大洗女子がなぜその戦車に乗っているかをメタ的に。
ガルパンの選んだ工夫のひとつに、「戦車をキャラクターとして描く」というものがあると思う。
戦車の性能のみならず、それの搭乗員も、個々人を丁寧に描くというよりかはチームとしてひとまとめにしたうえでキャラクターとして扱う。そんな工夫。
であればこそ、国籍問わず集められた大洗女子の戦車たちには、その戦車が選ばれ、その戦車の搭乗員が選ばれた理由がそれぞれにあるはずです。たぶん。
なぜ主人公がⅣ号戦車に乗るのか。なぜバレー部が八九式でなぜ生徒会が38(t)なのか。
そのへんを各戦車の来歴覚え書きをだらだら垂れ流しつつ、探っていきたいと思います。
Ⅳ号戦車 満たされた主人公の器。
戦車大国ドイツにおいて、二次大戦の初めから終わりまで最も多くの戦場を経験した戦車――という大層な肩書きの割に、ドイツには他にティーガーだのパンターだのとあまりに有名で伝説的な存在があったため、主役の座に登ることがそんなになくモブ的立場にいがちな傑作戦車。
Ⅳ号というからにはもちろんⅢ号戦車もいて、本来、ドイツ電撃戦の主役になるはずだったのはそのコだった。
しかしこのⅢ号。開発の遅れなどが影響し対英でも対ソでも対仏でも敵車輌撃破に苦戦してしまう。一方、火力支援というコンセプトで設計されたⅣ号戦車は砲の大型化を受け入れる余裕があった。
二次大戦において急騰した「対戦車」という用兵上の要求を担うため、また、兵器としての配備数を満たすため、砲撃力と生産性とをバランス良く兼ね備えたⅣ号戦車は、数多くの改修を受けながら、機甲師団の主力として第三帝国の滅亡の日まで二次大戦を戦い抜くこととなる――。
と。いうこれらあらましをまとめてみると。
- 将来を嘱望された兄の背後にそっと控えていた弟分。
- しかし兄の失敗を補うために自らが最前線にたつ。
- そして才能を見いだされ、次第にエースとして認めらていく。
- だがそれは苦境に立たされた国を救うために数多くの修羅場を経験するということであり……。
- 自らの力が及ばない戦場にあっても撤退は許されず、最期まで最前線に立ち続けた。
ほら。ものすごい主人公っぽい。
華々しい活躍の陰、という立ち位置がそもそも西住ちゃんっぽいところがあるし、気がつけば主人公という巻き込まれ型もそれっぽく、改修を受けて初期型とは正直別物とまで性能がチューンされていくところなんかロボものの王道そのものじゃないですか。
他にもこのⅣ号ちゃんが主人公機に選ばれるに相応しい車輌だった点があり、
・3人乗りの大型砲塔を実装し、搭乗員によるチームワークの重要さを世に知らしめた戦車(Ⅲ号戦車と同時期だけど)。
・搭乗員の安全性に考慮して脱出口を設けたのか、色んなところがやたらとぱかぱか開く(五人が思い思いのところから顔を覗かせている絵面を連想しよう。
等々。主人公機であることに納得ばかりが先行しますが、誰もが知る花形戦車でなく、敢えてⅣ号を選んだのは水島監督の肝いりだそうで。慧眼と評さざるを得ません。
ちなんで、ある意味では主人公の座を蹴落とされた感じのⅢ号戦車はガルパンでどうだったかというと、マウスの後ろでやーいやーいと粋がってたら流れ弾にあたって退場、というアレだったりする。
M3中戦車リー 7人乗りのかしまし戦車。
失敗戦車……とかいうと色んなひとから怒られる。
実際のとこ、戦場でも賛否両論だったというか、そう扱われるくらいちぐはぐな面の目立つ戦車だったらしい。
まず開発経緯からして少々ちぐはぐ。
二次大戦緒戦、ドイツの電撃戦にびびったアメリカは慌てて戦車開発に乗り出すものの、「対戦車砲とかいう大重量を砲塔に乗っけて、しかもそれを回転させるとか、いきなり開発できるもんなの?」という不安があった。
一方で、ドイツから散々痛い目をあわされている真っ最中のイギリスが「お前んとこの工業力で戦車造ってくれよとっとと」とせっついてくる。
連合国を慌てふためかせるほどに、ドイツ電撃戦の侵攻スピードが当時の常識から大きく逸脱してたという話でもあるかも知れないけど、ともあれ「それじゃあ対戦車砲は限定旋回方式にして、全周型の副砲を乗っけて、ついでにイギリスの注文に応えて通信設備を実装して……」と急造されたのがこのM3中戦車ちゃんだった。
あくまで「まにあわせ」の「その場しのぎ」のつもりだったんだけど、イギリスに急かされたこともあってやたら大量に製造してしまい、様々な国にレンドリースされた結果、色んな戦場に紛れ込んでしまった。
ところ変われば戦争も変わる。その評価がちぐはぐな所以は国によって求める性能に違いがあったからこそ生まれたものらしい。曰く。
- 榴弾を使えるのがいいね!(イギリス戦車が榴弾を使えないことのがおかしい気はする)
- 機械的信頼性高くて故障がないのがいいね!(イギリスの巡航戦車が故障しすぎという話もある)
- 通信装置の質がいいね!(なのでソ連兵はこの戦車から通信機だけ引っぺがして使ってたらしい)
- 牽引車として改造したらすげー使い心地いいよ!(もはや戦車ではない)
悪いところをあげれば。
- 主砲と副砲と用意されたところで指示しきれないし……。
- 対戦車用の主砲なのに旋回させられないから脚で攻めてくるドイツ戦車に太刀打ちできないし……。
- なんかノッポで目立つし的にされるし……。
- ぶっちゃけ七人乗りの棺桶。
等。ついでに、このM3中戦車は日本軍とも交戦経験があるらしく、日本兵からの評価はそのでかさも相俟って畏怖をまき散らす巨人のようにみえたとかどうとか。
場所が変われば戦争って変わるもんですね。
等々と。ちぐはぐさと、6人で登場するかしましさまで含めてその場の雰囲気に生きる一年生チームが搭乗するにとても相応しい車輌(それでも最大搭乗員数まで一人足りない!
