ガルパン最終章第二話公開前夜のどうたらこうたら。

 まあ買ったんだけどさ。
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 はい。極めて個人的でおれしか楽しくない企画であるところのガルパン最終章を観る前の脳みそとみた後の脳みそじゃ決定的な違いが生じるからせっかくだし観る前の脳みそを文字という形で部分的に保存しておこうかな企画こと空振り三振大旋風の第二話分です。
 第一話のときのはこっち。
tehihi.hatenablog.com


 そういう企画なら読み返さないと意味ないよねと、第二話公開を控えた前夜である今に読み返したらば、なんというかなんかただああこのひとほんと角谷杏前会長が大好きなんだな。きーもちわるぅーいという脳汁ばかりが目立ちますね。
 知ってた。

 桃ちゃん先輩が桃ちゃん隊長になることの弊害だけどさ。
 桃ちゃんの指揮により選抜優勝できましたという実績のため、作戦決定権はおおむね彼女に委譲されるんであって。
 そのため、これまでのガルパン通じてさりげにさりげに大切な一言である、杏元会長の「ねー、西住ちゃん(さりげに作戦指揮の決定権を全て西住隊長に委ねている杏元会長の分の弁えっぷりとそこから暗に暗に根深く結びつき合い濃縮されゆく濃厚濃密なあんみほ)」が聴けなくなるんかなと思うと……おれはもうほんと切なくて……。

 まあそんなで……そんなで……改めて……第二話を前に第一話を見返しつつ先の記録を読み返してみると……なんていうか。こう。

「そういえば最終章だったなあ……」

 とか口にだしてもらしてしまいました。
 そういえば最終章だったよな。実家のような安心感というほどではないにせよ。なんかこう。割といつものガルパンでかなりいい意味の安定感で。第一話観覧前にあったあの差し迫った危機感めいた感情が完全に空回りにバットが空を切る空騒ぎだったななんて。

 なんて思うけど。それでも最終章は最終章で、今度公開されるのは最終章の第一話ではなく第二話なのだ。物語の完結と完成へ、そこからもう揺るがせない形へ向けて少しずつ進んでいるのだ。
 なんてことない学校生活でも一日ずつ卒業が近付いているみたいなさ。

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 そうなんよね。
 こうして振り返ると最終章第一話に通底するテーマにやはり「卒業」があるよう感じます。そもそも(あんだけ公開前に引っ張るだけ引っ張った)戦う理由が桃ちゃん先輩の留年阻止であることからも明らかなようにさ。
 劇場版の夏から、秋と、最終章の冬という、僅かだけど短いとも言い切れない季節を経た各キャラクターの成長を細かい場面でほのめかしてある。それこそが、各キャラクター達の行く末をしっかり描いていくことの宣言に思える。
 んん。わざわざ文字に書くとすごく今さらに感じるけど。

 そーなんよねー。
 そうしてみれば桃ちゃんの留年阻止を掲げた今回の戦いも、テーマに相応しく感じられる。言うなれば壮行会。言い換えれば追い出し会。
 これまでのお話で、大洗女子学園への執着は各々のキャラクターがそれぞれに表出させてきたけれど、そのなかでも最も顕著に露わに露見させてたのが桃ちゃんである。要するに桃ちゃんがいちばん大洗女子学園に執着してた。
 物語の完結にともなう「卒業」はその物語に関わる全ての人に降りかかる。
 作中人物はもちろんだし、それを制作するスタッフもそうだし、何よりも視聴者である私らもである。
 私たちでさえ、いずれはガールズ&パンツァーという物語から卒業しなければならない。
 そのへんを思えば、恐らくは第一話初見で誰もが感じた「そぉーんな理由かぁーい」という今回の、大洗女子達の「戦う理由」が腑に落ちてくるところである。

 ……卒業、したくねえなあー。

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 あと個人的な感慨をいえば。
 やっぱり彼女たちは他の誰かの為にしか戦えないんだなあという諦念にもにた微笑ましさとか。
 それまでそんだけ大洗女子が好きなのに喚き立てるくらいしか出来なかった桃ちゃんがついに自立自助の機会を得たのかも知れないなとか。
 大洗女子ってやっぱ初戦敗退するんかもなあとか。

 あり得ると思うんよね。大洗女子初戦敗退。
 いやキミらなんかもう少々なんでもかんでも戦車で解決しようとしすぎじゃん。卒業したら戦車でなんとかするのも概ね通じなくなるんだからここはもう実力で大学受験がんばりな? みたいなお節介気味な道徳観念。
 というよりも、そういうエクスキューズがあるなら奮戦及ばず負けちゃいましたーという展開にしても後腐れがないんじゃないかしらとか。
 あとメタ的にも、大洗女子のゲリラ戦法もまだまだネタ切れには遠いだろうけど、そろそろプラウダvs黒森峰みたいな大正統派同士の対戦だってみてみたいよねとかさ。
 つまり、大洗女子は第二話でいったん退場して、残り三話くらいは各校にフォーカスを移す番外編的なお話で進行させる。各校の今後や新キャラが匂わされてるのもそうした布石に感じると言えば感じなくもない。
 そんで、第六話はこれまでの50分前後の構成をかなぐり捨てて、最終章最終話に相応しい2時間のスケールをとって、「みほさんともう一度戦いたいから」という理由で大洗女子への転校を蹴って以来消息のわからない島田流との再決戦を描く……!
 みたいな予感が。
 まあ私の予感ってだいたいはずれるしな(前回の話で強烈に実証済み)

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 あと九輛目の戦車がマークⅣであることがどれだけ完璧なプロダクトかの話していい?
 どの国のどれが原初の戦車かは諸説あるんだけど、少なくとも戦車が「Tank」と呼ばれる由縁となったのがあの菱形戦車ことマークⅣちゃんで史実初の戦車同士の戦車戦を行った意味でも「最初の戦車」でありその開発経緯はイギリス陸軍でなく海軍が主導で行われてたんよね。その理由は諸々あるらしいけれども当時海軍は蒸気機関の成功によって大質量の操縦に自信があって、そのために「ランドシップ=陸の船」と呼ばれてたわけよ。そう、陸の船。船舶科が乗るにはたいへん相応しいし、予備知識だけど、開発時点だと暗号としてランドシップの連想からかウォーターサーバーと符号されててでもそれだと「W.C.」でトイレのことになるじゃんそれはちょっと勘弁してくれんかってことで「Tank」ってなったらしいよという話とかそうなのよねそもそも蒸気機関が検討されてた通り原初の戦車は内燃機関か外燃機関かから決めなければならなかったわけで、まあそのガルパンの大きな謎の一つだった船舶科がこうしてクローズアップされるのも美しいし、大洗女子はイギリス車両も持ってなかったしな! それがサメさんチームというのも戦車オタなんだか映画オタなんだかわからないところのあるガルパンらしい部分があるよねだってサメよサメ。通信棒を帆として見立てるのもなお素晴らしいアイディアだしどこまでも細かく見事にバチりとハマったピースでさー。そんで菱形戦車が戦車としての歴史のスタート地点であるならその原型を象ったのが対戦相手であるマリーさんの搭乗する、あまりにも画期的な回転砲塔を乗っけて以降歴史上全ての戦車の原型とさえなったルノーFT17なわけよつまり今回の対戦カードは戦車の源流同士の対決でもあるわけよな!! ねえ聞いてる!?

 まあ戦力としてはほんとにな! なんていうの!? 論外!?



 とかまあそんなかな。色々書き漏らしたことがある気がするけど。
 それにしても公開は明日かー。時間がたつのってはやいねー。
 一話から二話までで一年半とかお前全話公開に何年かかるんだよ余命のあるガルパンおじさんにはきついスケジューリングだなとか思いきや加齢により時間の流れが加速しているガルパンおじさんに適した時間配分だったみたいなさ。


 以下は、あらためて第一話をお家で見返した際のおまけメモです。

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あんこうチームエンブレムからカメラが入る。
 これが一度被弾するところまでが劇場版と同じアングル……ん? あれ? 劇場版はダージリンさんの紅茶から入ったよな……でも以前にもなかったっけあんこうマークが被弾するところから入るシーケンス……記憶混ざってる?
 で、もう一度被弾してシュルツェン奥のあんこうさん。
 シリーズ復活を意図してるのか、二度あることは三度あるの暗喩か。

・橋! 橋ですよ!
 レマゲン鉄橋! 遠すぎた橋! あるいは戦略大作戦
 戦争映画の名シーンと言えばやはり橋なわけですよ!!
 橋の端からチームメイト全員を写す絵面もにくいな!

・このアニメ、ダージリンさん特別扱いしてるよね。

・コスモスかな。空模様もなんとなく秋を思わせるけど詳しくないからわからない。
・何故か泣けるとみながいうOP。おれも泣けるというOP。
・戦車内部の絵面、またなんか詳しくなってない?
・OPに新車輌いないけど、第二話で書き下ろすの?
・砲塔を前に向けながら後退するチハたん
レオポンさんチームがレオポンさんチームとして言及したとおりの「雨が降って路面が水浸しならできるかもね」ドリフト。
・OP詐欺はありがちとはいえ、マウスと再戦するのはあり得るんですかね。
・オタクの抱える様々な劣等感を象徴しがちことエリカさん。
・まほおねーちゃんの背景でぐるぐる回ってるのなんのモチーフだろね。
・OPで存在感を放つわりに作中では出番のない猫も最終章スケールにあわせて盛々。

ゴリアテちゃん! リモコン戦車ことゴリアテちゃんじゃないか!
・サンシャモンちゃん! サンシャモン突撃戦車じゃないか! と思うけどなんで無限軌道杯のポスターに採用されてるんだろ。
・時期生徒会のお話、ドラマCDでやってるらしいけどフォローできてないんよね……。
・「だったら戦車探してないで勉強したらどうだー?」と、桃ちゃんが戦車を探していることに自然と話を接続させる角谷元会長だけど、なんの目論見があるんかなとかいちいち勘ぐってしまう。
・もう二度と廃校などという憂き目にあわないよう。
 一度きりの徒花でなく持続可能な環境を整えるべく立ち回ってるのは立派。ほんとに立派。
 でも見付かった車輌は……車輌が……見付かった車輌のことを思うとやっぱ桃ちゃん勉強してた方が良かったんじゃないかなというか……。
・あんだけ引っ張った戦う理由がだな。
・河嶋さんは無遅刻無欠席なのにというかそどこさんほんと人品の判断基準そこしかないんですね。
AO入試の説明を一年生チームにしてくれるのがバレー部チーム女子なあたり、スポーツ特待を意識している部分があったんだろうか。
ニーダーザクセン大学ってなんのことよと思って検索したけど、ドイツのニーダーザクセン州にはドイツ機甲師団の歴史を学べる士官学校教育施設が設立されたとこみたい。一般開放されて年間数万の来場者だとか。

・桃ちゃん隊長を指して傀儡隊長。
 対戦相手のBC自由学園はドイツ占領下の暫定政権こと傀儡政権であるとこのヴィシー政権から名前を拝借したんだろうけど、要するに傀儡vs傀儡であると。

・視線を集めてもひるまなくなってる西住隊長。

・風紀を取り締まる為か地下に詳しいそどこ。
 遅刻取り締まり以外にも仕事してたんね?
 そういやTVシリーズでも率先して戦車探索してた気がする。
・そういえば、TVシリーズで地下で迷ったウサギさんチームを迎えにいけと地図を手渡したのが桃ちゃんじゃなかったっけ? その頃から居酒屋どん底と交流があった?
・船舶科さん礼儀正しいよね。挨拶くらいしか台詞らしい台詞がないともいえる。
・元風紀委員と腕章をみせるそどこだけど、風紀委員も代替わりしたんね?
・そどこを連れ去って営倉(ではない)に放り込んだあげくにあの二人組は「いったいどこに消えたのよ」
・丁寧にみんな牛乳入りメニューを注文してまで「ママのミルクでも飲んでな」というお約束に導かれる展開。冷泉さんの相変わらずのミルクセーキへの執着はなんなん。
・ここまで濃厚なそどまこ。
・ガタイのいい女子ってガルパン世界にいなかったよね。ムラカミさん。

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・秋山殿がポテトマッシャーもってるのなんというか根暗男子がナイフ持って学校に行く的なガチっぽさがあるからやめて。
・熱とアルコールの紅潮を絵的に混同させていけ。
鯛焼き型の氷嚢。

・改めて思うと、サメさんチーム参戦の理由が「桃ちゃん先輩に恩義がある」て相当なご都合主義な?

・おおおおマークⅣちゃんだランドシップだ丘の船だ……。
・トランスミッターに手が入ってるのは納得よね……マークⅣが抱えていた欠点として、ギアの操作が左右分離してて、操縦するのに右の履帯と左の履帯のそれぞれに人員が必要だったらしいんよ……そんでメインのギアを操作するのに一人、ブレーキ役にもう一人で、操縦だけで四人取られるんな。ただ右に曲がりたいってだけでもそれぞれ声かけあってじゃないとままならない戦隊モノの巨大ロボ操縦並みに息を合わせないとダメだったとかどうとか。
・肉のにおいの芳香剤って実在した気がするけど検索はしない。

・河嶋さん留年の危機らしいですよという会話から自然と「ダージリン様はイギリスへ留学が決まって良かったですね」となるあたり、ダージリンさんギリギリだったんかな。
 ようやく本場の茶が飲めるというのも笑いどころかもしれない。
・あ、キューカンバーのサンドイッチだ。
・下級生は席につけれないの従卒っぽさがあってすき。

・サンダースの会話。
「大洗女子とプラウダと聖グロリアーナ。それからウチで争うことになりそうね」
 って台詞、なんか伏兵の存在を匂わせてない? 気のせい?

ガルパンお馴染みのお風呂シーンは今回サウナという形でノルマ達成ですか。
「みなと過ごすのと同じくらい孤独は大切なんだよ」
 はよくぞ言ってくれたというか、それでこそムーミンをモチーフに持つ連中であるというか。

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・トーナメント表。
 相変わらず存在感を放つコアラの森学園だけど……ん?
 二回戦の話だけど、聖グロとアンツィオがやんの?

