そうか、気付かなかった
ありがとう
・いい風だな
「はい。
……気持ちいい」
(よし、楽しく話せたな)
・肌寒いかな
「そうですか?
私はちょうどいいです」
(まぁ、普通に話せたかな)
・外がうるさいな
「空気を入れ換えている間くらい我慢できないんですか
それに、うるさいというなら、
あなたの声の方がよほど耳障りです」(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
個人的イチオシのコミュ。なにせ素直。樋口円香がめずらしく素直。
そんで少し不平を言ったら……そこまで言わなくても……という勢いで噛みつかれるのもイイ。イイですね。イイよな。な?
風通しの良さを好ましく思ったり、自分の過ごしやすい環境に執着したり、あとそもそも迂闊に触ったら強烈に威嚇してきたりなど諸々樋口円香さんはなんか猫っぽいところがあるように感じる。
このコミュだけでの判断は性急だろうけど、樋口円香は自分の好きなものに相応に執着するタチなのかもしれない。そもそも事務所に来たのも浅倉透の様子を見に来たからだし。
ならば彼女との接し方も、彼女の好きなものを無理なく尊重してあげられればいいのだろうけれど……そもそもその警戒心の強さで、樋口円香自身が自分の好きなものを迂闊に晒さないあたりが難儀なところ。
――ここから親愛度上昇――
Morning 6
「……。
今日の事務所、……いい香りがします」
言われてみると確かに……。
「…………」
・花瓶の花かな
「あ、新しい花……。
ちゃんと世話をしている人がいるんですね……」
(よし、楽しく話せたな)
・コーヒーかな
「……それはいつもですよね。あなたのせいで
私が言っているのは違います」
(まぁ、普通に話せたかな)
・柔軟剤かな
「え、あなたのシャツの……?
はぁ……言うんじゃなかった……」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
環境の変化に敏感なところも猫っぽいよねとか。
柔軟剤の香りというとフローラルなものが多くて、それが故のすれ違いという芸の細かさがいい塩梅のコミュである。
このパフェは少々特殊で、Pと樋口円香の関係というよりも「ちゃんと花の世話をしている誰か」への興味による好感度上昇と推察できる。事務所そのものへの興味と言ってもいい。それはひいては、アイドルという仕事に対する興味ということだろう。
誰でしょうね花の世話してるひと。もちろん(起きてさえいれば)手間暇惜しまず事務所の世話を焼くはづきさんもだろうけど、これまでのテキストからみると順当なのは幽谷さんで、sSSRの花咲耶あたりが印象的だ。だいたいトゲトゲしている樋口円香がああした控えめ美少女の前に連れ出されるとどんな対応や反応になるのかなかなか興味深いところではあるがそれは今後のテキスト追加を待つとして。
風が気持ちいいといってみたり、花の世話に心を砕いたり、円香さんは存外ナチュラリストだったりするんかしら。小動物(小糸)にも優しいし。むしろ喋らなかったりそこにいるだけだったりのコミュニケーションの不要なものへの心の寄せ方にも感じるけども(独自研究の恐れ。
あと、「コーヒーかな」「それとは違います」という、Pに理解されなかったという点でグッドになるあたりのややこしさにも注目しときたい。
Morning 7
「今日は朝から出かけるって言ってませんでしたっけ」
ああ、そうだ
そろそろ出ないと――
「あの時計、止まっていますよ」
えっ!
・ありがとう!
「……はいはい。
せいぜい頑張って、コメツキバッタみたいに謝ってきてください」
(よし、楽しく話せたな)
・まずい!
「やっぱり気付いてなかったんですね。
だとしても、時間間隔が無さすぎじゃないですか」
(まぁ、普通に話せたかな)
・う、嘘だろ!
「大声、出さないでください
……教えなければよかった」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
ここまでの寸評全部ムダでやっぱ樋口円香はPが嫌いなだけなんじゃねえかなーとか改めて思わせるコミュ。
大声が嫌いなあたりも猫っぽいよねとか思いますが別にこの企画は樋口円香の猫っぽいところを探していくものではありません。
とはいえこのコミュの場合、選択肢というよりも、そもそもPの仕事(スケジュール)に気をかけてくれる様子が関係の進展を思わせるなと。やっぱり「教えなければよかった」とも呟いているわけですが。
そうしてみれば「ありがとう!」に対する「はいはい」も、素直に(素直に?)お礼を受け取っているとも解釈できますね。
Morning 8
どうした? なんだか退屈そうだな
「……スマホの充電が切れたので」
ああ、それならコンセントを使えばいいよ。
充電コードは?
「……あったらとっくにしています」
・貸してあげるよ
「いえ、あなたに貸しは作りたくないので……
………………少しだけ借ります」
(よし、楽しく話せたな)
・無くしたのか?
「家に忘れただけだと思います。
あ、もしかして透の家……? それかレッスン室とか……」
(まぁ、普通に話せたかな)
・忘れ物とは珍しいな
「別にいいでしょ
ほっといてください」
(うっ……しまった。別のことを言えば良かったな……)
・寸評。
透? 透て?
普段は「浅倉」呼びなのに、独白だと「透」なの?
つまり一時期までは「透」と呼んでたのに、どこかを境にして意識して「浅倉」に変えたってことで、独白だとまだその癖が出てくるってことなの?
そういえばて思って四コマ振り返ってみたら、浅倉透は小糸は小糸ちゃんて呼んでるし、他サポートコミュでも雛菜は雛菜で名前呼びなのが確認できるね? じゃあ浅倉透が名字呼びなのは樋口にだけなのね?
なんででしょうね。何かを境に樋口円香が名字呼びに変えたことで浅倉透もそれに付き合って変えたとか?