それを指揮する澤ちゃんの苦労も偲ばれるところではありますが。
八九式中戦車 飛ぶことをあきらめないアヒル。
惜しい。実に惜しいんだけど。
先にバレー部ことアヒルさんチームの話をしてもいいですかね。
何事も「根性ー!!」で解決する癖のあるキャプテンに率いられるアヒルさんチームは、そのありあまる体育会系気質からか、あるいは廃部という挫折をすでに味わっている為か、どうやら練習量が抜きんでているらしく、戦車道始めたての他チームと同期のはずなのに一歩や二歩ほど抜きんでた練度を作中の折々にみせています。
いちばんわかりやすいのが命中精度。行進間射撃でさえ割とばんばん当ててたりする。
単なる練度だけでなく、バレーの符号を用いたセットプレイの研究も旺盛で、逆境にもへこたれない精神力、命令に忠実なチームプレイ精神、そして性能差を言い訳にせず常に勝利を望む鋼の向上心……。
実際んとこ、悲願かなってバレー部復活したらかなりええとこまで行けるんちゃうかなーと思えるくらいの努力の天才っぷり。
搭乗員の人間的性能という意味では作中屈指の能力を有する彼女たちは、何が惜しいかというと、そりゃもう八九式に乗ってると言うこと自体がもう惜しい。
八九式の何が惜しいか。
まず砲撃力がない。そもそも戦車戦を考慮に入れられてない砲門は弾速に乏しく、装甲を貫くだけの運動エネルギーを得られません。
そんで装甲がない。そもそも重機関銃さえ受け止められないその薄い装甲にかわいらしくびっしりとまとうリベット留めは、被弾により鉄板がたわむとその歪みで弾けて外れ、中で飛び跳ね搭乗員に負傷を負わせる原因にさえなります。
あと速度もでない。戦車に乗っけるにあたって何かと利点の多いディーゼルエンジンを先進的に搭載したはいいものの、ガソリンエンジンと比較して馬力が出せず、何より工業力がまだまだ発展途上だった日本は高出力化も果たせなかったそうで。
さらには改良の余地もない。そうしたキャパシティに不足してると史実で判を捺されている。
要するに、何もかもに欠ける八九式中戦車だけど、それもしょうがない。単純に型遅れな品物なのである。他のガルパン登場車輌が軒並み「二次大戦初期もしくは最中・後期」に開発された車輌なのに、八九式ちゃんはいわゆる戦間期、二次大戦前に開発運用された機種なのである。
誤解を承知で例えるならば、高校生の試合に中学生が参戦してるようなものでしょうか……いや、小学生かも。
「どうやったら活躍できるの?」と放映最中から疑問のあがる勢いな八九式ちゃんだけど、実際んとこ(どこで聞いたか覚えてない話だけど)制作スタッフも「どうやって活躍させよう……」と頭を抱えていたらしい。
当然浮かぶ「そもそもなんで参戦させたの?」て疑問には(これもどこで聞いたか覚えてないんだけど)監督が実際に乗ったことのある車輌だからーというお話が。
しかし、その一方で、性能的にどうしようもない八九式中戦車という車輌が、公式試合で、並み居る傑作選車相手にどうにかこうにか立ち回ってみせるという、そのロマン。
戦車道が持つロマンの一端を担っている戦車であることにはまちがいないでしょう。
まとめると、根性がなければどうすることもできない車輌に、
根性でどうにかしてきたバレー部員が搭乗している。この美しさ。
しかもこのバレー部キャプテンがちびっこなのが、また。
Ⅲ号突撃砲 長所も短所も用兵次第。
通称三突ちゃん。ドイツのⅢ号戦車を突撃砲に改造したからⅢ号突撃砲。
厳密にいうと戦車ではなく、突撃砲。
どう違うのかを一言でいえば「回転砲塔がない」という点さえ抑えておけば大体大丈夫です。大体。例外も多いけど。まあ大体。
同じく砲塔がない戦車でも「駆逐戦車」という形で戦車扱いされてたりもするんだけど、このへんの説明は追々。
旋回式砲塔を持つことの利点は先に述べたとおり。だけど、これを取っ払い、車体に直接大砲を乗っけることはそれはそれで無視できない利点がいくつかあります。
搭載する砲をワンランクでかくしても平気。
簡単に言えば砲塔を取っ払った分だけ重たい大砲を乗っけても大丈夫になるという話。
多少詳しくいうと、砲塔に長く重く攻撃力のある大砲を乗っけたくとも、それを旋回させるメカニズムに相応の負担がかかるのでやはり限界がある。エンジン出力だとかウェイトバランスとかの兼ね合いもあるしね。
軽くなった分だけ装甲を厚くしても平気。
上記のと併せて、要するに、簡単に軽量化可能とまとめてもいいかも。
同じエンジン、同じ車体でも、突撃砲(駆逐戦車)のが装甲厚も砲攻撃力もワンランクアップさせられます。
生産性が上がる。
複雑な砲塔部分のメカニックをすっとばして作れるわけですから。
戦車道にはほとんど関係のない話だけど、兵器としてみるならとても大事な点。
先に、ドイツ機甲部隊において主力を勤めたⅣ号戦車ーみたいな話はしたけれど、それは「戦車に限るなら」という話で、戦闘用車輌という区分でみるならドイツで最も生産された車輌が三号突撃砲になります。
大洗で売れ残ってた理由もたぶんそのへんの割とありふれた車輌だったからじゃないかな。
欠点はやっぱり射角が限られてしまう点でしょうな。
車体ごとキャタキャタキャタと旋回しなきゃ撃ちたい方向へ撃てない。
接近されて側面へ回り込まれたらなかなかどうしようもありません。
要するに、「足回りが不便になる代償に、攻撃力と防御力を向上させた」みたいな性能に収まるわけで、運用の仕方さえ間違わなければツボにはまる性能となっております。
史実の三突ちゃんもそうでした。
敵の侵攻ルートを先読みし、待ち伏せの一撃。
あるいは同ランクの戦車よりも厚い装甲を活かし拠点侵攻。等々。
何せ二次大戦緒戦では敵車輌の重装甲に散々泣かされたドイツ軍です。生産性が高く、かつ対戦車能力の高い砲門を積める兵器となれば大急ぎで開発するに足る存在。
大洗にとっても、戦力が強化されるまでは頭一つ抜き出た砲撃力を持つ車輌であり、「良かった……三突ちゃんが大洗にいてくれて、本当に良かった……」てシーンが少なからずありますね。
策にハマればコスト以上の働きをみせてくれる、という点では、そのへんの戦術史にも造詣の深かろう歴女チームが搭乗するに相応しい車輌ともいえるでしょう。
策を弄しすぎて策に溺れるのはまあご愛敬として。
残りの車輌についてはまた日を改めて。
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tehihi.hatenablog.com
ポケモンコマスターの初心者から中級者向けの攻略話。
読んで字のごとくです。
このゲームにおいてナジャさんがかわいいということよりも大事なことなんてあるのかしらとは思いますが、攻略の基礎部分に関して、なるべく簡便に、このへん意識してるとコマスターがただの運ゲーでなく、戦略次第で十分勝率は変わってくるようになるんじゃないかなー。なるんじゃないかなーという気がする覚え書きみたいなもんを垂れ流していきます。
気長にやろうぜ。
最初に言うことかなコレ。まあ最初にいうことかな……。
今んとこコマスターというゲームの明確な欠点はコレでしょう。とにもかくにもフィギュアもプレートも集めづらい。
手駒が増えると戦略の幅や対策も立てやすくなり、運以外での勝負も通用しやすくなりこのゲームががぜん面白くなってくる……んだけど、そこまでがちょっと遠い。
ガチャを回せば即強くなれるかというとそうでもないのがまた問題に拍車をかけてる感じではあるものの、課金額が即勝率に跳ね返ってくるようなゲームとどっちがマシかと問われたらば……現状もやむなし?
ま。サービス稼働まもないことだし、地道に気長に。
周回そのものはカルロ任せでAIをぺちぺち連打しつつアニメでもみてればなんとかなったりならなかったりするので。
せっかちなひとはプラスパワーはとっとと購入してしまうという手も。それだけ重要かつ基本のプレート。
後で余って後悔する覚悟も必要だけど、早めに入手できていればそれだけこのゲームのコツを掴むのにも役立つかもしれない。
ちなんで、最速でドロップ入手できるタイミングはナジャさんとの対決(2-15)なので、そこまでたどり着いたらプラスパワーをくれるまでスタミナの全てをナジャさんに捧げ続けるのもいい。
(3-3まで進めばベイリーフとプラスパワーの両方を狙えるんでそっちのがオススメだけども)
自分から攻撃を仕掛けることそのものが悪手?
これは図解で。
とおせんぼをしてゴールの道筋を塞ぐゲームにおいて、自ら盤上からコマを取り除き、相手に手番を渡す……ということがどれだけヤバいことかという話。
タイプ相性はないけどポケモン同士の相性はある。
攻撃力もそれらの出目の確率も全て明示されているゲームなので、そのへんしっかり吟味すれば分のいい賭けを選んで目を張っていけるはず(はず)。
だから盤上でぶつける相手の目処を立てておくのが戦略の基礎。まあランクマッチだとあんまり時間かけてるとあっというまに時間切れなんだけどー。
ひとには勝負しなければならないときがある。
例えばナジャさんが「なんだか今宵は、一人でいるには寂しい夜じゃのう……そうは思わんか……?」とかささやきかけて来たときとかですかね。
コマスターは基本的に攻撃を仕掛けるのはリスキーなゲームだけど、待ちの一手ばかりでは有利な戦況を形作られてあっというまに追い込まれてしまいがち。
だからこそ先手を打って出る。自らリスクを選択する、ということは、数あるリスクの中から有利なリスクを自ずから選択できるということ(ビジネス書っぽい言い回しだな。
もしかするとコマスターでは、バトルに勝つ公算を立てることよりも、バトルで負けた場合のリスクをコントロールすることの方が重要なのかも。そうでもないかも。
ともあれコマスターには意外と「自分から仕掛けたバトルで負けてもなんとかなる状況」てのが多かったりする。
例としては以下。
後ろを他のポケモンで埋めてから殴る。
