スプラトゥーン2のここがイカんと思う。
イカんと思う。
発売を待ちわびSwitch争奪戦を乗り越えて購入したスプラトゥーン2は期待通りの面白さではありますが、主にガチエリアで、血眼になってガチりあって負けたり負けたり負けたりしておりますと、己の未熟さはさておいてゲームそのものに不備めいた部分があるよう感じられてきます。
自身のウデマエでなくそれ以外に原因を求めるのは典型的なアレさではあるけれども。それにしてもなんかこう「勝つにしても負けるにしても一方的なゲームや似た展開が多すぎやしないか……?」と感じられるんですよね。
勝ち負けそのものが問題じゃないんですよ。いやほんとに。
同じ勝つにしても負けるにしても楽しく勝ったり悔しがったりしたいじゃないですか。いやほんとに。
その理由や原因みたいなものを探り探り遊んでいると、なんかこー。ここがダメそこがダメと明確に指定できるような問題でなく、ただそこかしこに違和感として存在し、全体として、ちょっとずつダメな部分が蓄積された結果に「……なんかイカん気がする」という感じのダメさ。
だからかえって根が深そうで、修正されるにしても相当の工事が必要なんじゃねえのかなあという不安はありますが、まあそこはそれとして。
先に大前提を二つ書いておきます。
ひとつは「でも楽しいけどね」という点。諸々の些末枝葉な問題はさておいて基本的に楽しく血みどろインクまみれに暮らしております。
ふたつは「アプデで改善されるだろうけどね」という点。
みっつは「ダイナモはいまのまんまでいいんじゃね」という点。
間違えた。みっつだ。あああとよっつ目もあった。
「基本的にガチエリアの愚痴」です。
特に二つ目のそのうち修正されるだろうねという点は大事で。そもそもブキの修正はリリース直後から8月中旬での実施がアナウンスされていたり、すでにスペシャルゲージの必要値には手が入りました。その点で、今作はこまめにユーザーの声をフィードバックしていく姿勢なのかなとうかがえますし、前作でも様々なステージが様々な形で修正改修を加えられまくりました。
前作でみられたステージ修正を「改修工事」と表現。こういう世界観への配慮は嬉し楽しい。
なのでまあ、この文章を「だから2はダメだ!」みたいな指摘として効力を為さずただ単に「リリースから2週時点だとこんな感じだったんだね」という将来に向けてのメモとしての価値以上にはなんないことを担保するものです。
エリアまでの緩衝地点の存在がイカん。
今回のステージ設計の基本思想なのかな。どのステージにも、自陣・緩衝地帯・エリア・緩衝地帯・敵陣て感じの構成になってるのね。
エリアまでに間がある。この緩衝地帯があるおかげでワンサイドゲームが起きやすくなってるよう感じます。
マップでいうとこのへんね。
前作にも、リスポーン地点とエリアとの間にクッションのようなスペースはままあったけど、今作の一部マップではそれがずいぶんと明確に分かりやすく存在している。
ついでにその地点に諸々の配慮が足りてないように感じられる。
緩衝地帯があると何がイカんのか。
功罪あれどもどっちかというと罪の方が多い気がしますが、要するにエリアを保持している防衛側が有利になります。
少し詳しく言えば防衛側の有利が増すというか。
ただでさえ、エリアをとられた側はカウント進行・リスタートによる迎撃準備などなど諸々のリスクを背負わされて少なからずの不利状況に陥るわけですが、そっからさらにさらに不利を背負わされることとなる。
その理由をざっと列挙しますと。
単純にエリアまで遠くなる。
侵略側は時間制限を背負わされたも同然。要するにただでさえ不利を背負っているわけで、そこからさらに乗り越えなければならない緩衝地帯を用意されてさらに条件が悪くなります。
防衛側の突出がローリスクに。
緩衝地帯のおかげで、敵陣前は防衛側にとってもさほど不利な地形ではなくなりました。なのでみんな前に出る。
前に出て形勢不利となれば逃げればいい。それでも塗り広げることでのスペシャル確保や時間稼ぎは成功し、ローリスクに勝ちへ近づけます。
ついでに緩衝地帯のほとんどは構造上撤退もしやすい地形になってる。その理由は、緩衝地帯は侵略側にとっては侵略地だけど、侵攻側にとっては「通過地点」なんだよね。みんなエリアを取りに行く最初はほぼ必ず緩衝地点を通過するわけで、そこで通りづらかったらゲームのテンポが削がれるからね。
これの何が悪いかって、勝つためにはそれが分かりやすい手なのでみんなそれを選ぶ。
結果的に勝ちパターンも負けパターンも数が絞られてなんか同じ試合展開になりがち。
防衛側もスペシャルを溜める余裕が出てくる。
緩衝地帯という塗り地点があるから当然のことですね。これのおかげで侵略側の数少ない利点である「スペシャルで形勢逆転しやすい」て点が剥奪されてイーブンに。
しかも今回のスペシャルってなんか防衛側が使った方が性能を発揮しやすいのが多くねえ?