だとしたらなんで変えたんだろうなあ……まあ……妄想は色々広がるけど……今回はそういう話じゃないんで……。
さらりと「透の家とか?」つってるけど、そんなに入り浸ってるのかな。そういえば四コマでもサポコミュでも普通に浅倉透の部屋に先に居て「おかえり」っつってるし。おみやげにメロンとかいう高級なもの持たされてるあたり、樋口円香のご両親は共働きかもしくは片親で、お隣の浅倉さんちに子守を頼んでてそのよしみがまだ続いてるとか……? んん。気になるけど現段階だとどう考えても穿ちすぎになるよね……それに今回はそういう話じゃないんで……。
あんだけ「借りは作りたくない」と公言してきたのに、ついに折れたのはそんだけスマホに執着のある現代娘だからなのか、長い三点リーダーの後に(いいかげんこんなことで張り合っても仕方ないか……)と関係が進んだことを象徴しているのか。
スマホへの執着は、或いは、浅倉透(ら)との連絡手段が(一時的にではあれ)なくなってしまうと気を揉んでるのかなーとも思えるんだけどどうでしょうね。
ついでに、忘れ物とは珍しいな「ほっといてください」という弱みの見せたがらなさも覚えておきたい。
さて。前半は近からず遠からず。
どこぞの文字書き趣味が初めて官能小説短編集を書いた記録。
という名のあとがき。
たぶん世界中でおれにしか興味のない話題だと思うけど、「webにあげるわ」と約束をしておりましたので。
何の同人誌のあとがきかというと、ココには成人指定なモノは載っけてはならないそうなので言明はしませんが、もしも万が一興味が向かれた方がいらしたら「宵待月黒猫塔。 メロンブックス」とかで検索してみるといいかも知れません。
あとがきというかネタばらしというか。
性的交渉をともなうお話を書いたことがこれまでなかった……というわけでもないんだけど。文字書き趣味に費やしてきた半生て期間に比べると相当少ないのはたぶん事実で。相応の回数になってきた同人誌作りでも、ばっちり十八禁と銘打った本を出したのはまちがいなくこれが初のことでした。
要するに私の初めてなわけです。
なので色々とメモしておきたい的な意図のあとがきです。
ネタばらし的な意味合いも多分に含まれますので読後感を大切にしてくださるかたは読み飛ばしどーん推奨。
・動機。
私の文章はいちいちクドい。
世の娯楽のほとんどは、ユーザーの負担を軽減する方向に動いてってる。故に小説もまた可能な限り削ぎ落とし彫琢された文章にすべきだろうとの自覚はあれども、うわーいと脳とキーボードを直結させるのが楽しくて文字を書いてるんだから、そこを自重し削れと言われても難しいところがある。と。いう悩みを頭の片隅にぶらさげたまんまアダルトビデオを眺めてたら、ふと。
官能小説ならそれが読む目的でもあるんだからねっとりと地の文書き込むのも読者サービスになるんじゃね? どうなん? と思いついた。
・きっかけ。
コミケで出すつもりだった本が間に合いそうになかったので次善策が必要になった。どうしようか。そういえばこないだ官能小説ならーとかどうのこうの言ってなかったっけ。
ふむ。
やったことのないことは取りあえずやってみれ精神で動いているので、経験のない一八禁短編集てのも。ナシではないのか。試してみる価値はあるかも知れませんぜ。
と。いざ筆をのばしてみると書いても書いても終わらなくて泡吹きながら書きました。
そもそもが、長文を書きたーいそれを我慢するのが苦手ェーとか抜かしてるやつに(官能小説なら)長文書いても許されるんじゃねとかいう動機を渡したらばこんななるのは自明なことだった気がする。
ねっとりとした描写が許されたかどうかは読者諸賢に判断をお任せしたく存じます。
・書いてみると。
さすがに初めてのことで諸々の迷い箸がありました。例えば語彙の選択。チンコとかワレメちゃんとかコミカルな方面だと雰囲気から浮くし、黒い密林に馥郁と香る肉厚の花弁が真珠の如く艶やかに濡れそぼりーとかだとそれはそれで滑稽というエロでもグロでもある一線を越えるとお笑いになってしまう問題。
文章のうえでさえ空気を読むのってムズい。
その線でいうと。喘ぎ声も……コレでいいのかな。ただの擬音といえばただの擬音なんだしこんなところでそんな悩むのも……いや、喘ぎ声はサービスの一環だし効果的な表現……そもそもあんあんみたいな喘ぎ声ってリアリティの面ではどうなん? いやそこはもうファンタジーに振り切っていいだろう。等ぶつぶつと。
あと。やっぱ。
いつも以上に正気じゃ書けない部分がありましたわね。ヒトって四六時中エロいこと考えてたら集団生活が送れなくなるんで、たぶんそういう、「我にー、返れー!」みたいなことを定期的に警告してくる機構が脳みそに仕込まれてるんじゃあるまいか。
けども書いても書いても終わらないうえに〆切まであるんじゃそんなことも言ってられない。とにかく、意識的に、このストッパーをぶちやぶるべく、躊躇うな! 踏み抜け、アクセルを! とか唱えながら書いてたらいつのまにかポプとかピピとかいう類いのJKが頭に住み着いて『つっこむぞ、つかまれッ!』て見事なハンドリングで竹書房でもないぼくの理性を定期的にぶっとばしてくれました。
ありがとうAC部。
・副作用。
今まであんまアイドルを性的な目線でみたことがなかったんで(マジ)その扉を開けてしまえば……特にライラさんが。なんかしばらく直視できなくなりました。えろすぎる。
あとエロ動画等みてても連想が働くのか書き最中のお話の展開に思考が流れたり、その動画からヒントを見出そうとしてみたりで、とにかく、目的を達するまでにむやみに時間が掛かるようになってしまった。自慰って集中力の必要な行為だったのね……。
それから。私は二次創作はだいたい「このキャラは! こんな性格で! こんな内面と反応だと思うんですがどうですかァー!」みたいな論文を書くよな気分で書いてるんだけど。芹沢あさひさんの場合はまだ公式に深掘りされてなく、ある程度手探りで、ひいてはある程度自分の理想に寄せる形で書けたりもするわけですが。エロい話でそれをやるとなんかだいぶ危険な気がしますね。
自分の性癖の理想に近付けることが出来る。みたいな。
これはヤバい気がする。正直相当色々と楽しい。やべえ。そうか。エロ作家先生のみなさまがたはこんな世界に生きていたのか……。
逆に言えば、二次創作である限りキャラの造型は一次元という大優先設定があるわけで。それを墨守してはほんとに自分の趣味の性癖を反映させきれないところもあるんだろうなと。催眠ジャンルの流行る理由がわかった気もしました。
・タイトルの由来。
察しがいいか、担当のプロフ暗唱余裕勢ならとっくに登場アイドルの年齢とスリーサイズとを並べたものと気付かれていることかと。
話が書けそうな三人を並べてみるとみごとにティーンで揃ってしまいまして。ハイならともかくローが二枚。それどうなん? とは思いつつ。でもまー創作上の人物の年齢はフレーバーに過ぎず、いやむしろ概念上の存在だからこそ属するところを定める数字は大事で。いやしかしロリだとか学生だとか、属性ばかりに注目しては個人を蔑ろにすることに繋がりかねんよなとかぐるぐるした後に。
でもコレは官能小説だし。
いうなれば、その人物の、『女性である』という部分を強く強くクローズアップしたものなのだから。そこんところの俗悪さは敢えて受け止めないとダメなんじゃないか。
じゃあ。ということでスリーサイズという数字を、人格(や物語より)も前に出してみて。加えて表紙絵にはメジャーをモチーフに入れるようお願いしてみました。ありがとうイラストを請け負ってくれた宇賀井さん。
三人のお話はそれぞれバラバラに思いついたものであって、テーマとして用意したものは特になかったのですが、振り返ってみれば『アイドルとやっちゃうことの責任や代償』みたいな話に終始したように思います。これは偶然でなく、彼女らは何よりもアイドルとして我々の前にあるわけで。立場・境遇・環境は、思った以上に人格と不可分であるのかも知れません。
・そもそもがぶっちゃけて言えば。