基本。可能なら、後ろのコマが相手に有利とれるようなコマだとなおいいっスね。
特に、お互いコマを出し合っている序盤だとやりやすい。
MP3はMP3というだけでそこそこ強い。MP1はMP1というだけで相当なハンデ。
先に書いた、「動かれても大丈夫そうなやつを殴る」だけど、一転して相手がMP3だと大丈夫なシーンが少なくなり、むしろ即死する危険性さえ増してくるリスキーな相手になる。
MP3という移動力はそれだけでこのゲームの切り札になる強さ……とはいえそれだけにルーレットでの出目にミスが目立ったり、白技の威力が控えめだったりと、反撃で相手を倒しづらい性能になっているのもまた事実。
そのへんはゲームバランスとしての兼ね合いでしょうな。
一方でMP1。MP3の利点と欠点をひっくり返したようなものだけど、それに加えて、いざというときに通せんぼしづらい……という勝敗に直結する弱点も。
デッキにMP1を入れるときは相応の工夫と戦略がなければ、ただ足をひっぱるばっかりなのは意識しておくべきでしょう。
白技使いの本当の強さ。
プラスパワー等の効果を確実に発揮できるので、これを使用すれば同じく白技偏重のポケモンにかなり高い確率で勝てる。
と、一言で言える強さを持ってます。シンプル。
ここで大事なのが、プレートは一部例外をのぞき、攻撃を仕掛ける側にしか使えないということ。
つまり、高い確率で勝てる、という状況は、先に攻撃を仕掛けた側にしか与えられない。
ついでに状態異常になった相手をより確実に退治できるのもアタッカータイプのポケモンやね。
紫技に弱く、はがゆい思いを味わうことの多いのが白技ポケモンだけど、盤上から敵を排除できるという点ではやはりこのゲームの主役たりえる存在。
まあ同じことができる紫技もちらほらあるけどー。
オニスズメどうすんのよ。
公式。
www.youtube.com
とか色々ー。細かく書いていくとキリないので結局は習うよりなれろですかねー。
それでは、ダブルチャンスのコストが2になってくんねえかなとお空に祈りを捧げつつ、さようなら。
ポケモンコマスターを運ゲーと片付けるのはもったいないという話とか。
だって三十路の嫁き遅れのロリババアが「負けた側は何でも言うことをきくというのはどうじゃ?」と迫ってきたうえにいざ勝負して負けたらば「責任をとってもらわねばのう」だの「敗者が勝者に仕えるのは当然じゃろ?」とか言いつつ(おそらく10代の!)主人公の伴侶の座に納まるべくがっちりホールドしてくるナジャとかいうステキ押しかけ女房のいるゲームなんですよ。
ちょっと遊んだだけでアンインストールするにはもったいないじゃないですか。
まあナジャさんがかわいいのは説明するまでもないでいったん置いておくとして。
確かに、バトルの行方がルーレット任せなポケモンコマスターは運に左右される部分がけっこうでっかいゲームです。
けれども、そもそもバトル自体が勝つための一手段に過ぎないことだとか、確率任せな部分も含めて、子細にみていくと良くできたルールだと納得もできつつ初心者攻略にも繋がるはずなので順にお話してってみましょう。
白技・紫技・青技の関係。
さて表示しましたはこの2体のポケモンのルーレットの出目。
片っぽはいわゆる「伝説ポケモン」であり、空間を支配する神とも呼ばれるパルキア大先生。最高のレアリティに相応しく並んだ威力は申し分なく、しかもミスの幅が狭い。
片っぽは、いわゆるポケモンバトルとか知ったこっちゃない感じの永遠のエンジョイ勢ことたんぱんこぞうがよく3体くらいまとめて繰り出してくる序盤の経験値餌なビードルさん。攻撃技はたいあたりのみという原作準拠っぽい仕様は威力10。全てにおいてパルキアに負けてます。
で。単純に考えた場合、この2体のどちらが勝つ可能性がたかいか。
答えは簡単。ビードルがだいたい6割くらいで勝ちます。伝説級に。
ビードルが持っている「どくばり」はルーレットの色が示すとおり「紫技」と呼ばれるワザです。
紫技は、白技の威力がどれだけ強かろうとも無条件で勝てます。
ビードルは約60%の確率で紫技であるどくばりを撃てます。一方、パルキアは、威力こそ優秀なものの白技しか持っていません。つまり、相手が紫技を出したらばパルキアは何をやっても返り討ちにあってしまうということです。
ただ、ここでいう「返り討ちにあう」とは、いわゆる気絶状態になってしまい盤面から取り除かれるということではなく、一方的に状態異常を与えられてターンを終えてしまうということ。逆に言ってしまえば、ビードルは五分以上の確率でパルキアをとおせんぼできるけれど、ビードルもまたパルキアを退かすことはかなり難しいということ。
とはいえ、ポケモンコマスターは相手のポケモンを狩るゲームではありません。
自分のコマを相手陣地のゴールに送り込むゲームです。その点において、互角以上の確率で相手を押しとどめられる、という要素はかなり大きな意味を持ちます。
ついでに解説すると、紫技は青技に必ず負けてしまいます。でも青技って「まもる」とか「かわす」とかの、負けはしないけど勝ちでもない技ばかりなんだよね。
白技 数値で上回ると相手をきぜつ状態にし、盤面から取り除くことができる。
紫技 どくやまひなどの状態異常を相手に与えられる。
青技 勝負を強制的に引き分け状態にできる。
みたいな分類でしょうか。
自分から勝負を仕掛けること自体が悪手……?
コマスターはターン制。先手・後手・先手・後手・先手・後手と交互にコマを動かすゲームです。
そんなもん説明されるまでもないルールではありますが、これに、バトルは常に手番の最後に行われる。という要素を加味してみるととても大事な意味があります。
ポケモン勝負を仕掛ける意味はなにか?
厄介な敵ポケモンをベンチに叩き戻す意味ももちろんありますが、もっと大きな意味があります。
それは、盤面から退かさないとゴールにたどり着けないからです。
ほとんどのポケモン勝負は障害物となっている敵ポケモンを除く為の手段であって、その目的はあくまでゴールにたどり着くため。
そう考えてみると、「ポケモン勝負は常に手番の最後に行われる」というルールの意味が俄然ましてきます。
極端な例で図解してみましょうか。
自分から攻撃した場合。
相手が攻撃してきた場合。
こんな感じ。
要するに「自分から勝負を仕掛けて負けてしまったらば、障害物を取り除いたうえでさらに自由に動かれる」という相当ヤバい状況になるわけです。
逆にいえば「相手から勝負を仕掛けられて負けても割とリカバリーはできたりする」ということであって。
つまり、自分から殴りかかること自体が高いリスクをもちます。それの釣り合いがとれてないとただの悪手になってしまうので、理想はコマを巧みに動かして相手を攻撃せざるを得ない状況に追い込んで「打ってこいよ! ほら、どうしたよ。打ってこいよ!」と誘うことでしょうか。
プレートや状態異常で確率をねじ伏せてみる。
ここまでの話をまとめてみると、
白技しか持ってないポケモンって、青・紫技を持ってるやつに一方的に不利なんだからあんま意味ないじゃん。
ということになりかねない感じはしますが事実はさにあらず。白技は「勝てさえすれば相手をきぜつさせられる」という強力な手段がありつつ、白技だらけのポケモンは「威力増加プレートの効果を最大限に発揮できる」という強みがあります。
基本かつ単純に強いプレートに「プラスパワー」というのがありまして。これは使用した直後にのみ限り白技の威力を30上昇させるという強烈なもの。
これをパルキーとかの攻撃しかできない脳筋タイプのポケモンに使ってあげると、威力50までの白技中心のポケモンを問答無用で撃破できるというステキ性能になります。
これだけリスクマネジメントだのダメージコントロールだのを考えて盤面を詰めて行かなければならないゲームで、確実に相手を撃破できるという手駒のなんと強力なことか。
しかし、このプラスパワーの「使用直後限定」という仕様がネック。一枚使い切りなのに、もしも使用後に紫・青技が出てしまったらばムダになってしまいます。
その点で確実に効果を発揮してくれるのはほんとにありがたい。
威力+30という効果だけでもかなりの効力を発揮する。ということを考えてみると、状態異常のどくの効果「すべてのバトルで威力が-20される」といういやらしさもご理解頂けるはず。すげえうっとうしい。
しかしそのへんは当然バランス調整されていて、その典型例としてはフシギダネとか。
相手を状態異常にできても、その場からの排除できなければあんまり意味はない。そういう時には別のアタッカーなポケモンに任せた方が手っ取り早い。
状態異常はともかく、プレートに関しては「自分から攻撃したときのみ」に効果が発生し、「敵から攻撃されたとき」には選択できないものがほとんどです。
先制攻撃最大のメリットはプレートや状態異常を活かせる……というよりも「自ら攻撃タイミングを選べる」というところかも。
プレートを使うタイミングを見極める。というのがコマスターの面白さの一つだと思うんだけど、現状では新たに入手しづらくてそのへんの面白さに触れづらいのが玉瑕かも。
特にプラスパワーあたりは初期装備でもいいと思うんだけど。
いちばん早くドロップできるタイミングは、二つ目の塔のマスターであるナジャさんのルーレットから貰えるんで、彼女と一昼夜イチャイチャし続けるとか。もしくは三つ目の塔の3番目のCPUから。
めんどくせーって人は配布される石でとっとと買っちゃうのもいいかもしれない。一枚あればそれだけで、勝率も楽しさもだいぶ違ってくると思うので。
まとめに変えて、ポケモンらしさとは何かみたいな。
ポケモン対人戦の面白さをざっくり言ってみると。
勝率を少しでもあげられるための必勝パターンを探し、かつ、想定外の攻撃にも対応できるよう柔軟さとを兼ね備えた理想的な編成を模索しつつ、確率に翻弄されながらも臨機応変にしのぎ、ミスの少ないプレイングを志すー。みたいな。どのへんがざっくりかはわからなくなったけど。