・AKIYAMAFILM。なーんかすごーい見覚えあるMBT
 ガルパン最終章は全六話やりますっつって最初に聞いたときは「スターウォーズにするつもり?」て思ったもんだけどもやっぱ自覚的だったんね……。

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・BC学園の内部分裂が欺瞞工作だとしても、秋山フィルムをそのまんま工作として使えるくらいに組織だった工作ができるものなのか……? そもそもここ最近のお話でなく学園の歴史として根深い亀裂なわけでしょ?
 とか思ってたけど、学園内で反目があったとしても戦車道チーム内という小さな輪の中では十分にまとまれるかも知れない?
・そういえばベルばらは歌劇の演目でもあるよな。ヅカの。

・桃ちゃん隊長という編成に不安をこぼすのはだいたい冷泉さんだけど
 それだけみほ隊長へ信を置いているのかもしんない。

・観戦モニター台になってる列車砲がちゃんと線路で動いてる。
 三台に増設されてる(?)のはやっぱプロリーグへの参加だったり大洗女子という歴史的大金星で世間的注目が増してたりなど諸々の理由で予算が増えてるんかしら。

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・観客席にオレンジ色にベレー帽の見慣れない制服の一団がいるけど、今後新登場する高校?
・蝶野さんの隣に見慣れない女性がいるけど新キャラなんかしら。
・小梅ちゃんとウチの履帯は重いんだぞさん以外見慣れないメンツの黒森峰。台詞がない一方で小さく描かれてるモブさんも少なくなかったけど
・正座が美しいちはたん学園。
・下級生チームとの距離が近付いているようみえるプラウダ
・継続学園の印象的なリーゼントの三人組は何ネタなん?
・堂々と力尽きるアンツィオ

 と、ここに至るシーンでもそれぞれに、各学園は成長や今後のテーマなどが描かれてきたわけだけど、サンダースさんにいまいち変化らしい変化がみられないのは大丈夫だろうか。それは今後に持続するテーマが用意されてないということかも知れず。噛ませ犬の役割を負わされたりしないでしょうか大丈夫でしょうか。

 変化がなさげという意味ではアンツィオもそうだけど、彼女らは、西住みほが目標とする地点に自然と先駆けて到達しているわけだから、むしろ変化せずにいられるか否かという点が今後のテーマにもなりそうな予感がけどおれの予感はよく外れるからな。

・自前で整備できるウサギさんチームや、持て余し気味だった筋力をもう使いこなしてるアリクイさんチームなどこちらも細かく成長が描写されている。

・マークⅣちゃん初お披露目。電信棒を帆に見立てるの最高ちゃいます素晴らしすぎないです?
・マークⅣちゃんにはオス型とメス型があったと記憶してるけど、大砲乗っけてるのはオス型じゃありませんでしたっけ。オスが! 男が! それまで女子の花園だった女子戦車道にオスが! とか騒ぎ立てたかった気もするけど大砲と機銃両方乗ってけてるのは雌雄型と分類されてたような。
 両性具有! どのみちチンコが紛れ込んでる!!
・菱形戦車の機体をぐるりと囲む履帯いいな……いいね……モデリング班まじいい仕事……。
・船舶科チームに脅かされる一年生チームだけどサメとウサギは因幡の白ウサギ伝説で因果な仲なのである。

・桃ちゃん隊長が西住元隊長に一言求められて戸惑う構図。これまでの光景の作為的な裏返しである。
・不戦勝の話がでるたび少し残念そうな顔する秋山殿。
 そういやこのコ、ヨハネスブルグの名前が出たときに顔輝かせてたような気がするけど。

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・ところで今回おっぱい盛り気味じゃない?
 盛り気味というか。強調するアングルが多いというか……。

・いやっふーせんしゃせん開始だぁー(30分経過。
・フランス的田園風景ですよ! 史上最大の作戦ですよバンドオブブラザーズですよ要するにそういえばむしろ今までなかったのが不思議なくらいではある!
・遠景までクッキリでレンダリング大丈夫だったんかなこのシーンみたいな。
・この耳慣れたマーチ……戦車道行進曲……ひところからよくTVからも流れてくるようになったけど、新作としてこれを聴くことの安堵と満ちあふれてくる喜びたるや……。

・桃ちゃん隊長搭乗機をそのままフラッグ車に指定したことに対して「西住ちゃんの心遣いだよねー」とさらりと言えるあたりやはりあんみほ大正義。
TVシリーズでは一貫して裏目ってた桃ちゃんの指示だけど……?

・ちっこい体でぶんまわすおかげかいちいちオーバーリアクション気味になる磯部キャプテンほんまカワイイ。
・せんせい。
・会長がホシイモ以外のなにかを食べてる。ホワイトナットウ。

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・渡河にスタックした戦車を助けるウサギさんチームが涙腺にくるガルパンおじさんは少なくないはずだぜ。
 サメさんとウサギさんの相性の悪さがやや強調されてるよう感じるけどなんかの布石なんですかね。

・迷わず退避して細かい路地で車体転換もスムーズにこなすバレー部チームの操縦練度をみよ。
・角で一輌だけ残して相手を足止めして、残りは先を行き、何輌残ってるかわからなくさせるというこのシーン一発で「あれ?  BC学園のこの練度、ヤバくね?」て一気に不安が煽られるよね。
・ノーブレーキですれ違うのもなー。
 練度を表しつつ目線を交わらさず交差なんてもう相当な相棒感だしてるじゃないですか。一転して演出で「……あれ? やばくねこれ」感煽ってくるのすごい。

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・フランスのペタンクとイギリスのクリケットってどっちがどれくらい面白国技なんですかね。
・不意打ちをしかけるべく橋を渡るシーンにはちゃんと緊張感が描かれている。
 術中にハマりこそすれ油断しすぎているわけではないのだ。
・鰯の頭も信心というお銀さんの台詞だけども桃ちゃんが鰯の頭であることは承知の上なんか。
・目のいいそど子さんが風紀委員のカンで相手の待ち伏せに気付くシーン。
 風紀委員のカンで流してるけど、深読みするとさ。
 普段からケンカしあってるようにみえても実はそうでもないと直感で気付きかけてるってことだけど、
 そど子さん自身も普段からケンカしあってるけど実はそうでもないかも知れない間柄のひとがいますね? だから気がつけたとかじゃないですか? どうなんですか?

・マリーさんの乗るルノーFT17ちゃんは二人乗りなのである。
 マリー様の搭乗車の操縦主を任される生徒は責任重大であって、かつ二人きりの空間を過ごさねばならん訳だから相当近しい人物になるのじゃあるめえか。

・ソミュアじゃあ距離があると橋を落とすので精一杯かもなあ。
 でも大洗の一部車輌なら有効打加えられるんかなあ。
・そういや劇場でみてびびったけど、え、何あの長砲身。フランスって即降伏したくせにあんなパンターみたいな戦車持ってたんマジで?
 とか驚いたけど、ARL-44とかいう占領下で密かに設計されてた車輌らしいね。知らねえー。

・隊長は河嶋さんだよ。と釘を刺すお銀さんの忠義とやり手っぷり。
 彼女にとってはあくまで河嶋さんを大学にねじ込むための戦なのである。

・イナバの白ウサギ作戦。そこぴょんぴょん作戦ちゃうんや。
 解説の必要もそんなないだろうけど、イナバの白ウサギてのは、海の向こう岸に渡りたいウサギがサメを「アナタ達の数を数えてあげましょう」つって呼び寄せてその背をぴょんぴょんと渡って「やーいだまされてやんの」とかいってお仕置きくらうお話ね。古事記にも載っている。
・マークⅣちゃんは塹壕突破を目的に設計されてるんで後代の戦車と比べてもだいぶボディが長いのだ。
・お銀さんのたいへん度胸の据わったシーン。

・追いついてきた89式とポルシェティーガー。行進間射撃はまず命中しないけど、「増援がきたぞー!」と敢えて敵に報せる威嚇射撃か。
・かなり追い詰めているシーンなのに撤収判断が速く、また全員がそれに付き従う。
 統率がとれているよう感じられるし、その判断の早さは事後策があるからだろうか。

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・最後に、反目しあい、あるいはかみ合っていなかった三者が一つの画面で横並びに同じ方向へ進軍する。
 押田と安藤の不仲がどの程度まで演技だったのか。マリーは果たして暗君なのか。
 第二話未視聴である今現在はまったくわからないけれども、いかにも象徴的であり、もしかすると視聴者の深読みを誘うように歌われた「パッキャマラード」の意味は「友よ一緒に行こう」であるらしい。

・さあ、ここから第2ラウンドです。

なぜ第八回デレマス総選挙が面白いのか。なぜ第八回デレマス総選挙が面白いのか!

 夢見りあむとかいう希代の放火魔がぼんがぼんが火焔瓶ぶん撒いてるからじゃねーの。
 ウムッ! その通りッ!

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 ではあるんだけど。
 あんまり面白いのでどう面白いのかを少しメモしておきたくなったのでメモします。
 長いよ。長いんで項目毎に興味ありげなのがあると拾い読みすればいいよ。

 あ。あとそうそう。大事なエクスキューズですが、個人の視点からみた個人史に近いお話なんで丸呑み厳禁。むしろついったやコメント欄などにツッコミ訂正叱責よろしくてなもんですよ。


各属性でみていくと面白いよ総選挙。

 面白がる前の予備知識として。各陣営(陣営?)の傾向なんかを理解しておくとより面白がれるかもしれない。
 これまでの総選挙は各属性毎に傾向がそれなりに強くありました。
 あったけど……いまどき属性でアイドルを区分けしてみているPなんてそんなにいない気もする。でもまあ総選挙は各属性上位3名という強烈な作用があるんで、この区分けがある限りは無関係でもなかろうかと。


Passion陣営 燃え続ける熱い棒は始終叩かれる?

→これまでのPassion

 誤解誤謬を恐れずぶっちゃけると「総選挙にやる気がない」と揶揄されがちな属性。
 いわゆる属性の顔役である本田未央を筆頭として5位以内にばーんと登場した後に……あれ? 10位以内入賞って1人だけ? みたいなことが過去に数度。他属性では全体4位でさえギリギリでボイス獲得だったりする一方、Paは全体20位スレスレでも属性3位だったりと、属性としての存在感が希薄……というと過言であるには違いないけれど。
 しかしそれは、裏返せば「ボイスを獲得する機会が広い」ということ。
 現実に、Paは総選挙を通じてのボイス実装アイドルを最も多く輩出している属性となります。
 ある意味では最も理想的な総選挙エンジョイ勢ともいえるPa。むろん、例え少数ではあれ、何がエンジョイじゃこっちはガチじゃという魂で参加されてる担当各位への敬意も忘れてはなりません。

→今回は……。

 誰が「Paは総選挙で存在感がいまいち」なんざ抜かしたよ。という勢いで、先ず間違いなく最も耳目も話題も票数も集めているのがPaです。台風かハリケーンかわかんないけどリアルガチでど真ん中。むしろ今回の総選挙がなぜ面白いのかの主要因とさえなっております。

 まずは中間発表全体一位として君臨した本田未央

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 記念すべき第一回を飾りながらも以降はPaにとってシンデレラガールという玉座はずっと遠いままでした。そこにあと一歩という地位にまで登り詰めたのが前回の話ですが、彼女の陣営が持つ「今年こそ本田未央にガラスの靴を」という勢いは去年のあの登り切ることが出来なかった階段から、丸一年を通じ今に通じてるような気配さえあります。
 渋谷凛が得て、島村卯月が拝した冠を未だ本田未央が授かれていないという負い目。長く総選挙において少数派に甘んじていた属性全体の悲願もその勢いを助長しているような気もしますが、そこに立ちはだかるアイツがマジ空気よめてねェ!
 ナチュラル・ボーン・ファイヤ・スターター、もしくは七度生まれ変わろうともなお炎上芸人こと夢見りあむ

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 サービスインから8年目を経た今に至りずいぶんと久々に追加実装された一人である彼女にはそれだけでも耳目を集める力がある。それに加えて自称クズであり、自称ザコメンタルであるが故の、自らの弱さを曝け出すことに躊躇いのない赤裸々さは「自らが何者でもないことを痛感している人々」あるいは「何者かにならなければならないと迫られている人々」の共感を追い風として、爆発。中間第三位にまで及んだその火の手は総選挙そのものを焼き落としかねない勢いで大炎上の真っ最中……とかいうのもそこまで過言じゃないのが怖いというか。
 無論、ただの炎上目的でなく夢見りあむに各々思いを重ねたガチ勢がいるからこその順位でもあります。


 けれどもやっぱ話題がな。
 コスト2として「最初の一人」である本田未央と、ただでさえ活躍の機会が狭められているなかに物議を醸しつつ投入された「新たなる一人」が首位を巡り相争うという筋書きがもはや理想的過ぎるし。
「新人がいきなり総選挙一位を獲得するというドラマ」をみたがる層。ニューカマーの存在そのものを面白く感じていない層がそれを阻み、一方、運営のやり口や総選挙そのものを疑問視している層が炎上させることを目的に暗躍し……正直しっちゃかめっちゃか。
 保守vs革新の構造はまさしく総選挙という言葉面。どういう結果を迎えるのか素直に楽しみといったところで。

 話題はそれだけでなく。
 全体9位、属性3位に躍り出たナターリアは、声は獲得できないもののいい位置に居続けている一人であってそれだけに蓄積されていたポテンシャルがついに開花したような雰囲気があります。

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 お話の出所がハッキリとしていないためおぼつかないところはありますが。あらましを並べると以下。

・とある海外のナターリア担当が、「ナターリアというアイドルの人気投票を応援してくれない?」と依頼する。
・それを引き受けたのは著名ゲームメタルギア・ソリッドの、主役であるスネークの海外版ボイスアクトを務める人物。
・俳優氏、わざわざ動画付きで公開してくれる。「vote for ナターリア!」とちゃんと言ってる。
・それが話題となるが早いか、ツイッターに点在するナターリア担当Pが自らのアイコンを一斉にソリッドスネークのものに変える。
ツイッター上でナターリアに関し言及するとすごい勢いでソリッドスネークに囲まれる(イイネを付けられる)という事態が発生。