『登場人物にある程度の愛着を持つと、その二次創作作品におけるエロを受け付けられなくなる』という人種が世の中に何割かいますけど。私もそっち側の人間なんスよね。
そんな癖を持つ人間が、それでも、エロを通じてこそ描ける側面だってあるはずだろうと歯を食いしばりがちに書いたのが今回のお話群だったりします。そのうえで、掲げたテーマが『せっかく官能小説に挑むのだからエロ描写からは逃げるなよマジでわかってんだろなお前』みたいな。
ライラさんのお話。
はやめに読書趣味に目覚めた少年少女はその意味もわかんないウチから男女の情事を読んでたりする。読書初心者向けと勧められるショートショートな短編集には社会派ブラックユーモアも多くて、男女の情事もテーマになりがちだからである。私の場合は阿刀田高先生の短編集がそれで――『不倫相手のご婦人の飼ってたオウムが、そのご婦人の喘ぎ声を覚えてた』みたいな話を小学生時分のおれは何を思いながら読んでたんだろ。
初めての官能小説を書くべーと腕まくりをすれば、自分の中の原初体験を訪れ直すのも自然なことで、かなり直接的に先生の作風を参照してる気がします。まあ書き終わったあとで気が付いたんだけど。女性の部屋まで移動するシーンから入るあたりモロな気がする。
とにかく初めてのガチエロ小説であって勝手のわからなさに苦心しながら書いてましたけど、手をとめてぼんやりと「ライラさんは、もうちょっとこう……」だの「ライラさんはなあ……」とか考える時間が多かったのは、馴れてなかったからでなく、やっぱそれがライラさんだったからだろうなと。
そのぼんやりの果てに落ち着いたのは、エロに対して、積極的でも消極的でもなく、エロどころかこの世のほとんどのものをほがらかに受容する姿でした。エロもその一環でしかないような。
一言で言えば観音様。
お話としては正直……ここまで持ち上げて落とすつもりはなかったんだよう。甘えようとしたら幾らでも甘やかせてくれるライラさんにずぶずぶになってるうちに甘々になっちゃって……挙げ句に、「いやコレ、ライラさんの二次創作だからという理由で手に取ってくれるライラさん担当のひとに悪くない?」とか怖くなって書いてる最中にオチを変えたくなって。いや読者に忖度するくらいなら筆を折るぞおれはだのと揉み合って。
その挙げ句に娘さんが生まれました。
最初からこのオチが思いつかない私はエロの才能がないと思う。
話の決着がついてるよにみえるのに続くエレベーターのくだりはそういう経緯なんだけど、このシーンでもポプとかピピ的なJKが「躊躇うな! 踏み込め!」とか言い始めてイヤ出てこなくていいよと。
晶葉さんの話。
世の中の仕組みの変遷にともなって、性別の意味や垣根が段々薄くなってってるのは確かなことだと思うけど、それでも、今現在でいう男性的な・女性的な役割って分担という意味でやっぱり求められ続けるんじゃなかろうか。私は元々、男らしいとか女っぽいとかいう言葉がどうにもキライで忌避しがちだから、性別てのがどんどん透明になってくのは歓迎したいとこではあるんだけど。それでも結局なくならないのならば、個人個人が、おれは男を、おれは女を、と、ロールを選べるよな世の中になればいいんじゃねえか。そんで相手の選択をこそ尊重できればいいんじゃねえのかな。
男であることを、女であることを、めんどくさいと思わなかった人間はたぶんいないよな。
このへんの個人的なうだうだは、池袋博士の話だけじゃなくてライラさんの性愛の儀典云々のくだりにも滲み出てます。狭義な社会的役割に殉じようとするその姿勢だってきっとそれなりに美しいんじゃないのか。
もしくは、エロ小説という、その人格の持つたくさんの要素のなかから性別て部分を恣意的に抽出した話を書く事への言い訳というか……このへんにだらだら思考を費やしてしまうあたりマジでエロの才能ないんちゃうか俺。
池袋晶葉さんに対して。私はデレマスのなかでも彼女こそが屈指に性的劣情を催させる人物であると評してやまないのですが。彼女は芯が通ってるくせにその境界をふらふらしがちで、どちらかに揺れる度に普段は目立ってない属性が弥増すというか……。自助自立してるのにときたまPには弱みをみせる。自己さえ分析の対象だから、虚勢でもなく天才を自称できるけども、不得手な分野も自覚してるからその自覚があるだけ弱気にもなる。そういう、こう。無頓着な部分が。何がいいたいかというとおれは足癖の悪いおんなのこが大好きだ! 男でも女でも自分の性に無頓着なやつが好き!
なので、晶葉さんのお話だけは今回用に思いついた話でなくて、長いこと頭にあったやつでした。具体的にはムーンライトバニーとして再登場した際に匿名掲示板の話題の流れで思いついたまんまを投稿して好評を得たやつがベース。ほんま古いな。
とかいう割には。ぶっちゃけると、今回のお話において池袋博士のエミュレーションが十全に遂行されてるか、少々自信がない。口調はもちろん、オチとしてこれが相応しかったのかどうか。だって池袋晶葉担当のみなさん揃いも揃ってガチだからそういう方達にお出しすることを思うと萎縮しがちというか……具体的には、Pのことをどのくらい「助手」呼ばわりするのかとか。
ゲーム本編のテキストを参照すると、結構な割合で名前呼びだったりするんよね。ユーザーネームを参照する都合だと思うんだけど。そのあたり踏まえて、作中でのP称は少々の揺らぎを含ませたまんまにしてます。
他、個人的な体験としては。
三つのお話を書くに際して主観視点と三人称視点とを意識してばらけさせてみて。晶葉さんの場合は三人称=神の視点を意識して書いた部分多めなんですが、触手に嫉妬しながら書きました。たぶん染み出てるとおもう。
あさひさんのお話。
この話を書いた当時の話ではない出来事なので少々フェアじゃないんですが。このあとがきを書いている最中に、限定pSSR芹沢あさひが追加されましてね。
この話って、ざっくり言えば『あさひが世間の常識に背した興味を抱いてしまい、しかしそれを承知で叶えてあげた』という話じゃないですか。
それなのにね。公式はね。【空と青とアイツ】芹沢あさひのPは、『あさひが世間の常識に反したらば、あさひと世界とを繋ぎ止める為にその願望を捨てさせる』て決断をしたんですよね。
泣いたよね。
あさひさんはその存在自体がなんかもうおれの個人的なテーマに刺さる。すごいささる。
それはそれとして。
長年の疑問じゃあるんですよね。なんでセックスって表立って話題にしたらダメなのか。隠されるのか。特定個人とだけ許されて、それ以外の人間と行うと罪にさえ問われるのか。もちろんそれらには(なんせ法で整備されるくらいだし)答えが各々用意されてるわけですけど。そのへんの回答に行き着いたとしても、それでも社会と個人とを比べたら常に社会が優先されてしまうことだとか、建前で隠され続けてる事実だとか、例えば原初の商売は売春だったんだぜと常識の移り変わりで左右されがちなことだとか。何かと釈然としない部分は残ります。
そのへんのワガママを全部あさひさんに背負って貰ったような話。
たぶん私は死後、一四才に『XXXXXXから大丈夫っす!』と叫ばせたやつ専用の地獄に落ちる。
改めて読み返すと、エロに至るまでがやたら長いですねこのエロ小説。エロシーンに到達してからはずっとエロいことしてるからご寛恕頂きたいですが。
まあ一四才のアイドルとセックスするのにかかるのは一五〇〇〇文字と書けばそれでも短い方じゃないっスかね。書いてる最中はほんと可愛いなこいつ。ほんと可愛いな芹沢あさひはとか呟きながら書いてました。書いてる当人的には「待つの苦手っす」て言ってるシーンが最カワシーンなんですが伝わってるでしょうか。
ところで、お話てのは基本的に「目的」「障害」「達成(獲得・挫折)」の三段階で構成されるわけですが。終始優柔不断で右往左往して美少女に振り回されてばっかなこの男がなんでこんな可愛い娘を物語上のトレジャーとして獲得できるんですかね?
なんか理不尽じゃない?
なんでこのひと自分の書いた話にこんな腹立ててんの?