コマスターの感想を検索してみたところ「属性相性もないのにポケモンなの?」て指摘がありました。
確かに属性の要素は薄くなってるけれど、各ポケモンごとに有利・不利な相性は無視できない大きさで存在してます。
それらを意識しつつ、アイツがきたらこのこをぶつける。アイツにはこのこで対処して貰う、アイツには……と、ぶつぶつ頭を悩ませながら、理想的な編成を求め、作戦遂行のためプレイングをがんばる。
この点において、コマスターは確かに、ポケモン的面白さを十二分に発揮できているものと思います。
まあルールという基礎部分がしっかりしてても、いわゆるぶっ壊れキャラがきたりだのハメ手が見つかったりしたらあっさりゲームが成立しなくなっちゃうのが怖いところだし。現状だとコマの数もちょっと足りないかなーという気もするので、ゲームそのものの評価はまだまだ据え置いておきたいところではありますが。
なので、運ゲーと決めつけてスマホを投げ捨てるのをもう少しガマンして、或いはこれはこれでお手軽でいいやと前向きに受け止めて、あるいは確率というどうしようもないものにあらがいながら、ポケモンたちを存分に活躍させられるよう脳みそをしぼってみるのもいいんじゃないでしょうか。
まあそんなこともありますよねー。
バトルボーンのベータテスト版のえーかげんなダメだし。
「ディアブロ的なハックアンドスラッシュをFPSでやったら面白くね?」という誰もが思いつくけれども実現困難な理想を実現させたのがBorderlandsでありその開発元であるGearboxだから、「LoL的なMOBAをFPSでやったら面白くね?」という誰もが思いつくそれをGearboxが手がけたBattlebornとなるとやはり期待せずにはいられない訳です。
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ほらもう登場するキャラがいちいちかっこいい。
ので喜び勇んでバトルボーンのPC版ベータテストに臨んだのだけれど、少々残念ながら評価としては辛めにならざるを得ない。
楽しかったには楽しかったんだけど。
遊んでる最中はヒャッハー! たーのしー! という気分で走り回れるんだけれども、モニタから離れて現実と向き合ってくるとふつふつ沸いてくるゲームへの疑問がだな。
キャンペーンは面白かったんだけどね。
腕や戦術も必要だけどもそれ以上に装備品の質が求められるRPG的要素故に、最終的にはトリガーハッピーの境地にたどり着くしかないボダランと比べると、残機制やハードコアモードが採用されつつ、ザコにさえそれなりに弱点狙撃のエイミングが求められるようになったりと、その内容そのものは確実にボダランより遊び応えがあって正直「もはや任天堂が次を出してくれるかどうかわからない3Dメトロイドの代替としてはこれが理想ではないか」とさえ感じたくらいなんで。
だからその話はおいといて、退陣戦のバーサスモードのこのへんがもうちょっとなんとかなればなあという感想を垂れ流してみます。
わかりやすさがたりない。
これが問題の根幹を為してる気がする。
ルールやキャラクター性能を単純にしろという話ではない。
こちらの行ったアクションへのフィードバックやレスポンスがわかりづらいなあという話であって、要するに、自分の選んだ行為がどれくらい勝利に貢献したかがわかりづらい。これがわかりづらければ、短期目標がわかりづらく、細かな達成感も得られず、何を楽しみにしてゲームに参加すればいいのかが掴みづらく、つまりはゲームそのものを楽しめない。
例えば、選択した行動でどのくらいの経験値を入手できたのかがわかりづらい。
敵プレイヤーを撃ち倒したことでどれくらいの経験値を入手できたのか。
今大量にミニオンを狩ったけどどのくらいの経験値を入手できたのか。
ゲームにおける大目的とはたいていがチームの勝利であり、その達成のために細かな目標を達成し積み立てていく必要がある。
てっとりばやいのは敵プレイヤーをキルすることである。
バトルボーンはMOBAのシステムを踏襲しLvUPのあるFPSだ。Lvがあがればそれだけ敵に有利に立てる。
だからこそ皆大急ぎでミニオンを壊し、瀕死の敵プレイヤーを見つけてはハイエナのごとく群がるわけだけど、そうやって得た経験値がどのくらいもらえたのか、どっさりもらえたのかちょっぴりしかもらえなかったのかがわかりづらい。
大事な要素なのでもちろん表示されてはいる。のだけど、それも画面左端に小さな白文字でポップアップしてすぐ消えるのみだ。
体感的に、ミニオンを狩るよりも敵プレイヤーをキルしたときの方がたくさん経験値がもらえるーってのはたいていのプレイヤーが気がついてはいるだろうけど、実際のとこ、建築物を購入したらばその料金に応じて経験値ももらえるとどれくらいのプレイヤーが気付いていただろうか。
ひとは目標を達成することで達成感・快感を得る。
そんでゲームというのは勝利という大目標に至るまでに小さな目標を積み上げる必要があり、そしてその一つ一つにそれなりの快感を得ることで「やべー。このゲームたのしー」という気分に浸れるのである。
それがわかりづらいってのはけっこうしんどい。
このわかりづらさは経験値だけに留まらず、バトルボーン全体に偏在している。
・建築物に金を費やした結果、どのくらい勝利に近付いたのかわかりづらい。
・敵ミニオンを倒し味方ミニオンを守ったのがどのくらいチームに貢献したのかわかりづらい。
・敵から今なにされてるのか、どんな戦略をとっているのかわかりづらい。
・敵が今どのくらいのレベルに達しているのか、味方がどのくらい強くなってるのか、彼我の戦力差がわかりづらい。
それら情報は一応、もちろん、画面中に表示されはするのだ。しかしそれが足りているかどうかというと……。
これが例えばBattleFieldだと、行為にいちいちポイントが加算されて、チームに貢献できていると、自分は活躍できていると、すごいわかりやすく示してくれるんだけどね。
キルをとったら、味方を回復したら、戦車を修理したら、 敵の位置がわかるレーダーを設置し、その範囲内で味方が敵をキルしたら、等々様々な勝利に貢献できる行動に細かくポイントが加算されて画面中央下部のそこそこ目立つけれどゲームの支障にはならない位置にしっかり表示される。
このポイントを目当てで動けば、自動的にチームの勝利にも繋がるという仕組みだ。わかりやすい。
実際んとこ、獲得した経験値がもっとわかりやすく、それなりに頻繁に表示されるだけでもフィーリングがかなり改善されると思うんじゃが。
建設したタレットがミニオンを倒した際、タレットの建造者に経験値が入るなりパーティに分配されるなりのもっとわかりやすい表示があればプレイヤーの動き方ももっと目的意識が生まれるじゃろう。
とはいえ、現時点でも画面内の情報量の多いゲームではあるんで難しいところかも知れない。
選べる戦略がとぼしい。
もっと端的に言うと「建造物をもっと強くしてもいいんじゃねーの」てことなんだけど。
特に、侵入ルールの方だとそれを強く感じたなー。
マップがそれを意図してるようにも感じたけれど、縦に長いマップの中央地点て両陣営が激しくぶつかり合い、戦局が膠着してしまう。
一応は側面から挟撃や不意討ちは可能な抜け道は用意されてるんだけど、ゲームの仕様として各プレイヤーの耐久力がそこそこあるんで、裏取りやアンブッシュをしたところで殺しきる前に気付かれて、かえって多勢に無勢な状況になってしまう。
だから正面衝突でずっと撃ち合い続ける意外の行動はだいぶ博打で、MOBAという割にはいまいち戦略性がなく、フツーのスポーツライクなシューターと大差がない。
一応、その均衡を破る手段は用意されてて、でっかいミニオンを召喚できたり傭兵を雇えたりはするんだけど、こいつらは基本カタいだけであんま戦力になってくれない上に、縦長で侵入経路の限られた前線に真正面から突っ込んでいくだけなんで、敵としても味方としてもいつもとやることは変わらず「前線に火力を集中させる」以外なんも起きず、ゲームに変化が生まれない。
均衡が崩れづらいのに加えて、逆転が起きづらいという仕様もまたマイナス点だ。
Lvで差が付けばそれだけプレイヤー間の有利不利が生じてしまう。その割に「正面からぶつかり合うのが最善」で「博打を打ちづらい」のと「裏取りをしてもプレイヤーが硬いんでキルしきれない」という仕様のために、時間制限めいっぱいの三〇分をずるずると遊び続けるだけという状況になりがち。
いっそもっとスピーディに、LvUPによる戦力の増強っぷりがドラスティックで、ずがーんと有利不利が生まれていっぺんに勝負が決まるような仕様のがいいんじゃねえのと何度も思った。
溶解ルールはそのへんだいぶマシで、単純に遊ぶ限りじゃ溶解ルールのがずっと楽しかったな。
Lvのもりもりあがった近接キャラから逃げ回りつつ敵のミニオンばかりひたすら狩ってたらポイントが均衡してついに逆転してー、みたいな展開がだいぶあったし。
無責任におもいつく解決策としては、もうちと建造物を強くするとか、グレードアップしたときの性能をもっとあげるとかしつつ、正面衝突の起きるホットスポットのど真ん中とかいい具合な位置にそれを設けて、最初の戦略としてこの建造物の奪い合いという目標を設けるのが手っ取り早いのではなかろうかと思うのよね。
実際、溶解ルールだとミニオンの通り道正面にあったタレットがかなり仕事をしてくれた印象がある(これも前述の「わかりづらい」という問題のせいで印象でしかないんだけど。
そうすりゃ、対人戦は苦手だけど金(シェード)を稼ぐため走り回ります! あるいは、もう敵にLv差で手に負えないヤツがでてきたから建造物にリソース割くしかねえよ。みたいな戦略も生まれるしさ。
でも敵プレイヤーに殺されるのはまだしもNPCな砲台にやられてもストレスが溜まるばっかりじゃねーのと予想もできる。