「有料サイトで発注した」「ツイッターを通じて直接依頼した」「娘の名前が同じナターリアだった縁で依頼した」等、言及するひとによって発端が変わるので少々おぼつかないところではあるけれど……まあ事実の整理や発端となった担当P氏へのインタビュー等は大手メディアに期待することとしましょう。ねとらぼあたりとか。

 肝心なのは、このたった一度の出来事が(元々の自力はあったものの)ナターリアにすごい勢いを与えたということです。
 詳しくは後述したいけれど、第六回から始まったツイッターとの連動と、それによるプロデューサー同士の繋がりがついに選挙を大きく揺るがしかねない効果を及ぼしたという事例と申せましょう。
 この事例。一度の奇跡が短時間で驚異的な得票に繋がったこの出来事がとても大切なのは、こんなことが起きるならもうぶっちゃけ最後まで何があるかわかんねえところがあるよなという話。
 
 他方、気になる存在はやはりヴァリサこと的場梨沙でしょうか。

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 全プロデューサー必携のステキコミカライズことU149にていい具合の活躍をみせている彼女は、ツイッターでの言及数のみをみれば属性3位にも位置する好位置に付けていますが、本田vs夢見という総選挙のみの枠からはみ出しつつある激戦と、類い希な奇跡を起こしたナターリアという、この一度しか発生し得ないような出来事が無常にも立ちはだかります。あとゆるふわゆえの強固なマイペースを誇る高森藍子も。
 この事件のどっちかでも起きたのが今回でさえなければ……と悔やむにはまだまだ早すぎるにせよ、なんかもうこの無闇な苦労の背負い込みっぷりがどうにもヴァリサっぽくも。


Cute陣営  圧倒的不可侵の壁はあまりにもカワイイ。

→これまでのCute

 なんかもう第三回あたりから属性別選挙結果をみても「ああ。いつもの」という感想が多勢をしめたりする程度に上位陣の地位が盤石な属性。第一回総選挙からの入賞皆勤賞が6人います。ヤベエ。その「いつもの」メンツが7人8人程いるとかいう絶望は現実にも作用することしばしばで、多勢のPにとって総選挙=声を入手するチャンスとして解釈されているにも関わらず、属性三位全員もともと声付き(=声実装アイドルなし!なんて事態を何度か引き起こしてたり。
「CuPは担当アイドルにしか興味がない」なんて陰口をたたかれたりもしますが、Pの態度としては限りなく正解に近いんで何の問題もありません。

→今回は……。

 その壁に真っ向から立ち向かうロリがいた。その名は遊佐こずえである。

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 世間的業界的にもロリという特徴は「メジャーなニッチジャンル」として捉えられているをそうで、こちらの総選挙でも低年齢層アイドルが結果を残せたことは数少なく「ロリコンは声がデカいだけ」などと囁かれがち。そんな最中、それでも中間発表三位としてCuの壁に亀裂を入れてみせました。
 前回の総選挙結果を参照すると、いわゆるサプライズ枠として声を獲得した白菊ほたるの次に位置したのが遊佐こずえ(それでも属性9位)で、言ってみればCu陣営で最も声獲得に近い場所にいたのが彼女です。この機会を逃すまいと担当Pが奮起されたのももちろんですが、一方で「ロリアイドル全員声を付けようぜ!」とする運動が一部Pの間で広まっているとの観測報告もあります。
 現在、属性3位という極めて微妙な順位。前門の可愛い、後門のカワイイに挟まれて、こずえ自身がどこまで可愛らしくあれるかがまさにこれから問われます。

 更に注目したいのは属性別6位の藤忍

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 彼女は、有志による出口調査結果ではモバマスからの言及数が最も多いCuアイドルでした。
 実際に「せやかて工藤! でお馴染みの名探偵コナン劇場版が地上波放映されるから一斉視聴しようぜ!」だの「3月9日は工藤忍の誕生日だから390円でセールされるナゲットはもはや工藤忍公認フードだ! いかにもマクドでバイトしてそうだしな!」等と何かとイベントに結びつけて総選挙そのものを盛り上げようとする様が散見されます。
 その団結を持ってしてもCuの壁はやはり厚く険しいことを証明するような中間発表になってしまいましたが……奮起を促したい

 Cuの壁はなぜこんなにも厚いのか? といういつか為された問いに対する誰かさんの答えが「ヤツらは『可愛い』ということだけを武器にあそこまで登り詰めたからだ」というものがあります。その言葉面の強さに流されがちだけどもまあ内実はギフテッド・ヤンデレ・異星人など結構な飛び道具が潜んではいますけども。
 理由などないというある意味で最強の不動票に挑む工藤忍もやはり、愚直とさえ表現できそうな、ただただ真っ当な努力と可愛さのみでその壁に挑んでいます。
 公式が公表したデータでも、フリルドスクエアというユニット同士の結束も確認されます。応援してくれているひとは多い。終結果に期待したいところ。

 他、属性一位として鎮座する一ノ瀬志希に一部識者が驚きました。

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 もはやステルス票。担当による表だったロビー活動があまり目立たず、出口調査でもあまり高い位置にはいなかったにも関わらずこの位置。「志希担当はツイッターやってねえの……?」と幾人かの総選挙に熱心な層を愕然とさせました。噂じゃインスタやってるらしいぜ。
 真相はどこにあるかはともかく、票田、もしくはファンの広がりを実証するエピソードとして記憶に留めておくべきかもしれない。
 長年のP活動の果てに『自らvTuberになり票田を獲得する……!』と一大転機を経た特定界隈での有名人「マシーナリーとも子」女史擁する池袋晶葉が、八度の総選挙を経てついにランキングに名前を刻んだり……とにかく、今回の総選挙にあって最も水面下で何かが起きている属性であることには違いなさそう。
 


Cool陣営  鋭く怜悧な矛先はただしきまぐれ。

→これまでのCool

 総選挙にやたら強い。現在最も多くのシンデレラガールを輩出している属性(過去7回中4回)であり、上位5名が参加できるユニットを4人で占めたりだとか、登場三ヶ月のアイドルを総選挙速報で一位にたたき上げたりだとか追加から初参戦のアイドルをその年で属性二位まで押し上げたりとか何かとやらかしがち
 総選挙外でもボイス争奪選挙で一位と二位(橘と塩見)を占めたりだの、エイプリルフール企画のマスコットキャラ総選挙でもやっぱり一位二位独占(あの子・ぴにゃ)だのとなんだかご丁寧。
 第八回の中間発表で公表された公式データでも最大派閥であると実証されており、だいたいの総選挙で最も入賞者の多い属性ではある……ものの、一度結果を残したアイドルはその後の総選挙でフェードアウトしがち。それらが相俟って「声の順番待ち」だの「渋滞起こしてる」だのと評され、それが酷いと「浮気性」とさえ揶揄される。まあそこは層が厚いと積極的に言い換えていきましょう。


 

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なかなか優位な差(?

→今回は……?

 ある意味ではいつもどおり。相変わらずなんか強い。
 伝統か革新かというもはや別ゲーになりかけている本田vs夢見という暴風圏のただなかの全体2位という、あれ……なんでそんな涼しい顔でそこにいるの……という一種異様な存在感を放つ北条加蓮がいかにも象徴的。

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 第七回では全体三位・属性一位という地位であり、見方では本田未央の「今年こそシンデレラガールに」という勢いと似通う部分はあるものの、例えば本田にある「凛・卯月に続いて!」や夢見の「だって面白いじゃん」もなく、もちろん「今回こそ声が欲しい」というシナジーもなく、言ってみればピュア・ガチ勢である。
 公式のデータでもそれが示されている。

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 一人あたりの得票率に勝り、最初の一票では大きく差を開けられているにも関わらずこの位置というのは、実際の票数こそわからないもののなかなか凄みがありますな。

 中間発表で目を引くのは、属性13位につけた松本沙理奈さん。

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 八度目の総選挙にしてついにその名前がここまであがってきました
 彼女が毎日投入を欠かさず豆乳を補給しているというトピックスに因み、ツイッター上で票の一斉豆乳(投入……)を働きかけるなど熱心な草の根的ロビー活動が奏功し、初期から存在するユニットであるとこのブルナポPの諸氏に熱意が伝わったのではないでしょうか。どうだろうか。
 他、全体4位という素晴らしい位置につけている雪美ちゃん、属性6位の七海しゃん8位のマキノと、活躍が目立つ三者はそれぞれ前回前々回で「声獲得を狙えるところまで歩みを詰めた」メンツになります。

 前回の話になりますが、中間発表10位圏外から、同属性強豪の文香・楓を二枚抜きして全体4位にまで到達した鷹富士茄子女史という例がありまして。
 このあたりから察するに、最大派閥であるCoは最大派閥であるらしく「今度はこの娘に声をつけたい」というバイアスが他属性より強くかかるのではないでしょうか。
 それは単に浮動票という言葉で表せる現象ではありますが、この総選挙という催しが、ある種の利己心のみならず、バランス感覚とでもいうか、公共精神とでもいうか……結果そのものを平等にならすような働きかけが存在するように感じられて、なんとなく面白いところです。
 190人いようとも、みんなまとめてアイドルマスターっつーかね。

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 それはそれとして七海しゃんがんばれ(利己心。
 あと毎度中間発表圏外からなんだかんだでジャンプアップしてくる小梅ちゃんがんばれ(利己心。
 あと今回で加蓮がシンデレラガールになって次回以降は「トラプリを三人とも頂点に!」て流れを生んで未来に繋げるとかどう?(利己心。



 さて。属性ごとの傾向以外にも、総選挙に強く作用する要素を知っておくと今度も楽しく興味深くウォッチできるかも知れません。のでこれまでの総選挙のおさらいついでに書き連ねて参りましょう。

総選挙ごとの変遷。

 同じ総選挙ではありますが、システムや意味合い、傾向そのものが結構様変わりしてるんですよね。
 大雑把に追っていきましょう。


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第一回 ~ 原始、その棍棒は札束と呼ばれていた。

 無料で入手可能な投票券は二枚のみ。
 主な入手手段はガチャ(及び無料ガチャチケ。そしてガチャから入手できる投票券は制限ナシ。
 正気か。
 そのため、開催期間の短さもあり総選挙結果はほぼ「選挙期間中に誰のガチャが行われていたか」=ガチャブーストに左右されていたも割と同然だったりした。


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第二回 ~ 声獲得戦争開闢。

 二度目の総選挙にて、上位5名でユニットを結成しCDをリリースするとの公約が発令された。これが要するに現在にも繋がる総選挙がボイス獲得のチャンスと捉えられている発端なのだけど、それ以前のお話として、この一年の合間にリリースされた公式CDが「ことごとく総選挙で上位入賞したアイドル」で占められていたのである。
 この頃までは「運営が推したい(CDデビューが決定した)アイドルと、総選挙結果が重なるのはただの自然な流れでは……?」と、その相関関係を疑うPも根強く存在したが、この第二回総選挙終了後の一年は、まるで運営が、総選挙での結果がどれほど効力を及ぼすかP各位に知らしめるような展開が続いた。


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第三回 ~ 声がなければドアは開かない?

 上位5名のみならず、属性上位3名もそれぞれボイスを付与するという発表にともない、内実ともに総選挙が声を入手する為の機会であるとP各位が認知するに至った。
 それだけではない。第二回開催との合間に2周年を記念した特別アニメPVが放映されたことにより「地上波アニメシリーズがいずれくる」ともはや決定されたような雰囲気が漂うなかで、P諸氏はある予感に慄然とする。
「ボイスがなければ、アニメに出演できないのではないか……?」
 この、声の有無が活躍の機会拡張に繋がり、活躍しているからこそ人気も得られるという循環に対する期待と、そこから担当が逸脱する恐怖は、果たして現実のものとなり現在にも繋がっている。


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第四回 ~ 波乱の波間。

 アニメが放映され、その第一期と二期の合間に行われた総選挙。
 3周年記念と称し突如年末に行われたボイス争奪選挙の興奮も冷めやらず、あるいはアニメで新たに脚光を浴びたアイドル、もしくはサプライズ的演出で突如として声を得たアイドルなど、これまで「総選挙とその結果にともなうCDデビュー」が担当に声を付かせられる限られたチャンスであったPが諸々振り回されていた時期。
 また、この頃からデレマスは新規アイドルの実装が途絶えることとなり、CDシリーズである Cinderella Master のリリース頻度も鈍化しはじめる。


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第五回 ~ 戦いは様相を変えるもなお。

 出来事としては、第四回との狭間にデレステがリリースされたことがある意味最大のものである一方、総選挙も見た目を変えず内実を大きく変える仕様変更が行われた。
 まず開催期間の長期化。およそ倍である一ヶ月開催へ。
 そしてイベントで得られる投票権の大幅増加と、ガチャで得られる投票権に制限が課された。
 これらにより、ざっくり言えば無・微課金の影響力が増大したんですな。少数精鋭よりも時流に乗った多勢こそが結果を残すようになったとも言えます。
 このくらいになるとデレステを通じて声の有無による格差がかなり顕在化しており、声待ちアイドルに票が流れがちという傾向がさらに加速。
 時流にのった佐藤心が前回50位圏外から一気にジャンプアップし9位入賞を果たす、というインパクトは多くのPに影響を与えたはず。


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第六回 ~ ささやきさざめきさんざめき。

 第五回で定められた総選挙の仕様は現在でもほぼ変わらず、だから第六回もそんなに大きな変化はない……ようにみえて、総選挙の様相そのものを大きく変えたとんでもない仕様追加が行われた。
 ゲーム内で誰に投票したかを、連動によりtwitterで表明できるようになった。
 それだけである。
 それだけなんだけど、この仕様を利用し、一部有志がこれら呟きを集計し公表する「出口調査」を始めたのだ。
 これはでかい。ほんとにでかい。

 出口調査とは銘打たれているものの、その実は選挙における強烈な禁じ手の一つ。人気投票の公開である。
 元より人の心理的傾向にはバンドワゴンはクールに去るぜ効果と呼ばれる作用があって、有り体にいえば人は勝ち馬に乗りたがるのだな。
 一般的な選挙であれば特定の支持候補を持たない浮動層が、当選の見込みのない候補者を捨ててより自らの投票が結果に繋がる候補者に流れるという形で表層しがちであって、それはデレマスでもやはり見られます。
 それに加えて、先述した「声待ちアイドルが得票を伸ばしがち」という傾向が加わると加速が倍ドン
 それだけでなく、目に見える結果は目標を同じくする同士の結束を強めます。この場合は同担当同士の士気だな。
 第六回においてその叫びが顕著であったのが