まあ。そのへんは。Pがあさひを獲得したというよりも、あさひがPを獲得したと解釈すべきなんでしょう。捕食されたと言い換えてもいい。
だからあさひが獲得したー、とも言える初体験ふくめセックスシーンは可能な限り彼女のわがままを叶える形にしました。Pが割とオトナらしくリードしてみせてるのはそういうことです。全部あさひの為です。だから「気持ちいいか?」だの「大丈夫か?」だのの台詞は言わせないように……したつもりなのに読み返してみると結構言ってやがんなコイツ。ダメじゃねえか。
芹沢あさひは自分の欲求にとても素直で、素直なだけに一直線で、それが寄り道や脇道にみえたとしても、後から付いてくるような形で或いは当人さえ気付いてない本当にほしいものを手に入れてしまう。公式の用意したバレンタインイベもホワイトデーもそんな感じであるよう思います。そういう天才でもあるのかなと。
だから極々個人的な打ち明け話をすると、芹沢あさひにはPに恋慕してほしくないんですよね。というかそもそもあんま特定個人に懸想して欲しくないというか……一番や二番や、本音や建て前とかそういう器用さとは無縁な娘でしょう。今でこそアイドルがいちばんだけど、それが一番でなくなるとそのままどこかに行ってしまうような、そういう危うさこそが、こう、極々個人的なな? やべ。あとがきじゃなくてただのクソデカ感情表明会見になってきた。
ただそれでも、公式の展開やこの話を書いてみたりとか人様の創作を通じたりとかで、あさひに必要なのは、あさひをこの世界に繋ぎ止める重石的な存在なのかなと。そんでPこそがそれを担うべきであって。だから、あさひを繋ぎ止められるならば、この世界に属している人間が彼女の興味をひかなければならず。その結果が恋人だろうがなんだろうが構いやしねえやと。最近は思います。
そのへんの話を続編で書けたらなあ。書けるかなあ。
追加のお話。
再版・製本印刷を機会に追加で書いてみました。
なんでだろね。……いや、なんでだろ。
この本を再版するにあたって誤字脱字など校正をしてみれば「……エロ描写から逃げるな。をテーマにした割に、セックスシーンの途中で場面転換してるよね。それどうなん?」と疑問が湧いてたところに、人様からこの本を激賞頂きまして。わーいと舞い上がった勢いそのままになんか書いてました。
あんま説明になってない気がする。
まあ。コピ本でなく、印刷屋さんを経た形で残るんだからできるだけ完全版にしたいよね的な……?
それぞれ、場面転換の都合でぶつ切りになったセックスシーンを追補する形で書き継いでおります。だから本編に追加しようと思えば追加できたんだけど、リズムやテーマを崩しかねない部分もあるかもなと思い、独立させ尻尾に追加しました。なおのことなんでかいたのかわかんないな。
このあとがきのお口直しとして、お口直しになるかどうかは正直わかんないものの。まあとにかく、よろしければご賞覧ください。
エンドロール。
二次創作は原作から生まれるものであって、その物語を原作にお返しするのも作法の一つかもしれません。リセットという形であり、だいぶ乱暴にも思いますが、そうした所作を思い追加してみました。
「あれー?」と感じられた方は、読まなかったことにしてくださいなんつって。
そっ
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=660479
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12764042
余談:樋口円香の趣味は昼寝ではないかという推論。
なんとなく思ったことをまとめてみたらちょっと長くなったので別に記事に。
樋口円香は趣味と特技を『別にないです』としてある。
そう書かれたらば往年のSNKあたりの格ゲーのプロフィール欄遊びを喜び愛読してた種類のオタにはかえって興味の元になるのである。よってその事実が明るみにでた際に「ほらーおれは円香が事務所にきた当日には気付いてたもんねー」とどやる為に書き留めておきます。
そんな事実がなかったら朽ちるに任せておきます。
以下、論拠を並べていきましょう。
たぶん図星なのでは。あるいは「あ。返答が楽な答えだ」「やっぱこいつ、アレだな」くらいの親愛度上昇かも知らんが。
個人的には、『家事とか?』て回答したときの「……察するに、あなたは休日しか家事をしないようですね」て返答がすごくいい。イイ。
もうひとつですね。
「休日をくれ」という約束イベを達成すると以下の反応になります。
寝て過ごしたね? と思ったんだけど、どうだろうか。
逆に、夜更かしして何かしてたとも解釈できるけどさ(深夜アニメとかかな(その趣味はおおむねまにあっている。
他に何かしてたかとか考えると……往年のキャラいじり系二次創作界隈なら透の盗聴だのストーキングだのになりそうですね?
だいたいただの直感じゃねえかて感じだけど。
まああともうちょっとあるのよ。
これもモーニングコミュです。
こうなる。回答したくないから(朝寝坊したから)会話を打ち切ったとも解釈できやしまいか。ただまあこのコミュに限らず万事この調子なんですが。
因んで、「朝飯食べた?」を選ぶと「つまらない質問。そこからどう会話を広げるか見物ですね」と切って捨てられますが、これはこれでねぼすけさんで食べ損ねたんではぐらかされたみたいな解釈もしようと思えばできます。
私からの報告は以上です。
以上です。
で。まあ更に関係ないんだけど。
樋口円香がずいぶんと珍しい反応をする朝コミュがある。
これも相俟って。
……なんか妙に猫っぽいねこのコとか思う。
(筆者は極端な猫好き)
ノクチルはシャニマスから投げつけられた時限爆弾かも知れないみたいな話。
ツンデレ気味なキャラクターからツン成分が損なわれていく度に落胆を味わっていためんどくさい性癖を持つ者どもよ! 今こそ集い眼にみよ耳にきけ! 樋口円香こそ我らにくだされた福音である!!
という気分なんだけどこの気分はあんま本文には関係ありません。
アイドルマスターシャイニーカラーズにおいて、4人とアナウンスされている新規追加アイドルのうち2人目が来たその当日の空気感としてメモしておこうかなみたいなやつです。
まずはタイトルの通り。ノクチルとはそう名付けられた時限爆弾なのではあるまいかという話をします。
ボマーに気をつけろよ。
ノクチルは『幼なじみの四人組』との既報がある四人組だけど、じわじわと公開されてきた情報を参照してくと、花盛り女子4人きゃっきゃうふふ百合ん百合んみたいなフレグランスでなく、ちょっと濁ってる部分がある。
以下にひとさまの指摘を引用させて頂くと。
この4日間で判明した樋口円香さんの浅倉透さんに対する「感情」のまとめです pic.twitter.com/6Xshmrjq40
— あたなかちゃん (@Atanaka_Chan) March 31, 2020
考えてみれば、アレだよな。
幼なじみって『家が隣同士だった』『小学校あたりからずっと同じ学校を通ってる』『親同士の付き合いで顔を合わせることが多かった』等で、状況により繋がれた関係であり、自らが選んで結んだ関係ではないよな。とも感じます。
自分で選んだわけでもなく気が付けば与えられていた関係。
それって案外、脆いよな。ただ環境がそうであったからという結びつきは、環境が変われば簡単に壊れてしまうのでは。
現実にも、義務教育という制度を経る私らには高確率で各々に幼なじみは存在するけど、小学校・中学校で友人だと感じていた彼らや彼女らと長じた今でも連絡を取り合ってるひとってどのくらいいるんだろう。
だから。例えば。