難しいところだね。
近接キャラつよすぎじゃね。
これはおれがへたなだけというかのうせいもある。
という可能性もあるんだけど、侵入・溶解の両ルールとも、対人戦の他にミニオンの駆除というのも大事な要素になっている。
その点に置いて、瞬間的なダメージ効率のよい近接キャラはミニオンを潰すのも得意であるし、一度近付きさえすれば確実に相手をキルしきれる近接キャラは対人戦においても猛威をふるう。
もうちょい戦略的な話をすると、護衛・駆除すべきミニオンは移動ルートが一定だから、そのゲームルールに従う限りは必ずどこかのタイミングで近接キャラと対峙せにゃならなくなる。ミニオンをほっぽって逃げるという選択を相手に迫れる時点で近接キャラは優位に立てるのだ。
単に近接キャラをNerfしてくれりゃそれで済む話な気もするけど、という一方で、もうちょい他キャラの味付けの方向を殖やしてみるのもいいのではなかろうか。
例えば「撃ち合いは苦手だけど建造物やミニオンならもりもり壊せるぜ!」みたいなキャラとか
「対人戦は得意ですが器械オンチなんで建造物の建築に余計なコストがかかります」みたいなキャラとかさ。
いくつか確認できたギアには「建造した直後数秒間体力回復」的なのもあったけど。
そもそもオレンディちゃんがそんなキャラだったようにも感じる。当てるのが難しい各種攻撃も動く方向の定まってるミニオンだのそもそも動かないタレットにならどっかんどっかん当て放題で瞬間蒸発ー! みたいな。
まあこれもあんまし極端な味付けをしてしまうと、チームでのバランスをとるのが難しくなるけどさ。
そのへんはあの、LvUPで選べるスキルの選択でプレイヤーに選ばせるとかそういう方向でどうにか。
・等々と。
実際のゲーム制作にあたられる方々の苦労や試行錯誤とかガン無視で文句ばかり書いてみたけれど。
最初に書いたとおり、遊んでるときの感触はいいんだけどねー。もう少しツメまできっちりしてくれるよう期待せざるを得ないというか。
そのへんに関しては、ベータテスト真っ最中にキャラバランスの調整を入れたりとか、さらには試験的なランクマッチの導入だとか、対応や改善への姿勢に対しては十分な期待が持てるのではないでしょうか。
話を聞くにクローズドベータの頃に比べると劇的に改善してる部分がけっこうあるって話だし。
ともあれ、大量のアドレナリンと引き替えに睡眠時間をごっそり奪っていくような、そんなゲームに仕上がってくれるよう期待したいところです。
Koume of the NecroDancer ?
白坂小梅は、誕生日の前の夜に夢をみた。
洞窟っぽいけれど、どこか親しみやすい死臭を嗅げば地下墓地以外には思えなくなる。
自然解凍にほど近い体温に胸をさわると、心臓が動いてない。けれど、沸き上がるように響く音楽の、そのリズムが代わりに体を動かしてくれる。
ちょっとかわいい怪物たちも、みんな同じリズムでおどっている。みんな心臓がないのかな。
そしてその足下には、ちらほらと、憧れていたあのひとたちの道具がころがっている(!
ああ、なんてステキな悪夢だろう!
Crypt of the NecroDancer !
www.youtube.com
Crypt of the NecroDancer(クリプト・オブ・ネクロダンサー)はBrace Yourself Gamesが開発するステキハードコアローグライクリズムゲーム。
・アンデッドがたくさんでて。
・しかもリズムゲーム。
小梅ちゃんが登場するのにこれ以上相応しいゲームはそんなにないはず。
ということで小梅ちゃん2016誕生日記念に制作しました小梅ちゃんスキンを公開します。
地下墓地でクリーチャーと、嬉しげに、あこがれの凶器を振り回しながら、戯れる小梅ちゃんをご堪能ください。
簡易取説。
インストール
何らかの手段でクリプトオブネクロダンサー(PC版)を購入し。
インストールフォルダ(だいたい Steam\steamapps\common\Crypt of the NecroDancer\mods )のModsフォルダへ解凍したファイルをぶちこんだ後に、
メニュー画面から該当項目を選択してください。
日本語完備な親切設計なのでかんたんだぜ。
衣装
アイドル衣装には小梅ちゃんにとっての正装。
あるいは特別な力をくれる何か、という象徴として、夢の中に出てくるのだと思えばなんだか感慨深い。
ちまみれパーカー | ||
---|---|---|
かわいい。 | ||
かわいい。 トレードマークのちまみれがあまり表現されてないのは仕様上の都合です。 | ||
スカルダークホラー | ||
防御力が0.5上昇 | ||
小梅ちゃん最初の衣装。それだけによく馴染むけど、それだけに効果はそれなり。 最初にして、小梅ちゃんの持つ様々なフェチズムが’凝縮された傑作衣装。 | ||
ホワイトナイトメア | ||
防御力が1.0上昇 | ||
雪女をイメージした衣装。雪山の山荘は推理小説の専売特許ではないのだ。 | ||
ホワイトウォーターリリィ | ||
防御力が1.5上昇 | ||
納涼浴衣娘の企画で袖を通した衣装。水に透き通る危うさが小梅ちゃんのもつ儚さを際立たせます。 上二つ含めて小梅ちゃん和装シリーズの最上位。性能としては上位互換だけど衣装ごとに込められた思いに性能差なんざねえよというのは言わずもがな。 | ||
スカイウォードネクロマンシー | ||
防御力が2.0上昇 武器の反動や罠の強制移動を阻止 | ||
四月一日だから空言。お空での衣装だからスカイ。 「空の上」というガチな環境で戦ったせいかなんだか本当に不思議な力がこもっているっぽい。舞台装置ではない感じのひとだまとか。 | ||
ハロウィンナイトメア | ||
攻撃力が倍増 防御力が半減 | ||
攻撃力が2倍になり、防御力が半減する特殊な衣装。 これはほんとに13歳がしていい格好だろうか……? という、衣装そのものが持つギリギリの攻めの姿勢が反映されているのでしょうか。 | ||
スターライトステージ | ||
あらゆるダメージを一度だけ無効化する 攻撃を受けると砕ける | ||
あらゆる攻撃を一度だけ無効化するが、一度でもダメージを受けると砕けてしまいガラスの欠片が残るのみ。 シンデレラに相応しい衣装ではあるけれど、魔法がとけないよう振る舞うべきか、魔法がとけてからこそが本番ととらえるかは人それぞれ。 ワンミスで即終了はデレステでフルコンを目指しているときにも似ていると言おうとすればいえなくもないけど別に言う必要もない。 | ||
シンデレラドリーム | ||
コインボーナスに応じて防御力が 0.5~1.5 上昇 | ||
リズムに乗れていると性能が0.5ずつステップアップする特殊衣装。 12時の時計やガラスの靴と同じくらい、階段もまたシンデレラの大事なモチーフではある。 |
武器
凶器とはその存在そのものが象徴。
これら武器で小梅ちゃん自身が戦うのではなく、その象徴が小梅ちゃんを守ってくれるーみたいなイメージでひとつよろしく。
あのこのナイフ | ||
---|---|---|
小梅ちゃんにいつもくっついている「あのこ」は、夢のなかでも彼女を守ってくれる。 基本武器であり性能も攻撃範囲も最低限だけど、飛び道具になったりとツボにはまる瞬間はある。 | ||
クリケットバット | ||
クリケットとかいうイギリス人しか興味のない球技。しかしイギリスはさりげにゾンビ映画大国でもある。 前方3マスを同時に攻撃できる。 | ||
かぎづめ | ||
どこかスタイリッシュな凶器。そういえばあのひとは「ちっちゃいコが大好き」だった。 正面2マスまでを攻撃でき、飛び道具として投擲も可能。 | ||
マチェット | ||
殺害するにしても、身を守るにしてもポピュラーな刃物。立場が変わるだけで同じ行為ではあるのだけど。 正面2マス先までの敵を同時に攻撃できる。 | ||
防火斧 | ||
アナタは「お客さんだよ」派? 「オコンニチハ」派? 火事の際の延焼阻止や、扉を壊すための常備品。ホラーは身近なところから連想できた方が怖いらしい。 通常攻撃の他に、2マス先の敵へ飛びかかって強力な一撃を放てる。 | ||
ビデオテープ | ||
ダビングで増殖するのはいいけれどまさか規格の更新で淘汰されるとは。 ある意味ガチで象徴的な存在になりつつあるけど、最近はインターネットでも増殖するらしいしな。 前列5マスの敵に黒い髪の毛のような何かが攻撃を行う。 | ||
キラートマト | ||
歯があるトマト。総制作費用を「KT」という単位で表す風習を映画界にもたらした伝説的映画。 (例えばアメイジングスパイダーマンはおよそ7600KT。パラノーマルアクティビティは0.5KT) 元気よくとんでいって3マス先までの敵を攻撃できる。 | ||
ボウガン | ||
十分な殺傷力に、射出音が静かで、しかも矢を再利用可能という、特にゾンビアポカリプスにおいて優れたサバイバビリティを発揮する武器。 とはいえ長丁場なドラマシリーズでは視聴者人気=生存率という回避困難なお約束があるあたりどうにも。 装填が必要だけど、前方4マスに貫通攻撃を放てる。 | ||
ワインボトル | ||
ワインボトルで殴りかかるのではありません。香りのいいワインにはおつまみが必要という話です。 すさまじい膂力で飛びかかりながら、前方3マスと両隣を移動しつつ攻撃できる。 | ||
チェーンソー | ||
実は大工道具。 その存在で確かに映画界の一部を変えてしまった作品で極めて印象的に用いられた。それだけに様々なホラーで大人気の凶器。ダンスのお供にも最適だ。 前方3マスと両隣を同時に攻撃でき、しかも敵をノックバックさせる。 |
なんだかコメディっぽいラインナップになった。
ほんとは錆び付いた糸鋸とかもうちょっと追加したかったんだけど!