センプク待ち伏せされやすくなる。
緩衝地帯という広場の存在は待ち伏せからのキルというこのゲーム特有の強力なアンブッシュの成功率を高めます。
さらに緩衝地帯の存在によって裏取りのリスクが増大しており(後述)、結果、緩衝地帯からの復帰を選ぶイカが増えてこれもまた成功率上昇に寄与。
しかも防衛側はカウントを進めるための時間稼ぎさえできればいいので、相討ちでもかまわない。かなり分のいい戦略なのでそれを選ぶひとも多くなります。
塗りブキとキルブキ格差が生じる。
もちろん緩衝地帯は自陣近くから比較的安全に塗れる地点が用意されています。でも今回それもあんまりないように感じねえ? という点は検証不足なんでいったん置いときますと。
安全に塗れる地点から緩衝地帯を塗りつぶし安全を確保してからの侵攻、というのが復帰時の基本パターンなのは言わずもがなだけど、その点で塗りブキの存在感はあがっています。
けれどもみんながみんなわかばやモデラーを使えるわけではない。じゃあといってガロンやプライムばかりでは押し込まれた時に弱い。
ならばと選ぶのは塗りとキルの両立が可能なブキだよな。そう。ヒッセンのことだね。
あと焦ってんのか敵エリアの発光に魂がひかれてるのか緩衝地帯をろくに塗らずにつっこんでく稚魚イカが湧く。
Sランクでも割とみるのはなんなんでしょうね。きみたちはコジャッジくんに「足並みを合わせて進むのが肝要だ」と教えられなかったのかな。
上記の諸々はステージごとに違いは出てきますが大なり小なり存在するイカん点です。
これらが渾然一体となって「緩衝地帯は用意すべきではなかったのでは……?」という気分にさせられます。
何よりも、途中に書いたけど緩衝地帯までの侵略が分かりやすい適解なんでみんなそれを選んで似た試合展開ばかり起きがちて点を問題視したい。
せめて各ステージにもっと安全に塗れる地点を用意するか、緩衝地帯が進行しやすく、しかし撤退はしづらいみたいな投網めいた仕組みでハイリスクミドルターンな感じにしてくれれば……。
他のイカん気がする点を思いつくまま書いていきますと。
一度下りると逃げづらい。
これも一部ステージの話だけど大事な話。前作と比較すると一度下りるとヤるかヤられるかの二択になるステージが多い。そして、下りなければ塗れないステージもまた多い。
緩衝地帯の存在が二つの理由でその印象に拍車をかけてるかな。
- ステージの広さは有限で、緩衝地帯を設けた結果、エリア付近の広さが減らされ逃げ場が少ない。
- 緩衝地帯へは一応、多少、侵略側が踏み込みづらくなっている。
結果的にヤるorヤられるの二択で「逃げる」て選択肢がなくなっているよう感じます。
それって要するに塗りブキの存在価値の低減であり、ヤるorヤられるの二択化は「塗る」という選択肢が割を食うということでこのゲームの特性が削がれることのような気がしませんか。
机上の話になるけど、逃げづらいということはそんだけ数を頼みにした攻勢でゼンメツさせられやすいてことなんだよね。
これがワンサイドゲームが頻発する(ような印象を受ける)理由になってる気もする。
ステージに凹凸がありすぎ。
ほんとは好きなんだけどなあ。高低差のあるステージ。
しかし今作では細かいデコボコがありすぎて、センプクしやすいし、中距離以遠のブキが相対的に弱体化くらってるし、そのうえでヒッセンが環境に合いすぎだ。
要するに、先に有利をとった方がより地形的有利を確保しやすくなってるてことですかね。
エリアの位置おかしくない?