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荒木比奈にィー!! 声が付くぞォォー!!
だと思ってる。ありがとう荒木先生担当の同志諸君





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第七回 ~ プロデューサーとして。

 ついにこのときがきたかというか。第七回に加えられた変更はデレステとの同時開催」である。
 元より声の有無による格差が顕在化してなお経過したデレステという土壌にて、そこから票が流入することの意味となると人気層がより強固になることを意味しており、個人的にはしょーがないけどなーんかつまんねーなーといまいち乗り気になれなかった総選挙であった。
 けれどもそれは一面のみをみた誤謬に等しく、現実として人気層の固着もまた確認できはしたものの、それと同じくらい「浮動票の大幅増加」も意味していたのである。
 結果としては人気層と浮動票との二つの時流も得て安部菜々が第ナナ代シンデレラガールとして頂点にたったわけだけれども、熱意と志あるPはその戦い方にひそみ、この年から一斉同時投票の呼びかけや各担当wikiを立ち上げ情報の集積と拡散を目論むなど、その立ち回りはもはや現実の選挙活動と強く近似を描き始めた。



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第八回 ~ 混沌のただなかに繋がるいくつかの。

 元よりSNSは摂取する情報を自分の好みに取捨選択できるので、少々バイアスが掛かりやすくて。昨今それが問題視されたりもするけれどそれはそれとして。
 似た趣向の人同士が繋がりを得ることはSNSの本懐であるわけだけど、ついったを利用するP諸氏にはまさしくこの傾向があるはずです。要するに、担当を同じくするP同士と繋がりやすい。担当のアイドルについて繁く言及してくれるひと、あるいは、担当アイドルのイカすイラストを描いてくれるひと。
 つまりはクラスタ化してるわけです。既に繋がってる。団体として各Pが総選挙に向かっている。
 今回の総選挙がやたら面白い理由はここです。八度を経ての変化が、あるいは途中で付け加えられた劇的な仕様が、担当同士で繋がり、そして選挙の戦い方が周知されて、この第八回を迎えている。
 あるPは豆乳を一斉に飲み干し、玉露を淹れ、森林募金をし、乳がん基金を拡め、清掃活動を行い、バ美肉し、ポテトを食べ、伝統が勝るか革新が受け入れられるかを見守りあるいはどちらかに加担する。
 なんかここまで積極的にお祭りとして多くのひとが参加できている総選挙って初めてなのではあるまいか。


 今回の総選挙が耳目を集め盛り上がっている由縁の一つに、直前に追加された七人のアイドルという存在もとても大きいでしょう。
 声を得ることで活躍の幅が広がる。それは、アイドル同士の交流がバリエーションを増していくということでもあるよう感じます。
 そんで、新たな結合ってのはある程度柔らかくてふにゃふにゃぐちゃぐちゃした、混沌とした状態で無ければ起きないんだよね。古く固くなってしまえばもう起きない。
 ならばこの混沌を呼び起こした出来事は歓迎すべきな気がします。


 ずいぶんと以前の話になりますが、こことは別の二次創作界隈に巣くっていた時分、やたら青く見えた隣の芝生があったんですよね。もちろんアイマス付近のことだけど。
 その理由は、たぶんプロデュース活動と銘打っての創作活動が、要するに愛に満ちてるようにみえたのだな。愛ですよ愛。
 私はひとがなにかを好きだと主張しているさまをみるのがとても好きな人間なので、それが羨ましくみえて当然ではあったのだ。
 なんかそんなことを最近思い出してて、なんかな。楽しいスわ。アイマスが最近。
 まあおっさんの自分語りはどうでもいいとしてさ。

黛冬優子から空かし見るシャイニーカラーズの愛みたいな話。

 アイドルマスターシャイニーカラーズの新規参入アイドルの黛冬優子さんのプロデュースをWING優勝までプレイしたメモですよと。

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てれれてーん。

 先に、久々のプレイを通じた後の雑感を書いておきますと。
 おシャニさんのキャラクターて構造が多層的よねと今回改めて感じました。
 キャラクターそのものは割と記号的というか、いわゆるオタク用語であるところの「属性」として一言でまとめられるんだけど、そのアイドルが、なぜ、その属性、に、行き着いたか、が、順序立てて設定されており、育成を通じてその層が一枚ずつ露わになってそれがドラマになる

 例えばー。風野灯織さん。

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Co女子は相変わらず最高であることよな。


 彼女を例にとってみれば、一見はストイックな努力家。

 一言目には「レッスンお願いします」
 二言目には「わかりました。努力します」
 三言目には「次はもっとうまくやってみせます」

 そんで、理想の高い人格故に進歩を怠り気味の他者には攻撃的……かと思いきや、育成のさなかにつぶさにみれば、その攻撃の矛先は他者というよりも……なんだか、自分自身にばかり向けられてないか……? という傾向に気が付きます。
 ああ、そうか。
 この子は理想が高いんじゃない。
 自分自身の評価がどうしようもなく低いんだ。
 そうなってしまった原因はわからないけど、どうしようもない劣等感が人格の真ん中に巣くっている。
 だから、他者との接触に臆病になるし、ウカツに褒めるとむしろ拒絶反応を示すし、自分に自信がないから占いにすがったりするし、あとお前それ大丈夫かよという勢いで指導者(プロデューサー)の言いなりになる。

 彼女にとっては、レッスンさえ逃避の手段なんだ。
 じゃあ。どうすればこの子は救われるんだろう。

 その困惑も、その困惑があったからこそ WING での優勝という一つの夢を達成したあと彼女がみずから望んだご褒美が「今から、レッスンに付き合ってください」であることに、こう、胸をつかれるといいますかね……。


 筆が滑った。
 黛冬優子さんの話だった。
 まあそんな感じで多層的なんですよ。
 恋鐘たんも、自信過剰な自称天才にみせかけて「子供のころから周囲に『こがねはかわいいねえ』『将来アイドルになれるねえ』と言われて育てられたのを完全完璧に真に受けたまんまここまで育ちました!」とかいうスゲエ人格だし。三峰もだね……。
 キリがない。
 言い始めたらキリが無い。

 だからまあ、多層的なんスよ。
 多層的もなんも本来からしてキャラクターの造型なんてそんなもんじゃない? て声もあろうかと存じますが、この、多層的で、一枚一枚剥がしていくことでキャラクターの理解が深まるという構造がそもそもの『アイドルマスター』て育成ゲームにやたら相性がいいわけですね。
 ああこの子はこういう娘なんだ。という理解。要するにプロデュースしている感。相互理解。まさしく育成ゲー。
 デレステあたりは逆にフラットなところから始まって一層一層積み重なってく感じよね。それはそれで利点も多かろうものと思いますが。


 ハイ。
 黛さんの話もちゃんとしておこう。
 黛さんの場合もまあ、キャッチーないわゆる属性付きよね。腹黒二面性キャラ。だいぶがっつりした、目には見えなくて餌の要らない猫を飼ってる娘さんです。


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よっしゃーは基本よね。


 正直をいえばプロデュース初回あたりはハフーンそうねこんな感じなんねという反応で済ましてしまいそうになった。
 シーズン2(16週間経過時点)でもうボロが出るんですかー思ったより早いなーみたいなー。
 しかしそれも先に行ったとおり、多層的なキャラクター構造の一番外の部分なわけよね。
 ストーリーが進むと、彼女は本当の自分がないと詰られることになる。


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 表に出せるモノは作り物の笑顔だけ。しかし本当の自分を出しては幻滅されると恐れる。
 その自縄自縛のなかで、それでもアイドルとして仕事を続けているうちに、自分の中に見出すことのできた「何か」を頼りに、彼女はアイドルを続けることを選択する。
 そうしたストーリーラインをなぞりつつ、ひとまずWING準決勝三連敗まで遊んだ最中に、一番気に掛かったのはこちらの台詞でした。


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 不思議なくらい、自負心が強い。自負心という言葉であっているだろうか。
 強烈な表現だと思う。
 猫をかぶり愛嬌をばらまくことは八方円満に納める為の方便としても機能するはずで、それはそれで美徳でもあるんじゃないのか。それを「背負わないようにしてた」とは。
 衝突を避けることは、一概には逃避とは呼べないだろう。
 しかし彼女自身はそれを怠惰か、もしくは怯懦による選択だったと申告したのだ。
 それは、自分に関連することは全て自分に責任があると宣言しているような……或いは、自分さえ上手に振る舞うことが出来たらならほとんどの問題を解決できるはずと語るような。謙虚さとは逆の強烈なエゴも感じさせる言葉のように感じた。
 言い換えれば、自尊心だ。
 事実、アイドルとして確かな手応えを得て文字通りの勝ちどきをあげている彼女に「楽しそうだな」と声を掛けると、返ってくる言葉は関係者全員を「いい感じ」に出来たことが誇らしいという喜びだった。


「もっちろん!
 だって、今のふゆって最高じゃない?
 スタッフが気に入るカンジで振る舞って
 仕事もうまいことこなして……
 そしたら、
 アイドルの仕事がもっと来るようになるわけでしょ?

 むしろみんながやる気になって
 よりふゆが輝くってものよ!」

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 ここまで多層的という言葉でシャニマスのアイドル達の、キャラクターとしての厚みを表現してきた。
 それは、その人格が「テンプレ」だけではなく、「なぜそのテンプレ(のようにもみえる)人格に至ったか」がその物語に内包され、折りたたまれているよう感じさせるからの表現である。
 なぜその人格に至ったか。換言すれば、それはアイドルが持つ「過去」である。
 黛さんで言うならば、自分をさらけ出すことを恐れるに至った経緯だろう。
 ならば、猫を被りがちという表層部分は現在ということになりましょうか。


 黛冬優子は、過去と現在とを経て、被った猫をも武器として、ある種のプロフェッショナリズムにより「ファンも、スタッフも、審査員も、プロデューサーも、自分自身も、関わる全ての人々を笑顔にする」と宣言する。


「あと、一個間違ってるから
 ふゆは絶対泣かない。優勝を掲げて大笑いしてやんの
 ……何があっても……あんたは笑って出迎えて」

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 この直後に、猫かぶりの「行ってきます! プロデューサーさんっ!」と宣言するのがなんとも象徴的だ。

 おじさん(おれ)の好きな愛の定義の一つに「他者へ興味を持ち、自己との違いを認識し、尊重する」というものがある。
 多層的なキャラクターを一枚一枚理解していくことがそのままゲームとして、プロデュースしていくことにも繋がるとは先に言ったけれど、それは、アイドルという人格の過去と現在と未来とを肯定するということだ
 それが愛でなくてなんだろう。
 そう。ここで思い出して欲しいのはあのポーズである。アレだよ。アレ。


 輝かせよう、アイドルの全て。

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ジャキィーーーン



 その人物の、過去と現在と未来を肯定すること。
 それこそまさに『輝かせよう、アイドルの全て』という惹句の意味するところではないだろうか。
 アイドルマスターシャイニーカラーズ。なんと優しいゲームだろうか。


 あとは細かく撮ったスクリーンショットでメモ代わりの呟きでも列挙していこうかと思ったけどそれはまあもういいや。
 買い物袋にDVDだのグッズだの詰め込んでいるのをみて「奈緒ー! お仲間ー! ここにお仲間がいるぞ隠れオタのォー!」とか叫びたくなったり、あんたも少しは頑張ったみたいだし、ご褒美あげようかなって。て宣言する直後にマスク外すもんだから「え? その使用済みマスクくれるの?」て思ったりとか。あと放置時のプロデューサー? いないんですか……? ……はぁー。 の、「……はぁー」の部分が好きだったりとかそのへんです。

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やれてるの? マジで? 大丈夫?

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焦らし上手め。

 はよ。ユニットも追加シナリオもTrueENDも、はよ。

死者の書片手に待ってます (ピエール瀧麻薬取締法違反容疑による逮捕報道によせて。

 がんばって生活を続ける甲斐があるほど世の中って面白いものだっけ。
 という疑問は中二病の後遺症を未だ引きずっている人間にありがちな症例ですが。ここでいう中二病の後遺症を未だ引きずっている人間てのは私のことですが。
 だから。人の限界に挑戦し生涯そのものを賭してるよに生きるアスリートやゲーマーをみたら、普段は余剰時間の堆積にしか思えない人生というものが一刹那であれムダには出来ない貴重な残り時間のように思えてくるし。
 面白い、かっこいい、あるいは負の感情を、もしくはもっと言葉にしづらい感情をうまいこと表現した芸術家の諸作品に触れたらば、日常というものは魯鈍な私が気付いていないだけで切り口さえ正確ならばやたら面白いものが転がりでてくるのでは無いかと思わせてくれるし。
 要はそうした諸作品群に依存することでなんとか死に至る病こと退屈をやりすごしているわけです。

 その点においても電気グルーヴなんてのはずいぶんと先端にありまして。
 かっこいいテクノにトンチキな歌詞や演出を乗っける類いのその手法はまさしく「コレってカッコイイだろ!」「気持ちいいだろ!」「面白いだろ!」と自ら価値を切り拓いていくような。先駆的な。そんな姿にみえて。日々や日常や人生に対しつまんねーと拗ねた態度をとり続けるのは結局のとこ精神的肉体的怠慢の末路に過ぎないのだろうなと、多少、我が身を省みるきっかけや理由にさえなっていたわけです。


 電気という活動に納めなくても、ピエール瀧ってのはそういう人間こと私にとって独特な人物だったんよね。トンチキで反社会的ともニュアンスを異にする態度や作風で、お茶の間という空間からはおおむね遠い存在だったのが気が付くと日本アカデミー賞NHK朝ドラなど経てて、やたらと顎の鋭角なスノーマンから異様なテンションのあの声がまろびでてるのをみたらばそれこそ悪ふざけにしか思えなかった。
 フフ。今では大河ドラマになんか出演してるけどさ。でも知ってるんだぜ。おれはよォ……。
 みたいな。
 たいへん一方的な親近感よね。