特殊効果
凶器には様々な効果が加わる場合があります。
それは、同じナイフでも使用前と使用後では意味合いが変わってくるのと似た感じといえるでしょう。
ブラッド | ||
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血まみれになっている武器。ある意味では本来の姿ともいえる。 10キルごとに体力が回復する他、体力が0.5の状態ではすさまじい威力を発揮するようになる。 | ||
ガラス | ||
脆く壊れやすい夢……というとガラスの靴とはすばらしいモチーフだと感じるけれど、誤訳によって生まれた可能性もあるというなんだかすごい話。 武器の攻撃力がかなり高くなるけれど、一度ダメージを受けると砕けてしまう。 | ||
ゴールド | ||
欲望の権化。というと様々な感情の入り乱れるホラーに相応しい材質ともいえる。 その一方で完璧な物質として宗教的に特別視される素材でもあったりしてなかなか複雑だ。 コインを拾った直後のターンに限りあらゆる敵を一撃で倒せる。他、敵が落とすコインがごく僅かに増加する。 | ||
祝福 | ||
祝福、あるいは聖別。持つ者にとっては嬉しく、用いられる対象にとってはより忌まわしいけれど、そうしてみると祝福も呪いも紙一重ではあるよな。 特殊な効果はないが、攻撃力が単純増加する。 | ||
真夜中 | ||
さがしてーいたーのーはー12時ーすぎーのーまーほうー。 60ガチャのことではありません。 シンデレラにとって大事な時刻のことか、それとも単に小梅ちゃんが絶好調な時間帯なだけか。 リズムに乗っていると攻撃力が三段階に上昇する。 |
特殊な武器
効果が付かない・ややレアリティが高いという意味で特殊な武器。
特異な武器という意味ではどれもこれも大差ないよな。
十字架ショットガン | ||
---|---|---|
[f:id:tehihi:20160328222500p:plain]tr> | ||
落ちていたバットと組み合わせ十字架を形作った散弾銃。 これでどうにかなると思う神父も神父だけど、これに怯む吸血鬼も吸血鬼だ。 リロードが必要だが、前方の広い範囲を一度に攻撃できる強力な武器。 | ||
プラズマカッター | ||
真に優れたエンジニアは、目的達成のためならば手段も道具も選ばない。 故障気味で装弾数が少ないのはご愛敬。 リロードが必要だが、前方一直線に極めて遠くまで攻撃できる強力な武器。 | ||
ごきげんなあのこのナイフ | ||
「あのこ」がちょっと本気を出してくれているときのナイフ。 未成年の少女が夜更けに一人でふらふらと心霊スポット探訪を繰り返し、今まで何事もなく過ごせているのは「あのこ」が守ってくれているからかも知れない。 攻撃範囲はナイフと同じだが、威力が極めて上昇している。 | ||
ふきげんなナイフ | ||
「あのこ」がへそを曲げているときのナイフ。 怒らせると怖い。しかも姿をみることも触れることのできない相手ともなれば抵抗さえできない。 攻撃した敵を凍らせ、その状態でさらに攻撃を加えると大ダメージを与えられる。 熱い攻撃を受けると「あのこ」も我に返るらしい。 | ||
いたずらずきなあのこのナイフ | ||
小梅ちゃんと気が合うくらいだから当然いたずら心も持っているのだろう。 相手の防御効果を無視し、さらに見えない敵も攻撃可能になる。 |
攻略のヒント
- ノリ重視のゲームと思わせつつも、しっかりとした習熟が必要なゲームだ。何度も死んでじっくり遊ぼう!
- 気軽に連続プレイできるけど、惰性で遊んでたら上達しないぞ!
- 攻撃力は正義。一撃で倒せる敵が増えればそれだけ厄介な敵に付き合わなくても済むようになる。
- 3以上が攻略が楽になる目安だ!
- 体力回復手段が揃うと格段に楽になるぞ! 攻撃力増加か回復手段増加かは悩みどころだな!
- へいわのほこらを見つけたら積極的に爆破しよう! 爆破後に得られるアイテムがクリアまでのちょっとした近道になるぞ! へいわってなんだろう!
- ターン送りを意識しよう! 壁をムダに掘って待機してみたり、コンボを犠牲にしてもその場に留まった方がいいシーンもある!
- 本Modではストーリーシーンやボイスの差し替えは行われていない! 誕生日公開を目指してたら力尽きた! なのであまり気にするな!
- そのへんももしかしたら今後追加するかも!
- 意図してない不備を発見したら報告してみるのもいいぞ!
- 小梅ちゃんの隠れ目が右目左目と入れ替わるのは仕様!
- 小梅ちゃんはかわいいぞ!
- 小梅ちゃんはかわいいな!
- 小梅ちゃん誕生日おめでとう!