一部のステージだけではありますけどその一部がヒドい。特に造船所ステージはおかしい。お前これ雰囲気だけで設計したんじゃないですかもしかしてってくらいヒドい。
何がひどいかというと見晴らしが良すぎて侵攻ルートがモロバレ。広めの緩衝地帯も含めて防衛側がガン有利過ぎな気がしませんか。
まあ、それはそれで最初の争奪戦でのワンミス即終了というスリルはあるのでそういうゲームと割切ればいいのかも知れないけど……。
おかげで造船所の勝率4割切ってます。
前作だとほぼ全てのステージでエリアは低い位置にあったのに(例外的に団地。アロワナは微妙なとこ)。
何の意図があっての変更なのか理由がわからないレベルでちょっとおかしい。
スペシャルの不整合。あるいはジェットパック一強。
このゲームは塗り広げられた方が強いという特性があるのである意味当然ではあるんだけど、それにしたってほとんどのスペシャルが防衛側が使うと強いのばっかりじゃね?
ジャンプによる精度低減ペナルティって本当に必要?
イカはずいぶんと高軌道なシューターであって、パルクールだのウォールランだの目じゃないレベルで駆け回ります。
そういう多次元なゲームでテンションの高いゲームだからこそ楽しい部分はあるのに、ジャンプ撃ちでの精度悪化てその部分を削いではいないか。
まあ精度劣化は前作でもあったんだけど、今作では細かい段差や障害物が増えたので余計気になる。もちろん、それだけ場所取りや障害物の利用、ジャンプ撃ちと歩き撃ちの使い分けといった玄人レベルの楽しみは増えるから善し悪しな部分ではありますが。あるんだけども。
環境に合いすぎているヒッセン。
まあ修正が約束されてるけどね。
- 長距離武器の相対的弱体化による中距離武器の価値上昇。の中で、同射程内で図抜けているタイマン性能。
- 細かい段差のある中で、障害物を無効化して攻撃できるという特性。
- ジャンプ撃ちによる制度悪化の事実上の適応外。
- 緩衝地帯を奪いやすくする瞬間的な塗り能力。
- 緩衝地帯から敵安全地帯にも攻撃可能という特性。
と、単に強いけどそこからさらに環境に合いすぎてる。まるで公園の池に放たれたブルーギル。
それでも前回初期のローラーに比べたらマシだと思うけどね。ロラコラは文字通りゲームぶっ壊して短射程ブキの存在を駆逐してたから、アレに比べると……比べてもしょうがない話をワキに置いといても、ステージの調整不足という前では問題点としては比較的些細。
などなどなどなど……。
書いてるとどんどん紳士の皮が剥がれ落ちて口から汚めのインクがびちゃびちゃ出てくるのを感じるけどともあれ諸々出し終えてすっきり。
このひとほんとエリアしか遊んでないんだね。
まあ、一度とられると奪い返すのが難しい短時間決着なエリアルールもそれはそれでそういうものと割切れば楽しくなくはないのだけど、でも今のところそれはゲームの短絡化であるよう感じられるのです。それが今後どうなるかはわかんないけど、ともあれリリース直後の印象て点ではメモしておく価値はいずれ出てくるでしょう。オレだけに。
なのでバイトでもしながらアップデートを待ちたいと思います。
それにしてもサーモンランの楽しさこそが、このスプラトゥーンてゲームの構造そのものの強度を証明してるように感じるんですよね。
ほんとサーモンランで長めのCOOPなキャンペーンとか遊びたい。対戦はそれはそれとして切り離してフルプライスなゲームにでもしてくれればL4D2以来の大傑作に列せられること確実だと思うんだけど、マジでどうですかねイカ研究所さん。
L4D2の対戦もあれはあれで良く出来たゲームだったんだよなーと話題がそれ始めたところでぬりたくーるテンタクルー。