4人のなかの誰かが、その関係を重荷に感じていたとすれば。
4人のなかの誰かが、その関係を維持しようと腐心していたからこそ成り立っていたとすれば。
4人のなかの誰かが、その関係をよりももっと強い繋がりを望んでいたとすれば。
4人のなかの誰かが、その関係を自然なものとして捉えすぎてて、いつかなくなるものと気が付いていないとすれば。
意外なくらい簡単にほどけてしまいそうな関係ではある。
結ぼうとするもの、ほどこうとするもの、或いはそもそも自然にほどけてしまうもの。
そうでなくったって、環境てのは望むも望まざるもなく変わってしまうものであるし。
んん。
幼なじみというスタートラインは、ゼロじゃないだろうけど。プラスともマイナスともいえない部分があるのか。
というのが解禁前の前情報でぼんやりと感じていたことで。
透、円香と順にWING編のシナリオを読んでいくと予感めいたものが強くなった気がする。
浅倉透はPと出会った過去と、Pがいつか思い出す未来とに想いを寄せている。
樋口円香は変化することをただ厭っているように思える。強引に言えば現在にこだわっている。
もうすでに、未来と現在という形で相克が起きている気もする。
どうなんだろね。
まあ私のカンは大抵はずれるんだけどさ。
敢えて、初見のイメージで誰が気になるかをいえば樋口円香さんでしたけどね。
何がいいって顔がいい。
・浅倉透のWING編シナリオを読んでみて。
体温がない。というのが最初の印象。
興味や関心や情熱というものに無縁というか、大げさにいえばそういうモノが存在することそのものを体験したことがなかったんじゃないか。
だから、形式から物事を理解しようとするし(だって、新人は偉い人には自分から挨拶に行くんでしょ?)、執着がないんでプレッシャーもなく緊張もしないし、目標がない割に言われたことはちゃんとこなすから感想が希薄で、何を考えているかわからないといわれる――どころか、「感想を誰かに伝えることが、こんなに喜ばれるなんて思いもしなかった」とかいう。言ってたっけ。言ってた気がする。まあ言ってなくてもわざわざ二枚のDVDの感想を伝えるためだけに休みの日を押して事務所まできたわけで。
そのへんは多分それだけ、言わなくてもわかってもらえる関係性に今まで育まれていたからでもあるんでしょう。
欲しいものがないから、何かを選ぶだけの基準を持ってないから、与えられたものを唯々諾々と受け入れる。
だから多分、浅倉透にとって、人生そのものがそんな感じのものなんじゃないのか。
人生なんて大仰な言葉を持ち出したけど、これは実際に浅倉透自身のコミュの題名として採択されている言葉である。
どこまで続くかもわからないジャングルジムを、なんで昇るのかさえわからずにただ登り続ける。
人生て割と苦難の連続でめんどくさいことだらけだよな。
しんどいし、楽しくもないけれど、ただもうどこかそういうモノなんだととっくに理解しているから、しんどいとも楽しくないとも感じず登り続ける。
ただ、これはどこまで続くんだろうという疑問だけを背負いながら。
そういう浅倉透に、いつかのプロデューサーが言った『じゃあ、登りたくなったらくればいいよ』という一言はとても大きなものだったんじゃないか。
ただ与えられるままに、そういうモノだとの感想以上のモノを持たずに、そこにあるからという理由だけで継続してきたこと。
それに対して『自分で決めればいい』という選択肢と、『先に登ってるから』という道筋を与えられた。
結果的に浅倉透は、自らの意思でジャングルジムを登ることを決めます。
『一緒に登ってくれるひとがいるなら』或いは『プロデューサーがいつか思い出してくれるかな』と、未来を向けての志向を始めたと解釈できます。
自分が感じたことをしっかり相手に伝える。反射と反応を返す。
これがおそらく、浅倉透が選んだ『透明な自分』からの脱却。
参加性を持って物事に望む。いいことだよな。喜ばしい。祝福したい。何目線の意見だかわかんねえけど。
ただ。
『自分で選んだわけでもなく気が付けば与えられていた』ってのは、この文章中、既に表現として人生ではなく別のモノに用いた。
『幼なじみという関係』にである。
んん。
・樋口円香のWING編シナリオを読んでみて。
あ。やべ。
頻出するキラーワードに「あー。やべー。ぞくぞくする。このコまじ逸材。ぞくぞくするわ。ぞくぞくするわ。ぞくぞくするわ」みたいにばっか思っててシナリオそのものの感想が希薄だと今気が付いた。
樋口女史のキレ味もそうだけど、その舌鋒に対してのれんに腕押し的に「えー。でも円香は才能あるし」「いやいやしかしアイドルってのはいいもんだぞ」つってタフネスをみせるPの態度が、シナリオ上の憎たらしさを軽減できてる気がする。ヘイトコントロールというか。
このへん、Pの素質というよりも、シーズン2と3の合間あたりに、プロデューサーも(円香とはこう接するべきだろうか……)みたいな方針を定めているように感じる。概ね妄想だけど。
あと、「ミスター・オールドタイプ」とか「ミスター・好青年」とかの変化球気味な口癖でキャラ立てにくるあたり往年のエロゲ(という呼び方が悪ければビジュアルノベル)技法に通じる気がする。あんまその方面には詳しくないから適当いってますが。
あとプロデュース後にホーム画面戻ると大丈夫かなこの娘ほかの娘らとうまくやれてけるかなと割と素でハラハラする。
まあでも。シャニマスというキャラの掘り下げや展開がやたら丁寧なベースにこういう娘がきてくれるということがね。個人的にね。とてもね。喜ばしくてね……。ツンデレ気味なキャラクターからツン成分が損なわれていく度に落胆を味わっていためんどくさい性癖を持つ者どもよ今こそ集い眼にみよ耳にきけ。
性癖の話は別にいい。
いいとしても。
案外、樋口円香当人のWING編のシナリオから読み取れることはそんなには多くないのかも知れない。
結局のところ、情熱という熱量を厭い距離を取ろうとし続ける彼女が、それなのに最大の積極性をみせたのはオープニングシークエンスの「浅倉透の安否を確かめる為に事務所へときた」シーンであって、最大の見所もここにある気がするからだ。
そのへんの書き方はさりげに丹念で、シナリオの開幕は日のあるうちから始まり、カチリと事務所の灯りが落とされるまで待ってからお話が始まる。これはつまり、事務所のみえる位置で、樋口円香が日の落ちるまで待ち続けたか、もしくは日が落ちるまで逡巡したまま動き出せなかったか、の、描写と察せられる。どのみち相当な執念をみせられるわけだ。開幕から。
彼女にとって最大の動機であり執着は浅倉透に他ならず、そしてWING編のシナリオではそこは微かに触れられるのみで、つまり彼女の核の部分はあんまみえてこない。
なのでこっから先は大部分が妄想なのだけど。
浅倉透と樋口円香の両人は、情熱て概念に対して淡泊て点で一致している。
けども違いも大きく、一方は「情熱という存在そのものを意識したことがなかった」と察せられ、一方は「情熱という存在そのものを(なぜか)嫌っている」
誰が言ったか。スキの反対はキライじゃなくて無関心らしい。その言に則れば樋口円香は情熱という熱量には興味津々となる。
じゃあなんでそんなに興味津々か。なんでそんなにキライなのか。
樋口円香がいまのとこ最大の執着をみせたのは浅倉透という存在にである。
執着とは情熱とも言い換えることもできる。樋口円香は浅倉透に情熱を向けているがその情熱そのものを厭っている。
んん。つまり。
情熱を否定し、遠ざからなければ、浅倉透に情熱を燃やしてしまい、幼なじみという一線と、同性という一線を越えてしまうから……?