塚口ガルパン行。
そりゃあまあもちろん4DXは観に行くんだけど。県外まで。
兵庫県は姫路まで電車鈍行で片道一時間そこそこという距離は庭みたいなもんなので日帰り上等。距離が近けりゃ移動費も安くあがるのでこれまた上等。加えて姉婿の下宿先に屋根を借りられるとなれば一泊も余裕なわけだから憂いる点はそんなにない。新婚ほやほやの愛の巣を、旅塵と、わざわざ映画を観るためだけに距離を時間へ変換しここまでやってきましたーというオタク臭さで汚すことに抵抗さえなければ。
まあないけど。
しかしその旅程を尼崎まで伸ばすとなれば話はちょっと変わってくる。
尼崎の塚口は一応兵庫県内である。だけど姫路から足を伸ばせばもう一時間。加えて往復。
さらには目的のガールズ&パンツァー劇場版は二時間の上映なもんだから、それを一日のウチに二度観るには物理的限界に引っ掛かってしまう。
あと往路を考えると旅費は二倍になるし。滞在時間が延びれば食費など諸々かかってくるんでめんどくさくなってくる。
問うべきは「そこまでするか?」どうかである。
高嶺の花を摘むべく崖に挑み転がり落ちた青年は恋慕が故に自身の命を犯した。
愛というのは証明の難しいものなのである。
だからオタクは劇場映画の視聴回数を誇り、あるいはグッズを買い漁り、場合次第では二次創作に励み、もしくは自分の愛車を痛くして、作品に労力を費やすことでその愛を有形無形に表現しようとする。
もう既に二度観たアニメ映画を県外まで観に行って、しかも場所を変えてまで続けてもう二度……うーん。
というのはまあ置いとくとして。
もう少し実利的な面を考えてみると。
・ガルパンは古今類を見ないほど「戦車の描写」にこだわった映像作品である。
作品の一部分としてこだわりの戦車描写をみせた作品はかつて数あれど、二次大戦中の戦車たちが、国の彩り様々に、戦車を主役として、ただ純粋に戦車戦のみのために描かれたことなんてたぶんない。おそらく、過大文句でなく空前絶後。
この先、似た作品があらわれてくれるかどうかわからない。私の一生ではただの一度の巡り会いかも知れない。
・ガルパンは戦車描写にこだわった映像作品だが、音響効果という点でやり残しがあると自覚されていた。
戦車砲の砲音はすさまじく、その破裂音で空気はたわみ眼球が圧されて視界が歪むほどだという。音も戦車にとって大事な要素だが、その大音量の表現は、ここまで戦車にこだわった作品ながらも、TVシリーズにおいてあきらめざるを得なかったという。
それが劇場用音響設備という舞台を得て、遂に大音量という表現手段を得たのだ。
劇場での上映作品は入れ替わり続ける。その上映期間を見過ごしてしまうと、滅多なことでは二度目に巡り会えない。
ガルパンを劇場でみることの出来る期間は、私の一生ではただの一度かも知れない。
・塚口。もしくは塚口サンサン劇場は小さいながらも様々な工夫を凝らす映画館であるらしい。
今度実施される超重低音上映も小さい劇場だからこそ出来る工夫の一つであるらしく、しかも劇場版制作の音響スタッフが自らやってきて調整を施したものだそうだ。
三ヶ月も以前に封切りされた映画を、シアターを割いて、特別な音響効果を用意して公開される。
もちろん、これを逃したらいつ同じことに出会えるかどうかわからない。二度目なんてあるのだろうか。
それらが私の足の届く距離で起きている。
結論としては、言うまでもなく「行かない方がバカだ」である。
しかも18切符期間だったしね(往復の運賃なんて存在しなかった。
久々の電車旅だけど、平日だということを実感させられるスムーズさで始終着席して移動できた。それでもお供にキャスターのついた旅行鞄を伴っているひとが散見されて、そうだよなー18切符期間だもんなーという妙な充足感が沸いてくる。
阪急電鉄の車両の床の装飾が地味なお洒落さでよかった。
車窓をみると、なんだか兵庫というのは川の多い町だなとか思う。散歩をする分には楽しそうだ。
塚口に降りてすぐにある自販機。
関西圏であることを思い出させる感じの。
誰のファンだろう。
広場。このへんもなんとなく関西っぽい。
昼飯時を少し過ぎての到着で、でもまだランチやってる飯屋さんはたぶんあるよなー。イタリアンなー。アンツィオなー。とメニューをのぞき込んでたらおねーさんに「よろしければどうぞー」と言われたのでほいほい入店した。
うまかった。
イタリア料理店て一人で行くとなんかこうもったいないな。パスタとピザとを同時に食うことはできないし、そんでピザも一種類しか食えないし。
結局選んだのはピザだったけどうまかった。おこげの香ばしさがあるのにあごで引っ張らないと生地を食いちぎれないくらいの弾力があるピザでさ。
周囲にもなんだかイタリア料理店が多かったけど、そういや兵庫はパン屋がやたら多くてバターや小麦粉の消費量が相当だと聞いた。パスタもピザも小麦粉料理だしそのへんの文化があるんだろうか。もうちょいと東へ進めばそれがお好み焼きやたこ焼きになり、南に進むとうどんになる?
目的地である塚口サンサン劇場のある塚口さんさんタウンというのは要するに駅ビルである。
客年齢層をだいぶ上に見積もってる感じのブティックや、シャッターのちらほら目立つ食店街など地方の駅ビルに見慣れた風情がありつつ、一号館二号館と並ぶ三号館は上半分がマンションで、文字通りの地域密着っぷりがちょっと独特な雰囲気を作ってた。
塚口サンサン劇場の取り組みの一つに「マザーズディ」という、子連れ鑑賞用の(たぶん子供への刺激が抑えられた)音響設定の上映があったりするみたいだけど、それも納得の立地ではある。
平日らしい景色。
おれみたいななまニートはこういう寂しさと表裏一体にすごしているのである(そうか?
スロープ。
スロォォープ。
むやみにカラフル。
散歩も適当にそろそろ劇場に向かうっスかね。
劇場を見付け、入り口が即シアターにつながる構造に思い及ばずうっかりドアを押したら「開場は上演10分前になりますのでそれまでは地下にあります待合室でお待ちください」と親切に窘められてしまった。すいません。
と、階段をおりたら。
うわ。なんかいる。
四号戦車ちゃんでいいのかな? 直線的なフォルムがいかにもドイツ戦車じゃないですか(お世辞のつもりかな。
段ボールの車体はもちろんだけど転輪もすげーがんばってる。
……映写機のあのフィルムくるくるする部分だったりしないよね? これ。
大洗町のみなさんからのビデオレターが流れる中で、手作り感のあふれる待合室は「今は共感の時代である」て誰かの言葉を思い起こさせる。
設定資料集の他に貼られた劇場名シーン集はネタバレ厳重注意重点な。
劇場版にっしずみちゃーん。……こんなにすごかったっけ。
ロビーに貼られていた写真。「この頃の雰囲気」というものを知らないけれど、ほとんどそのまま引き継いでいるんじゃないかな。
と勝手に想像してしまう。
幕のある映画館だよ。
ボコ劇場の始まりそうな。そういえばウチの近所にも、商店街の中だとかにこういう映画館があったけど数年前にもうなくなってしまったんだよな。
さて。上映開始である。
肝心の超重低音だけど、すげかった。
そもそもが「なんか音量設定まちがえてない?」と思わされる大音量だったのが、花火大会ででっかいのがあがると、その音が直に体にぶつかってくる感触があるけど、あれそのまんまにまでスケールアップ。
破裂音とともに体が圧される圧される。期待される音圧の花形であるカール自走臼砲も観覧者先輩のシーンもガチで椅子ごとビリビリ震える。劇場初見時の、カールの砲撃であがる爆炎に「おいおいこれはいくらなんでもやりすぎじゃねえの……」と思わずこみ上げてきたあの歪んだ笑いが蘇ってくる。
加えてステキなのは設備がいいのか調整が活きてるのか、様々な音がくっきりと判別できる点である。
ガルパン劇場版はBGMもいい仕事してると思うんだけど、劇場用にオーケストレーションされた楽曲と、戦車の出す騒音と、登場人物たちの金切り声とがそれぞれ独立して淀みなく聞き取りやすい。
ガルパンはとにかく情報量が過密な映像作品である。
だから、それら情報の整理が追いつく二周目あたりが本番。あるいは、その情報や小ネタの細かいところを汲み取ることまで含めた娯楽ーみたいに言うことも出来ると思うんだけど、そこにこの、いい具合に誇張されて、いい具合に判別のしやすくなった音響効果が圧する勢いで覆い被さってくる。
センチュリオンのあのかっこよすぎるギュインギュインとなる超信地旋回が、各校のテーマソングのメドレーの最中底抜けに明るいフニクリフニクラと共に軽快に丘をすっ飛んでくるCV33に「ノリと勢いとパスタの国からドゥーチェ参上だー!!」という大見得が、「慌てるな、風船は繊細なんだぞ!!」という制止も聞かず破裂するアヒルさんが、やさぐれた風紀委員がぽりぽりぽりとかみ砕くキュウリの音が。
音が伝えようとした意図がより明瞭に伝わってくる。
例えばそれは、激しく明瞭な砲撃音が、カメラが戦車内部に移ると、装甲を通した分だけ遠く小さく籠もったゴインゴインという響きになるという、音による主観的表現をさらに正確に伝えてきてくれる。より感情移入しやすいしシーンの意図もわかりやすい。
だから、こー。
複数回視聴によって情報が整理できてたせいなのか、
音響効果で伝わりやすくされた情報に刺激されたのか、
爆音で涙腺が破壊されたのか。
どれだかわかんないけどやたら泣けた。泣けた。