 それがなー……。
 そうなー……。
 まあ、そういうことですよ……。

 伊集院光氏は「なんでそんなものが必要だったんだろうと」とコメントし、赤江珠緒さんは「なんでだよ。なんでよと。そんな言葉ばかりリフレインしております」とコメントしてて。近しい人でさえそうした反応ができない状態なのだからただのファンである私なんぞは何も言えず、ただこうした、他のどんな著名人が、例え他の私の好きなアーティストが同じような罪で逮捕されたとしてもなお、たぶん感じられない類いの失意をもてあそぶことしか出来んわけです。
 そうねー……。
 仮に(任意の30年以上活動している音楽家名を当てはめてください)が薬物逮捕されたとしても、(任意の学生時分から好きなマンガ家名を当てはめてください)がクスリやってたとしても、たぶん。
 ピエール瀧が薬物使用で逮捕されたという、今回の報道にまつわるような感情が起こることはないんだろうな。


 失意という言葉くらいでしか表現できない感情。
 怒りを感じられるほど身近な存在ではなく、例えば突然の訃報などの悲しみに暮れなければならない出来事とは感じられない。とはいっても復帰をいつまでも待ち続けます! と熱烈な声をあげるのもなんだか違うよう感じるし。臭いものに蓋式に関連作品を封殺し始める諸メディアへの憤りもそんなには覚えない。
 だから。ただ。
 ああ。世の中ってやっぱり面白くもなんともねえんだなという事実を。奥歯あたりで噛みしめながら生きていくしかないんかなあと。

デレマスのカバー曲リクエストCoアイドル全員分。

 サイゲームスさんはぼくをライターとして雇ってください。



(さて何事もなかったかのように)
 アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージにて、割と急に『アイドルにカバーして欲しい曲のリクエスト企画』が始まりまったのが2018年の年の瀬付近のお話でした。
 当時の私は……確か冬コミの準備に忙しかったんですよね。それかスプラトゥーンスマブラ
 なので必ずリクエストは送信すると決意しつつも募集〆切は年明け一月の末日までという期日に甘えて思うさま指をキーボードもしくはコントローラーにぶつけることにしたんだけど。それでも話として聞き及んでいたのは『ボイス未実装のアイドルも洗濯欄に含まれている』という点でした。


 なに。
 それは。
 挑戦?
 おれへの挑戦?


 ……何が
 と今改めてそう思うとこだけど。でもまあなんかさ。割と共感してもらえる反応なのではあるまいかと。
 何がどうねじくれてどれだけパパとママの愛情が足りなかったのかはわからんけどもなんとなく奮起した私はCoアイドル全員分と比較的認知を得ているCoユニットのなかから数組とのリクエスト曲をだかだかだかだかだかだかと書き連ねて送信させて頂いたのでした。
 募集〆切当日に。

 改めて思えば――と、この個人的なもじかき企画の「ええっ!? Co全員分のカバー曲リクエスト送信を!?」「できらぁ!」にまつわる出来事諸々の話もしたいけどそのへんはおいおい。文章量的に一度に書き並べるには限度があるので何度か分けてここに並べておきたいと思います。だいたい三回くらい?


 あ。そういえば、全リクエストリストから一部かつ Google Play Music 契約者限定ではあるけれど、公式に聴くことが出来るみたいなんで、もし興味が向かれましたらどうぞ。
play.google.com



 さて。能書きはともかく、以下に本編の能書きです。

渋谷凛 Birthday Party / gonna be fun

www.youtube.com

 しぶりんというと、ニュージェネレーションズのあと二人も含めて、シンデレラガールズの看板役であることは名実ともに事実であると思います。
 その起用からなる経験によるものか、あるいは、そうした立場を目にすることが多いゆえの印象か、近頃の凛からは旗手として振る舞いを感じることも多く、敢えて俗な言葉を使えば『幹事役』というか。
 その自覚の有無はともかくとしても、アニバーサリーなイベントで代表めいた存在感を発揮している姿が散見されます。よく口にする『走り続けたい』という願望を現実に実行し続けているからこそ、自然と先導役という立ち振る舞いになるのかも知れません。
 ということで、このうえないアニバーサリーイベントであるところの「バースディパーティー」の歌です。

 誕生日の歌ですからもちろん、祝う対象との親密さが心地よい歌ですが、それがプロデューサーとの対話を思わせます。
「永遠の文字に目がとまる」というフレーズが何よりも凛に似合っているよう感じますし、いっそ「躍起になって妬いたことも今夜はチャラにして」も、今日だからこそ言える本音という見立てもいい線だと思います。

『嫉妬なんかしてないよ。みんなの面倒をみるのもプロデューサーの仕事でしょ?』
 みたいな会話が過去にあったとして、ほらやっぱ妬いてたんじゃーんみたいな妄想がデスネ。

 艶やかで伸びのあるともさかりえさんのボーカルもまた、福原綾香さんの声質で歌い上げて欲しい理由になっています。

(余談。
 年代によるものか、それとも件の番組が当時サブカルチャー方面にやたら先進的だったためか
 今後ちまちまちまちまとポンキッキーズ繋がりなリクエスト曲が顔を出しますがどうか悪しからず。


速水奏 come again / m-flo

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「なんども、着信のチェックしてみても you won't appear
 こっちからかけてもいいけど、my pride gets in the way」

 ほらこれはもう速水奏の歌でしょう(性急)

 つれない相手への未練を振り切れず一夜を過ごすという、それだけといえばそれだけの歌ですが、極めてオシャレな曲です。
 例えばこれが演劇だとすれば場面も出来事もとても限られたものになりますが、演者が速水奏であれば魅惑的に演じてくれるはずです。

 夜、多くのひとに囲まれながらも孤独、浮かされたような情熱、それでもどこか他者に依存しがちで、自己批判的な冷静な目。
「切ないメロディーに涙しないようにクールにね」と、どれもこれも速水奏を構成する要素に程近くあります。

桐生つかさ incl. / meg rock

 自らが未熟なことを自覚し、それを悔やみながらも、いっそ肯定して努力を約束するような歌です。
 という解釈であってるかな。あってるよな。

 JK社長こと桐生つかさ社長は自分さえ含めた環境材料を把握し、分析し、ベストな結果に近付けるよう努力を尽くします。
『あー、足りないことばっかだな。マジで』なんてぼやきながらも、例え目の前に確実な失敗が待ち受けて、妥協の道しかなかったとしても、最善を尽くすことしか選択肢にない。そういう強さが彼女の芯でしょう。
「泣きたいときには泣いちゃってall right」という印象的なフレーズのとおり、まるで曲の始終泣いているかのような雰囲気もある歌ですが、「頭でわかることが心ではできてない」と自己分析の思考も窺えるミスマッチの心地よさがこの歌詞にはあります。
 そのあたりが、チャレンジを恐れず、それゆえ度々ぶつかる壁によって一時陥るかも知れない自己嫌悪と、そこからくる反省と、立ち直るまでのつかさ社長の思考を追っているような合致を感じます。
 根拠のない自信でも、という図太さから感じる羨ましさと似たような感情をつかさ社長からも感じたことがある気がするなあ。と。
 

(余談。
 アニメのテーマソングだったらしいけどそちらは未見ですすいません。


大石泉 ボクのマシュ… / セラニポージ

 大石泉の大事な個性と言えばやはりプログラミングですが、その部分を表現しつつ、彼女が歌うのに似合う曲は……と思えば、もはやこの歌しかないようにさえ感じます。
 ダンスエレクトロですがポップになりすぎず、打ち込みサウンドでありつつ無機質になりすぎない曲調も如何にも彼女らしく。
 牽強付会気味ではありますが、彼女の大事な相方である村松さくらはお菓子好きであり、マシュマロにも言及があります。歌詞中の『「Cute」な歯触り』や「S(さくらのS?)のマークが目印さ」あたりが暗喩を思わせて、実際どう受け取るかは聴者次第ではあれやはり選ぶならこの曲だろうなと。
 個人的な願望ですがササキトモコさんの曲をCoolにもくれ! ください!

(余談。
 いうてもセガのゲームの曲だしなあ……と言ったところだけども伊織大先輩がカバーしてんのねセラニポージね!!
 かえすがえすもササキトモコ曲をCoにもくれ! くれよ!!


荒木比奈 ランデヴー / YUKI

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 まあ荒木先生ならアニソンよね。それも深夜。というところからもう一歩踏み込んでみて、イマドキのハタチともなれば『非オタク集団とのカラオケで歌ってもそれとバレにくいアニソンリスト』の一束くらいは備えてるんじゃね? との妄想を主体に選曲しました(実際にこの曲はアニメとのタイアップはありませんでしたが、多数提供されてるシンガーなのではあります。

 もちろんそうした妄想のみならず、この歌と選んだ理由も大事です。
 こちらの歌は、ロミオとジュリエットという名が引用されるとおり、強くヒロインを志向した曲のように感じられます。
 荒木比奈の大切な個性に、自己批判の気味が根深く、どこかアイドルとしての自覚に不足しているという部分があります。もはや欠点ではなくそれも大事な特徴。
 そんな彼女だからこそ「自己陶酔」という力を借りての助走で「今日は、今日だけは私がヒロイン!」と跳躍する。それは同人作家という、ストーリーメイカーとしての経験から得た手段なのではないでしょうか。
 そうした妄想を下敷きにすれば、とてもロマンチックの色の濃さが疾走感さえ生んでいるこの歌は推薦して余りある……き、聴きてェ……この歌を歌っている荒木先生の歌を聴きてェ……!! という感情が溢れてしまいます。
 是非。

(余談。
 ガチ選曲の中でもトップガチ。

上条春菜 風になる / つじあやの

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 あらかじめ申し上げますが、完璧な選曲だと自負しております。
 上条春菜といえば「眼鏡!」「猫!」「あと眼鏡!」ですが、歌手であるつじあやのさんは当人が眼鏡をしてるのももちろんですが『恋する眼鏡』というミニアルバムをリリースしたことさえあります。
 歌そのものに関してはアニメ『猫の恩返し』のテーマソングでした。
 これほどまでに眼鏡と猫を兼ね備えた曲が他にあるでしょうか他に無ければこれこそが上条春菜がカバーするのに最高の曲であるはずです。
 もちろん、曲も爽やかに人々を元気づける、穏やかながらもリズムの明瞭な曲調で彼女にぴったりです。
『キミと出会えた幸せ祈るように』という歌詞が指す『キミ』が、プロデューサーのことかメガネのことかは聞き手次第ということにしまして。

川島瑞樹 悲しみがとまらない I CAN'T STOP THE LONELINESS / 杏里

 カバー曲というと、基本的には「違う顔がみてみたい」「こんな表情もみてみたい」という変化球を狙いがちになりますし、実際そうした意義もあると信じますが、川島さんに至ってはどうしても『あの頃』な曲を歌って欲しいという願望を禁じ得ません。

 昼下がりのカフェテラス!
 不意に鳴る電話! 電話が鳴ってる!
「あの人と 別れてと彼女から」というあまりにもストレートな痴情のもつれこと三角関係!
 力強いコーラスと、そしてサビのリフレインで静かにフェードアウトしていく演出!

 極めていい意味でこの大仰な感じが、極めて極めていい意味で『時代がかっている』!
 その一方で、一周して新しいとでも形容すればいいのでしょうか。透明感と表現したくなる爽やかな曲調が掛け値なしに素晴らしいです。
 この曲のリリースは83年だそうです。もはや半世紀近く過去ともなればあの頃という概念では追いつかない気もしますが、この古びない清涼感はまさしく時を止める川島さんにこそ歌いこなして欲しい曲です。

(余談。
 このもじかき企画のために80年代付近のアイドルソングを聴きあさってたけどマジ聴き馴染む。
 あの頃の曲ってほんとワンフレーズのインパクトでぶち殺しに来るのが潔くてさあ……アレよね……コピーライターが若者にとってもっとも憧れだった時代の作詞術よね……今の時代の広告なんてさあ……。


松本沙理奈 ひとりになれない / 惑星アブノーマル

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 松本さんってパフォーマー気味なところがあって、それを自覚してるところがあるよな。というのは私の彼女の印象ですが、そのあたりをとっかかりに。
 まず「ひとりになれない」という箇所そのものが、彼女がアイドルを志望した理由である『私はもっと注目を浴びるべき』というものに繋がります。
 ただそれだけでなく、支離滅裂なほどに、衝動的に自意識を歌ったような歌で断片的ではありますが、だからこそその断片が切実に胸に来るものがあります。
 松本紗理奈当人も、歌もダンスも苦手という意識があり、だからこそプロポーションで勝負するという自信をアピールする一方で、折に触れて自分よりも『立派なもの』を持っているアイドルを意識している様子が散見されます。
「特別 特有 いーなりたいと思ってた」という歌詞や、それら散らばる衝動にも似た感情を、あるいは彼女も人知れず抱いていたりするかもしれないなーという興味と共に選曲しました。


佐々木千枝 部屋とYシャツと私 / 平松愛理

 カバー候補者やリクエストも多そう。むしろまだカバーされてないのが不思議な部類。主にCuteの愛が重いと称されがちな方々に。
 偏見ですけど。まあそれだけ家庭的なアイドルが多いということにしまして。

 歳に似合わず家庭的なスキルを持つ佐々木千枝さんですから、歌うのも歳に似合わない花嫁ソングとかいい具合にミスマッチでよろしいのではないかと。ギャップ萌えっスねギャップ萌え。
 早くオトナになりたいと語り、あまり経験したことがない料理でも作ると宣言するのは『愛妻弁当』だったりする、潜在的な花嫁願望も推薦に欠かせない要素です。

 九〇年というもはや世代を跨いでしまうくらいの次期に歌われた花嫁観ですから、現代の感性とそぐわない部分もありますが、むしろその違和感が「背伸び」を思わせていい効果を生むのではと期待も出来ますし、例えば(同じブルーナポレオンの)川島さんから影響を受けた花嫁観だったりしないかと想像を膨らませることも出来そうです。歌手の平松愛理さんのオクターブ高めな声質も千枝ちゃん(今井 麻夏さん)ともマッチしてるんじゃないかなと。

 そして、千枝ちゃんとこの歌とが重なる部分として大事にしたいのは
「愛するあなたのため きれいでいさせて」
「人生の記念日には 君は綺麗といって その気でいさせて」

 というフレーズです。
『…かわいいじゃなくて、キレイって言われたいなぁ』とは千枝ちゃん当人の台詞ですが、この台詞にこそ彼女の個性が集約されているように感じます。

ブルーナポレオン ぼくらの季節 / さよならポニーテール

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 せっかくユニットでのリクエストを送れるのですから、ブルナポを送らないわけにはいきません。

 とはいえ、年齢も趣向もバラバラの五人をきれいにまとめ上げられる曲となるとずいぶん難度が高くはありますが、それでも五人が共通しているのはアイドルという同じ夢を目指しているところです。
 なので、より率直に、夢を語り合うことを歌った歌をリクエストしたいです。
 ブルナポの5人が、仮に同じ歳に生まれて同じ高校に通っていたならという想像を下敷きにして聴くとなんとも胸に迫ってくるものがあります。
 逆説的ではありますが、年齢がバラバラであるからこそ楽しい妄想です。
 マーチングバンドの衣装で整えられたブルナポですが、それなのに個性で足並みが揃っていないところが美しく、その点を引き合いにすればこちらの歌詞にある
「行き先なんて知らずに全力で走ったんだ」
 も相応しく心地よく響くように思えます。


(余談。
 最初にこの曲を思いついた由縁は新世界交響楽のジャケットイラストがマーチングバンド風だったのを思い出してそっからの連想てだけだったりする。
 でも、「仮にブルナポの5人が同世代同級生だったとしたら」て妄想は楽しいよな。

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橘ありす あなたの一番になりたい / 南央美

 あまりにも正直な歌詞はそれだけに切実であり、なかなか素直になれない橘ありすという個性が、その殻を破って何かを告白するのなら、或いは(論文のような、と評された初挑戦を反省し乗り越えて)自分を素直に出すという手段を経て作詞に至ったならば、あるいはこのような歌詞になるんじゃないかしらという妄想を主体としたリクエストです。
 作詞作曲に興味があると語る彼女ですから、いつかそんな機会もありそうです。あったらいいな!