親方ァー。ここに百合豚がいますぜェー。
オウ丁度いいってもんだぜえ。ウチのカカァが今日はトンカツを食いてえとか贅沢抜かしててヨゥ。
ぶきぃー百合の何が悪いんじゃあー。
まあ妄想はどうでもいいとしてさ。
樋口円香が浅倉透に執着しているのはシナリオ上の事実である。だから多分、察するに。どこか。樋口円香は幼なじみという関係が儚いものだと勘づいているんじゃなかろうか。
言われるままに唯々諾々と大抵のことを受け入れるくらい(そこまでではない)目的意識の希薄にみえる浅倉透は、それだけに何も言わなければずっとそこにいてくれそうな感もある。
それでも、そんな彼女が情熱というモノに気が付いてしまったら。
多少なりとも現実に妄想を寄せて考えてみると、幼なじみがアイドルとしてスカウトされてそれどころかデビューするなんざ相当な事件であって、変化である。
付け加えるなら、しかも、あの浅倉がである。
その変化を歓迎しないから――変化などして欲しくないから樋口円香は事務所の前まできたのではないか。
だからこそ、浅倉を、自分を変えてしまいかねない情熱とかいうエネルギーを内燃させて活動するプロデューサーという人種にああした態度をとり続けるのでは無いか。
妄想を重ねると、ノクチル(と呼ばれる前)の幼なじみ四人組の中心は浅倉透なのではあるまいか。樋口円香の執着に加えて、市川雛菜からは慕われて。小糸ちゃんはカワイイ。
浅倉透が中心となって繋がり合う関係なのだから、その中心が外れてしまえばほどけてしまう。円香のみせる執着と危惧は、透個人だけでなく、四人のその関係性に――? とまで考えるとだいぶただの妄想になってくるけども。
ただ、いずれにせよ、それでなくとも。
まだ分量の決して多くないテキストのなかで、樋口円香はたまに『将来』という言葉を口に出す。
樋口円香の感じていた「幼なじみの儚さ」とは、例えば卒業や就職といった将来に対する不安でもあるかもしれない。環境とは望むと望まざるとに関わらず好き勝手に変わってしまうものであって、そのあたりの将来の不安てのは時間さえ経過すれば必ず間違いなくどうしようもなく訪れるものである。
そのあたりから、なんとなく。『時限爆弾』という言葉を連想するものである。
浅倉透は、自分で選んだわけでもなく気が付けば与えられていたものから一歩を踏み出した。
樋口円香は、自分で選んだわけでもなく気が付けば与えられていたものに執着をする。
彼女は、変わりたいと望んだ。
彼女は、変化なんかしたくないと嘆いた。
ただ、変化なんて時間が過ぎれば勝手にやってくる。
市川雛菜は、福丸小糸は、あと数日でそれぞれ解禁される。
そのあたりからも時限爆弾て言葉を思い浮かべるよねとかいえばそれなりに文章がまとまる気がする。
ニュー・アイドル・シネマ・パラダイス 『永遠に美しく…』
架空のラジオ番組の特別エピソードという体でやっております。
涼「お。それじゃ本日のお題だね。
『メリル・ストリープ出演作品で好きなモノをひとつ』だってさ」
奏「あら。簡単そうで難しそうな題ね。ただ作品が好きなだけでなく、あくまでメリル・ストリープを中心に選ぶ……。
そうね……演技を楽しむという意味なら、少しひねくれてるけど『プラダを着た悪魔』なんて丁度いいんじゃないかしら。
気軽に観られるガールズムービーなんだけど、それだけに演者はみんなキャラクターを前面に出した、記号的で、わかりやすい演技をしてるのね。
そのなかでただ一人、メリルだけは……なんていうのかしら。わかりやすさのレベルと質が違うの。こう、『本物が一人混ざってる』といった感じで」
梅「わ。お、面白そう……みんなゾンビの格好してる、なか、で、ひ、一人だけホンモノさんがいる、みたいな?」
涼「その例えはちょっと違わないか?
でも、アタシも観たことあるけど確かにアレはなー。メリル・ストリープの役がまさしく『プラダを着た悪魔』当人で、タイトルロールだから仕方がないところはあるけど、作品そのものを食っちゃってるというか、観た後にメリルの印象しか残らないような強さだったね」
奏「でしょ? アン・ハサウェイのファッションとか見所のもちろん多い映画でもあるけど。あ、ところでお題の一作品を選ぶなら私は『アダプテーション』ね」
涼「なんだそりゃ。そういやまだお題の話だったな。
それじゃあアタシは『マディソン郡の橋』で。小梅は?」
梅「え。あ、わ、私は……それじゃあ、えーと……『ファンタスティックMr.FOX』とか……?」
奏「『マディソン郡の橋』、ね……」
涼「……なんだよ。ニヤニヤして」
奏「何でも無いわよ? ただ、涼がラブロマンスの名前を挙げるのは珍しいなって思って」
涼「奏はさあ。言及されるのは照れくさいから早めに話を切り上げたーってのを察してくれるタイプだと思ってたんだけどな?」
奏「あら、買いかぶられちゃってるわ。涼の機嫌が悪くならないうちに、タイトルコール済ませちゃいましょうか」
梅「え? ら、ラブロマンスのお話、は、もういいの……?」
涼「いいよもう。小梅まで乗っかってくるなって」
奏「ハイ。ニュー・アイドル・シネマ・パラダイスへようこそ。
このラジオプログラムは、速水奏と」
涼「松永涼と」
梅「白坂小梅、の」
奏「アイドルというロマンスを追う三人が、映画へのラブをラブリーに語る番組です」
涼「……いいけどさ。なんか奏さ。今日、機嫌がいいっていうか、はしゃいでないか?」
奏「はしゃいでるかしら。言われてみればそうかも知れないわね。今日のテーマって『永遠に美しく…』でしょう?」
涼「ああ。小梅のリクエストでな」
梅「わーい」
奏「そう。小梅のリクエストでね。今月は、小梅誕生日おめでとう企画として四週連続ホラー特集でお送りしてるんだけど。小梅の口から、ロバート・ゼメキスなんてメジャー作品の監督名が出てくるなんてって、ちょっと思っちゃって……オスカー監督よ? 作品・監督賞も取ってる、ハリウッドの王道よ……!?」
涼「うんまあ。そこは否定しないけど。ちょっと前まで3Dアニメ畑に行っててメジャーってイメージは最近はない気もするけど。それはそれとして、なんで感極まってんだ?」
奏「……少しだけ昔話をしていいかしら」
梅「え、うん。どうぞ?」
涼「ああまあ。どうぞ」
奏「小梅ってカワイイわよね」
涼「そうな」
梅「え? あ、えっと、え?」
奏「初対面の時のあの、胸に花の咲いたようなときめきを今でも覚えてるわ。その瞳を見た途端に、私の目に鮮やかに翻っていった、ダコタ・ファニング、クロエ・モレッツ、アビゲイル・ブレスリン……ハリウッドを色めき立たせた、天才美少女のイメージ……不思議よね。まだ挨拶さえしてなくて、小梅がホラームービーが好きだなんて知りもしなかったのに、そのイメージはみなホラームービーへの出演でスターダムにあがった子役達で……」
涼「あー。うん。ゾンビランドのアビーほんと可愛かったな」
奏「だから、弾む胸をなるべく抑えて、私に出来る精一杯の自然な演技で、一緒に映画でもみないって誘ったの。『どんな映画が好みかしら?』そう尋ねたときの答えがね――」
『――人がたくさん死ぬ映画なら、なんでもいいです』
涼「あっはっはっはっは!」
梅「え? え? い、言ったっけ……言いましたっけ、そ、そんなこと……?」