結局、作品そのものが変わるわけではない。だから過剰な期待は禁物にせよ、ガルパンという作品が音によって伝えてこようとしてた意思が(より大袈裟に、と表現することも出来るけど、敢えてこう言いたい)より正確に伝わってくる。
その為の優れた舞台装置であることには違いない。
創作作品とは、作り手の意思を、受け手が受け取り解釈して初めてなりたつ娯楽である。劇場というのはその両者の間で継ぎ手を行う役割だ。その意味において、より正確に伝えるための舞台を整えてくれた塚口サンサン劇場は、受け渡し役として、上映館として素晴らしい役目を果たしてくれたのだと思う。
なんか感極まっちゃったよ。
映画を映画館で観る意味みたいなのがなんか理解できた気がする。
鑑賞後にもう一度待合室にいったら、ホワイトボードへの私のらくがきに返信が二つほどついてた。
次の上映がその日の最後の上映だっただけに、開場までまだ一時間近く間があったけど目当ての客がそこそこな人数で(みんな嬉しそうに)待機してた。
追加で戦車戦のこのへんが面白いんじゃないかなという話。
言葉で語らず絵で語る。
ガルパンはそういう作品であります。
選んで黙されたそれら部分をわざわざ掘り起こし語り直すという野暮を犯しているよーな本記事ではありますが、気のせいということにしてもう少しだらだら書き並べます戦車戦のこのへんが面白いと思うポイント。
砲塔の存在がステキ。
舞台設定がファンタジーだろうと和風だろうとついつい戦車を出してしまう某STGメーカーの偉い人いわく
「戦車は、進行方向と関係なく弾を撃てるから素晴らしい」とコメントしてたりするそうですが、さすがの慧眼。
それを可能にするのが全周砲塔という戦車史最大の発明。
人が牽引するには無理のある大砲を、鋼の車両でもって高速で運び、そして360度好きな方向へ砲撃できる。
そいつぁ便利で当然だ。例えばこんな風に、逃げながらだって砲撃できます。
まあ当たらないんだけどさ。
そんでこの砲塔が、実用面だけでなく、『戦車がどの方向にぶっ放したがってるか敵側からもよくわかる』というビジュアルインパクトにも繋がるわけですよ。
そして砲塔の旋回速度そのものも戦車としての性能に数えられます。旋回速度が速ければそれだけ好きな方角に撃ちやすくなるので当然ではありますが、逆に言えば「別の方向へ撃つのに時間がかかる」という戦車の欠点にもなるわけですね。
砲塔の旋回を助ける為に車体そのものも旋回させたりもするわけだけど、この動きの細かさがほんとカワイイ……。
そういや、ガルパンには砲塔のない突撃砲とか駆逐戦車とかに分類される車両も登場しておりますが、こちらはこちらで利点も欠点もあるのだけどそれはそれとして。
一発撃つと次の砲撃に時間が……。
また例によって車両による話だけど。そもそも砲弾の大きさ(重量)からして違うわけだし。
各装填手と各砲弾。たいへん素晴らしい設定画。
とはいえ、二次大戦中の戦車砲は(よほどの例外がない限り)手動による装填。つまり人力なのでそう気楽にほいほい連射できるもんじゃありません。
最大クラスで50kgの重量物をどっこいしょと持ち上げて孔にぶち込むという行為を対戦中に何十回もやんなきゃならない。しかも戦車戦は一撃必殺。わずか数秒の差が決着に繋がることもおそらくは珍しくなく、勝敗は装填手がどれだけ根性をみせられるか次第という場面もまたあるのでしょう。
そして、装填手が根性で込めた弾を、射撃手が気合いを込めて一撃必中を期す。その緊迫感。
このシーンなんかは桃ちゃんのポンコツっぷりが目立ちがちだけど、聖グロリアーナも、全員が無用な射撃をしてしまい(ついでに砲塔も動かして)再装填の時間だけあんこうさんチームに逃げ出す隙を与えてしまう。という形のミスを犯しているわけだ。
車両次第な話をもう少し進めると。弾薬の置き場所というのは戦車を設計するうえで各国の頭を悩ませる要点だったみたい。
うかつな場所に置いたら爆発炎上の火種になるし、かといって奥まった場所に置いたら装填に手間取ってしまう。そのあたりも装填速度に大きな影響を与えていたそうで、こと装填速度に限ってはどこまでもローテクなお話。
操縦や砲撃は戦車そのものの性能によるところが大きいけれど、装填手だけはどうあっても本人の体力勝負なあたり、女子戦車道という武道のなかでも相当な肉体労働担当な役割だと察せられます。
地道な再装填訓練。ガルパンのなかでもトップクラスに好きなワンシーンなのだわ。
性能差ひでえ。
ガルパンは「二次大戦終戦までの戦車なら参加可能」というレギュレーションによりバラエティ豊かに戦車が登場します。
それ故に生じる覆しがたい性能差……と思えるところだけど、現実の二次大戦でもそーいうことはままあったらしい。
フラッグ車と遭遇しても逃げの一手しか打てない八九式の悲哀。
具体的には砲火力と装甲厚による撃破不可能な状況てのが散見されたみたい。
二次大戦の緒戦ではドイツ戦車の火力ではイギリス戦車を破壊することができず、航空機を撃ち落とす為の高射砲を水平発射でブチかましてむりやり貫徹して「高射砲を戦車にぶっ放すの反則じゃね」「戦車砲の通じない戦車持ってくる方が反則じゃね」て皮肉をいいあっただとか。
走攻守全てを兼ね備えたソ連の傑作戦車T-34に直面し、衝撃ありあまった結果バケモノじみた対戦車戦車の製造に手を染めてしまうドイツ軍だとか。
その狂奔により産まれたティーガーは登場当初、連合軍の持つほとんどの装甲を真正面から貫徹し、連合軍の持つほとんどの砲に対し無敵を誇っただとか。
このへんのお話は二次大戦初期から終戦直後までずっと続くので、現実の戦場でさえ「おれが乗ってる戦車じゃあの敵車輌の撃破とか正直ムリ」て状況は実際散見されたんじゃなかろうか。
その所以は、戦車そのものが二次大戦下でもすごい勢いで進化してったが故の話でもありますが、その一方で、無敵のティーガーに対して「アレに対抗できる戦車を設計・製造するよりかは多少不利でも(=前線の兵隊に犠牲を強いてでも)今の戦車を改良してった方が生産性も維持できるし最終的には有利になるよな」という合理的判断によって根本的な対策が為されなかったからでもあるとか。
つくづく現実にはロマンが足りないけども、それでも勝つために腕と戦術を振り絞らなければならない泥臭さもまた戦車戦の醍醐味があるのでしょう。
でっかい。(相対的に)はやい。
速いつっても当時の戦車で50km後半の速度をだせたら世界最速クラスだったりとか、そもそも不整地を走るのが戦車なので、求められるのは速度よりも重量当たりに対する馬力だとか色々とめんどくさい点はありますが。
にわか知識でみるとガルパンの戦車戦でいちばんフィクションなのが戦車の速度なのかなとか思う。
軽戦車は軽量だからそんだけ速度を出しやすい……と思われがちだけど、実際はエンジンの馬力により、ついでに重たい戦車ほど馬力が必要なんで。最高速度にしても不整地とかを踏破するにしても馬力のある戦車のが軽量な戦車よりも速いことなんざザラだとかどうとか。
史実では10kmくらいしか出せなかったらしい八九式だと思うと相当ファンタジックな光景。
とはいえ戦車道では二次大戦中に培われた技術までの改造なら認められるそうな。
そのへんはともかく。とはいえ。
ドイツが電撃戦とかやらかす以前は戦争の基本移動手段は徒歩。列車で戦場最寄りの駅までみんなで移動してそっからはカチ。
だったのが、戦車と航空機によって人でも馬でもだし得ない速度でガンガン戦線を押し広げたドイツの電撃戦は誰もが体験したことのなかった速度での戦争だったわけで、それの担い手となる戦車はそういう意味ではとんでもない速度だったといえる。
それでなくとも何十トンもの重量を持つ鉄の塊がズギャーッと走ってズガーッと急制動するわけです。その迫力。
しかもそいつは崖を乗り越え、草木をなぎ倒し、家屋を突き抜けて突進してくるわけです。ああ、なんてかわいい。
おうちを突き破っての突進は戦車にとってのたしなみみたいなもんです。
・俯角・仰角という概念。
これもTVシリーズではあまり目立たなかった欠点や長所だけど、劇場版では折々に出てくる概念でした。
砲身を動かせる角度のことです。横にではなく、上下に。
戦車はでこぼこな不整地を走ることが前提で設計された兵器だから、それにあわせてたいていの車輌は、砲口を多少上向けて、或いは下に向けて砲撃できるよう機構が組み込まれています。
でもやはり限界はある。あんまり下向いたらば旋回するときに車体に引っかかっちゃうし、だから急な斜面に車体を乗っけると水平方向に攻撃できなくなったり、或いは、高低差の強い位置に対しては攻撃不可だったりします。
めいっぱいでこんな感じ。
この仰角や俯角を大きくとれる車種だと、稜線や障害物を利用して一方的に攻撃できたり、或いは露出を厚い装甲面だけに抑えつつ砲撃できたりもする。
戦車にも器用・不器用なコがそれぞれ存在するということだね。
画像はWorld of Tanks Wiki*より拝借。
・その他にも……。
戦車はあくまでも兵器なのでただ強けりゃいいってもんでもなく、戦車そのものの性能と、それを大量配備できるだけの生産性との両立が求められたりとか、意外なくらい対人に弱くて、二次大戦中にも携行型の対戦車砲が登場してたり、かのヴィットマンも『対戦車砲の一輛撃破は、戦車二輛の撃破に相当する価値がある』ていうくらい、茂みに隠れた戦車砲が怖かったりとか、諸々あるのだけどもそろそろ戦車戦や戦車道のお話から逸脱してくるので控えておきましょう。
さてたぶん次回はガールズ&パンツァーに出てくる戦車ごとのかわいいポイントについてだらだら語る予定。