 元はアニメ「機動戦艦ナデシコ」の登場人物であるホシノルリのテーマソングですが、年齢や、それに似合わぬ沈着とした物腰など連想されるところも多いです。
 また、俗な、有り体な共通点を挙げるなら、橘ありすの声優を務められている佐藤亜美菜さんはAKB48という、総選挙という形で「一番になりたい」ことを求められる立場にいられた方でもあります。この点を勧めるには多少俗悪であるようにも感じるので、付記までに。


(余談。
 ありすとルリルリ。
 スイマセン。とあらぬ方向に謝りたくなるくらいには直情的な発想ではある。


藤原肇 春の風 / 熊木 杏里

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 肇さんの[小さな息吹]のイラストがスゲエ好きなんです。土に塗れながら、むしろ美しく可愛らしく、掌にのる生命を愛でる。かわいい。
 とうとい。
 おれもカエル好きだし。
 だから可能な限りテーマは春に寄せて、山光水色、晴好雨奇、花鳥諷詠を思わせるような歌をリクエストすべしと決め、この歌を選びました。
 歌い出しからし
「土の匂い拾う 春はまだ青く 君と集めだす夢が早足になる」という美しさです。
「何年も見てきた生き方のように流れ流されはしない 置き時計の音」も陶芸という伝統に通じますし
「君は逆らうように とどまりもせず 言葉では届かないもの 君は届けてくれた」という部分はプロデューサーとの関係のようです。
 もう、歌詞を引用するだけで十分すぎるくらい推薦したい一曲ですね。

(余談。
 花鳥諷詠! 春の気配! といえば! 春よ来い! 松任谷由実!!
 という勢いで決め打ちしてたのに既にカバー済みだったから候補から除外して。そこからこの曲に至れるまでが長かったねー……いや長かった)


梅木音葉 東京 / 手嶌葵

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 極めて高い音楽的才能を持つ女性……という点はいったん忘れまして。行きつけの森がありエルフもとい妖精と間違えられたという点にひとまず注目しました。
 豊かな森やそれが奏でる音楽、ではなく、逆説的に、東京の夜の明かりを歌った歌です。
 日が沈んでもなお、むしろ太陽や星よりも明るく光るビルの灯火。それこそエルフもとい妖精という森に親しむものにこそより奇異なものに映るのではないでしょうか。
 そして、この歌が持っている美しい感性はそれをただ否定するのではなく、「無数の眠れない理由がきらめいている」と慈しむ気持ちを歌うところです。この優しい包容力。
 そのうえで、ピアノで構成された曲も、歌い手当人の声を主旋律として歌唱力を際立たせるのにも相応しく、ぜひとも音葉さんに歌って欲しい曲であると感じました。それも弾き語りで!
 
(余談。
 選曲がむちゃくちゃ難航した一人。だって共感覚絶対音感を持ち高名な音楽家の両親の薫陶を受けたガチサラブレッドに相応しい曲なんてそうそう浮かぶもんじゃないっスよ……。
 しかもエルフですよ。トールキンじいさまのエルフ観に則ればやつらは歌で創世した連中だからな……生中な歌では……あ。それならいっそほんとにエルフの歌でいいんじゃね!! 指輪物語の作中歌を実際に演じたオペラとか!
 ――オペラ過ぎてアイドルじゃねえ!! それなら……ああ! エンヤ! 彼女はロードオブザリングにも楽曲提供したしエルフっぽいし! アイドルがカバーしやすい曲が一曲もねえ!!
 それなら……あー……指輪がダメならゲド戦記はどうよ! テルーの歌! 手嶌葵! みたいな七転八倒がですね)

瀬名詩織 海になれたら / 坂本洋子

 ド直球ですね。
 たぶんこれ以上の直球はそうそうないんじゃあるまいかというレベルでの選曲です。

 瀬名詩織さんの中心にあるのは常に「海が好き」という感情ですが、案外と、海が好きと口にする機会は多くても「夕日を反射するさざ波が好き」「海風が好き」「海のおおらかさが好き」と、具体的になぜ海が好きかと言及されたことはほとんどない気がします。
 逆にそこから、もはや海という概念そのものが好きなのだなと察せられるのですが。海が好きというよりかは海だから好きというか。

 この歌も、或いはそんな風に、海を具体的に語った歌ではなくただただ静かで暖かな理想の存在として「海になれたら」と語ります。
 その心の寄せ方が瀬名さんの「海が好き」という感情にとても近い位置にあるような気がします。

 静かに歌われる歌は、静かなままに新たな一歩を踏み出せるまでの物語となっていますが、瀬名さん当人も「漂っているだけ。そんな時間を過ごしてきたわ」と過去形で語っていたことがあります。
 ド直球であるだけに、カバー曲としてとてもかなりど真ん中を射止めている選曲ではないかと。

(余談。
 選曲にえれえ難儀した一人と一曲。だって海に因んだ曲って例えば湘南で海のYeah!! とかが中心になるしさ……。さもなくばわれはうみのこしらなみの。
 あげくのド直球は逃避と後ろ指さされてもいたしかたあんめえ。


浅利七海 素晴らしき紅マグロの世界 / 谷山浩子

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(余談。公式にはリクエストしなかった一曲。
 どうあがいても谷山浩子は天才
 おれたちはいったい谷山浩子の曲を何曲リクエストしなければならないんだ。

 美味しいだけならまだわかるけどお誕生日にお呼ばれしたいて。

浅利七海 いかれたbaby / フィッシュマンズ

 
 七海しゃんといえば魚をおいて他になく、ならば曲もそれにならうべきですが敢えて歌手からの魚チョイス。
 とはいえ、ただ奇を衒った選択ではなく、ゆったりとゆわんゆわんとした曲調と、歌手当人による囁くような歌い方が浅利七海のキャラクターとの相性が素晴らしく良いように思います。
 彼女の舌足らず気味の口調(とその声)でこの歌を歌ってくれたならと、想像するだけで耳元から首筋までが心地よくぞわぞわしてきます。甘美。

(余談。
 いやほんとに。ガチ選曲ですよコレ。

綾瀬穂乃香 fish in the pool / ヘクとパスカル

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 映画『花とアリス』のメインテーマ。をアレンジし、前日譚として描かれた長編アニメーション『花とアリス殺人事件』の主題歌として用いられた楽曲です。
 どちらの映画にも主題としては絡みませんが、要所に出てくるバレエのシーンが印象的であったため、綾瀬さんにカバーして欲しい曲という連想で直ぐに浮かびました。
 参加アーティストのうち椎名琴音さんは18才まではバレエダンサーになること以外考えてなかったと語っていたのでそこもなかなか。

 歌詞の「Let me hear the sound of you heartbeat on my toes」の、つま先(toes)という部分がいかにもバレエを示唆していますし、繊細なピアノと、柔和なボーカルという組みあわせが綾瀬さんに似合うと思います。

 綾瀬さんというとレッスン好きというか、もはやレッスン魔というイメージがあります。
 レッスンを重ねて熟達した技術に、感情が追いつかず壁にぶつかり、それを突破するのにもただレッスン以外の方法を選べなかった彼女が、アイドルとしての活動を通じて自己表現の楽しさを知り、今は朗らかにレッスンに興じている。そういうシーンで、こんな感じの繊細で柔和な歌を鼻歌ででも口ずさんでいてくれたらなという妄想です。

(余談。
 映画本編だとバレエ要素あんま意味なかったけども。

八神マキノ ラブスコール / 大野 雄二

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 アニメ「ルパン三世」のエンディングテーマであり、同作中人物「峰不二子」のテーマ曲です。
 八神マキノ! 諜報活動! 女スパイ! 峰不二子
 という安直な連想が発端ではありますが、さすが代表的女スパイのイコンであるだけあり、そのテーマ曲も「セクシー・一筋縄ではいかない・ミステリアス」と素晴らしい雰囲気があり、マキノもそれを借り受けてほしいところであるなと。
 印象的なささやきである「Please make my dream come true」も、プロデューサーとアイドルとの関係を思わせていいですね。



 ハイ。とかで。
 つづきはたぶんまたあした!

ニュー・アイドル・シネマ・パラダイス 『ヴィジット』

架空のラジオ番組の特別エピソードという体でやっております。


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奏「あら? 今週のお題? 今から収録するの? ……ま、いいわ。
 お題は『自分の名前で韻を踏んでください』ですって」

涼「ライムってことでいいんだよね。 『藪から棒に松永涼』でいいか?」
梅「わ。はやい」
奏「そんなにすんなり出来るものなの? ええっと……ちょっと待って。ううーん……。
 『鏡合わせの速水奏』どうかしら」

涼「お。お洒落だね」
梅「え、そ、それじゃあ……
 『白坂小梅がきたからおいで。いますぐここへ、手の鳴る方へ
 ……な、なんちゃって」

奏「あら、素敵」
涼「おおー。いいね。いいじゃん」
奏「流石はヒップホップユニットの経験者ね」
梅「えへへ……照れちゃう……」

奏「それで、お題が映画とあまり関係ないような気がするんだけど、これから観る映画にちなんでるってことでいいのかしら」
梅「あ、うん。そう、だね」
涼「よっし。せっかくスタジオで観るんだし音量大きくしようぜ」
梅「じゃあ、明かりも、ちょっと落とすね?」
奏「……好きにしてちょうだい。あなたたちと映画観ると、いつも受け身になっちゃうわね」


(映画視聴中……)


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いまどきの13才。


(映画視聴了……)


梅「に、『ニュー・アイドル・シネマ・パラダイス』へようこそー。
 この番組、は、映画好きなアイドル三人が、好きな映画、を、好き勝手に語る番組です。
 映画好きなひとも、映画好きじゃないひとも、ひとじゃないひとも、聞いてくれたら嬉しい……です。
 そ、それで、今月は、私の好きに選んだ大好きな映画、を、テーマに語ってます。あ、わ、私っていうのは、私、白坂小梅、と」

涼「松永涼と」
奏「速水奏の」
梅「三人でお送りしてます。それで……えっと……?」
奏「……あ、そうね。ええと……今週は’、小梅のおすすめの映画を収録直前に観て、その理由が……じゃあないわね。その、今週のテーマは」
涼「ダメだ。奏が進行力をなくしている
奏「……いいわよもう進行とか。そうね。ちょっとだけおさらいが必要なのだけど、先週の放送で私と涼がそれぞれにちょっと個人的な感想を言ってるのだけど」
涼「ああ、うん。そうだね」
奏「涼は自分がなんて言ったか、覚えてるかしら?」
涼「……おばあさんが敵だとなんだか怖くなる気がするって。奏は?」
奏「……子供が被害者になると余計に怖くなる気がするって」
梅「えへへ……」
奏「ハイ。そんな感想を漏らした私たちにオススメと、小梅が今週のテーマに選んでくれたのが、老夫妻がとっても怖い、子供達が酷い目にあうホラー映画『ヴィジット』ね」



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涼「ほんとに、イイ趣味してるよなあ。小梅。本当に」
奏「定期的に『そういえばこういうコだった』て思い出させてくれるわよね……」
梅「えへへへ」
奏「えっと、説明しておかないとリスナーの皆には状況がわかりづらいかしら。
 順に話すと、先週の収録が終わったときに、『おばあさんだと怖くない』『子供が被害者だと怖い』という感想を聞いた小梅が、ぜひとも次のテーマにしたい映画があると提案をしたんだけど、私と涼はそれを観てなかったのね。
 ところが今週はお互いに予定があって観る時間を用意できそうになかった。そこで、この収録前に三人で一緒に観ることにした……という展開よ」

涼「つまり鑑賞したてホヤホヤなわけだ。奏がグロッキー入ってた理由、わかってもらえたかな?」
奏「あなただって見終わった直後は相当だったじゃない」
涼「だってさあ。私がおばあさんが敵だと怖くないっていった理由がさ……おっと。ネタバレはいけないね」
梅「ひ、秘密は守らないとダメって……ブルース・ウィリスさんと約束も、したしね……」
奏「それは別のシャマラン監督作品じゃない? まあ、ある意味じゃシャマラン作品という時点でネタバレみたいなものかしら」
涼「あの監督さん、もう偽名で作品撮った方がよくないか? 言い過ぎだろうけどさ」
梅「ふふ。た、楽しんでもらえたみたいで、嬉しい、な……」
奏「貴重な体験をさせてもらえたのは事実ね」