奏「笑い事じゃないわよ。こんなに愛らしい13歳にそう言われたときの私の心境を思い遣ってほしいわ」
涼「あー。まあ、ね。いやでも、今でこそ笑い話じゃないか。笑い話になってるならいいんじゃないか? それに、アレだろ。なあ小梅、コレさ。来月あたりからレンタル開始になるホラー映画の一覧なんだけどさ。この中から観たい映画選ぶとしたら、どれがいい?」
梅「え、えっと……うん。……人がいちばん死にそうな映画が、いいな……」
涼「ホラ。」
奏「しかも笑顔で言ってるわね。ともかく。ともかくよ。それからしばらく、こう、なんていうのかしら。少し変な情熱にかられて、暫くのあいだ、ヒューマンドラマ的な映画を小梅にあれこれオススメしたのよね。もう少しでいいから、その可愛さに見合った、明るくて暖かい場所に連れて行ってあげたくて……それももう、なんだか懐かしい。そんな日々を思い出すと、小梅がこんなメジャータイトルを持ち出してくれたことが、なんだか嬉しくって……ね?」
涼「ただのめんどくさい映画オタクだね」
奏「否定はしないわ。意外に思われるかも知れないけど、私にもそういう面倒くさい部分があるってことね」
涼「そのへんの奏のめんどくささはファンのみんなもだいたい気付いてるんじゃないかな」
奏「…………そうなの?」
奏「……え? そうなの?」
涼「ま、とにかく、そんな小梅がチョイスしたのが『永遠に美しく…』と」
梅「で、でも、どんな理由でも、オススメした映画で喜んでくれるのは、う、嬉しいなって……」
涼「そうだな。小梅が喜んでくれるならなんでもいいや。
ひとまず作品紹介から済ませていこうか。
お話の中心になるのは、マデリーンとヘレンという二人の女性。長年ライバル関係にあった二人の対決は、ヘレンがこの人こそと決めたフィアンセをマデリーンが略奪し、結婚までしてしまうことで決着したように思われた。哀れヘレンは失意のまま健康を損ない見る影もなく太り、療養生活を過ごす……そこから時は流れ、すっかり愛の冷え切った夫婦生活を贈るマデリーンの元へ招待状が届く。
それはヘレンの自伝出版記念のパーティーだった。
己の勝利を確かめるため、或いはかつてのライバルの零落を笑うため出席したマデリーンは、しかしそこで、まるで衰えず実年齢とかけ離れた若々しさと美貌を備えたヘレンと出会い……って。
掻い摘まもうとしたら前半全部話しちゃいそうだね」
奏「まあ、そういう女性二人の愛憎劇が中心にあるってことね。
『永遠に美しく…』は1992年のアメリカ映画。バックトゥザフューチャーの成功によりもはや映画史に名を残すことが約束されたロバート・ゼメキス監督作品。そんな巨匠が、ブルース・ウィリス、メリル・ストリープ、ゴールディ・ホーンを主演に迎え、当時最先端のSFXで描くのは、不老不死の秘薬を巡る女の強さと醜さを描いたブラックホラーコメディ……ですって」
梅「ごーかー」
涼「そうな。監督も主演陣も豪華……だけどさ」
奏「そう。豪華よね」
涼「さっき奏が『小梅がメジャー作品を薦めてる!』って喜んでたけど、内容は、まあ……内容だよな」
梅「きれいな女の人二人が、薬のおかげで不老不死になって、首がぶらんぶらんになったり、お腹に大きな穴があいたりする」
涼「メジャーか?」
奏「ええっと。それはまあ。で、も! ストーリーラインはオーソドックスよね。二人の女性による恋の鞘当てで」
涼「それはそうかな。交わされる会話も軽妙でキレ味がよくて、いかにもハリウッド娯楽大作って感じで肩肘はらず観れるね。ジャンルとしても、一応まあホラーに分類されそうだけど、スプラッターなシーンもほぼないし、だいぶ安心してヒトにオススメできるかな。指や手首がゴキとかベキとかあるけど、あれくらいだったらアクション映画ならザラにあると思うし」
梅「う、うん。か、階段に突き落とされて、ごきべきぐちゃぽきべきどちゃばきばきずだだだだーみたいな、シーンとか」
奏「……そこがまあ、唯一といえば唯一かしら。ね」
涼「テーマも普遍的。て言っていいよな。老いに対する恐怖と、若さへの執着」
奏「そうね。Time goes byというか」
涼「でもこう……正直いうと、そういうテーマって、ちょっとピンと来ない部分もあるんだよな。過ぎた時間は取り戻せなくて、だから歳を取ることは確かに怖いことでもあるけど、この映画で言ってた『春だけを追い求めて参りました。秋と冬から逃げて』みたいな台詞で……逃げ出す程かなって、ちょっと思わないか?」
梅「うーん……えっと……それは……」
奏「涼はロックンローラーだからよね」
梅「ね」
涼「ええ? なんだそれ。No Future とか、Don't trust over thirtyとかか? なんていうかさ、そりゃ今日が終わるのは怖いけど、その怖さも受け入れて、明日がこなくっちゃ成長もないって思わないか?」
梅「わー。ロックンロールだ……」
奏「ね」
涼「えー。なんだよもう」
梅「涼さん、や、やっぱりかっこいいなって……」
奏「ね」
涼「まあいいやもう。でもま、実際のところ、所詮は青二才のアタシたちじゃ本当の意味で老いの怖さみたいなものはわからないかも知れないな」
梅「じ、事務所に、戻れば、おとなのひと、多いから、もしかすると教えてくれる……?」
奏「んー。その方向に話を進めるのはちょっとよしておきましょうか。でも、そこはそれ。アカデミー賞最多ノミネート俳優ことメリル・ストリープの演じるマデリーンが、その表現力で、スクリーンを通じて私たちに、老いることがどれだけ怖いか、若さというものがどれだけ執着に値するかを伝えてくれる」
涼「ああまあ、そうかな。あのシーンとか……。浮気相手の、若くてハンサムな男のところにいくんだけど、そこで『自分の歳にお似合いの男でも探せよ!』とかこっぴどく振られちゃって。大雨の中をアクセル全開のスピードで道路を飛ばしながら『あんまりよ……こんなの、あんまりよ……!』てすっごい泣いてるシーン。コメディ寄りではあるんだけど、なんか本気で可哀想に思えてくる」
梅「あ、そ、そういう話なら、あの……ライバルの、ヘレンさんが、スゴくキレイになってて……それのせいで声を掛けるのをやめて遠ざかろうと振り返ったシーンの……あの、表情が、顔が、すっごい格好良くて。すごい好き……」
奏「そうね。あの、悪鬼羅刹みたいに表現出来そうな形相よね……ホントに、メリル・ストリープはいくらでも尊敬できる女優だと思うわ」
涼「メリル・ストリープって確かブロードウェイスターでもあったと思うんだけど、開始冒頭から、『旬のとっくに過ぎ去った舞台俳優』みたいに扱われてるけど、それに関しては?」
梅「あ、あの、『マデリーンってまだ生きてたんだな』みたいな、映画全体に、掛かりそうな、ひ、皮肉っぽいこととか、言われてて……」
奏「あのシーンはあのシーンでね? こう、如何にもダメな舞台で演技もチープな女優『という演技』が惚れ惚れするのよね……!!」
梅「ふふ。か、奏さん、メリルさんのこと、大好きなんだね」
涼(どんどんただの映画オタクみたいになってるな)
涼「まあでも、アタシ個人の見方になるんだけどさ。マデリーンもヘレンも、不老不死に手を出してしまった理由は、若さとか美貌とかよりもずっと、ライバルへの対抗心というか……嫉妬みたいなものが強い気がするんだよね」