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「出たがり」でもちょっと有名なシャマランさん。



涼「そういや、あらすじの紹介が終わってないね?」
奏「もう。本当に進行がめちゃくちゃじゃない。

 『ヴィジット』は2015年制作のホラー映画。『シックス・センス』で華々しいハリウッドデビューを果たし、続く作品でも精緻な伏線とサプライズに溢れたシナリオ、何よりも美しい映像で熱狂的なファンを得ているM・ナイト・シャマランの監督作品。その一方で、最低映画賞とも称されるゴールデンラズベリー賞の常連にもなっていた同監督の、その汚名を雪ぐ原点回帰的作品とも讃えられる一品。
 とのこと」

涼「ストーリーの方は……まあもう、じいさんとばあさんがすごく怖い、子供たちが怖い目にあうホラーでいいような気もするけどさ。えーっと。

 主人公は15才の姉と13才の弟。学校の休みを前に祖父母からこっちで過ごさないかと提案を受ける。最初に早速言及されるんだけど、母親がこの祖父母の元から駆け落ちという形で喧嘩別れをしてて、ずっと交流がなかったんだよね。そこで、映画監督志望なお姉ちゃんが、両者の中を取り持つためにも祖父母の元で一週間の休暇を過ごすと決めて、その様子をドキュメンタリーとして仕立てることを決める、と」

梅「い、いいこ、だよね……」
涼「だね。優しいし、行動力があるのもいいよな。お話的にいえば、えっと、POVだっけ? あの、ブレアウィッチプロジェクトとか、クローバーフィールドとか」
梅「パラノーマル・アクティビティとか、ノロイとか……」
奏「Point of Viewね。ハンディカムやスマートフォンで撮影した風をよそおう……要するに撮影する登場人物の視界でお話が進むタイプの撮影方式、かな」
涼「そうそれ。ああいう感じの撮り方をする理由にもなってるしさ」
奏「正直なところPOV形式の映画には食傷気味な気もするのだけど、ヴィジットの場合はいい感じにPOVの効果がちゃんと効いてた感じね」
梅「えっと、こ、怖くても、ドキュメンタリーを撮る、って動機があるから、自分から怖いものに近付かないといけないところ……とか?」
奏「それもだけど、今回の場合は、怖いという体験がとても主観的だからかしら。なんて言えばいいのかな……お話の核が『おじいちゃんとおばあちゃんの奇妙な行動が、老人性痴呆からきてるのか、それとも何か別の理由があるのかわからなくて不気味』というところにあるじゃない?」
涼「ああ、そうだな。超少子高齢社会を迎える日本にとっても他人事でない話だ」
奏「ニュースで聞いたそのまんまみたいなコメントね」
涼「ニュースで聞いたそのまんまを言ってるからな」
奏「私たちにとっては身近な問題かも知れないけど、少なくとも、それまで祖父母と交流のなかった15才と13才にとってはそうじゃないみたいよ。
 ご高齢の方と一緒に暮らしているひとにとっては『ああ、おじいさん、耳が遠くなっちゃってるから……』で済ませてしまうような『おじいちゃん! って大きな声で呼びかけているのに、まるでこちらを無視したように小屋の中に入ってしまう』という行動が、なんだかとても意味深で不気味なものに映っちゃう」

梅「うん。うん……どのあたりまで、もうおじいちゃんだからなのか、どのあたりまで、なんだかおかしいひとなのか……なんだかわからない感じの怖さで、ずっと不安、だよね」
涼「そういえば、アタシももっとずっと小さかった頃はおじいちゃんおばあちゃんってちょっとだけ怖い存在だったな。優しくしてくれたはずなのにさ」


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祖母と祖父を持たない人間はいまんとこいない。


涼「先に言っておきたいけどさ。この映画って割と人を選ぶところがあるよな。好みが分かれるっていうか」
梅「え、あ……うーん。そう、かな」
涼「ああ、アタシは割と好きだけどさ」
奏「私も好きな方よ? まあ、人に勧められるかどうかっていったら別の話だけど」
梅「そ、そう? それなら、良かった、です。えへ」
涼「アレだぞ小梅ー。今さら一緒に観た映画が好みじゃなかったからって感想言うのを遠慮するような仲でもないだろー?」
奏「それに、元々小梅の誕生日のためこういう企画してるんだから。誕生日のおんなのこなんてこの世で最もわがままが許される存在よ?」
梅「え、えへへ……あ、ありがとう……」


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誕生日ケーキではないけれど。


涼「で。話を戻すと、この映画って割と好みが分かれそうだよな」
梅「え。うーん、そう、かな」
涼「小梅はホラー映画全肯定とかいうすごいメンタル持ってるからアレだけど。
 なんていうか、見終わった直後はさ、じいちゃんばあちゃんのキャラクターがなんか途中から変わってるような気がしたんだよな。そんな性格だったか? って」

奏「それは私も少し感じたわね。でも、改めて考えると……」
涼「そうなんだよな。変わっていく理由がちらほら思い当たる。伏線ってやつだよね」
奏「シャマラン監督はもともと『後から思うと、そういえば』みたいな伏線が特徴にある監督だけど、今作の場合は、理由がある、ということがなんだかリアリティに繋がってる気がするのよね」
涼「リアリティ……リアリティかー。あるような、ないような。ちょっとピンとこないんだけど」
梅「り、理由があるってことは、本当に起こるかもしれない……みたい、な?」
奏「そうね。そんな感じかしら。POVで撮影した由縁もそこにあるのかなって勝手に思ってるんだけど、現実にギリギリ起こりえるリアリティ、が、制作上の中心にある気がしない?」
涼「うーん。そう言われれば納得できる部分が色々あるかな。
 でもそのへんって難しいよな。頭ではわかってても感覚で理解できない部分とか、後から思い返して理解できても、後からじゃ遅いんだよー映画を観ている真っ最中に理解できてないと意味ないんだよーみたいなさ」

奏「私はそういう映画、割と好きなんだけど」
涼「そう。だから趣味が分かれそうってね」
奏「後は、現実であり得そうだから、お話そのものが小作りってところもあるのかな」
涼「そこは……まあ、それぞれかな? いやだって、怖いだろ。どこまでおかしいのかわからないじいさんばあさんが、だんだん、もっとおかしくなってくような気がするのに同じ屋根の下だぜ?」
奏「うーん。それはそうね。実際怖かったし」
梅「怖かった、ね」


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無謀な好奇心も子供の特権かしら


梅「……不思議かなってちょっと思うのは.……他人とそうでないひとって、どうやって区別が付くんだろう。
 おじいちゃんとおばあちゃんって、血、は繋がってるけど……でも、この映画みたい、に、初めて出会ったひとだと、血は繋がってても、それでも、他人とあんまりかわりない、よね?
 でも、すぐに仲良くなれたけど……でも、なんだかどんどん……変だな、怖いなってことが重なって……日が進んでいくごとにまた他人みたいにみえてきて、他人っぽくみえればみえるほど怖い存在になっていっちゃう」

奏「そう。そういう話よね。確かに不思議な気もするわね。私たちは『おじいちゃんとおばあちゃんなら安全だろう。孫たちに危害を加えないだろう』っていう前提を、知らず知らずのうちにもってこの映画を観ているのだけど、この前提ってどこまで信頼できるものだったのかしら。
 この映画の本当の怖さってそこなのかも知れないわね……『肉親なら大丈夫、という神話』がどれだけただの思い込みなのかを突き付けられるような」

梅「……うん。怖い……このひとといたら、ほっとできる……って思ってたひとが、本当は大丈夫じゃなかったらなんて、本当に起きたら……足下から壊れちゃうみたいな怖さだと、思う……」


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お互い信じ頼りあうと書いて信頼関係。



涼「あんまり茶化したくないけど、だいぶマジなトーンになってきたね」
奏「そういう映画といえばそういう映画だし、まあちょっと考えすぎな気もするかな」
涼「そうだな。でも、割とそういう感じの映画ってことでいいと思うぜ。
 アレなんだよな。アタシは小梅と奏よりちょっとだけ人生のセンパイだからさ、他人とそうでない人間の区別の仕方、わかってるつもりだぜ?」

梅「え、涼さん、すごい」
奏「興味深いわね。拝聴しましょうか」
涼「簡単だって。結局、自分の為に体張ってくれるかどうかさ。どれだけ付き合いが短くったって、血が繋がってたってそこのところ次第だよ。
 この映画でも、お姉ちゃんがさ、おばあさんがどれだけ他人にみえても、母さんのことを今どう思ってるかってインタビューを撮ろうとこだわっただろ? アレもなんていうか、奏風にいえば『愛』のために体張ってたわけだ」

梅「あいー」
奏「ちょっと待ってそれ私風なの?
 まあ、それはいいとして。確かにあのインタビューシーンは二人の立場をくっきり分けているような気がするわね」

梅「そういう意味、なら……あの、おじいちゃんおばあちゃんも、お互いの為はずっと思い合ってた……よね。お孫さんを呼んだのも、完璧な休日にするためだって」
奏「あれは愛と言うよりもエゴのようにも感じるけど……でも、そこを区別するのは野暮かしら。
 祖父母と母との愛、母と姉弟との愛、姉弟と祖父母との愛。あるいは、離婚していった父親との? それぞれの関係性も確かに、そこかしこで強調されているようには感じるかな」

涼「アタシとしては、お姉ちゃんと弟くんの姉弟愛も忘れたくないね」
梅「あいー」
奏「なんだかこの番組って、結論が『やっぱり愛』てところに落ち着きがちじゃない?」
涼「映画という娯楽がヒトを映す作品である以上、それは普遍のことさ。すごい適当に言ったけど」
奏「なかなかのご高説ね。
 でもまあ……それなら、お母さんが最後に言った言葉も、結びの結論として言っておかなければならないことだったんだなって感じるわね」

涼「潔癖症も治ったしね」


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愛ゆえに。愛あらば。


奏「さて。今宵のニューアイドルシネマパラダイスもエンドロールの時間ね」
涼「小梅誕生日特集も次で最後かー。ま、また来週な」
梅「やっつぃー!」

ニュー・アイドルシネマ・パラダイス 『死霊館』

架空のラジオ番組の特別エピソードという体でやっております。


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スピンオフの多さもアメリカンホラーらしい?




梅「え、え……と、今週のお題は……『200分越えの映画で、最初に思いついたもの』
 ええ……? えっと……い、一回パスで……」

涼「一番好きなもの、じゃなくて、最初に思いついたモノってあたりに配慮を感じるね」
奏「まあ、そうかもね。一番好きなのは何かって訊かれたら、簡単には答えられないもの。
 それじゃあ私は……『愛のむきだし』かな」

涼「んー。そうだなあ。アタシは『ベン・ハー』で」
梅「えええ……? えっと……『グリーンマイル』って200分あった……かな?」


涼「ところで、ニューシネマパラダイスって誰か言わなくていいのか?」
奏「アレは特別完全版じゃなきゃ200分越えてなくなかった? まあ、私はそっちの方が好きなんだけど」
涼「おっと、それはともかく。そんなわけでニュー・アイドル・シネマ・パラダイスのお時間です、と。
 この番組は、松永涼と」

奏「速水奏と」
梅「白坂、小梅の」
涼「三人の映画好きアイドルが、好きな映画を、好き勝手に語るっていう番組なんで、リスナーも好きに聞いてくれれば嬉しいな。
 で、今月は小梅誕生日おめでとー!

梅「わーい」
涼「まあ28日なんでまだ先だけど。おめでとー記念として、今月は小梅特選のホラー映画特集でお送りしてるぜ」
奏「それで、第二週にあたる今夜のテーマは?」
梅「え、えっと、ジェームズ・ワン監督の死霊館、です」


youtu.be




奏「死霊館は2013年にアメリカで公開されたホラームービーね。『ソウ』で一躍有名を馳せたジェームズ・ワン監督が新たに手がけるシリーズの第一作。実在する超常現象研究家のウォーレン夫妻が、実体験ながらもあまりにも邪悪でありこれまで他言をしていなかったエピソードの映画化、と、かなり大きく振りかぶった感じの宣伝文句ね?」

涼「片田舎の一軒家を購入した一家。引っ越した直後から愛犬の突然死、妻に浮かび上がる謎の痣、娘は夢遊病を発症し、末妹は何もないところに話しかけ、時計の針は毎晩同じ時間に止まり……順々に異様な現象が起こり始める。と」


梅「あらすじ、で、聞いてみると……お話そのもの、は、割とよくある……感じ、かな?」
奏「そうね。ある意味では王道なんじゃないかな。悪魔憑きものという意味でもアメリカの古典になるのかしら」
梅「あ、うん。たぶん、そうだと思う……アメリカのホラーって、根っこに『エクソシスト』があるって……きいたことがある、ような……」
涼「大流行したんだっけ? なんか、宇宙人の目撃報告が『未知との遭遇』の流行後に激増したーみたいな話を思い出すね」
奏「それだけマスの力が強い国とも解釈できるし、アメリカという国にとって映画がどれだけ文化の中央にあるか……という話にも感じるかしら」
涼「まあでも、歴史的ーとか文化的ーとかにはあまり迂闊に触れたくないな。印象だけで語っちゃうと専門家サンに失礼かも知れないしさ」
奏「『専門家』と書いて『うるさい方々』と読むのかしら?」
涼「言ってない言ってない。読まなくていいから」
奏「ともかく、あらすじは古典的、という部分は覚えておきたいわね」


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エクソシスト』の最も有名なシーン(といって選ぶのに相応しいかどうか)