梅「ああ……」
奏「そうね。それはあるかも知れないわね」
涼「それならアタシもだいぶわかっちゃうんだよな。対等だと思っていたのに、もしかするとずっと先を行かれてるんじゃないかっていう焦りとか、チャンスを掴んだ連中と自分を比べたときのみじめさとか、怖さとかさ」
奏「まあ、ね。私たちはアイドルだから、競い合うことは日常とさえ言える。でもそれも、一つのカテゴリじゃなくて、それぞれの得意分野という形で、ある意味じゃ分散されてるから救われている部分もある」
梅「うん……あ、アイドルって、色々だよね……」
涼「それが、アイツにだけは、コイツにだけは勝ちたい、負けたくないって狭いところに入っちゃって、そのうえで『負けてしまった。もうどうしようもない』て実感してしまったとしたら……想像してみたら少しゾッとするよな」
奏「実際、作中でもこれだけ美貌を競い合う二人なのに、お互い煽りあう事ばかりに費やされて、周囲にひけらかしたりはしない。それはまあ、映画としての尺の問題もあるかも知れないけれど、ずっと二人だけの世界ともいえるかしら」
梅「ヘレンさん、も、キレイになりたいっていうか……マデリーンさん、を、殺しちゃいたいっていうことばっかり、か、考えてるようにみえる……よね……」
涼「そうなんだよな。マデリーンにしたって、せっかくブルース・ウィリスを、ていうか作中の名前でいうとアーネストを奪ってるのに、いざ婚約したらずっと冷たい扱いをしてたみたいだしさ」
奏「そうなのよね。せっかくブルース・ウィリスが演じてるのに、ここまでのあらすじでも本当に存在感がないくらい。あ、でも、登場人物としての存在感はすごかったし、映画としてもすごく大事な役割と言えるわよね」
涼「こう、眉を寄せて、困り顔ばっかりしてるだけじゃないブルース・ウィリスの演技って貴重な気がするよな」
梅「い、いいひと、だしね……」
涼「……いいひとっていうか、アレは……」
奏「そうね……いいひとっていうか、ただの優柔不断というか……」
涼「小梅がああいう男とお付き合いしたいって相談しに来たらアタシは反対する」
奏「私も」
梅「え、ええ……!? え、で、でも、あ、お、お付き合いとか、そ、そういうんじゃなくて……死んじゃったひとを、お葬式の、ために、きれいにしてあげる、ステキなお仕事もしてて」
奏「エンバーミングは大事で大切なお仕事だと思うわよ? おくりびとよね。でも……」
涼「アーネストの場合は、自分の仕事も下にみてたからなあ。『スプレーでシュッと一吹き』だぜ?」
奏「そもそもの話、この映画のほとんどの問題は彼が優柔不断でさえなければ起きなかったのよね」
涼「な。小梅。優しさってのはとても大事なことだとアタシも思う。でも、それと優柔不断とは間違えたらダメだからな。本当に」
梅「ええ、え、ええっと……な、何のお話してるのか、わ、わかんなくなってきた……」
梅「でも、えっと、でも、ね……? アーネストさん、が、最後の最後に、とても、すごく、大事なことを決めるよね……?」
涼「ああ。そうだな。確かに」
奏「さすがにネタバレだから伏せるけど」
梅「うん。でも、あの、決断、って、優しい……んじゃなくて、優柔不断だから、決められたことなのかな……とも、思うんだ……」
奏「なるほど。そうかも知れないわね。自分の優柔不断で散々な目にあい続けて、自分の弱さを知り尽くしたからこそ、選べた『逃亡』があの決断だった。そうとも言える気がするわね」
梅「そ、それでね……? あの、ちょっと、お話が飛んじゃうんだけど……この映画の、不老不死っていうテーマで……改めて、なんで、死ぬのって怖いのかなって考えたことがあって……。
考えると、少し、不思議な気分になるんだ……死んでも直ぐにいなくなるわけじゃないのに。死んだらどうなるかって、死んだ後のあととか、私も、みんなもわからないのに、なんでそんなに怖がるんだろう。それを不思議に思っちゃうと、ホラー映画みてても、なんだかどんどん、不思議な気分になって……」
涼「そうだね。ほとんどのホラー映画は、死ぬことから逃げる話とも言えるよな。死ぬことが怖くないと成り立たない」
梅「うん。だから、なんでだろ……って。それでね。たぶんだけど……なんで死ぬのが怖いかっていうと、みんな、忘れられるのが怖いんじゃないかな、って、思うの……」
涼「ああ」
奏「そっか……そうね。そうかも知れないわね」
梅「忘れられるのが怖くて、いなかったことになっちゃうのが怖いから、歳をとるのが怖いし……ライバルに、嫌がらせをしてでも、自分のことを忘れさせないようにしたくなって……幽霊さんとかが、誰かを驚かしたり、呪っちゃったりしちゃう、のも、もしかすると、そんな理由があるのかもって……」
涼「かも知れないな。みんながみんなそうじゃないかも知れないけどさ。『あの子』も寂しがり屋だっていってたっけ?」
奏(あら。今、マイクがノイズを拾ったわね)
梅「私、は、あのことか、みんながみえるから、そこにいるのがわかってるから、もしかすると、ね? もしかしたら……私は、死ぬのは怖くないかもしれない。けど……けど、涼さんや奏さんや、みんなや、みんなと、お話できなくなって、そのせいでいつか忘れられるって想像したら、すごく怖い気分になって……死ぬのは怖くないかもしれないけど、忘れられちゃうのは、私がいたんだよってことが、わからなくなっちゃうのは、きっとすごく怖いなって」
涼「うん」
梅「だから、この映画の、最後の、教会のシーンで、神父さん? が、言ってくれたことに、なんだか答え合わせしてもらった気分になったの……」
奏「……そうね。『永遠に若く生き続ける秘訣』ね。この作品そのもののテーマかも知れない」
梅「うん。だから、それが、私が、ステージに立ちたい、歌を歌いたいって思う理由……なんだろうな。きっとって、思ったの。『私はここにいるよ』『みんなもみえてるよ』って、みんなに言いたいって」
涼「そっか。そうだな。ライブは自分を全部ぶつけなきゃダメだしね。『アタシはここにいるぞ!』って。あー! なんか歌いたくなってきたな!」
奏「私も、明日のグラビア撮影が楽しみになってきたわ。楽しみじゃないお仕事なんて、ないけど、ね」
涼「いいね。写真にも残るから一石二鳥かもな。グラビア撮影かー、正直苦手だけど、もうちょっとそういう仕事持ってきてくれって頼んでみようかって思えてきたよ」
奏「プロデューサー、今の、ちゃんと聞いてた?」
梅「きいてた?」
涼「即座に言質を取ろうとしないでくれ」
梅「ハイ。と、ということでニュー・アイドル・シネマ・パラダイスも……そろそろ、閉幕のお時間です……お足元にお気を付けて、お帰り、ください、ね」
涼「で、どうだった小梅? 誕生日おめでとう月間は?」
梅「楽しかった……た、楽しかった……!」
奏「そうね。ホラー映画ならではっていう楽しみ方も色々と堪能させて貰えた気がするし、来年も楽しみね」
涼「お!」
梅「わ!」
涼「言ったな奏。聞いたぞ? 3月はホラー映画特集で定例化か?」
奏「ハイハイ。二言はないわよ。それでは最後は、小梅が『永遠に美しく…』でいちばん好きな台詞でお別れです」
梅「『車の場所、おぼえてる?』
……ば、ばいばーい」