涼「それで、映画そのものの感想なんだけどさ」
奏「ええ」
梅「うん」
涼「一言でいうと」
奏「一言でいうと?」
涼「怖い
奏「そうね。怖い
梅「……えへへ」
涼「すっげー怖い
奏「本当に怖い
梅「……えへへへ」
涼「このやろー小梅ー! なんか嬉しそうだなー!」
梅「きゃー! でも、えへへ。ほ、ホラー映画の、感想が、『ちゃんと怖い』って、やっぱりいいよね。よね?」
奏「そうでしょうね。制作側にとっても何よりの褒め言葉だと思う」
涼「そういや、アタシは小梅に勧められた時にそのまんま一緒にみたんだけどさ。奏はこの収録の為に一人で観たんだろ?」
奏「まあ、そうね」
涼「……平気だったか?」
奏「……それは、まあ。映画はみんなで観る面白さもあるけど、本来は一人で観るものだって思ってるもの。映画館が素敵な空間である理由の一つはそれよ? 同じホールのなかで並んで座って一つのスクリーンをみつめてる。けれど、誰も言葉を交わさず、暗闇のなかに孤独でいる。一人一人がそれぞれの感想や感動を抱きながら。素敵なことだと思わない?」
涼「んー。んん。言いたいことはだいたい分かるけどさ」
奏「告白すると、休憩をはさみながらみたわ」
涼「……完走しきっただけでも偉いよ」
梅「えへへ」



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画像は『ニューシネマパラダイス』より。



涼「ま、怖い怖いばっかり言ってても話が進まないね。具体的に、どんな風に怖かったか、ってところから話していこうか」
梅「どんな風に……? え、ええと……」
涼「うーんそうだな。脚本が怖い、演出が怖い、カメラワークも怖い。話の糸口がちょっと見付からないね」
奏「そうね……話のきっかけになるかどうかはわからないけど。個人的な感想なら」
梅「どうぞどうぞ」
涼「なんか躊躇いがちじゃないか?」
奏「んん。個人的な感想というよりも、個人的な感傷だからかしら。公共の場で言うのはなんとなく恥ずかしいのよね」
涼「お、勿体ぶるね」
奏「こんなところで焦らしたりしないわよ。でも、まあ……この映画で気が付いたんだけど、私って、子供が危ない目にあう映画ってそれだけで苦手みたい」
涼「あー」
梅「あー」
奏「元々怖い映画だけど、なんだか余計に、ね。五人姉妹のお話ってわかったところからなんだか気が重かったわ」
涼「わかるわかる。ちっさい子が標的にされたりすると観ててツラいよなー」
梅「で、でも……小さいコ、と、ホラーの組み合わせ……割と、多い……よね……?」
涼「色々タイトルが思いつくな」

奏「そうなのよね。子供って、基本的に自分が愛されていると疑ってないから……というより、他者の害意というものにまだ気が付けてなくて、無頓着で無防備じゃない? だから無邪気で。だから好奇心に対しても正直で。行動そのものが危なっかしいところがあって……無垢っていえばいいのかな。それが理由で傷付くのをみるのも、それを予感するのも、なんだか余計に怖くって」

涼「うん。うん」
奏「でも、ホラーで子供の出番が多いっていうのは、割とみんなそんな風に感じてるってことなのかしら」
涼「うん……あー。アタシはアレだな。もうちょっと単純に『子供だとバケモノに反撃しづらいしなあ』くらいの視点」
梅「あ。シンプル」
奏「……シンプルね。でもそうね。ホラーの出演機会に多いのはそんなところなのかも」
梅「というか……えっと、奏さん、こ、子供自体、苦手だよ、ね?」

奏「…………

奏「あら? そう思う?」
梅「あ、その、ま、まちがってたら、ごめんなさい……えっと、一緒にお仕事するようになる前まではずっと、『小梅ちゃん』って……ちゃん付けで呼んでたけど、けど、たぶん意識して、『小梅』って、呼び捨てにしてくれてるのかな……って」
涼「よく観察してるなあ、小梅」
梅「あの、そうやって、私のことが苦手、でも、一緒にお仕事する仲間として? き、距離を近付けようとしてくれてるのかな、って、な、なんだか、嬉しいなって……思ってました」
奏「……鋭いわね。それとも私が未熟ってことかしら」
涼「それは照れてる? 焦ってる?」
奏「たぶん両方。まあ、そうね。ちょっとまって。この話は、もっと後でゆっくりしましょう?」
梅「うん。ゆっくり、ね」



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母と姉妹(スタッフロールがまたかっこいいのよ)



奏「ハイ。仕切り直しましょう。といってもどう仕切り直すべきかしら。好きなシーンからあげていく?」
梅「あ……それなら、好きなシーンなら……えっとね……あの、お母さんと目隠し鬼のシーン」
奏「ああ.。あのシーンは良かったわね。怖かったし、この『死霊館』がどんな風に怖いのかがよく表れている場面だと思うわ」
涼「具体的に言い過ぎるとネタバレになるかな? ま、予告編みたいに思ってくれればいいか。えーと……。

 父親は仕事へ、上のお姉ちゃん達は学校へ。家に残ったのは母親と末妹の二人だけ。
 一緒に遊んでと母にせがむ娘が提案したのは目隠し鬼。鬼は目隠しをして家のどこかに隠れた子を探さなきゃならないんだけど、3回だけ相手に手拍子をおねがいできる。

『どこー? つかまえちゃうわよー?』

 まだ馴れない家だからかところどころに足をぶつけたりしながら、危なっかしく娘を探す母。手探りで娘達の部屋に入ると……そこにある古びたクローゼットが少し音をきしませながら開いた。
 それを聞きつけたお母さんは、笑顔になって『見付けたわよー。さあ、手拍子をおねがーい』
 ……するとクローゼットのなかから異様なほどに細く、青白い手が静かに伸びてきて


(パン、パン、パン)


涼「と、手拍子をした。
 母は笑いながらクローゼットに向かっていく……


奏「ハイ、ストップ」
梅「……怖い、ね」
涼「怖い」
奏「本当に。脚本の妙とでもいうべき怖さよね」
梅「ふ、雰囲気も、大好きなシーン……大きなおうちで、静かにお母さんと女の子が遊んで居居るっていうだけなのに……なんだか、怖いの」
奏「そうね。技巧的な話をしちゃうとちょっと野暮だけど、このシーンだけを切り取っても、『目隠しをしているから無防備にそちらへ近付いてしまう』という演出が素晴らしいし、それに、このクローゼットが何かおかしいという点は伏線としてちょっと触れられているのよね」
涼「そうだね。夢遊病にかかっているコが、このクローゼットに向かって延々、ゆるく頭をごつんごつんって打ち付けたりしてる」
奏「伏線とその回収。脚本術っていえばいいのかな。超常現象を描いたお話なのに基礎の部分が合理的なのはちょっと面白いわね」


涼「……ところでさ。さっきの『パンパンパン』て手拍子、誰のだったか聞いていいか?」
奏「あら? 小梅じゃないの?」
涼「小梅はいつもの手が全部隠れる服だからさ。あんなきれいな手拍子は……いや! やっぱ聞かなかったことにする!」



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こわい。


涼「で! えーと! 合理的って話だったっけ?」
梅「うん。うん。合理的って言葉、それっぽいと思う。なんていうか……この監督さんの撮るホラーって、割と、今風? 近代的? みたいな感じも……するっていうか」
涼「ああ、そうだよな。ジェームズ・ワン監督は『ソウ』も『インシディアス』も撮ってるんだよな。あれもどっちも怖い」
梅「インシディアス、も、この死霊館と、似た部分が色々あるお話で……えっと、引っ越した先で、怖いことがおきちゃう話、なんだけど、『このお家、なんだか変なことが起きて怖いの』『じゃあ引っ越そうか』て、ほんとに引っ越しちゃう……」
涼「そうだな。アレは観ててちょっと驚いた。普通なら引っ越したいけどそうできない理由があったりで、逃げ場のない怖さみたいな撮り方が多いよな」
梅「でも……逃げられない……」
奏「今なんだか楽しそうに言ったわね。でも、一度逃がして、でも逃げられないと確かめさせるのがまた怖い演出に繋がる、と」
涼「家が変だから引っ越せばいいという判断も今風だし、あの、ベビーベッドのそばにマイクを置いてたよな? おかあさんが離れてても声を聞けるように。アレをホラーの仕掛けとして使ったりとかも現代風て言っていいかな。そのへんの細かさが……なんていうのかな」
奏「リアリティ?」
涼「それね。ウォーレンさんは本職のエクソシストじゃないから教会から来てもらわないといけないとか、派遣してもらうにしても依頼された家族はクリスチャンじゃないから余計に手間がかかるかもーとかいうじれったさもさ」
梅「い、インシディアスでもそうだけど……幽霊の、正体を確かめようとする、えっと、カメラとか、紫外線とか、熱探知とか、用意することが……ほっとするようなんだけど、でも、やっぱり怖いことに繋がるんだよね」
涼「そうそう。それを感じる。こっちを怖がらせることに細かいアイディアがある」
梅「う、嬉しいよね……すごく
涼「嬉しいか? まあ嬉しい、か?」
奏「サービス精神に溢れているっていえばいいんじゃない? 超常現象は文字通り、常識を逸脱した出来事だからそれを表現する為に飛躍したアイディアが必要になる。けれど、突飛すぎるとリアリティがなくなっちゃって怖くなくなってしまう。そんなところじゃないかしら」
涼「お。なかなかざっくりまとめたね」


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心霊科学調査というのもどこか時代がかってるよね。


涼「サービス精神っていえばさ、この監督のホラー作品全般にいえることな気がするんだけど……ええっと。あー、ネタバレなしに話進めるの苦手だな。アタシ」
奏「あら。とりあえず言ってみれば? ネタバレ禁止のラインは小梅に判断してもらいましょ」
梅「え、わ、私?」
涼「そうだね。小梅に任せるとして。えーっと……。途中まではむちゃくちゃ怖いんだけどさ。敵がおばあさんの姿だとさ、なんか『あ、なんか勝てそう』ってなって、ちょっと安心しない?」
梅「え……ええー……?」
奏「勝てそう。って」
涼「いや殴ったり蹴ったりで解決する話じゃないのはわかってるよ? でもさ、幽霊とか、あのあたりが怖い理由って『勝ちようがないから』じゃないか?」
奏「それならまあ、わかるかな。抵抗手段がないってことよね」
梅「あれ……でも、それって……死霊館でも、インシディアスでも、どっちでも言える……?」
涼「あー。そうかもな」

奏「死霊館は?」
涼「最初はすげー怖いけど、おばあさんが出てきたら『あ、勝てそう』って思った」
奏「インシディアスは?」
涼「最初はすげー怖いけど、おばあさんが出てきたら『あ、勝てそう』って思った」
梅「ええー……?」
奏「死霊館2は?」
涼「この悪魔、『マリリン・マンソンにちょっと似てるな』って思った」
梅「あ、それは私も思った」

奏「でも、そのあたりはいわゆる和製ホラーが、黒髪の女性にばっかり幽霊役をやらせがちなところから来てるんじゃないかしら」
梅「そ、そうでないのも、あるよ……?」
涼「そんな気もする。海外のひとからみると女の幽霊の方が『あ、勝てそう』って思ったりもするのかもね。アメリカホラーだと悪魔とか怪人とか魔女だもんな」
梅「そ、そうでないのも、あるのに……」
奏「そうね。一般的な偏見をあんまり広げすぎるのもどうかとは思うけど」


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『幽霊』の画像検索結果。


奏「ちょっとお話を戻すと、サービス精神というのもこの映画、というよりも、ジェームズ・ワン監督作品を読み解く鍵になりそうじゃない?」
梅「鍵?」
奏「特に死霊館の続編のエンフィールド事件だと分かりやすい気がするんだけど、こんなに、あれだけ怖いのになんだかデートムービーにも最適っぽいところがない?」
梅「うん?」
涼「小梅はちみどろスプラッターでもデートムービーに選べるからその例えはいまいちかも知れないぞ。というのはおいといて、エクソシストものなら悪魔払いも当然あって、そのシーンもまた怖いといえば怖いんだけど、ホラーとはちょっとタイプの違う怖さになってるよな? なんていうか、アクション映画のカースタントみたいな緊張感」
奏「スピードとスリルね」
涼「あとはアイディアかな」
奏「そういえば、ジェームズ・ワン監督はワイルドスピードも撮ってるのよね。その緊張感から解放されたあとには大団円がある、と」
涼「そうだね。ずっとじっとり後味の悪さが残り続けて帰り道まで憂鬱になるホラーもいいけどさ、こうやって、映画が終わることで、『あー! 終わったー!!』ってなる映画も嫌いじゃないね。このへんも、脚本術、近代的、サービス精神のどれにも繋がる話だと思う」
奏「そのあたりは、小梅的にはどうなのかしら」
梅「え? うーんと……うん……どう怖いか、とか、どこまで怖いか、とかは、ひとそれぞれだし……で、でもね? あの、ホラーって、怖くて、映画のなかのひともすごく怖い思いをしてドキドキするけど、そのドキドキが伝わってくれば伝わってくるほど、いいホラー映画だから……」
涼「そうだね。臨場感というか、感情移入というか」

梅「そう。感情移入……助かってほしいとか、死なないでほしいとか、逃げてほしいとか……そうやって、緊張してみちゃうから、それだけ、あの……家族を守る、とか、恋人を助けるとか……そういうドラマも、怖ければ怖いほど、観てるこっちも真剣に観ちゃうと思うから」

奏「ホラー映画には、ホラー映画だからこそ描けるドラマがあるってことかしら」
梅「うん。そう思う……あの、死霊館のエンフィールド事件の方なんだけど……『信じてくれる味方が一人でもいれば、奇跡は起こる』みたいな台詞が……すごく、好き」
涼「確かに。あのセリフは良かった。ほんとに」
梅「だから、やっぱり、死霊館って、いいホラー映画で、好き」
涼「そうだなー。家族と一緒にとか、恋人と一緒にって進められるホラー映画もなかなかないよな。特にエンフィールド事件のほうはさ」
奏「とはいえ、誘うならパートナーの趣味をちゃんと押さえたうえでどうぞ、といったところかしら」



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やっぱ愛ですよ。愛。



涼「さて! 収録時間いっぱいだね。今宵のニューアイドルシネマパラダイスはこのあたりでクランクアップ!」
梅「あ、じ、じゃあそろそろ、さっきのお話の続きしても、いい?」
奏「あら? さっきのって?」
梅「か、奏さんが、私のこと苦手だったって、話、だよ?」
奏「……そうね。その……収録には使わないって約束をしてくれるなら……」
涼「おー。イイ笑顔だね、小梅」


>>お次は『ヴィジット』
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